補助金比較インフォグラフィック
室谷さん、最近また地震や台風のニュースが続いてるじゃないですか。うちの会社も「もしもの時どうするか」って話題になってるんですよ。で、補助金で備えられるって聞いて…。
そうそう、これは絶対に知っておくべきテーマですよ。災害・感染症対策の補助金は、「事前の備え」と「被災後の復旧」という2つの軸に分かれていて、それぞれ使える制度が違うんです。
そうです。まず「事前の備え」系は、BCP(事業継続計画)の策定支援や防災設備の導入補助金。「被災後の復旧」系は、能登半島地震みたいな特定の災害後に被災事業者向けに出てくる臨時の補助金です。
なるほど。じゃあ今すぐ使える制度ってどっちになるんでしょう?
中小企業が今日から手を打てるのは断然「事前の備え」系ですね。被災後の臨時補助金は被害を受けてから初めて使えるので、そこだけ頼りにするのは危ない発想で(笑)。
確かに(笑)。被災してから慌てても遅いですもんね。
| カテゴリ | 代表制度 | 主な対象 |
|---|
| BCP・事業継続計画 | 事業継続力強化計画認定(ジギョケイ) | 全国の中小企業 |
| 防災設備・エネルギー | 自立分散型エネルギー設備導入、天然ガス設備 | 企業・自治体施設 |
| 被災事業者支援 | 小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 | 被災中小企業 |
| 工芸品・伝統産業復興 | 伝統的工芸品産業支援補助金 | 被災工芸品事業者 |
| 感染症対策 | 各自治体の感染症対策補助金 | 医療・福祉・事業者 |
種類が結構あるんですね!どれから調べればいいか迷いそう…。
まず「うちの会社は今、被災前なのか被災後なのか」で分けて考えるとすっきりしますよ。被災前なら事前対策、被災後なら臨時の復旧支援に絞る。次のセクションから一つ一つ見ていきましょう!
「ジギョケイ」って名前をたまに聞くんですけど、これ補助金じゃないんですよね?
そうなんです。「事業継続力強化計画(通称ジギョケイ)」は経済産業大臣が認定する計画認定制度で、直接の補助金じゃなく、認定を受けることで他の補助金の審査で加点される仕組みなんです。これがめちゃくちゃ重要で。
例えばものづくり補助金を申請するとき、ジギョケイの認定書があると審査で加点されて採択されやすくなるんです。ざっくり言うと「防災に本気で取り組んでいる会社に補助金を優先的に」という国の方針ですね。採択率が数%は上がると言われてます。
えっ、それすごいじゃないですか!で、認定を受けると他にもメリットがあると聞きましたけど。
はい、3つあります。1つ目が防災設備の特別償却。認定を受けた計画に基づいて取得した設備の取得価額の16%を特別償却できるんです。2つ目が低利融資。日本政策金融公庫の設備資金について基準利率から0.9%引き下げになります。3つ目が信用保証枠の拡大で、別枠で追加保証が受けられます。
自家発電設備、浄水装置、止水板、耐震・制震・免震装置などです。機械装置は100万円以上、建物附属設備は60万円以上が要件になっています。この税制優遇は令和9年3月31日まで適用できます。
じゃあジギョケイの認定を先に取っておいて、その後で設備を買えばトータルで節税できる、ってことですね。
まさに!それが正しい順番です。先に認定取得して、その計画に沿った設備投資をすれば、補助金の採択率UPと設備の節税が同時に狙えます。申請から認定まで約45日なので、設備購入の2ヶ月前には計画を出しておくのがポイントです。
- 補助金審査での加点(ものづくり補助金等)
- 防災設備取得価額の16%特別償却(令和9年3月まで)
- 日本政策金融公庫の設備資金 基準利率▲0.9%
- 信用保証枠の別枠追加(普通保険・無担保保険等)
かかりません!計画書を書いて申請するだけです。経済産業局(地方の経産省の出先機関)に提出する形で、費用ゼロで認定が取れます。面倒なのは計画書の作成ですけど、中小企業診断士やよろず支援拠点に相談すれば手助けしてもらえますよ。次のセクションでは具体的な補助金を見ていきましょう!
BCPの申請フロー図解
今度は実際に被災した事業者向けの補助金を教えてください。
直近で大きかったのは能登半島地震に対応した「
小規模事業者持続化補助金 災害支援枠」ですね。上限200万円、補助率2/3という制度で、石川県能登3市3町(珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町)の被災小規模事業者が対象でした。
200万円って、かなり使えますね!どんな経費に使えるんですか?
機械設備の再取得、店舗・事務所の修繕、販売促進の再起動費用など、事業再建に必要な経費に使えます。通常の持続化補助金と仕組みは同じで、商工会または商工会議所のサポートを受けながら申請する形です。
「商工会のサポートを受ける」っていうのが独特ですよね。必須なんですか?
そうなんですよ。商工会地区の事業者は商工会、商工会議所地区の事業者は商工会議所、という区分けがあって、どちらかのサポートが必須です。初めて申請する人は「うちの地域はどっちだろう」って迷うことがありますが、近くの金融機関や市区町村の商工担当に聞けばすぐわかります。
事業用資産に直接被害を受けた事業者で、さらに一定要件を満たす場合は定額補助(実質全額)になります。要件は公募要領に詳しく書いてありますが、被害程度や再建計画の内容が審査されます。
なるほど。この持続化補助金の災害支援枠、次にまた大きな災害があったら新しい回が出てくるってことですよね。
その通りです。今後も大規模災害が発生すれば、同じ枠組みで新しい公募が出てくる可能性が高いです。だから「今は募集してないけど仕組みを知っておく」ことが超重要なんですよね。被害を受けてから慌てて調べても、締め切りに間に合わないことがある。
3.6億ってすごいですね!これ誰でも使えるんですか?
避難所・防災拠点・病院など、災害時に電力が必要な施設向けです。「停電しても動き続けられる設備を入れましょう」というコンセプトの制度なので、自治体や医療法人が主な申請者になります。民間企業でも防災拠点として認定された施設なら対象になり得ますよ。
環境省の方の「地域レジリエンス・脱炭素化事業」というのも気になりました。
太陽光+蓄電池って、平時は電気代の節約になるし、災害時は停電対策になるし、一石二鳥ですね!
そう!しかも脱炭素の文脈でも使えるので、国の補助金が手厚いんですよ。自治体の担当者や病院・学校の施設管理者にはぜひ知っておいてほしい制度です。
これらの大型エネルギー補助金は年度単位で公募が出ます。2025年度分はすでに受付終了の制度も多いです。次年度(令和8年度)の公募は2026年秋〜冬ごろに始まることが多いので、今から準備しておくのがベターです。
まず「どの設備を入れたいか」の見積もりを複数社から取っておくこと。補助金は採択されてから設備発注が基本なので、費用の目安を掴んでおくことが大事です。あとジギョケイ認定を先に取っておくと、大型補助金の審査でも加点になることがありますよ。
補助率2/3って、50万円の設備なら33万円が補助されるってことですよね。
そういうことです!しかも岡山の場合はBCPを策定した事業者が対象で、ジギョケイ認定があればそのまま申請できるので、ジギョケイを取っておくと道が広がるんですよ。
各都道府県によって制度が違うんですね。自分の県のを調べないといけない。
そこが正直大変なところで(笑)。国の制度のポータル(Jグランツ)だと都道府県別の制度も検索できますし、各都道府県の中小企業支援センターに問い合わせるのが確実です。この記事でも主要な制度は紹介していますが、詳しい条件は変わることがあるのでご確認を。
「伝統工芸品」専用の補助金があるって聞きましたけど、これはどんな制度なんですか?
3/4補助ってすごいですね!どんな経費が対象なんですか?
生産設備の再取得、工房の修繕、原材料の再確保に要する経費が対象です。伝統工芸品の製造は機械化が難しく、職人の技術を支える道具や設備が失われると産業全体が厳しくなる。そういう文化的・産業的価値を守るために補助率が手厚くなっているんです。
確かに、伝統工芸の道具って入手が難しかったりしますもんね。
そうなんですよ。令和8年度版(
ID=73)が現在もアクティブな状態なので、能登地域の伝統工芸事業者の方はぜひ確認してみてください。
「感染症対策」ってカテゴリも入ってますよね。これはコロナ対策みたいな話ですか?
感染症対策はいくつか切り口があって、一つは令和2年以降のコロナ禍で大量に出た補助金。もう一つが医療・看護関係の体制整備です。例えば「
災害時看護体制整備事業」は、東京都が災害支援ナースを送り出す医療機関に協力金を出す制度で、「1日2万円/人」の協力金が支払われます。
はい。あとジギョケイの話で触れましたが、令和2年10月からジギョケイの対象リスクに「感染症」も追加されたんです。コロナ禍の経験を踏まえて、自然災害だけでなく感染症パンデミックへの事前対策もBCPの範囲に含まれるようになりました。
それって感染症対策の設備(空気清浄機とか)も特別償却の対象になるってことですか?
感染症対策に資する設備で、事業継続強化計画に位置づけられているものは対象になり得ます。具体的に何が対象かは経済産業局に確認が必要ですが、幅が広がったのは確かです。
ここまで色々聞きましたが、一覧にしてもらえますか?
こうやって並べると全然種類が違いますね。中小企業が今すぐ手を打てるのは「ジギョケイ」がまず一択って感じですか?
そうですね。どんな業種でも規模でも使える汎用性があるので、まずジギョケイ認定が第一歩です。その後に都道府県独自のBCP補助金を調べる、という順番がおすすめです。
実際に申請するとき、注意すべきことってありますか?
いくつかありますよ。まず大前提として「採択されてから設備発注・工事開始」という後払い構造を理解しておくことです。補助金は基本的に先払いされません。一時的に立て替えが必要になります。
それって資金繰りがきつい被災直後の事業者にはきびしくないですか?
そこは正直きついですよね。だから災害後の臨時補助金を申請する際は、金融機関に「補助金申請中の証明書」を見せて、採択後に補助金が入るまでのつなぎ融資を組み合わせるのが実務上のポイントです。商工会や中小企業診断士に相談すると、こういう資金繰りのアドバイスもしてくれます。
なるほど!採択後の立替期間をどう乗り越えるかも考えないといけないんですね。
あとジギョケイを使って補助金に加点を狙う場合、ジギョケイ認定を受けてからものづくり補助金等に申請する順番が重要です。認定前に申請してしまうと加点されませんから。タイムラインをしっかり組み立てることが大事です。
1まずジギョケイ計画書を作成する(よろず支援拠点・商工会・診断士に相談)
「よろず支援拠点」って聞いたことあるんですが、無料で使えるんですか?
完全無料です!経産省が全国に設置している中小企業向けの相談窓口で、補助金申請の相談から事業計画書の作成まで何でも支援してくれます。都道府県ごとに拠点があって、予約制ですが何度でも無料で相談できますよ。
特に初めて補助金申請する人は絶対に活用してほしいです。書き方のコツや採択されやすいポイントを知ってる専門家がいるので、独力で挑むより確実に採択率が上がります。
災害・感染症対策の補助金は、①「今すぐ使えるジギョケイ認定(費用ゼロ・補助金加点)」と②「特定の災害後に出る臨時補助金(能登型など)」の2本柱です。事業者として一番動きやすいのは①で、認定を取るだけで税制優遇と他の補助金への加点が手に入ります。
「費用ゼロで取れて、他の補助金が有利になる」って、やらない理由がないですよね。
そうなんですよ。ただ計画書の作成が面倒で後回しにしがちなんですよね(笑)。よろず支援拠点か商工会に相談して、一度サポートを受けながら作ってしまえば、後は毎年更新するだけです。
防災は「災害が起きてから考える」のが一番ダメなパターンですもんね。補助金も同じで、「起きる前に使っておく」が正解と。
まさに。「備えは資産です」という感覚で、ぜひ今日から動いてみてください!