ものづくり補助金とは?補助額・申請枠・条件をわかりやすく解説
目次
この記事で確認できること
- あなたの会社がものづくり補助金の対象かどうか
- 2026年(第23次)の補助額・申請枠の最新情報
- 申請から採択まで何をすればいいか
まず、あなたの状況はどれに当てはまりますか?
- 「製造業じゃないとダメ?」 → 対象業種のセクションへ
- 「うちはいくらもらえるの?」 → 補助額・申請枠のセクションへ
- 「申請条件を確認したい」 → 申請条件ガイドへ
- 「採択率はどのくらい?」 → 採択率ガイドへ
- 「次の締切はいつ?」 → スケジュールガイドへ
ものづくり補助金とは?
新しい設備を入れたい。生産工程を効率化したい。でも投資資金が重い——そんな中小企業の設備投資を国が後押しするのが、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)です。
補助上限は最大3,500万円(大幅賃上げ特例適用時)。2020年の制度開始以来、第23次公募まで継続して実施されており、中小企業庁が直接管轄する主要補助金の一つです。
対象業種——「ものづくり」は製造業だけじゃない {#対象業種}
「ものづくり」という名前から 「製造業だけの補助金」 と思っている方が多いのですが、実際は違います。
対象業種の例:
- 飲食店、宿泊業(新しいシステムや調理機器の導入)
- 小売業(自動化設備・在庫管理システム)
- 農業・林業(スマート農業設備・ドローン活用)
- IT・サービス業(新サービス開発のためのシステム構築)
- 建設業(新工法・設備導入)
要件を満たすのは「革新的な新製品・新サービスの開発に向けた設備投資」をする事業者です。製造業以外の事業者も積極的に活用しています。
個人事業主はものづくり補助金を使える?
個人事業主も申請できます。ただし、法人と比べると審査で不利になるケースがあるため、事業計画書の完成度が特に重要です。申請にはGビズIDプライムが必須で、個人事業主でも取得可能。詳しくは申請条件ガイドを確認してください。
2026年・最新の補助額と申請枠 {#補助額}

2026年2月から第23次公募が開始されています。現在の制度(令和6年度補正予算)では、申請枠は2つです。
製品・サービス高付加価値化枠
革新的な新製品・新サービスの開発に必要な設備投資が対象です。補助上限額は従業員数によって変わります。
通常類型の補助上限:
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 850万円 | 中小:1/2、小規模・再生:2/3 |
| 6〜20人 | 1,000万円 | 1,250万円 | 同上 |
| 21〜50人 | 1,500万円 | 2,500万円 | 同上 |
| 51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 | 同上 |
成長分野進出類型(DX・GX)の補助上限:
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 1,000万円 | 1,100万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 1,750万円 |
| 21〜50人 | 2,500万円 | 3,500万円 |
| 51人以上 | 3,500万円 | 4,500万円 |
例えば、従業員10人の食品製造業が新しい製造ラインのシステムを2,000万円で導入する場合、通常類型なら補助率1/2で最大1,000万円の補助が受けられます。

第23次公募での主な変更点
前回(第22次)から以下が変わっています:
- 給与支給総額の増加目標が引き上げ: 年平均+2.0%以上 → 年平均+3.5%以上
- 事業計画書のページ制限が緩和: A4・5ページ以内 → A4・10ページ以内
- 成長分野進出類型が追加: DX・GXへの投資は補助上限が最大1,000万円増額
- 補助事業実施期間が統一: 交付決定日から2027年4月30日まで(全枠共通)
グローバル枠
海外事業によって国内の生産性を向上させる取り組みが対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 3,000万円(大幅賃上げ特例:4,000万円) |
| 補助率 | 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3 |
| 対象事業 | 海外直接投資・輸出・インバウンド対応・海外企業との共同事業 |
グローバル枠は補助対象経費に海外旅費・通訳翻訳費・広告宣伝費(輸出事業のみ)が加わります。
大幅賃上げ特例と最低賃金引上げ特例
大幅賃上げ特例(補助上限額が引き上げられる): 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上、かつ事業所内最低賃金が最低賃金+50円以上の目標を設定すると、補助上限額が100万〜1,000万円上乗せされます。ただし目標未達の場合は補助金の一部返還があります。
最低賃金引上げ特例(補助率が引き上げられる): 全従業員のうち最低賃金+50円以内で雇用している従業員が30%以上いる事業者は、補助率が1/2から2/3に引き上げられます。
補助額の詳細は、最新の公募要領をものづくり補助金総合サイトで必ず確認してください。
補助額と条件の詳細確認は、次のセクションへ進みましょう。
申請条件(基本要件) {#条件}
ものづくり補助金に申請するには、以下の基本要件を全て満たした3〜5年の事業計画を策定する必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 基本要件① 付加価値額 | 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却)の年平均成長率が+3.0%以上 |
| 基本要件② 賃金増加 | 給与支給総額の年平均成長率が+3.5%以上(第23次)または1人あたり給与が最低賃金の成長率以上 |
| 基本要件③ 事業所内最低賃金 | 事業所内最低賃金が地域最低賃金+30円以上 |
| 基本要件④(従業員21名以上のみ) | 一般事業主行動計画を公表(公表まで1〜2週間) |
申請前の主な準備:
- GビズIDプライムの取得(発行に1〜2週間)
- 事業計画書(第23次はA4・10ページ以内のWEBフォーム入力)
- 決算書・確定申告書(直近2年分)
詳しい申請条件と対象者の確認は申請条件・対象者ガイドへ。
申請フロー

申請から補助金受取まで、おおよそ以下のステップをたどります。
- GビズIDプライム取得(今すぐ)
- 事業計画書作成(公募要領の参考様式をWordで作ってからWEBフォームへ)
- JGrantsから電子申請(第23次締切: 2026年5月8日 17:00)
- 採択審査(約3ヶ月)→ 書面審査通過者は口頭審査
- 交付申請・交付決定(採択後約1ヶ月)← ここから設備発注OK
- 補助事業の実施(2027年4月30日まで)
- 実績報告・補助金受取
申請の詳細手順は申請方法ガイドで解説しています。
採択状況と採択率 {#採択}
ものづくり補助金は申請すれば必ずもらえる補助金ではありません。近年の採択率は30〜35%前後で推移しており、申請者の約3人に2人は落ちています。
直近の採択結果(公式発表より):
| 公募回 | 採択発表日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 19次(高付加価値化枠) | 2025年7月28日 | 5,025 | 1,623 | 32.3% |
| 19次(グローバル枠) | 2025年7月28日 | 311 | 75 | 24.1% |
| 20次(高付加価値化枠) | 2025年10月27日 | 2,276 | 784 | 34.5% |
| 20次(グローバル枠) | 2025年10月27日 | 177 | 41 | 23.2% |
| 21次(高付加価値化枠) | 2026年1月23日 | 1,767 | 615 | 34.8% |
| 21次(グローバル枠) | 2026年1月23日 | 105 | 23 | 21.9% |
採択率が3〜4割ということは、申請した半数以上が落ちているということ。事業計画書の質が採否を分けます。採択されるための事業計画書の書き方・審査ポイントは採択率・採択ポイントガイドで詳しく解説しています。
活用事例
ものづくり補助金は幅広い業種・テーマで採択実績があります。
食品製造業(従業員15人): パン製造の自動化ラインを導入し、1人あたりの生産量を倍増。革新的な新製品の製造工程確立として申請、採択。補助額:約800万円。
飲食業(従業員8人・小規模事業者): 自動調理システムと在庫管理システムを一体導入。省力化による新メニュー開発体制の構築として申請。補助率2/3適用で補助額:約480万円。
農業(従業員12人): 農業向けドローン・センサーシステムを導入し、農薬散布の自動化と収量データの分析体制を構築。スマート農業化として採択。
IT業(従業員30人): 製造業向けの品質検査AIシステムを自社開発するためのサーバー・開発環境を整備。成長分野進出類型(DX)で申請し、補助上限2,500万円を活用。
これらはあくまで事例の傾向であり、同様の内容が必ず採択されるとは限りません。事業計画書の革新性・実現可能性・具体性が採否を決めます。
スケジュール
第23次公募のスケジュール:
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年2月6日(金) |
| 電子申請受付開始 | 2026年4月3日(木)17:00〜 |
| 公募締切 | 2026年5月8日(木)17:00 |
| 採択発表(予定) | 2026年8月上旬 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日〜2027年4月30日 |
過去の公募スケジュールや第24次以降の見通しはスケジュールガイドを参照してください。
よくある質問
Q. ものづくり補助金は製造業しか使えませんか?
使えます。名称に「ものづくり」とありますが、飲食業・農業・IT業・サービス業など幅広い業種が対象です。要件は「革新的な新製品・新サービスの開発に向けた設備投資」であり、業種は問いません。
Q. ものづくり補助金の金額はいくらですか?
従業員数と申請枠によって異なります。通常類型では5人以下が750万円、6〜20人が1,000万円、21〜50人が1,500万円、51人以上が2,500万円が上限です。補助率は中小企業1/2、小規模事業者は2/3です。大幅賃上げ特例や成長分野進出類型ではさらに引き上げられます。
Q. ものづくり補助金の条件は何ですか?
主な条件は3つです。①付加価値額の年平均成長率+3.0%以上、②給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上(第23次)、③事業所内最低賃金が地域最低賃金+30円以上。詳細は申請条件ガイドを確認してください。
Q. 採択後、すぐに設備を発注できますか?
採択されても、交付決定が下りるまで発注できません。交付決定前の発注・支払いは補助対象外になります。採択発表から交付決定まで約1ヶ月かかります。
Q. ものづくり補助金と事業再構築補助金の違いは?
ものづくり補助金は「革新的な設備投資・システム開発」が対象で比較的使いやすい補助金です。事業再構築補助金は新分野展開・業種転換など事業の抜本的な再構築が要件で、より大規模(最大1.5億円)です。設備投資にとどまる場合はものづくり補助金、事業モデルを大きく変える場合は事業再構築補助金を検討するとよいでしょう。
Q. ものづくり補助金の公募要領はどこで見られますか?
ものづくり補助金総合サイトの「公募要領」ページからダウンロードできます。公募回ごとに内容が変わるため、必ず最新のものを確認してください。
申請に向けた最初のステップ
第23次公募の締切は2026年5月8日。今から準備を始めても間に合います。
今すぐやること:
- GビズIDプライムを取得する — 発行に1〜2週間。まだなら今日申請を(GビズID取得サイト)
- 事業計画書の骨格を作る — 「何を導入するか」「どう革新的か」「いくら成長するか」の3点を整理
- 公募要領を読む — ものづくり補助金総合サイトから最新の公募要領をダウンロード
- 申請方法の詳細を確認する → 申請方法ガイド
関連する補助金・制度
設備投資・生産性向上に関連する制度をあわせて確認することをおすすめします。
- IT導入補助金ガイド — ソフトウェア・ITシステム導入に特化した補助金(上限450万円)
- 小規模事業者持続化補助金ガイド — 小規模事業者の販路開拓・生産性向上(上限250万円)
- キャリアアップ助成金ガイド — 従業員の処遇改善と採用に使える助成金
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