福岡県 販路拡大・海外展開 補助金比較表2026年版
室谷さん、うちの会社も「販路拡大したい、できれば海外にも出てみたい」って思ってるんですが、補助金っていっぱいあって何から手をつけていいか全然わからなくて。
あー、それはわかります!(笑)まず整理しておきたいのが、「国内の販路拡大」と「海外展開」では使える補助金がかなり変わるってことです。福岡の事業者さんが使える制度は大きく3種類あって——国の補助金、福岡県独自の補助金、それから福岡市や北九州市など市区町村の補助金——この3階層を把握しておくと動きやすくなります。
補助金は重複申請できるケースも多いので、うまくいけば3つ同時に使えることもある。まず「自分は国内の販路拡大をしたいのか、それとも海外進出が目的なのか」をはっきりさせることが最初のステップですね。
なるほど。じゃあまずは国内販路拡大の話から教えてもらえますか?
国内なら
小規模事業者持続化補助金が最初の選択肢です。上限200万円で補助率2/3、チラシや展示会出展費はもちろん、ECサイト構築や多言語サイト制作も補助対象になります。小規模事業者が対象ですが、福岡では商工会・商工会議所への相談が申請要件になるので、締切の1〜2か月前から動き始めるのがポイントです。
たくさんありますよ!(笑)順番に紹介しますね。まず展示会出展や広告宣伝など、国内での販路開拓全般には
小規模事業者持続化補助金(上限200万円・補助率2/3)が王道。次に、製造業や食品・農業系で本格的な設備投資と合わせて販路を拡大したいなら
ものづくり補助金のグローバル枠が強力です。上限4,000万円で、海外向けの機械装置・システム投資から翻訳費、海外旅費まで対象になります。
ただ採択率が21.9%(直近)とかなり厳しい。単なる「輸出したい」だけではなく、「海外での活動で国内の生産性を高める」という計画の精度が問われます。認定支援機関(中小企業診断士・商工会議所等)との共同作業が実質必須と思っておいてください。
じゃあ、もう少し取り組みやすい規模の補助金はありますか?
事業再構築補助金の「海外進出型」があります。上限1.5億円(中小企業・通常枠の場合)ですが、新たな業種・業態への進出計画が必要。採択率は3〜4割程度で、しっかりとした事業計画書が書ければチャンスはあります。それより使いやすいのがIT導入補助金で、越境ECサイト構築や多言語対応のECプラットフォーム導入なら最大150万円が出ます。
福岡はASEANへのアクセスが地理的にいいので、越境ECとの相性は抜群です。タイ・ベトナム・シンガポール向けに特に強みが出やすい。
国内販路拡大 vs 海外展開 使える補助金の選び方
- 国内展示会・広告・EC構築: 小規模事業者持続化補助金(上限200万円・2/3)
- 海外設備投資・システム化: ものづくりグローバル枠(上限4,000万円・1/2〜2/3)
- 海外進出に向けた新規事業: 事業再構築補助金・海外進出型(上限1.5億円)
- 越境EC・多言語サイト: IT導入補助金(上限150万円・1/2〜3/4)
- 海外の特許・商標取得: 福岡県外国出願補助金 or JETRO外国出願補助金(上限300万円・1/2)
今一番熱いのが福岡県の外国出願補助金(令和8年度)です。受付期間が2026年5月11日から6月12日まで。福岡県内に本社を持つ中小企業が、海外で特許・実用新案・意匠・商標を出願するときの費用の半額(上限300万円)を助成します。窓口は公益財団法人福岡県中小企業振興センターで、jGrantsと郵送の両方で申請できます。
そうです、締切が6月12日なので急いでください!(笑)対象経費は外国特許庁への出願手数料、国内・現地代理人費用、翻訳費用。賃上げ予定企業や働き方改革推進企業には審査上の加点があるので、該当する場合は必ず書類を添付すること。この補助金は毎年公募があって、福岡県は継続的に手厚い支援を続けているんですよね。
毎年あるなら、今回タイミングが合わなくてもまた来年ありますね。
そういうことです。でも今年度の分は今公募中なので、海外出願を考えてる事業者さんはぜひ今動いてほしいですね。詳細は
福岡県外国出願補助金のページで確認できます。
基本的な仕組みは同じで、どちらも外国出願費用の1/2・上限300万円です。違いは対象者で、JETROのほうは全国の中小企業が対象で窓口がJETRO本部、福岡県のほうは福岡県内本社に限定されます。
JETRO外国出願補助金は公募時期がずれることもあるので、両方チェックして早い方に申請する、という使い方もできますよ。
ほんとに、それは盲点になりやすい問題です!JETROが実施する海外侵害対策支援の補助金が3種類あって——模倣品対策支援(上限400万円・補助率2/3)、防衛型侵害対策支援(上限500万円・補助率2/3)、冒認商標無効・取消係争支援(上限500万円・補助率2/3)——と専門性の高い制度が揃っています。
- 海外展開と同時に現地での商標・特許出願を進めること
- 商標を先に抑えられると「冒認出願」になり取り戻しに多大なコストがかかる
- 特に中国・東南アジアでは先願主義のため早期出願が鉄則
- 出願前にJETROや福岡県中小企業振興センターの無料相談を活用すること
福岡県 販路拡大・海外展開補助金 申請の流れ
めちゃくちゃ使えます!JETROは無料で海外市場調査・商談会支援・貿易投資相談をやっていて、ジェトロ福岡(天神)に相談窓口があります。しかも、JETRO相談の実績が補助金申請時の加点要素になるケースもあるんです。補助金申請前にJETROに相談しておくのは実質的に損がない動きです。
加点になるのか!じゃあ先にJETROに行ってから補助金申請、という順番が正解?
その通りです。「JETRO相談→補助金申請」の順番が整合が取りやすいですし、JETROの担当者が補助金の活用方法もアドバイスしてくれることが多いので、一石二鳥です。
2026年はJETRO福岡で「Singaporeチャレンジプログラム」もやってましたよね?
そうです!東南アジア展開を目指すスタートアップ・中小企業をシンガポールに連れていくプログラムで、2025年は6社が参加しています。こういうプログラムと補助金を組み合わせると、海外展開のスピードが一気に上がる。福岡はASEAN向けアクセスが日本の中でも特に優れた拠点なので、この地理的優位性を最大限に活かしてほしいです。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 | 特徴 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 200万円 | 2/3 | 小規模事業者 | 展示会・EC・広告宣伝 |
| ものづくり補助金グローバル枠 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業 | 海外設備投資・旅費 |
| 事業再構築補助金(海外進出型) | 1.5億円 | 1/3〜2/3 | 中小企業 | 新業種・業態進出 |
| IT導入補助金 | 150万円 | 1/2〜3/4 | 中小企業等 | 越境EC・多言語サイト |
| 福岡県外国出願補助金(令和8年度) | 300万円 | 1/2 | 福岡県内中小 | 海外特許・商標取得 |
| JETRO外国出願補助金 | 300万円 | 1/2 | 全国中小企業 | 海外特許・商標取得 |
| JETRO模倣品対策支援 | 400万円 | 2/3 | 全国中小企業 | 模倣品・海賊版対策 |
| JETRO防衛型侵害対策支援 | 500万円 | 2/3 | 全国中小企業 | 権利侵害への対応 |
| JETRO冒認商標対策支援 | 500万円 | 2/3 | 全国中小企業 | 商標冒認取消争 |
| 皮革産業振興対策補助金 | 3,500万円 | 2/3 | 皮革産業事業者 | 皮革産業の販路拡大 |
| 伝統的工芸品産業支援補助金 | 2,000万円 | 公募要領参照 | 伝統工芸産業 | 工芸品の海外展開 |
| 小規模事業者持続化補助金(創業型) | 200万円 | 2/3 | 創業間もない小規模 | 創業期の販路開拓 |
これだけ並べると壮観ですね(笑)自分に合う補助金を見つける方法ってありますか?
「何に使うお金か」で絞るのが一番早いです。展示会出展なら持続化補助金、海外機械投資ならものづくりグローバル枠、特許・商標なら外国出願補助金、模倣品対策ならJETRO侵害対策支援。この4つを頭に入れておけば、まず間違えないですよ。
補助金の申請って難しいイメージがあるんですが、実際どうなんですか?
難易度は補助金によって全然違います。持続化補助金は商工会・商工会議所の「事業支援計画書」をもらえば申請できる比較的シンプルな仕組みで、多くの福岡の事業者さんが活用しています。一方でものづくり補助金・事業再構築補助金は認定支援機関との共同作業が実質必須で、事業計画書の精度が採択に直結します。
GビズIDって聞いたことあるんですけど、必要ですか?
はい!ほぼすべての補助金がjGrants(Jグランツ)経由の電子申請になっていて、そのログインにGビズIDが必須です。取得に2〜3週間かかることがあるので、補助金を申請しようと思ったらまず最初にGビズIDを取得してください。「補助金を申請しよう」と動き出してからGビズIDを申請すると、締切に間に合わなくなるパターンがよくあります。
JETRO福岡またはFukuoka Growth Nexusへの相談(無料・加点効果あり)
商工会議所・商工会への相談(持続化補助金の事業支援計画書取得)
認定支援機関(中小企業診断士等)と事業計画書の作成
jGrantsで電子申請(提出期限の2週間前を目処に準備完了)
採択後に事業を実施→実績報告→補助金受け取り(後払い注意!)
補助金の多くは「先に自分でお金を払い、後から補助される」後払い方式です。事業完了後に実績報告を出して、審査が通ってから入金になります。3〜6か月後入金になることも普通にあるので、資金繰りを無視して動くと痛い目に遭います。補助金分の立替資金を手元に持っておくか、融資と組み合わせる計画を立てておくといいですよ。
- GビズID未取得で締切直前に気づく: 取得に2〜3週間。すぐ取るべき
- 後払いの資金繰り計画がない: 事業完了後3〜6か月後入金が普通。立替資金を確保すること
- 採択後に計画変更を勝手にやる: 採択後に仕様変更すると補助金が取り消しになる可能性。変更は必ず事前に事務局へ確認
- JETRO福岡(天神): 海外市場調査・商談会支援・貿易投資相談(無料)。補助金申請の加点実績にもなる
- 福岡県中小企業振興センター(知的財産支援センター): 外国出願補助金の申請窓口。IP(知財)全般の無料相談も受付
- 北九州市産業経済局: 北九州市中小企業海外展開支援助成金の申請窓口(見本市出展・市場調査)
- 商工会議所・商工会: 小規模事業者持続化補助金の事業支援計画書発行窓口
今日はたくさんの補助金を教えてもらいましたが、改めて一言アドバイスをもらえますか?
まず「何をしたいか」を決める——それだけで補助金選びは8割解決します。国内展示会やEC強化なら持続化補助金、海外特許・商標を取るなら今まさに公募中の福岡県外国出願補助金(締切2026年6月12日!)、本格的な海外設備投資ならものづくりグローバル枠。この3つを基本軸に持っておけばいいです。
福岡ってASEANに近いし、補助金も充実してるし、海外展開にはいい環境ですよね。
ほんとに恵まれた環境だと思います。JETROも県の中小企業振興センターも相談窓口を持っていて、無料で使える支援が充実している。あとは動くかどうかだけですよ(笑)。迷ったらまずJETRO福岡か商工会議所に電話してみてください。それだけで視界が開けることが多いです。