申請フロー図
最近「リスキリング」ってよく聞くんですけど、補助金とか助成金って実際どれくらいあるんですか?
国の制度だけでも常時10〜15種類は動いていますし、都道府県・市区町村の独自制度を加えると全国で50件以上が並行して使えると思いますよ。
そんなにあるんですか!でもリスキリングって言葉、正直まだふんわりしてて。
ざっくり言うと「今の仕事に必要な新しいスキルを学び直すこと」ですね。AIやDXで業務内容が変わってきているので、国も2022年以降に急ピッチで支援制度を整備してきた経緯があります。
バリバリ使えます。むしろ大企業より中小の方が補助率が手厚い制度が多いです。社員を外部研修に出す費用も、自社で訓練プログラムを組む場合も、それぞれカバーできる制度があります。
それは知らなかった(笑)。どんな種類があるのか整理してもらえますか?
大きく3つに分かれています。「補助金」「助成金」「個人向け給付」です。補助金は申請・審査が必要で競争率があります。助成金は条件を満たせば原則もらえる。そして個人向け給付は従業員個人が自分で受け取るタイプです。
企業側は補助金と助成金、どっちがおすすめなんですか?
最初に手をつけるなら助成金です。審査で落ちるリスクがないので資金計画が立てやすい。補助金は採択されれば大きいですが、応募して落ちる可能性もある。並行して使うのが理想ですが、優先順位としては助成金から入るのが実務的ですね。
補助金vs助成金比較
じゃあ具体的に教えてください。事業者が使える助成金から、代表的なものを。
まず押さえておくべきは人材開発支援助成金です。厚生労働省が運営していて、社員に職業訓練を受けさせた場合に訓練経費と賃金の一部を助成してくれます。
中小企業の場合、経費助成率が45〜75%、賃金助成が1人1時間あたり800〜1,000円です(令和8年4月8日以降)。改正で「中高年齢者実習型訓練」が新設されたり、「人への投資促進コース」に新規採用助成と職務代行助成が追加されています。
現在7コースあります。「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」が主な4つで、あとは建設関係と障害者向けです。リスキリング文脈では「事業展開等リスキリング支援コース」が一番直接的ですね。
事業転換に伴って新分野の知識・スキルを社員に習得させる場合に使えます。経費助成率は中小企業で75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円(令和8年4月8日以降)です。外部研修費用を出して、さらに訓練中の賃金まで一部補填してもらえる、かなり手厚い制度なんですよ。
ただし計画届の提出が訓練開始前に必要なので、「来月から研修やろう」で滑り込むのは難しい。2〜3ヶ月前から準備を始めるのが現実的です。
「特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)」も重要です。障害者・高齢者など就職困難者を成長分野の業務に就かせる場合に使えて、最大で1人あたり3年間360万円の助成が受けられます。
補助金で有名なのは「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」ですね。経済産業省が所管していて、個人向けにキャリア相談・リスキリング講座・転職支援を一体的に提供できる事業者を支援する制度です。
詳細はこちら。
そうです。個人への直接支援ではなくて、「支援サービスを提供できる組織」が申請する仕組みです。補助率は1/2・7/10・定額等で、フェーズによって変わります。
なるほど、支援サービスの提供者向けの補助金なんですね。
令和4年度の補正予算で約753億円の基金が造成されていて、現在も六次公募まで実施されています。
六次公募の詳細はこちら。
一覧で見比べたいんですが、テーブルで整理してもらえますか?
| 制度名 | 対象 | 補助率・金額 | 所管 | 特徴 |
|---|
| 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) | 事業主 | 経費45〜75%・賃金800〜1,000円/時 | 厚生労働省 | 最も汎用的、条件を満たせば支給 |
| 人材開発支援助成金(リスキリング支援コース) | 事業主 | 経費75%・賃金1,000円/時(中小) | 厚生労働省 | 事業転換に伴うスキル習得向け |
| 特定求職者雇用開発助成金(成長分野等コース) | 事業主 | 最大3年間360万円/人 | 厚生労働省 | 就職困難者の成長分野採用向け |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援補助金 | 支援事業者 | 1/2・7/10・定額等 | 経済産業省 | キャリア相談〜転職まで一体支援 |
| スキルアップ支援事業(DXリスキリング助成金) | 事業主(東京都内) | 経費3/4(上限7.5万/人・年100万) | 東京しごと財団 | DX研修に特化 |
| リスキリング・キャリアデザイン応援事業 | 事業主(東京都内) | 最大40万円(奨励金) | 東京都 | 社内制度整備+専門家派遣 |
| 堺市中小企業DXリスキリング補助金 | 事業主(堺市内) | 1/2・上限20万円 | 堺市 | DX研修費用の直接補助 |
| 四日市市人材スキルアップ支援補助金 | 事業主(四日市市内) | 1/2・上限15万円 | 四日市市 | 資格取得費用の補助 |
すごい数ですね!競合サイトが紹介している以上にいっぱい(笑)。
しかもこれは代表的なものだけで、各都道府県の独自制度まで入れると全国で100件以上あります。
- 今すぐ使いたい場合 → 人材開発支援助成金(審査不要・条件満たせば支給)
- DX研修を進めたい場合 → DXリスキリング助成金(東京)または堺市DXリスキリング補助金(関西)
- 転職支援もセットで進めたい場合 → キャリアアップ支援補助金(支援事業者向け)
- 社内制度を整備したい場合 → リスキリング・キャリアデザイン応援事業(東京都中小企業向け)
そうです。「研修費用だけカバーしたい」のか「転職支援まで含めたい」のか、「国の制度か地方の制度か」によって最適解が変わります。複数を組み合わせることも全然OKです。次は実際に申請するときの実務的なポイントを押さえておきましょう。
人材開発支援助成金で一番やらかしやすいのが計画届の提出タイミングです。訓練開始の前日までに提出しなければいけないのに、「研修申し込んでから計画届を出せばいい」と勘違いしているケースが多いです。
もう一つ重要なのが「GビズID」の事前取得です。電子申請に必要なんですが、取得に2〜3週間かかることがある。「申請したい!」と思ってから動くと間に合わない。
そして加点項目の活用も忘れずに。人材開発支援助成金には「賃金要件等」を満たす場合に経費助成率が上がる仕組みがあります。人材育成支援コースで通常45%のところ、賃金要件等を満たすと60%(+15%)まで上がります。
大きいですよ。具体的には訓練修了後に受講者の賃金が5%以上上昇した場合、または資格等手当の支払いを就業規則に規定して3%以上の賃金上昇を確認できた場合に適用されます。
- 人材開発支援助成金は「後払い」制度です。研修費用を先に会社が支払い、訓練完了後に申請して助成金が振り込まれます
- 資金繰りに注意。研修費用は一時的に全額負担が必要です
- 申請から振り込みまで数ヶ月かかることもあります
後払いの資金繰りリスクは見落とされがちです。特に中小企業だと訓練費用が数百万円になることもあるので、キャッシュフローを確認してから計画を組む必要があります。社会保険労務士や商工会議所に相談しながら進めるのが安全です。
人材開発支援助成金の場合は、まずGビズID取得、次に「事業内職業能力開発計画」の作成、訓練計画届の提出(訓練開始の前日まで)、訓練実施、そして訓練終了から2ヶ月以内に支給申請、という流れです。
1GビズIDを事前取得(2〜3週間かかる場合あり)
3訓練実施計画届を訓練開始前日までにハローワーク等に提出
4訓練を実施(OFF-JTの場合は訓練記録を保管)
5訓練終了日の翌日から2ヶ月以内に支給申請書を提出
リスキリング支援は、2022年以降に国が力を入れてきたので制度の数・金額ともに非常に充実しています。まず押さえるべきは人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コース。条件が合えば審査なしで訓練費の75%と賃金助成が受けられます。
そうです。補助金は申請と採択が必要なので、まず「確実に取れる助成金」で体制を整えてから、補助金にも挑戦するのが現実的な戦略です。地域独自の制度も見落とさないで。自社の所在地の市区町村が独自のリスキリング補助金を出しているケースが結構あります。
ありがとうございます!まずGビズIDを取るところから始めます(笑)。