ドローン導入に使える補助金比較
室谷さん、最近うちのお客さんでドローンを業務に使いたいって相談がすごく増えてきてるんですよね。農薬散布とかインフラ点検とか。ただ機体が高くてなかなか踏み切れないみたいで。
それ、めちゃくちゃわかります!産業用ドローンって本体だけで100万円超えることも普通にあるので、補助金なしで買うのはしんどいですよね。でも実は、2026年度もドローン導入に使える補助金・助成金が結構充実してるんですよ。
大きく分けると「機体購入や事業化に使える補助金」「スクール受講・資格取得に使える助成金」「産業インフラのDX化に特化した補助金」の3種類があります。DBを見ると12種類の制度が登録されていて、国の制度から東京都の地域限定まで幅広いですよ。
そんなにあるんですね。どれから確認すればいいんですか?
自社の用途に一番近い制度から見るのがおすすめです。農業系なら農業特化の補助金、新規事業を立ち上げるなら事業再構築補助金やものづくり補助金、資格取得なら人材開発支援助成金、という感じで目的から逆引きするのが一番早い。
まず機体を買うときに使える補助金から教えてもらえますか?
ガス・電力・通信などのインフラ保安にドローンを使う事業者には、スマート保安実証支援事業費補助金が超強力です。経済産業省が主管で、補助率2/3・上限5,000万円という大型制度です。
しかも令和6年度・7年度で複数回の公募が実施されていて、令和8年度版も執行団体公募が出ています。対象はドローンを使った点検の省人化とか、AIと組み合わせた異常検知とか、産業インフラのDX化です。中小企業・中堅企業がITベンダーと連携して取り組む場合は2/3補助なので、実費負担1,667万円で5,000万円分の事業投資ができる計算になります。
そうです。令和7年度版と令和8年度版でそれぞれ公募条件が変わってくるので、最新の公募要領を必ず確認してから動いてください。
電力・ガス以外の普通の中小企業がドローンを買いたい場合はどうなりますか?
そこは
小規模事業者持続化補助金が使いやすいですよ。農薬散布用ドローンを買って農作業受託を始める、空撮ドローンでPR動画を作る、屋根点検ドローンでリフォーム営業を効率化する、こういった実績が積み上がってます。上限200万円、補助率2/3なので、機体購入費の2/3が戻ってくる。詳しくは
小規模事業者持続化補助金のページも参考にしてください。
200万円の2/3だから約133万円が補助されるんですね。
そうです。現在第19回公募が開始されているので、タイミング的にも動きやすい時期です。ただし、「販路開拓・業務効率化につながる」という経営計画書が必要なので、「ドローンを使ってこういう事業を展開する」というストーリーをしっかり書くのが採択のポイントです。
使えます!新機体の開発とか、ドローンを使った農薬散布請負サービスの開発とか、点検サービスのDX化みたいなケースで採択実績があります。上限1,250万円、補助率1/2〜2/3なので規模感が大きめの設備投資向きですね。
ドローン補助金 申請の流れ
次はスクールや資格取得に使える制度を聞かせてください。これって個人でも使えるんですか?
法人向けと個人向けで制度が分かれてます。法人・企業の従業員なら人材開発支援助成金が一番お得です。「事業展開等リスキリング支援コース」なら経費の最大75%が助成されます。
75%!ドローンスクールの費用がほとんど戻ってくるイメージですか?
そうです。受講費用が30万円なら、そのうち22.5万円が助成される計算です。賃金助成まで合わせると実質82%程度の助成になるケースもあります。一等・二等の無人航空機操縦士資格の取得コースが対象になります。
超重要なのが、スクール受講を始める1ヶ月前までに「職業訓練実施計画」を労働局に提出しないといけない点です。事後申請はできないので、受講前に必ず計画届を出す。これを知らずにスクールに通ってしまって、助成金をもらい損ねる人が結構いるんですよね(笑)。
それは痛い!あと2026年4月に制度が変わったって聞きましたが?
そうなんです。2026年4月8日の改正でeラーニング・通信制訓練の助成上限額の計算方式が変わりました。オンライン中心の講習だと実質的な助成率が下がるケースが出てきているので、受講前にスクール側に「助成金対応状況」を確認しておくのが大事です。
個人や個人事業主の場合はどんな制度があるんですか?
個人で使えるのが教育訓練給付制度です。雇用保険に1年以上加入していれば在職中・離職後問わず申請できます。厚生労働省が指定したドローンスクールの一等・二等無人航空機操縦士コースなら、一般教育訓練なら受講費用の20%(最大10万円)、2026年4月から特定一般教育訓練に指定されたコースなら40%(最大20万円)+採用後に合計50%(最大25万円)が給付されます。
そうです。ただし費用は先払いで、受講完了後にご自身の口座に振り込まれる後払い方式です。資金繰りには注意が必要ですが、個人でも確実に使える制度なので積極的に活用してほしいですね。
農業でドローンを使いたい農家向けの制度って特別にありますか?
スマート農業に特化した補助金があって、農林水産省系の制度でドローンによる農薬散布機器の購入費を補助するものがあります。市区町村ごとに農業用ドローン補助金を設けているところも増えていて、特に水稲の大産地(新潟・北海道・秋田等)では手厚い自治体補助が出ていることが多いですよ。
なるほど。ドローンを使ったツアー商品を作りたい旅行会社はどうですか?
それは東京都の面白い制度があります!
ドローンを活用したツアー造成支援補助金という制度で、障害者や高齢者が空撮ドローンを通じて都内観光を楽しめるアクセシブル・ツーリズムツアーを企画・販売する旅行事業者に、費用の2/3・上限500万円が補助されます。
おもしろい!インクルーシブな観光とドローンを組み合わせた制度なんですね。
そうなんですよ。ドローンの補助金ってどうしても製造業・農業に偏って見られがちですが、観光・コンテンツ系でも使える制度は増えています。
物流用途だと
事業再構築補助金が使いやすいですね。離島や過疎地へのドローン輸送事業への転換みたいなケースで採択実績があります。上限1.5億円(中堅企業)と大きいのですが、売上減少要件など申請条件が厳しいので、最新の公募要領を確認してから動いてください。
それはスマート保安実証支援補助金が最有力です。電力・ガスのパイプライン点検、送電線点検、ダム・橋梁などのインフラ点検をドローンで省人化する事業が典型的な採択パターンです。デジタルライフライン整備加速事業という経産省の制度も、ドローン航路整備に使える予算として組まれています。
- 農業(農薬散布・生育管理): 農林水産省スマート農業補助金 + 小規模事業者持続化補助金
- インフラ点検(電力・ガス・橋梁): スマート保安実証支援事業費補助金(上限5,000万円)
- 新規事業立ち上げ全般: ものづくり補助金 / 事業再構築補助金
- 観光・コンテンツ制作(東京都): ドローンを活用したツアー造成支援補助金(上限500万円)
- 国家資格取得(法人の従業員): 人材開発支援助成金(最大75%)
- 国家資格取得(個人): 教育訓練給付制度(最大50%)
| 補助金名 | 上限額 | 補助率 | 対象者 | 主な用途 |
|---|
| スマート保安実証支援補助金 | 5,000万円 | 2/3 (1/2) | 中小・中堅企業 | インフラ点検DX |
| 事業再構築補助金 | 1.5億円 | 1/2〜2/3 | 中小・中堅企業 | 新規事業転換 |
| ものづくり補助金 | 1,250万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業 | 機体開発・サービス開発 |
| ドローンツアー造成補助金 (東京都) | 500万円 | 2/3 | 旅行事業者 | アクセシブル観光 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 200万円 | 2/3〜3/4 | 小規模事業者 | 機体購入・販路開拓 |
| IT導入補助金 | 450万円 | 1/2〜3/4 | 中小企業 | ドローン管理ソフト |
| 人材開発支援助成金 | 上限30万円/人 | 最大75% | 企業従業員 | 国家資格取得 |
| 教育訓練給付制度 | 最大25万円/人 | 最大50% | 個人 | 国家資格取得 |
| 地域復興実用化開発等促進事業費補助金 (福島) | 7億円 | 要確認 | 地元企業等 | ロボット・ドローン開発 |
これだけ並べると、スマート保安実証の5,000万円がやっぱり大きいですね。
そうですね。ただし中小製造業とかサービス業が機体を買いたいだけという用途には向かないので、事業規模感とやりたいことを整理してから制度を選ぶのが大事です。
まず絶対に先にやっておくべきなのがGビズID(プライム)の取得です。国の補助金はほぼ全てJグランツという電子申請システムを経由するんですが、GビズIDがないと申請できない。取得に2〜3週間かかるので、補助金を使いたいと思ったら今すぐ申請してください。
あるあるです(笑)。次に大事なのが「後払い」の意識です。補助金は基本的に採択→事業実施→完了報告→入金という流れなので、補助金をもらう前に一旦自己資金で支払う必要があります。ドローン本体を3月に購入して8月に補助金が入るとか普通なので、キャッシュフローを事前に計画しておかないと資金繰りが苦しくなります。
採択後に「補助金がまだ来てないのに資金がない」ってなる企業も多いって聞きました。
多いですよ。特にものづくり補助金や事業再構築補助金は完了報告から入金まで時間がかかることがある。事業計画書では必ず資金調達計画も合わせて書いておくと採択率も上がるし、実際の資金計画も整います。
- GビズIDを事前取得せずに公募開始当日に慌てる
- 人材開発支援助成金の申請を受講開始後にしようとする(計画届は受講1ヶ月前に必須)
- 補助金受領前のキャッシュフロー計画を立てていない
- スマート保安補助金の「産業インフラ保安法令対象設備」要件を確認せずに申請する
ドローン特有でいうと、採択審査でよく聞かれるのが「既存の方法ではなくドローンを使わないといけない理由」です。「便利そう」だけではなくて、「人が立ち入れない場所の点検を安全に実現できる」「農業従事者の高齢化で手散布が継続困難になった」みたいな必然性を書くと強くなります。
絶対です。「作業時間を○時間から○分に短縮できる」「ドローン1機で○ヘクタールの農地をカバーできる」みたいな定量的な効果の記載が採択委員の印象を変えます。
人材開発支援助成金なら受講1ヶ月前までに職業訓練実施計画を提出
今日はいろいろ教えていただきましたが、どのタイプの企業に一番おすすめの制度はありますか?
業種・規模で変わりますけど、今一番使いやすいのは「スマート保安実証支援補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の2本柱ですね。大手・中堅インフラ系ならスマート保安で5,000万円狙い、中小・スタートアップなら持続化補助金で機体購入費の2/3を回収する、この二択で大半のニーズはカバーできます。国家資格取得なら人材開発支援助成金で75%助成。ドローン活用のコストは思っているより抑えられるので、ぜひ積極的に活用してほしいです!
今日は具体的な数字と制度名を教えてもらって、めちゃくちゃためになりました!都道府県別の補助金もあると聞いたので、お住まいの都道府県のドローン補助金情報もあわせて調べてみてください。
都道府県別のドローン補助金・助成金一覧から確認できます。