災害・感染症対策の補助金・助成金とは?全体像を整理しよう

補助金比較インフォグラフィック
補助金比較インフォグラフィック
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、最近また地震や台風のニュースが続いてるじゃないですか。うちの会社も「もしもの時どうするか」って話題になってるんですよ。で、補助金で備えられるって聞いて…。
室谷

室谷

代表取締役

そうそう、これは絶対に知っておくべきテーマですよ。災害・感染症対策の補助金は、「事前の備え」と「被災後の復旧」という2つの軸に分かれていて、それぞれ使える制度が違うんです。
佐藤

佐藤

編集長

ほんとに?2つの軸ですか。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。まず「事前の備え」系は、BCP(事業継続計画)の策定支援や防災設備の導入補助金。「被災後の復旧」系は、能登半島地震みたいな特定の災害後に被災事業者向けに出てくる臨時の補助金です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ今すぐ使える制度ってどっちになるんでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

中小企業が今日から手を打てるのは断然「事前の備え」系ですね。被災後の臨時補助金は被害を受けてから初めて使えるので、そこだけ頼りにするのは危ない発想で(笑)。
佐藤

佐藤

編集長

確かに(笑)。被災してから慌てても遅いですもんね。
室谷

室谷

代表取締役

補助金の種類を大きく分けるとこんな感じです。
カテゴリ代表制度主な対象
BCP・事業継続計画事業継続力強化計画認定(ジギョケイ)全国の中小企業
防災設備・エネルギー自立分散型エネルギー設備導入、天然ガス設備企業・自治体施設
被災事業者支援小規模事業者持続化補助金 災害支援枠被災中小企業
工芸品・伝統産業復興伝統的工芸品産業支援補助金被災工芸品事業者
感染症対策各自治体の感染症対策補助金医療・福祉・事業者
佐藤

佐藤

編集長

種類が結構あるんですね!どれから調べればいいか迷いそう…。
室谷

室谷

代表取締役

まず「うちの会社は今、被災前なのか被災後なのか」で分けて考えるとすっきりしますよ。被災前なら事前対策、被災後なら臨時の復旧支援に絞る。次のセクションから一つ一つ見ていきましょう!

事前対策の最重要制度:事業継続力強化計画(ジギョケイ)認定

佐藤

佐藤

編集長

「ジギョケイ」って名前をたまに聞くんですけど、これ補助金じゃないんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。「事業継続力強化計画(通称ジギョケイ)」は経済産業大臣が認定する計画認定制度で、直接の補助金じゃなく、認定を受けることで他の補助金の審査で加点される仕組みなんです。これがめちゃくちゃ重要で。
佐藤

佐藤

編集長

加点されるってどういうことですか?
室谷

室谷

代表取締役

例えばものづくり補助金を申請するとき、ジギョケイの認定書があると審査で加点されて採択されやすくなるんです。ざっくり言うと「防災に本気で取り組んでいる会社に補助金を優先的に」という国の方針ですね。採択率が数%は上がると言われてます。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、それすごいじゃないですか!で、認定を受けると他にもメリットがあると聞きましたけど。
室谷

室谷

代表取締役

はい、3つあります。1つ目が防災設備の特別償却。認定を受けた計画に基づいて取得した設備の取得価額の16%を特別償却できるんです。2つ目が低利融資。日本政策金融公庫の設備資金について基準利率から0.9%引き下げになります。3つ目が信用保証枠の拡大で、別枠で追加保証が受けられます。
佐藤

佐藤

編集長

16%の特別償却ってどういう設備が対象ですか?
室谷

室谷

代表取締役

自家発電設備、浄水装置、止水板、耐震・制震・免震装置などです。機械装置は100万円以上、建物附属設備は60万円以上が要件になっています。この税制優遇は令和9年3月31日まで適用できます。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあジギョケイの認定を先に取っておいて、その後で設備を買えばトータルで節税できる、ってことですね。
室谷

室谷

代表取締役

まさに!それが正しい順番です。先に認定取得して、その計画に沿った設備投資をすれば、補助金の採択率UPと設備の節税が同時に狙えます。申請から認定まで約45日なので、設備購入の2ヶ月前には計画を出しておくのがポイントです。

事業継続力強化計画(ジギョケイ)の主なメリット

  • 補助金審査での加点(ものづくり補助金等)
  • 防災設備取得価額の16%特別償却(令和9年3月まで)
  • 日本政策金融公庫の設備資金 基準利率▲0.9%
  • 信用保証枠の別枠追加(普通保険・無担保保険等)
佐藤

佐藤

編集長

これ、認定費用ってかかるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

かかりません!計画書を書いて申請するだけです。経済産業局(地方の経産省の出先機関)に提出する形で、費用ゼロで認定が取れます。面倒なのは計画書の作成ですけど、中小企業診断士やよろず支援拠点に相談すれば手助けしてもらえますよ。次のセクションでは具体的な補助金を見ていきましょう!

被災事業者向け:小規模事業者持続化補助金 災害支援枠

BCPの申請フロー図解
BCPの申請フロー図解
佐藤

佐藤

編集長

今度は実際に被災した事業者向けの補助金を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

直近で大きかったのは能登半島地震に対応した「小規模事業者持続化補助金 災害支援枠」ですね。上限200万円、補助率2/3という制度で、石川県能登3市3町(珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町)の被災小規模事業者が対象でした。
佐藤

佐藤

編集長

200万円って、かなり使えますね!どんな経費に使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

機械設備の再取得、店舗・事務所の修繕、販売促進の再起動費用など、事業再建に必要な経費に使えます。通常の持続化補助金と仕組みは同じで、商工会または商工会議所のサポートを受けながら申請する形です。
佐藤

佐藤

編集長

「商工会のサポートを受ける」っていうのが独特ですよね。必須なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ。商工会地区の事業者は商工会、商工会議所地区の事業者は商工会議所、という区分けがあって、どちらかのサポートが必須です。初めて申請する人は「うちの地域はどっちだろう」って迷うことがありますが、近くの金融機関や市区町村の商工担当に聞けばすぐわかります。
佐藤

佐藤

編集長

定額(全額補助)ってどういう場合ですか?
室谷

室谷

代表取締役

事業用資産に直接被害を受けた事業者で、さらに一定要件を満たす場合は定額補助(実質全額)になります。要件は公募要領に詳しく書いてありますが、被害程度や再建計画の内容が審査されます。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。この持続化補助金の災害支援枠、次にまた大きな災害があったら新しい回が出てくるってことですよね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。今後も大規模災害が発生すれば、同じ枠組みで新しい公募が出てくる可能性が高いです。だから「今は募集してないけど仕組みを知っておく」ことが超重要なんですよね。被害を受けてから慌てて調べても、締め切りに間に合わないことがある。

防災インフラ補助金:天然ガス設備・自立型エネルギー設備

佐藤

佐藤

編集長

設備投資系の補助金も教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

ここが結構面白いんですよ!「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」というのがあって、停電対応型のコージェネレーションシステムや燃料電池、ガスエンジンヒートポンプなどの導入に使える補助金です。上限3億6,000万円、補助率1/2または1/3という大型制度です。
佐藤

佐藤

編集長

3.6億ってすごいですね!これ誰でも使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

避難所・防災拠点・病院など、災害時に電力が必要な施設向けです。「停電しても動き続けられる設備を入れましょう」というコンセプトの制度なので、自治体や医療法人が主な申請者になります。民間企業でも防災拠点として認定された施設なら対象になり得ますよ。
佐藤

佐藤

編集長

環境省の方の「地域レジリエンス・脱炭素化事業」というのも気になりました。
室谷

室谷

代表取締役

あれは公共の避難施設や防災拠点に太陽光発電+蓄電池を入れる補助金ですね。「脱炭素化とレジリエンス強化を同時に」というコンセプトで、環境省が推進しています。地方公共団体が中心ですが、地域の公共性が高い施設の管理者も対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

太陽光+蓄電池って、平時は電気代の節約になるし、災害時は停電対策になるし、一石二鳥ですね!
室谷

室谷

代表取締役

そう!しかも脱炭素の文脈でも使えるので、国の補助金が手厚いんですよ。自治体の担当者や病院・学校の施設管理者にはぜひ知っておいてほしい制度です。

自立分散型エネルギー設備の申請タイミング注意

これらの大型エネルギー補助金は年度単位で公募が出ます。2025年度分はすでに受付終了の制度も多いです。次年度(令和8年度)の公募は2026年秋〜冬ごろに始まることが多いので、今から準備しておくのがベターです。

佐藤

佐藤

編集長

準備って具体的にはどんなことを?
室谷

室谷

代表取締役

まず「どの設備を入れたいか」の見積もりを複数社から取っておくこと。補助金は採択されてから設備発注が基本なので、費用の目安を掴んでおくことが大事です。あとジギョケイ認定を先に取っておくと、大型補助金の審査でも加点になることがありますよ。

都道府県独自の BCP 補助金

佐藤

佐藤

編集長

都道府県独自の制度もあるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい。例えば宮城県の「中小企業等BCP・事業継続力強化計画実践支援補助金」は、BCPや事業継続力強化計画の実践に必要な設備導入費の1/2以内、上限50万円を補助してくれます。備蓄品や少額設備の導入に使いやすい制度です。
佐藤

佐藤

編集長

50万円って、小規模な設備には十分ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。発電機1台買ったり、防災備蓄品をまとめて揃えたりするのに使いやすい金額感ですね。岡山県にも同様の「小規模事業者事業継続力強化補助金(BCP補助金)」があって、上限50万円・補助率2/3と、宮城より補助率が高めです。
佐藤

佐藤

編集長

補助率2/3って、50万円の設備なら33万円が補助されるってことですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そういうことです!しかも岡山の場合はBCPを策定した事業者が対象で、ジギョケイ認定があればそのまま申請できるので、ジギョケイを取っておくと道が広がるんですよ。
佐藤

佐藤

編集長

各都道府県によって制度が違うんですね。自分の県のを調べないといけない。
室谷

室谷

代表取締役

そこが正直大変なところで(笑)。国の制度のポータル(Jグランツ)だと都道府県別の制度も検索できますし、各都道府県の中小企業支援センターに問い合わせるのが確実です。この記事でも主要な制度は紹介していますが、詳しい条件は変わることがあるのでご確認を。

伝統工芸品産業への災害復興支援

佐藤

佐藤

編集長

「伝統工芸品」専用の補助金があるって聞きましたけど、これはどんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)という制度で、令和6年能登半島地震等で被災した伝統工芸品製造事業者向けです。石川・新潟・富山・福井の被災県で、伝統的工芸品産業振興法に基づく指定工芸品を製造している事業者が対象で、上限1,000万円・補助率3/4以内というかなり手厚い制度です。
佐藤

佐藤

編集長

3/4補助ってすごいですね!どんな経費が対象なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

生産設備の再取得、工房の修繕、原材料の再確保に要する経費が対象です。伝統工芸品の製造は機械化が難しく、職人の技術を支える道具や設備が失われると産業全体が厳しくなる。そういう文化的・産業的価値を守るために補助率が手厚くなっているんです。
佐藤

佐藤

編集長

確かに、伝統工芸の道具って入手が難しかったりしますもんね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ。令和8年度版(ID=73)が現在もアクティブな状態なので、能登地域の伝統工芸事業者の方はぜひ確認してみてください。

感染症対策に関連する補助金

佐藤

佐藤

編集長

「感染症対策」ってカテゴリも入ってますよね。これはコロナ対策みたいな話ですか?
室谷

室谷

代表取締役

感染症対策はいくつか切り口があって、一つは令和2年以降のコロナ禍で大量に出た補助金。もう一つが医療・看護関係の体制整備です。例えば「災害時看護体制整備事業」は、東京都が災害支援ナースを送り出す医療機関に協力金を出す制度で、「1日2万円/人」の協力金が支払われます。
佐藤

佐藤

編集長

医療機関向けの制度なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。あとジギョケイの話で触れましたが、令和2年10月からジギョケイの対象リスクに「感染症」も追加されたんです。コロナ禍の経験を踏まえて、自然災害だけでなく感染症パンデミックへの事前対策もBCPの範囲に含まれるようになりました。
佐藤

佐藤

編集長

それって感染症対策の設備(空気清浄機とか)も特別償却の対象になるってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

感染症対策に資する設備で、事業継続強化計画に位置づけられているものは対象になり得ます。具体的に何が対象かは経済産業局に確認が必要ですが、幅が広がったのは確かです。

補助金の横断比較テーブル

佐藤

佐藤

編集長

ここまで色々聞きましたが、一覧にしてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、代表的な制度を一覧にまとめました。
制度名対象者上限額補助率状況
事業継続力強化計画(ジギョケイ)認定中小企業全般税制16%特別償却常時受付
小規模事業者持続化補助金 災害支援枠(能登)被災小規模事業者200万円2/3 〜 定額終了(次回に注目)
伝統的工芸品産業支援補助金(R8年度災害復興)被災伝統工芸事業者1,000万円3/4以内現在受付中
宮城県BCP実践支援補助金宮城県中小企業50万円1/2以内終了(次年度注目)
岡山県BCP補助金岡山県小規模事業者50万円2/3以内終了(次年度注目)
天然ガス利用設備導入支援(R6年度)防災拠点・施設管理者3.6億円1/2〜1/3終了(次年度注目)
環境省レジリエンス・脱炭素事業(R8年度)地方公共団体等終了(次年度注目)
先進的防災技術実用化支援(東京都)東京都内中小企業1,350万円2/3〜1/2終了(次年度注目)
佐藤

佐藤

編集長

こうやって並べると全然種類が違いますね。中小企業が今すぐ手を打てるのは「ジギョケイ」がまず一択って感じですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。どんな業種でも規模でも使える汎用性があるので、まずジギョケイ認定が第一歩です。その後に都道府県独自のBCP補助金を調べる、という順番がおすすめです。

申請のポイント:失敗しないための実務知識

佐藤

佐藤

編集長

実際に申請するとき、注意すべきことってありますか?
室谷

室谷

代表取締役

いくつかありますよ。まず大前提として「採択されてから設備発注・工事開始」という後払い構造を理解しておくことです。補助金は基本的に先払いされません。一時的に立て替えが必要になります。
佐藤

佐藤

編集長

それって資金繰りがきつい被災直後の事業者にはきびしくないですか?
室谷

室谷

代表取締役

そこは正直きついですよね。だから災害後の臨時補助金を申請する際は、金融機関に「補助金申請中の証明書」を見せて、採択後に補助金が入るまでのつなぎ融資を組み合わせるのが実務上のポイントです。商工会や中小企業診断士に相談すると、こういう資金繰りのアドバイスもしてくれます。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど!採択後の立替期間をどう乗り越えるかも考えないといけないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

あとジギョケイを使って補助金に加点を狙う場合、ジギョケイ認定を受けてからものづくり補助金等に申請する順番が重要です。認定前に申請してしまうと加点されませんから。タイムラインをしっかり組み立てることが大事です。
1まずジギョケイ計画書を作成する(よろず支援拠点・商工会・診断士に相談)
2経済産業局に申請、約45日で認定取得
3認定書を持ってものづくり補助金等に加点申請
4補助金採択後、設備発注・工事開始
5完了報告・精算(補助金入金は最後)
佐藤

佐藤

編集長

「よろず支援拠点」って聞いたことあるんですが、無料で使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

完全無料です!経産省が全国に設置している中小企業向けの相談窓口で、補助金申請の相談から事業計画書の作成まで何でも支援してくれます。都道府県ごとに拠点があって、予約制ですが何度でも無料で相談できますよ。
佐藤

佐藤

編集長

それは使わない手はないですね!
室谷

室谷

代表取締役

特に初めて補助金申請する人は絶対に活用してほしいです。書き方のコツや採択されやすいポイントを知ってる専門家がいるので、独力で挑むより確実に採択率が上がります。

まとめ:「備え」の補助金を今から使い倒そう

佐藤

佐藤

編集長

今日の話をまとめると、どうなりますか?
室谷

室谷

代表取締役

災害・感染症対策の補助金は、①「今すぐ使えるジギョケイ認定(費用ゼロ・補助金加点)」と②「特定の災害後に出る臨時補助金(能登型など)」の2本柱です。事業者として一番動きやすいのは①で、認定を取るだけで税制優遇と他の補助金への加点が手に入ります。
佐藤

佐藤

編集長

「費用ゼロで取れて、他の補助金が有利になる」って、やらない理由がないですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ。ただ計画書の作成が面倒で後回しにしがちなんですよね(笑)。よろず支援拠点か商工会に相談して、一度サポートを受けながら作ってしまえば、後は毎年更新するだけです。
佐藤

佐藤

編集長

防災は「災害が起きてから考える」のが一番ダメなパターンですもんね。補助金も同じで、「起きる前に使っておく」が正解と。
室谷

室谷

代表取締役

まさに。「備えは資産です」という感覚で、ぜひ今日から動いてみてください!

今日からできる3つのアクション

室谷

室谷

代表取締役

都道府県別のより詳しい支援制度については補助金・助成金の都道府県一覧ページもあわせてご確認ください。