令和7年度「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(次期航空機開発等支援事業)」サプライチェーン現代化投資支援
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
航空機産業戦略に基づく国策事業
2024年4月策定の「航空機産業戦略」に直接紐づく補助金であり、日本の航空機産業が国際連携による完成機事業創出を目指す長期ビジョンの一環です。国の産業政策の根幹に位置づけられる重要事業であり、今後の継続的な支援も期待されます。
高レート生産対応のサプライチェーン強化
次期単通路機の月産80機という大量生産に対応するため、重工各社だけでなくサプライヤーを含むサプライチェーン全体の生産能力拡大を支援します。部品加工や特殊工程の高度化・効率化が対象となります。
中小企業に手厚い補助率設定
大企業は1/3以内、中小企業等は1/2以内と、中小企業により手厚い補助率が設定されています。航空機部品サプライヤーの多くを占める中小企業の設備投資負担を軽減し、産業基盤の底上げを図ります。
脱炭素と産業競争力の両立
CO2排出削減に資する先進複合材の適用やエンジンの低燃費化技術を推進しつつ、産業競争力の強化も同時に実現する設計です。GX(グリーントランスフォーメーション)の推進予算として位置づけられています。
新工程認定取得もカバー
設備投資だけでなく、航空機産業特有の品質認定プロセスである新工程の認定取得に要する費用も補助対象です。Nadcap等の国際認証取得コストの負担軽減に活用できます。
ポイント
対象者・申請資格
基本要件
- 日本の航空機産業サプライチェーンに関わるサプライヤー企業であること
- 部品加工や特殊工程等を担う企業が主な対象
- 詳細な応募資格は公募要領を確認のこと
企業規模による区分
- 大企業:補助率1/3以内
- 中小企業等:補助率1/2以内
- 中小企業基本法に基づく中小企業の定義に該当するかを事前確認
事業内容の要件
- 高レート生産を見据えた設備投資であること
- 生産実証に資する取組であること
- 新工程の認定取得に関連する事業であること
- CO2排出削減に資する技術・工程であることが望ましい
経営基盤の要件
- 補助事業を確実に遂行できる経営基盤を有すること
- 航空機産業における事業実績や技術力が評価の対象となる
- 経済産業省からの補助金停止措置等を受けていないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事業概要の把握と自社適合性の確認
公募要領を入手し、補助対象事業の詳細を確認します。自社が航空機サプライチェーンにおいてどのような役割を担い、高レート生産に向けてどのような課題があるかを整理しましょう。
ステップ2:投資計画の策定
高レート生産を見据えた設備投資計画を具体化します。導入する設備の仕様、生産能力の向上効果、投資金額の算出を行います。新工程認定が必要な場合はその取得計画も策定してください。
ステップ3:脱炭素効果の明確化
本補助金はGX推進予算に位置づけられているため、設備投資によるCO2排出削減効果を定量的に示すことが重要です。先進複合材の採用や省エネ設備の導入による環境貢献を明確にしましょう。
ステップ4:必要書類の準備
事業計画書、設備仕様書・見積書、決算書類、航空機産業における事業実績の証明書類等を準備します。Nadcap等の認証状況や重工各社との取引実績も示せるよう準備してください。
ステップ5:事務局への相談
一般社団法人低炭素投資促進機構が事務局を務めています。不明点は事務局ウェブサイトのお問い合わせフォームから相談できます。申請前の事前相談を積極的に活用しましょう。
ステップ6:申請と審査対応
jGrantsを通じて申請書類を提出します。申請期間(令和7年9月2日〜10月31日)内に全書類を提出してください。審査ではヒアリングが実施される場合があるため、事業内容を的確に説明できるよう準備しましょう。
ポイント
審査と成功のコツ
高レート生産への具体的対応策
サプライチェーンにおける自社のポジショニング
脱炭素への貢献度
新工程認定の取得計画
事業の継続性と発展性
ポイント
対象経費
対象となる経費
設備投資費(5件)
- 加工設備(CNC工作機械等)
- 検査設備(非破壊検査装置等)
- 特殊工程設備(熱処理炉、表面処理設備等)
- 複合材加工設備
- 自動化・ロボット設備
生産実証費(4件)
- 試作加工費
- 材料費
- 治工具製作費
- 品質試験費
新工程認定取得費(3件)
- Nadcap等認証取得に係る審査費用
- 認証取得のための試験・検査費用
- 認証コンサルティング費用
その他経費(3件)
- 設備設置工事費
- 技術指導費
- 旅費・交通費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 土地・建物の取得費
- 一般的な事務経費・人件費
- 既存設備の通常の維持管理費
- 消費税
- 飲食費・接待費
- 航空機産業以外の用途に使用する汎用設備
- 間接経費のうち事業に直接関係しないもの
よくある質問
Qどのようなサプライヤーが対象ですか?
航空機の部品加工や特殊工程(熱処理、表面処理、非破壊検査等)を担うサプライヤーが主な対象です。重工各社(三菱重工、川崎重工、IHI等)への納入実績がある企業や、航空機産業への参入を目指す企業が想定されています。詳細な応募資格は公募要領をご確認ください。
Q大企業と中小企業で補助率に差がありますか?
はい、大企業は補助率1/3以内、中小企業等は1/2以内と設定されており、中小企業により手厚い支援となっています。自社が中小企業に該当するかは、中小企業基本法の定義に基づいて判断してください。
Q設備投資だけでなく認証取得の費用も対象ですか?
はい、新工程の認定取得に要する費用も補助対象です。航空機産業ではNadcap等の国際品質認証が参入の必須条件となっており、その取得に係る審査費用や試験費用が対象となります。
Q高レート生産とは具体的にどの程度の生産量ですか?
次期単通路機では月産80機相当の高レート生産が想定されています。これは現行の生産レートと比較して大幅な増産であり、サプライチェーン全体での生産能力拡大が必要とされています。
Q航空機産業に新規参入する企業も申請できますか?
詳細は公募要領をご確認いただく必要がありますが、本事業はサプライチェーン全体の生産能力拡大を目的としているため、新規参入企業も対象となる可能性があります。ただし、航空機品質に対応できる技術力や品質管理体制が求められます。事務局への事前相談をお勧めします。
Q脱炭素に関するどのような取組が評価されますか?
CO2排出削減に資する取組として、先進複合材(CFRP等)の適用技術、高効率・省エネルギー生産プロセスの導入、エンジンの低燃費化に対応する部品製造技術などが評価されます。GX推進予算としての位置づけから、環境貢献度は重要な審査ポイントです。
QMRO拠点の整備も対象になりますか?
本補助金の事業目的にはMRO拠点(Maintenance・Repair・Overhaul)の整備を含む一貫した事業実施能力の獲得が含まれています。ただし、本区分「サプライチェーン現代化投資支援」では、主に部品加工や特殊工程のサプライヤーによる設備投資・生産実証が対象です。MRO関連は別の事業区分で支援される可能性があります。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金はGX推進予算(脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金)に位置づけられており、同一設備に対する他の国の補助金との二重受給は原則として認められません。ただし、以下のような組み合わせ戦略が考えられます。 ものづくり補助金との使い分けが有効です。航空機以外の産業向け設備投資にはものづくり補助金を活用し、航空機産業向けの専用設備には本補助金を活用するという棲み分けが可能です。 また、事業再構築補助金を活用して航空機産業への新規参入を図り、参入後の生産能力拡大に本補助金を活用するという段階的なアプローチも検討できます。 地方自治体の産業振興補助金との併用も有効です。特に航空機産業クラスター形成を推進する自治体(愛知県、岐阜県、三重県等)では、独自の支援策が設けられている場合があります。 さらに、研究開発税制(試験研究費の税額控除)との併用で、新工程開発に係る費用の税制面でのメリットも享受できます。人材育成に関しては、人材開発支援助成金を活用して航空機産業に必要な専門人材の育成を並行して進めることも推奨されます。
詳細説明
次期航空機開発等支援事業 サプライチェーン現代化投資支援とは
本補助金は、経済産業省の「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」の一環として、日本の航空機産業サプライチェーンの現代化と生産能力拡大を支援する事業です。2024年4月策定の「航空機産業戦略」に基づき、次期航空機開発プロジェクトへの参画に必要なサプライチェーン全体の強化を目的としています。
事業の背景
世界の航空機需要は長期的に拡大が見込まれており、次期単通路機は月産80機相当の高レート生産が想定されています。日本の航空機産業がこのプロジェクトに参画するためには、機体構造体やエンジン等を製造する重工各社だけでなく、部品加工や特殊工程を担うサプライヤーを含むサプライチェーン全体の生産能力拡大が不可欠です。
同時に、2050年のICAOネットゼロ目標に対応するため、機体構造体の軽量化やエンジンの燃費性能向上などのCO2排出削減に資する技術への投資も求められています。
補助率と対象区分
| 企業規模 | 補助率 |
|---|---|
| 大企業 | 1/3以内 |
| 中小企業等 | 1/2以内 |
対象事業の内容
本補助金で支援される事業は以下の3つの柱で構成されています。
1. 高レート生産を見据えた設備投資
月産80機の大量生産に対応するための製造設備の導入・増強を支援します。CNC工作機械、複合材加工設備、自動化設備など、生産能力と効率を高める設備が対象です。
2. 生産実証
新たな製造技術や生産プロセスの実証を支援します。先進複合材の適用技術や高効率生産に関する実証事業が含まれます。
3. 新工程の認定取得
航空機産業特有の品質認証(Nadcap等)の新規取得や範囲拡大に要する費用を支援します。国際的に認められた品質認証はサプライチェーン参画の必須条件です。
航空機産業戦略との関連
2024年4月策定の「航空機産業戦略」では、以下の方向性が示されています。
- 新たな市場と既存市場のボリュームゾーンの双方でインテグレーション能力を獲得
- 従来のサプライヤー構造からの脱却
- 将来的な国際連携による完成機事業の創出
- MRO拠点(整備・修理・分解点検)の整備能力獲得
脱炭素への貢献
本事業はGX(グリーントランスフォーメーション)推進予算に位置づけられており、CO2排出削減に資する以下の技術が重点分野となっています。
- 先進複合材の適用:CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の軽量素材の採用拡大
- 高効率生産:省エネルギーな製造プロセスの実現
- エンジンの低燃費化:次世代エンジン部品の製造技術
申請の流れ
- 公募要領の入手と応募資格の確認
- 設備投資計画・生産実証計画の策定
- 申請書類の作成
- jGrantsを通じた申請(令和7年9月2日〜10月31日)
- 審査・採択
- 事業の実施と実績報告
問合せ先
事務局は一般社団法人 低炭素投資促進機構です。事務局ウェブサイト(https://www.teitanso.or.jp/)のお問い合わせフォームから相談可能です。