最近「リスキリング」って言葉をよく聞くようになりましたけど、佐賀県内の中小企業が使える補助金・助成金って、実際どんなものがあるんですか?
ざっくり分けると3つのルートがあります。①厚生労働省の「人材開発支援助成金」、②経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」、③産業雇用安定助成金のスキルアップ支援コース、ですね。佐賀県内の中小企業が実際にいちばんよく使うのは①の人材開発支援助成金で、使い勝手がいいと評判です。
えっ、3種類もあるんですか!正直、1つくらいしかないと思ってました(笑)
意外と多いですよね。しかも人材開発支援助成金の中だけでもコースが4つあって、それぞれ使い方が違う。状況に合わせて選ぶことが大事です。
「人材開発支援助成金」と「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」って、どう違うんですか?
大きな違いは「誰が使うか」ですね。人材開発支援助成金は自社の従業員を研修させた事業主が受け取る助成金で、佐賀労働局のハローワーク経由で申請します。一方、リスキリングキャリアアップ支援事業費補助金は、個人にリスキリング・転職支援サービスを提供する「民間団体や企業」向けの補助金で、事業規模もかなり大きいです。
| 制度 | 対象 | 窓口 | 補助内容 |
|---|
| 人材開発支援助成金 | 従業員を研修させる事業主 | 佐賀労働局/ハローワーク | 研修費・賃金の一部 |
| リスキリングキャリアアップ支援事業費補助金 | 訓練・転職支援を提供する民間団体 | 経済産業省・事務局 | 事業費の1/2〜定額 |
| 産業雇用安定助成金 | 在籍出向でスキルアップさせる事業主 | 佐賀労働局 | 出向中賃金の2/3 |
佐賀県リスキリング補助金 比較チャート - 人材開発支援助成金の各コース助成率比較インフォグラフィック
人材開発支援助成金って、コースが4つあるって言ってましたけど、佐賀の中小企業だとどれがオススメですか?
用途によって変わりますね。「DXやAI研修をやりたい」なら人への投資促進コース、「新規事業に向けて社員のスキルを転換させたい」なら事業展開等リスキリング支援コース、「社員全体のスキルを底上げしたい」なら人材育成支援コース、「教育訓練休暇制度を整備したい」なら教育訓練休暇等付与コース。まず自社の研修目的を整理することから始めるといいですよ。
うちみたいな製造業で「現場リーダーにITスキルを覚えさせたい」なら、どれになりますか?
それなら人への投資促進コースか事業展開等リスキリング支援コースが合いそうです。DX関連・高度人材育成向けで、中小企業は経費の75%まで助成されます。訓練期間中の賃金も1時間960円まで助成されるので、研修中に生産が落ちてもカバーできる。
人材育成支援コースと比べると高率で、通常のOFF-JTで経費助成が45〜60%なのに対して、デジタル・高度人材向けは上がります。ただし研修内容がDX・AIに特化していることが条件なので、汎用的な管理職研修には使いにくい。
人材育成支援コース
一般的な社員研修なら「人材育成支援コース」ですよね?具体的にはいくら出るんですか?
中小企業の場合、正規雇用の従業員で経費助成率が45%、賃金助成が1時間あたり800円です。研修後に賃上げを実施した場合は経費助成率が60%、賃金助成が1,000円/時間に上がります。非正規社員の場合はさらに高くて、基本が70%、賃上げありで85%まで出ます。
正社員化を促す政策的な意図があるんですよね。佐賀市の小売業者さんで、社員10名にAI活用セミナーを受けさせた例だと、研修経費45万円に対して約30万円の助成金が出た事例があります。かなりお得ですよね。
30万円!それは絶対活用しないともったいないですね。
ポイントは研修開始の1か月前までに「職業訓練実施計画届」を佐賀労働局/管轄ハローワークに提出しておくことです。これを後回しにすると対象外になってしまいます。
事業展開等リスキリング支援コース
「事業展開等リスキリング支援コース」は新事業向けって聞いたんですけど、具体的にどんな状況で使えますか?
例えば「製造業から食品加工業に新分野参入する」「卸売業がECサイト事業を始める」といった、明確な事業展開・転換がある場合です。その事業に必要な新スキルを社員に習得させる訓練が対象になります。農業からアグリテックへの転換や、観光業でデジタルマーケティング人材を育てるケースも佐賀では多いですね。
佐賀っていう特性からすると、農業×DXの組み合わせが多そうですね。
佐賀県リスキリング補助 申請フロー図 - 人材開発支援助成金申請の流れ: 計画届→訓練実施→実績報告→助成金受給
在籍型出向でスキルアップって、どういう仕組みなんですか?
例えば製造業のA社がIT企業B社に社員を半年〜1年出向させて、A社の社員がプログラミングやDXスキルを習得する。出向期間が終わったらA社に戻る、という形です。出向元のA社が払った賃金分の2/3(中小企業の場合)が助成されます。上限は1人1日あたり8,870円で、1事業所年度あたり1,000万円まで。
外で修行させて帰ってきてもらうイメージですね(笑)
まさにそうです。しかも令和8年4月8日以降の計画届からは、出向先(受け入れた側)にも助成が出るようになりました。出向させる側も受け入れる側も両方もらえる、かなりお得な制度になっています。スキルアップ目的の在籍型出向を検討している方は
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金(五次公募)の事例も参考になりますよ。
条件は「出向復帰後の賃金が出向前より5%以上上がっていること」です。賃上げが前提なので、社員のモチベーション向上にもつながりますよ。詳しい申請要件は厚生労働省の公式ページか、佐賀労働局(電話 0952-32-7173)に確認するのがおすすめです。
経産省の「リスキリングキャリアアップ支援事業費補助金」って、民間団体が使うって言ってましたよね?佐賀の中小企業も申請できるんですか?
これは「個人にキャリア相談・リスキリング・転職支援・フォローアップをまとめて提供する」事業を立ち上げる団体向けです。佐賀県内でも社会保険労務士や人材サービス会社がコンソーシアムを組んで申請するケースがあります。補助率は内容によって1/2〜定額等です。
佐賀県独自の制度ってあるんですか?全国制度しかないイメージがあって。
実は佐賀県は「SAGAスマートシティ構想」を掲げて、デジタル人材育成に積極的に投資しています。佐賀県産業スマート化センター(佐賀インテリジェントコミュニティ)がDX推進の相談から研修プログラムの紹介まで無料でサポートしてくれます。
はい、人材開発支援助成金の活用相談や、県内企業のDX研修プログラムの紹介もやっています。佐賀県は全国的にも行政のDXが進んでいる県で、中小企業支援にも力を入れています。ITパスポートやDX推進リーダー資格の研修は、人材開発支援助成金の対象になりやすいですよ。
それはいいですね!補助金申請って難しそうだから、相談窓口があるのは助かりますよね。
佐賀労働局の職業安定部職業対策課(電話 0952-32-7173)も「何を使えばいいか」の入口相談に乗ってくれます。まず電話してみるのが一番早いですよ。
結局どれを選べばいいか迷いますよね。一度まとめてもらえますか?
| 制度名 | 対象 | 助成率/上限 | 活用シーン |
|---|
| 人材育成支援コース | 事業主(OFF-JT) | 経費45〜85%・賃金800〜1000円/時間 | 社員の汎用スキルアップ研修 |
| 人への投資促進コース | 事業主(DX・高度人材) | 経費75%・賃金960円/時間 | IT・AI・DX関連研修 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 事業主(新事業展開) | 経費75%・賃金960円/時間 | 新分野参入・事業転換時の研修 |
| 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース) | 出向元・出向先 | 2/3(上限8870円/日) | 在籍型出向でのスキルアップ |
| リスキリングキャリアアップ支援事業費補助金 | 民間訓練・転職支援事業者 | 1/2〜定額 | 個人向けリスキリング事業立ち上げ |
こうして見ると「まず従業員に研修を受けさせたいなら人材開発支援助成金」というのが基本なんですね。
まさにそうです!90%以上の佐賀の中小企業はここからスタートでいいと思います。
研修内容と対象者を決める(どのコースに当たるか確認)
研修開始の1か月以上前に「職業訓練実施計画届」を提出
- 研修開始「前」の計画届提出を忘れると対象外(遡れない)
- 令和8年5月14日以降の支給申請には「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式28号)」の添付が必要
- 訓練時間が10時間未満の場合は対象外になることがある
- 疎明書の電子申請対応は準備中のため、紙で提出が必要な場合も
- 佐賀労働局 職業安定部職業対策課: 電話 0952-32-7173(平日9時00分〜17時00分)
- 佐賀県産業スマート化センター: DX・デジタル人材育成の専門相談窓口
- 各ハローワーク: 佐賀・唐津・伊万里・武雄・鹿島の各管轄
最後に、リスキリング補助金を使うにあたって「ここだけ押さえておけ」って話、ありますか?
3つだけ言うとすれば。まず「計画届は研修前」これが鉄則です。終わってから申請しようとする方が多くて、その時点で対象外になってしまいます。次に「DX・IT研修は人への投資促進コースを使う」こと。汎用コースより助成率が高いので必ずチェックしてほしいです。最後に「佐賀労働局に一回電話する」こと。担当者さんが丁寧に説明してくれるので、書類をひとりで読み込む前に相談すると時短になります(笑)
それ大事ですね!特に最初の「計画届は研修前」は絶対に覚えておかないと(笑)
佐賀の企業さん、ぜひ活用してみてください。他の地域の企業に比べて人材開発支援助成金の活用が増えている佐賀ですが、まだまだ知られていない企業も多い。補助金を使って社員のスキルアップに投資することが、中長期的な企業成長につながります。