補助金一覧比較
室谷さん、うちの会社でも業界向けの展示会や商談会を開きたいんですけど、費用がなかなかバカにならなくて。
ですよね。展示会ブース1小間だけで20〜60万円、運営スタッフや告知費を合わせると100万円超えはざらで。
バッチリ使えます!「イベント・事業運営」カテゴリの補助金は国のDBに63件以上登録されており、業種や事業の性格によって使える制度がだいぶ違うので、まずは全体像を押さえましょう。
そんなに種類があるんですね!どんな観点で分類すればいいですか?
大きく3つに分けると整理しやすいですよ。「販路開拓・展示会系」「業種特化型(酒・皮革・映像など)」「SDGs・社会課題解決系」。それぞれ対象者もぜんぜん違います。
そうなんです。経済産業省・中小企業庁・国税庁・環境省・東京都など複数の省庁が縦割りで出してるので、全部把握するのが大変で。だからこそDBで一元検索できるのが強みです。
来年度の計画に組み込むなら、今から動いておくべきですよね。
絶対そうです。補助金って「採択決定後に事業着手」が原則なので、計画より先に動くと対象外になっちゃいます。逆に言えば、採択さえ取れば後払いで資金が返ってくる仕組みです。
申請フロー図
まず「販路開拓・展示会系」から教えてください。これが一番使いやすそうで。
中核になるのは共同・協業販路開拓支援補助金です。上限5,000万円、補助率は定額または2/3で、商工会や商工会議所などの地域振興機関が10社以上をまとめて申請する形式なんです。
これは地域振興機関が主体なので、個社で「申請してください」ってお願いする側になります。地元の商工会に相談すると「うちの管内の参加者集めてますよ」ってケースがけっこうあります。
なるほど、窓口は商工会なんですね。金額は大きいけど間接的な申請なんですね。
被災地には手厚いんですね。東京都とかの独自制度はどうですか?
東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成事業」が代表格で、BtoB展示会への出展費用を上限150万円・補助率2/3で助成してます。令和8年度版も公募中です。電子申請(jGrants)だけで手続きが完結するのも便利な点ですね。
150万円か。1回の出展で100万円近くかかること考えると、実質半分以下の負担で出られると考えていいですね?
その通りです。ただし出展前に交付決定を受けることが絶対条件なので、出展申し込みと並行して補助金申請の準備を早めにしておくのがポイントです。
- 補助金は後払い。出展費用は一旦全額自己負担が必要
- 交付決定前に支出した経費は補助対象外になる
- 書類不備があると受付から外れる。提出前に必ず確認
業種によって専用の補助金があるんですか?珍しい分野もあるみたいで。
そうなんです。まず酒類業者向けは国税庁が出してる
酒類業振興支援事業費補助金が令和7年度も稼働中です。第1期・第2期合わせて、海外展開支援枠で上限1,500万円(グループ申請の場合)、新市場開拓支援枠で上限500万円ですね。
製造・卸売・小売まで酒類事業者全般が対象です。酒蔵ツーリズムの推進とか、海外バイヤー向けの展示会出展とかも補助対象になります。令和8年度分(第2期)も
既に開いています。
酒蔵ツーリズムも入るんですね。それなら観光×酒類のイベントにも使えそう(笑)
まさに、「イベント」と「酒類」両方の要素を持つ制度がそれです(笑)。次は皮革業界。
皮革産業振興対策事業費補助金は、皮革関連の事業者団体やグループが対象で上限3,500万円・補助率2/3です。
皮革って靴とかバッグとかですよね。意外と支援が手厚い。
国内の皮革産業は中小・小規模事業者がほとんどで、海外の大量生産品との価格競争が厳しいですからね。認知度向上イベントや国際展示会出展が補助対象に入ってます。令和7年度の第2次公募(
こちら)も開いているので、業界団体経由で検討してみてください。
これは福島県の原子力被災地域向けの特殊枠で、
映像芸術文化支援事業が令和8年度版で上限1億500万円・全額補助です。映像・芸術系の大学・専門学校・制作会社が対象で、被災地でのロケや制作実習などが補助されます。条件は限定的ですが金額の規模は段違いです。
1億超えで全額補助!条件が合う団体には超絶お得ですね。
競争も激しいですけど、申請する価値は十分あります。令和5年度版の
作品制作実習支援事業も参考情報として見ておくといいと思います。
- DBで「補助金名」検索より「カテゴリ×業種」で絞り込む方が効率的
- 業界団体(商工会・業界協会)が取りまとめている場合は団体経由で申請
- 複数年度にわたって継続公募されるケースが多い — 前年度の採択事例を読むと申請精度が上がる
SDGs系も多いんですか?うちはイベントでサステナブルな取り組みをアピールしたいんですが。
めちゃくちゃ多くなってます。環境省の「デコ活推進事業」シリーズが特に大きくて、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動の一環として企業・団体のイベント・キャンペーン活動を支援する制度です。
デコ活って聞いたことありますが、補助金だったんですね!
「デコ活宣言」してる企業・団体が実施する普及啓発キャンペーンやイベントが対象で、令和7年度版(
一次公募、
二次公募)と令和8年度版(
こちら)が登録されてます。マッチングファンド方式なので国と事業者が共同出資する形式です。
例えば事業費100万円のイベントだったら、国が一定額を出す代わりに事業者も自己負担を出す形。「ただもらい」じゃなくて「国と一緒に動く」感覚ですね。広域事業(複数都道府県にわたるもの)と地域事業で枠が分かれてます。
東京都版でいうと
エシカル消費普及啓発推進事業助成金がありまして、上限30万円・補助率1/2ですね。セミナー、ワークショップ、マルシェなどエシカル消費の体験提供活動が対象です。東京都の「TOKYOエシカル」パートナーとして登録されていることが前提条件です。
上限30万円は小さいけど、東京都の公式パートナーになれる価値がありそうですね。
まさにそこで。認定されること自体がブランディングになるので、スタートアップやNPOには費用対効果高いですよ。次に
SDGsファイナンス支援事業補助金シリーズもあって、ソーシャルボンド/グリーンボンドなどを発行する事業者が外部レビュー費用を補助してもらえます。
主に債券を発行できる企業や自治体向けです。各種類によって上限額や補助率が異なるため、
ソーシャルボンド・
ブルーボンド・
グリーンボンドの各詳細ページで確認してください。金融とイベントをかけ合わせたサステナビリティファイナンスの場では使える制度です。
もっとニッチな分野はどうですか?うちは外国人観光客向けのコンテンツ開発もやってて。
それなら東京都の観光系補助金が複数ありますよ。
多様な体験型観光推進事業補助金は美容室などが外国人旅行者向けに新しい体験サービスを始める費用を上限200万円・補助率2/3でサポートしてます。
そうです。日本の美容・ネイル・着付けなどをインバウンド向け観光コンテンツにする取り組みが対象です。同じ系統で
誰もが楽しめる自然体験型観光補助金は障害者・高齢者向けバリアフリー備品の整備費用を上限200万円・補助率4/5と手厚く支援。
インクルーシブツーリズムって国が推進してるテーマなので手厚いんです。ドローンを使ったバリアフリーツアーなら
ドローン活用ツアー造成補助金で上限500万円・補助率2/3も使えます。
さらに規模が大きければ
AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業が上限4,000万円・補助率1/2で、2者以上の都内事業者グループが対象です。混雑情報システム・XR観光コンテンツ・ダイナミックプライシングなど先端的な観光DXに使えます。
観光系だけでこんなに種類があるんですね。海外との交流を深めるような事業には何か使えますか?
日中経済交流等事業費補助金は日中間のセミナー・マッチング・ハイレベル交流イベントを定額補助(上限額は公募要領で確認)してます。日中以外でもアジア諸国向けには別の補助金もあります。
政府が「ジャパン・ハウス」とか「クールジャパン」とか国際発信に力入れてる時期なので、タイミングとしても追い風です。
| 補助金名 | 上限額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|
| 共同・協業販路開拓支援補助金 | 5,000万円 | 定額または2/3 | 商工会等+10社以上の事業者グループ |
| 被災地向け共同・協業販路開拓支援 | 5,000万円 | 定額または2/3 | 能登半島地震4県の事業者 |
| 酒類業振興支援事業費補助金 | 1,500万円 | 1/2〜2/3 | 酒類製造・卸・小売事業者 |
| 皮革産業振興対策事業費補助金 | 3,500万円 | 2/3 | 皮革関連事業者団体・グループ |
| 映像芸術文化支援事業 | 1億500万円 | 定額(全額) | 福島被災地域での映像・芸術団体 |
| デコ活推進事業 | 要確認 | マッチングファンド | 脱炭素系イベント実施企業・団体 |
| エシカル消費普及啓発助成金 | 30万円 | 1/2 | TOKYOエシカルパートナー企業・団体 |
| SDGsファイナンス支援補助金(各種) | 各詳細参照 | 2/10〜10/10 | ボンド・ローン発行事業者 |
| 東京都展示会出展助成事業 | 150万円 | 2/3 | BtoB展示会出展の都内中小企業 |
| AI等先端技術受入環境高度化支援 | 4,000万円 | 1/2 | 都内事業者2者以上のグループ |
| 多様な体験型観光推進事業補助金 | 200万円 | 2/3 | インバウンド向け体験サービス事業者 |
| 誰もが楽しめる自然体験型観光補助金 | 200万円 | 4/5 | バリアフリー観光整備事業者 |
jGrants(Jグランツ)登録とGビズID取得 — 国の補助金はほぼ全てjGrants経由の電子申請。GビズIDの発行に1〜2週間かかるので先に取得しておく
公募要領を熟読して対象者・対象経費を確認 — 「イベント費用全般が対象」ではなく、認められる経費の種類が細かく規定されている。不明点は事前に事務局へ問い合わせる
事業計画書の質を上げる — 補助金審査は事業計画書の内容で決まる。「なぜやるか」「どんな効果が期待できるか」「経費の根拠は何か」を具体的数字で示す
採択決定前に着手しない — 採択通知を受け取ってから事業を開始するのが鉄則。先に出展料や会場費を払ってしまうと補助対象外になる
実績報告書の準備 — 事業完了後に報告書と領収書を提出して初めて補助金が振り込まれる。領収書・証拠書類は全て保管しておく
- GビズIDの発行が間に合わずに申請期限を過ぎてしまうケース(余裕を持って2〜3週間前に取得)
- 「申請 = 採択」と誤解して採択前に発注してしまうミス
- 複数の補助金を重複申請した場合の競合(一つの費用に複数の補助金は原則不可)
- 報告書提出期限を忘れてしまい補助金が受け取れなくなるケース
今日はたくさん教えていただきました。どれから調べ始めるのがいいですか?
まず自分の事業の性格を整理することですね。展示会・商談会系なら共同・協業販路開拓支援補助金や東京都の展示会出展助成を、業種特化なら酒類・皮革・映像など業界ごとの補助金を。SDGsや環境系の取り組みを入れるならデコ活系も視野に入れる。
そうですよね。だからこそDBで「自分の業種×やりたいこと」で絞り込んで、マッチしそうなものに絞る。63件もあるので、まずは10件くらいに絞ってから深掘りするのがコツです。
汎用性で言うと共同・協業販路開拓支援補助金と東京都の展示会出展助成です。地元の商工会・商工会議所に相談すると「今年度の公募情報」をすぐ教えてもらえるので、まずそこからアプローチしてみてください。
ありがとうございました!補助金を賢く使って、コスト抑えながら良いイベントをやっていきます!
都道府県ごとの制度を調べたい場合は、
東京都の一覧 のように都道府県ページで確認するか、
東京都のイベント系 のように目的別×都道府県で絞り込むと地域特化の制度も出てきますよ。