福岡県で使える災害・感染症対策の補助金・助成金とは


佐藤
編集長
室谷さん、最近また福岡で大雨被害があったじゃないですか。ああいうとき、事業者として使える補助金ってどんな種類があるんですか?

室谷
代表取締役
そうなんですよ、令和7年8月の大雨でも福岡県は動いていて、被災した中小企業向けに「緊急経済対策資金」を1億円上限で低利融資(年1.3%)で提供しています。補助金と融資を合わせて理解しておくと、いざというとき動ける速度が全然違いますよ。

佐藤
編集長
なるほど!補助金だけじゃなくて融資も使えるんですね。

室谷
代表取締役
そうです。まずは全体像を整理しましょうか。「災害・感染症対策」のカテゴリには大きく3つの軸があります。ひとつは「被災後の事業再建」向け、もうひとつは「平時からのBCP・防災準備」向け、そして「エネルギー・インフラの強靱化」向けです。

佐藤
編集長
その3つ、それぞれターゲットが違うんですか?

室谷
代表取締役
全然違います。事業再建系は被災した事業者が対象で、BCP系はまだ災害が来ていない事業者向け、エネルギー系は自治体や大規模施設の管理者が主な対象です。福岡で「今すぐ使いたい」事業者なら、まずBCPの補助金と融資の組み合わせが現実的ですね。

佐藤
編集長
分かりました!では具体的に見ていきましょう。
【事業者向け】BCP・事業継続力強化の補助金

佐藤
編集長
まずBCP系から教えてください。BCPって、そもそも何のことですか?

室谷
代表取締役
Business Continuity Planの略で、事業継続計画ですね。地震や台風、感染症などで被害を受けても、事業を続けられるようにあらかじめ準備しておく計画です。中小企業庁が「事業継続力強化計画」という認定制度を作っていて、認定を取ると各種補助金で加点されたり、金融機関からの評価が上がる効果があります。

佐藤
編集長
認定を取るだけでいいことがあるんですか!

室谷
代表取締役
しかも認定自体は無料で取れます(笑)。ただ認定だけで終わらせず、実際に防災設備を入れるところまでやると補助金が使えます。

佐藤
編集長
具体的にどんな補助金があるんですか?

室谷
代表取締役
たとえば宮城県は令和7年度に「BCP・事業継続力強化計画実践支援補助金」を出していて、補助率1/2、上限50万円で防災設備の導入費用をカバーできます。福岡県にも同様の仕組みがありますし、国の「事業継続力強化計画」の認定をベースにした補助金は全国的に広がっています。詳しくは令和7年度宮城県中小企業等BCP・事業継続力強化計画実践支援補助金を参考にしてみてください。

佐藤
編集長
50万円、それで何ができるんですか?

室谷
代表取締役
備蓄品とか、簡易な非常用電源とか、少額の防災設備の導入ですね。大きな設備投資には向きませんが、「何もやっていない」ゼロの状態から一歩踏み出すには十分な金額です。岡山県も同様に「小規模事業者事業継続力強化補助金(BCP補助金)」という名前で補助率2/3、上限50万円のスキームを作っています(令和7年度岡山県小規模事業者事業継続力強化補助金)。

佐藤
編集長
福岡県独自の補助金もあるんですか?

室谷
代表取締役
福岡県は補助金というより融資で強く支えている感じですね。大雨などの災害が起きると「緊急経済対策資金」として年1.3%、上限1億円の低利融資が使えます。これは罹災証明書さえあれば比較的素早く動けるのが特長です。問い合わせ先は商工部中小企業振興課(092-643-3424)か、各地の中小企業振興事務所です。

佐藤
編集長
補助金と違って融資は返さないといけないですよね。

室谷
代表取締役
そうなんですが、返済期間が10年、据置2年なので被災直後の資金繰りには相当助かります。まず融資で動いて、並行して国の補助金を申請するのが実務的な動き方ですね。
【防災拠点・設備強化向け】エネルギー関連の主要補助金


佐藤
編集長
大きめの設備投資をしたい場合はどんな補助金がありますか?

室谷
代表取締役
いくつかありますよ。まず天然ガス利用設備の導入支援として、コージェネレーションシステムやガスエンジンヒートポンプなど、停電時でも動く設備の導入に対して補助率1/2〜1/3、上限最大3.6億円という大型の補助金があります(令和6年度 災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金)。

佐藤
編集長
3.6億円!すごい規模ですね。

室谷
代表取締役
これは病院とか大型商業施設、自治体の施設向けですね。中小の会社だと環境省の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」という長い名前の補助金が使えます(令和8年度版)。

佐藤
編集長
どういう設備が対象なんですか?

室谷
代表取締役
太陽光発電と蓄電池のセットが典型的ですね。平時は再エネで電気を作りながら、停電になったら蓄電池から供給する仕組みです。対象は地方公共団体やその関連施設が中心ですが、地域の重要インフラであれば民間施設も対象になることがあります。

佐藤
編集長
ふむふむ、防災拠点になるような施設を運営していたら、ということですね。

室谷
代表取締役
そうです。あとは分散型電源として「マイクログリッド」という考え方もあって、地域の電力網を切り離して独立で動かす仕組みの構築を支援する補助金もあります(令和6年度 地域独立系統の構築支援事業)。補助率1/2、上限4億円です。

佐藤
編集長
4億円って、どんな事業者が申請するんですか?

室谷
代表取締役
配電事業者や地域のエネルギー会社が多いですね。福岡だと九州電力系の関連会社とか、自治体が連携した事業体とかが対象になります。中小の一般事業者向けとはちょっとカテゴリが違いますね。

佐藤
編集長
なるほど。じゃあ燃料備蓄の補助金は?

室谷
代表取締役
国の主要補助金まとめ比較
| 補助金名 | 対象 | 補助率 | 上限額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 事業継続力強化計画実践支援補助金 | 中小企業 | 1/2〜2/3 | 50万円 | BCP認定前提 |
| 天然ガス利用設備導入支援 | 施設・事業者 | 1/2〜1/3 | 3.6億円 | 停電対応設備 |
| 地域レジリエンス(環境省) | 自治体・拠点施設 | 定額等 | 上限なし | 太陽光+蓄電池 |
| 分散型エネルギー(マイクログリッド) | 配電事業者 | 1/2 | 4億円 | 地域独立系統 |
| 燃料備蓄推進事業費補助金 | 自治体 | 定額(10/10) | 25億円 | 防災拠点向け |
| LPガス地域防災訓練事業 | 民間団体等 | 10/10 | 300万円 | 訓練費用 |
| 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠) | 小規模事業者 | 2/3 | 200万円 | 被災事業者向け |

佐藤
編集長
災害支援枠の持続化補助金って、福岡でも使えるんですか?

室谷
代表取締役

佐藤
編集長
ということは、まだ公募されていない制度もあるかもしれないんですね。

室谷
代表取締役
そうです。大きな災害が起きたら国や県がかなり素早く特別措置を出してくるので、被災した場合はすぐに地元の商工会議所や中小企業振興センターに連絡するのが正解ですよ。
【感染症対策・事業継続】LPガス・防災インフラ系の補助金

佐藤
編集長
「感染症対策」という意味合いの補助金はどうですか?コロナのときみたいな協力金とか?

室谷
代表取締役
コロナ関連の協力金は今は終了していますね。感染症対策という名目より、今は「事業継続」という括りで支援が出ています。たとえば医療・福祉施設向けには「緊急時介護人材確保・職場環境復旧等支援事業費補助金」というものがあります(東京都版の参考例)。

佐藤
編集長
LPガスの防災訓練の補助金があったんですが、あれは何ですか?

室谷
代表取締役
LPガス業界の話で、石油ガスの地域防災対応体制を整備するための訓練費用を全額補助(補助率10/10、上限300万円)するものです(令和7年度版)。LPガス事業者や石油ガス輸入業者が対象なので、一般の事業者には直接関係ないですが、福岡の九州エリアにもLPガス事業者はたくさんいるので、エネルギー関係の事業者さんは把握しておくといいですよ。

佐藤
編集長
なるほど、業界特化の補助金もあるんですね。

室谷
代表取締役
「都市ガス分野の災害対応・レジリエンス強化に係る支援事業費補助金」というものもありますよ。中小のガス導管事業者向けで、バルブの遠隔制御システムや監視システムの導入費用に補助率2/3〜1/2、上限約1.3億円が出ます(令和7年度版)。
申請のポイントと注意事項
補助金申請前に必ず確認すること
- 罹災証明書・被災証明書は市町村窓口で早めに取得する(融資・補助金の多くで必須)
- 国の補助金は「gBizID(GビズID)」の事前取得が必要な場合が多い。申請には2〜3週間かかる
- 被災後の復旧工事は「証拠写真」を必ず撮っておく。領収書・契約書も全て保管
- 「事業継続力強化計画」の認定は無料で取れ、補助金加点の根拠になる
1まず被害状況を記録し、市区町村から罹災証明書を取得する
3GビズIDを取得していない場合は即座に申請する
4商工会・商工会議所で事業継続力強化計画の認定を相談する
5補助金の申請書類を揃え、締切前に余裕をもって提出する
6採択後は経費執行の記録を丁寧に保管し、実績報告を期日までに行う

佐藤
編集長
GビズIDって何ですか?

室谷
代表取締役
国の補助金申請に必要なアカウントで、法人番号や個人事業主のマイナンバーを使って登録します。電子申請システム(Jグランツ)を使うのに必須で、取得に2〜3週間かかることがあるので、被災前から取っておくのが理想です。

佐藤
編集長
被災してから初めて知って「あ、まだ取ってなかった」ってなりそうですね(笑)。

室谷
代表取締役
ほんとにそのパターンが多いんですよ(笑)。日頃からの準備がすごく重要で、BCP計画の策定とGビズIDの取得は今すぐできることです。
福岡県の相談窓口まとめ
- 商工部中小企業振興課(092-643-3424): 融資・補助金の総合相談
- 福岡中小企業振興事務所(092-622-1040): 福岡市周辺
- 久留米中小企業振興事務所(0942-33-7228): 久留米・筑後方面
- 北九州中小企業振興事務所(093-512-1540): 北九州方面
- 飯塚中小企業振興事務所(0948-22-3561): 飯塚・嘉麻方面
福岡独自の状況と地域特性

佐藤
編集長
福岡ってどんな災害リスクがある地域ですか?

室谷
代表取締役
九州は毎年台風が直撃する可能性が高い地域で、特に福岡は2018年の西日本豪雨でも朝倉市が大きな被害を受けていますよね。令和7年8月の大雨でも被害が出て、県がすぐ緊急融資を動かしました。

佐藤
編集長
朝倉の洪水は本当にひどかったですね。

室谷
代表取締役
あと九州は南海トラフ地震の影響圏にも入っているので、地震対策も意識が高いんです。国が「南海トラフ巨大地震旧鉱物採掘区域防災対策事業」という補助金を出しているのも、その文脈ですね。補助率9/10と手厚くて、調査・工事に対して最大71億円という大型制度です(令和6年度補正版)。さすがに中小企業向けではないですが(笑)。

佐藤
編集長
それは地方公共団体向けですよね(笑)。

室谷
代表取締役
そうそう(笑)。でも地域のインフラが守られることで事業者も守られるので、こういう制度があることは知っておいて損はないです。

佐藤
編集長
福岡で民間事業者が直接申請できる有望な補助金をひとつ挙げるとしたら?

室谷
代表取締役
「事業継続力強化計画」の認定を取って、その計画に基づく設備導入を補助金で申請するというルートが一番現実的で王道です。認定は無料、補助金は50万〜200万円の規模感で、申請難易度も比較的低いので中小企業でも十分狙えます。
まとめ

佐藤
編集長
福岡県の災害・感染症対策補助金を振り返ると、どんな感じですか?

室谷
代表取締役
事業者の立場から見ると3段階ですね。まず「今すぐできること」としてBCP計画の策定とGビズIDの取得。次に「発災後の初動」として福岡県の低利融資(緊急経済対策資金)と商工会への相談。最後に「中長期の設備投資」として天然ガス設備や蓄電池の補助金を狙う、という流れです。

佐藤
編集長
補助金は「知らないと損」の世界ですよね!

室谷
代表取締役
本当にそうで、特に中小企業は資金余力がないので、万一のときに動けるかどうかがそのまま事業の生死に直結します。今回紹介した補助金・融資を参考に、ぜひ事前準備を進めてみてください。福岡県の他の補助金・助成金情報は福岡県の補助金一覧でも探せます。また目的別の補助金は福岡県の目的別補助金もあわせてご参照ください。