ものづくり補助金の採択率はどのくらい?採択されるためのポイント
目次
ものづくり補助金の採択率は約30〜35%
近年のものづくり補助金の採択率は厳しく推移しています。申請者の3人に2人は落ちているのが現状です。
直近の採択結果(公式発表より):
| 公募回 | 採択発表日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 19次(高付加価値化枠) | 2025年7月28日 | 5,025 | 1,623 | 32.3% |
| 19次(グローバル枠) | 2025年7月28日 | 311 | 75 | 24.1% |
| 20次(高付加価値化枠) | 2025年10月27日 | 2,276 | 784 | 34.5% |
| 20次(グローバル枠) | 2025年10月27日 | 177 | 41 | 23.2% |
| 21次(高付加価値化枠) | 2026年1月23日 | 1,767 | 615 | 34.8% |
| 21次(グローバル枠) | 2026年1月23日 | 105 | 23 | 21.9% |
出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト「採択結果」
グローバル枠は高付加価値化枠よりさらに採択率が低く、20〜25%程度です。「ものづくり補助金は申請すれば通る」は昔の話で、現在は事業計画書の質が採否を大きく左右します。
採択結果はどこで確認できる?
採択結果は採択発表日にものづくり補助金総合サイトで公表されます。採択事業者名・都道府県・事業計画のテーマが一覧で公開されており、採択された事業の傾向を研究する参考にもなります。
自分の採択・不採択結果は、JGrantsのマイページでも確認できます。
採択されるための事業計画書:5つのポイント
採択されるかどうかは、ほぼ事業計画書で決まります。審査は外部有識者が公募要領の審査項目に従って行います。以下のポイントを押さえた計画書を作ることが採択への近道です。
1. 「革新性」を具体的に示す
ものづくり補助金で最も重要なのが革新性です。「新しい設備を入れる」だけでは不十分で、「それによって何が新しくなるのか」を具体的に書く必要があります。
NGの書き方: 「最新の加工機械を導入して生産効率を上げる」
OKの書き方: 「現在の汎用旋盤では対応できない±0.005mmの精密加工を実現するCNC旋盤を導入することで、これまで大手メーカーに依存していた高精度部品を自社生産化し、新たな受注先として精密医療機器メーカーへの参入を目指す」
自社の現状の課題・限界を明確にし、新設備・新システムによって何ができるようになるかを具体的な数値で示しましょう。
2. 市場分析とターゲット顧客を書く
審査では「この事業が本当に市場で成功するか」も見られます。「誰に売るのか」「その市場規模はどのくらいか」「競合に対してどう差別化するか」を定性・定量の両面で記述してください。
「需要がありそう」という感覚論ではなく、業界統計・公的データ・自社の見積もり実績などを根拠にしましょう。
3. 実現可能性を示す
「革新的だけど実現できそうもない計画」は採択されません。以下を具体的に書いてください:
- 開発・導入のスケジュール(月単位)
- 担当者・実施体制(誰が何をするか)
- 技術的な裏付け(特許・試作実績・専門家の知見等)
- リスクと対応策
4. 数値目標を明確に
事業計画書には3〜5年後の定量的な目標が必要です。特に「付加価値額の年平均成長率+3.0%以上」の要件を満たす計画であることを数字で示してください。
売上・利益・生産量・顧客数など、測定可能な指標で目標を設定し、その達成の根拠を書きます。
5. 経営者が「主体的に関わっている」ことを示す
書面審査を通過すると口頭審査(オンライン、約10〜20分)が行われます。外部コンサルタントに丸投げした事業計画書だと、口頭審査で「計画の内容を自分の言葉で語れない」という事態になります。
事業計画書を作る過程で内容を理解し、自分の言葉で説明できるようにしておくことが採択の必須条件です。
審査項目(第23次公募)
公募要領に明記されている主な審査項目は以下のとおりです。
技術面:
- 補助事業の革新性・新規性
- 課題・目標の明確さ
- 実現可能性の高さ
事業化面:
- 市場ニーズの把握
- 事業化・収益化の見込み
- 競合との差別化
政策面:
- 付加価値額の増加見込み
- 賃上げへの取り組み
- 地域経済への貢献
これらの審査項目に対して、事業計画書の各セクションが対応していることを意識して書きましょう。
加点項目で採択率を上げる
ものづくり補助金には、審査時に加点されるオプション項目があります。加点項目は公募回ごとに変更されることがあるため、最新の公募要領を必ず確認してください。第23次公募で設けられている主な加点項目の例:
- 成長性加点: 経営革新計画の承認を受けている
- 政策加点: 事業継続力強化計画の認定を受けている、DX推進指標の自己診断を実施している等
- 賃上げ加点: 大幅賃上げ特例の要件を満たす計画
これらの加点項目の中には、取得・登録に数週間〜数ヶ月かかるものもあります。申請を決めたら早めに加点項目を確認し、取得できそうなものは準備を始めましょう。
不採択だった場合はどうする?
残念ながら不採択だった場合も、次回以降の公募に再申請できます。不採択通知には審査結果(点数の概要)が含まれる場合があるため、それを参考に事業計画書を改善して再チャレンジしましょう。
ものづくり補助金は年に複数回の公募があります。1回の不採択で諦めず、計画書をブラッシュアップして再申請するケースも多くあります。
よくある質問
Q. 採択率を上げるために申請代行コンサルタントを使うべきですか?
コンサルタントに依頼することで事業計画書の完成度は上がる場合があります。ただし、口頭審査では経営者自身の理解度が問われます。コンサルタントを使う場合も、計画書の内容を自分で理解・説明できる状態にしておくことが絶対条件です。なお、報酬は成功報酬型(採択時に補助金額の10〜15%程度)が一般的です。
Q. 2回目の申請で前回より採択されやすくなりますか?
前回申請した経験は加点項目にはなりません。ただし、前回の事業計画書の改善点を踏まえてブラッシュアップできれば、採択に近づきます。
Q. 採択結果はいつどこで確認できますか?
採択発表日にものづくり補助金総合サイトで公表されます。また、JGrantsのマイページでも自分の結果を確認できます。
Q. 採択率に業種による差はありますか?
公式の業種別採択率は公表されていません。ただし、製造業以外(サービス業・小売業等)でも採択実績は多く、業種よりも「事業計画書の質」が採択率を左右する要因となっています。
採択に向けた次のステップ
採択率の現状と対策を把握したら、具体的な申請準備に進みましょう。
- 申請方法と必要書類 — 申請フローと事業計画書の作り方
- 申請条件と対象者 — まず自社が対象かを確認
- スケジュールと締切 — 次の公募に向けて逆算する
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