室谷さん、今日はよろしくお願いします!さっそくですが、この「事業再構築補助金」って名前をよく聞くんですけど、第13回っていうのが始まってるんですよね?
そうなんですよ、佐藤さん。もう第13回の公募が始まってます。しかも今回はちょっと特徴的で、交付申請の段階に入ってる事業者向けのページなんです。
えっ、交付申請?つまり…もう採択された人が対象ってこと?
その通り!第13回で採択された「補助金交付候補者」の方が、これから実際にお金をもらうために交付申請をするための専用ページなんです。だから「これから応募しよう」って人は対象外で、すでに採択通知をもらった人が次のステップに進むための場所ですね。
なるほどー。じゃあもう採択された方限定で、ここから本格的に事業を進めていくわけですね。でも、そもそも事業再構築補助金って何のためにあるんですか?
いい質問です。目的は大きく言うと「ポストコロナの経済社会の変化に対応するため」。新市場に進出したり、業態を転換したり、事業そのものをガラッと変えようとしている中小企業を支援する制度なんです。
ポストコロナか…確かにコロナで需要の構造が変わった業種もありますもんね。
そうそう。思い切った事業再構築に挑む企業の背中を押して、日本経済全体の構造転換を促すことが狙い。13回目になる今回も、その基本路線は変わりません。
はい。まず強調したいのは、今回の公募ではサプライチェーン強靱化枠がないってこと。これ、過去にあった枠なんですが、今回は無くなってます。
え、そうなんですか?じゃあ枠はどういう構成になってるんですか?
このページがカバーしているのは、成長分野進出枠(通常類型)、コロナ回復加速化枠(通常類型)、**コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)**の3つ。ここをしっかり押さえておきましょう。
3つもあるんですね。やっぱり自分の事業に合った枠を選ばないとダメですよね。
その通り。もう採択されてる方は自動的にどれかで採択されてるはずですが、制度を理解する意味でも違いを知っておいて損はないですよ。
制度の3類型と特徴成長分野進出枠(通常類型)
ポストコロナで成長分野に大胆に進出する事業者向け。廃業費の上乗せ(最大2,000万円)が使えるのはこの枠だけ。
コロナ回復加速化枠(通常類型)
コロナ禍からの回復を加速させる事業再構築を行いたい事業者向け。通常の事業転換全般が対象。
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
最低賃金の引上げに取り組みながら事業再構築を行う事業者向け。賃金に関する追加条件あり。
この中で一番お金が大きいのは成長分野進出枠ですか?
そうですね。後で詳しく説明しますが、補助上限額のベースは全枠で7,000万円です。でも成長分野進出枠は廃業費が上乗せできるから、最大9,000万円まで可能性がある。これは大きな違いです。
じゃあ具体的な金額の話に入りましょう。この制度、いくらもらえるんですか?
まず大枠から。補助上限額は7,000万円。これは全枠共通です。ただし、補助率は「公募要領をご確認ください」とされていて、枠や要件によって変わります。
え、7,000万円って決まってるんじゃないんですか?
上限は7,000万円ですが、実際にいくら補助されるかは「補助率」を掛けた額になります。つまり、事業費が7,000万円を超えても、補助額の上限は7,000万円まで。逆に事業費が少なければ、その範囲内の金額になります。
じゃあ枠ごとに詳しく教えてください。まず成長分野進出枠(通常類型)から。
これは従業員規模と賃上げの条件で、補助上限が変わります。ざっくり言うと、従業員が多いほど上限が上がる。基本ラインは次の通りです。
20人以下だと補助上限は1,500万円(短期大規模賃上げなら2,000万円)。21〜50人で3,000万円(同4,000万円)。51〜100人で4,000万円(同5,000万円)。101人以上だと6,000万円(同7,000万円)です。
あれ?さっき「上限7,000万円」って言ってませんでした?101人以上で6,000万円ってことは、7,000万円になるのは賃上げ条件をクリアした時だけってことですか?
その理解で合ってます。基本の上限は6,000万円で、短期に大規模な賃上げを約束すると7,000万円にアップする。この「短期大規模賃上げ」っていうのが、事業終了時点で「①事業場内最低賃金+45円」「②給与支給総額+6%」を達成する条件です。
けっこう厳しい条件ですね…。でもその分、補助額が上がる。
そう。ちなみに市場縮小要件で申請した場合に、廃業を伴うなら、廃業費を最大2,000万円上乗せできる。つまり、101人以上で賃上げ条件クリア+廃業あり、だと、補助上限7,000万円+廃業費2,000万円で最大9,000万円の支援が可能になるんです。
もう1つの枠、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)はどうですか?
こちらは補助率も上限も違います。5人以下だと補助上限500万円、6〜20人で1,000万円、21人以上で1,500万円。補助率は中小企業で3/4(一部2/3)とかなり高いです。
え、補助率が4分の3!?それはすごい。費用の75%が補助されるってことですよね。
はい。ただし、これは最低賃金の引上げに取り組む事業者向けという位置づけなので、要件が厳しくなってます。具体的には、2023年10月から2024年9月までの間で、3ヶ月以上、最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること、という条件があります。
なるほど。賃金を上げてる実績がないとダメなんですね。
この制度、会社じゃないとダメですか?個人事業主でもいけるんですか?
大丈夫です。業種の一覧を見ると、ほぼ全ての業種が対象になってます。建設業、製造業、情報通信業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉…本当に幅広い。
はい。ただし、このページはあくまで「第13回で採択された方」の交付申請用。採択されていない個人事業主の方は、まず公募に応募する必要があります。
公式情報では「従業員数の制約なし」です。つまり、ゼロ人の個人事業主でも、大企業でもなく中小企業なら対象になります。
じゃあ従業員が多いほど補助上限が上がるってさっきの話は、あくまで枠ごとのルールってことですね。
その通り。人数で応募が制限されるわけじゃないけど、枠ごとの補助上限は従業員規模で変わる。だから「従業員が多いほどたくさんもらえるチャンスがある」という理解でOKです。
大きく3つあります。1つ目は「事業再構築指針に示す事業再構築の定義に該当する事業であること」。具体的には、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持・強靱化の6類型。
はい。ただし、国内回帰と地域サプライチェーン維持・強靱化はサプライチェーン強靱化枠専用の選択肢だったんですが、第13回ではその枠がないので、実質的に選べるのは最初の4つって感じです。
2つ目は「事業計画を金融機関や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること」。つまり、自分だけで作った計画じゃダメで、専門家のチェックが必要なんです。
金融機関とか支援機関の確認がないと申請できないんですね。
そうです。ただし、自己資金だけでやる場合は認定経営革新等支援機関の確認だけでOK。金融機関から借りる場合は、その金融機関の確認も必要です。
補助事業終了後、3〜5年で付加価値額の年平均成長率を一定以上(枠により3〜4%)上げること。つまり「この補助金で事業を拡大します」という将来計画を示さないといけない。
でも、この要件をクリアできる計画だからこそ、国が支援する価値があると判断されるわけです。
大まかに9つのカテゴリーに分かれています。建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、広告宣伝・販売促進費、そして成長分野進出枠だけに認められる廃業費です。
廃業費って、事業をたたむためにお金を使えるってことですか?
そうです。例えば、古い事業をやめて新しい事業にシフトする場合、原状回復費や在庫処分費、解体撤去費なんかを計上できます。これが成長分野進出枠(通常類型)だけの特典。
なるほど。じゃあ逆に、絶対に使えない経費ってありますよね。
あります。代表的なのは人件費、土地の取得費用、汎用性のある備品(PC・タブレットなど)の購入費、自動車等の車両購入費、補助事業に関係のない経費、消費税等の公租公課、不動産の取得費用です。
人件費がダメなのはちょっと意外。従業員を雇うお金には使えないんですね。
そうなんです。あくまで設備投資や外注費など、事業再構築のための直接的な経費に限定されます。あと、PCやタブレットみたいな汎用品もNG。事業専用の機械やシステムならOKですが、オフィスで誰でも使うようなものは対象外です。
対象経費と対象外経費の早見表- 建物費(新築・改修・撤去・原状回復)
- 機械装置・システム構築費(製造設備・システム開発)
- 技術導入費(知的財産権取得・ライセンス料)
- 専門家経費(コンサル・技術指導)
- 運搬費(設備の運搬・設置)
- クラウドサービス利用費(SaaS利用料)
- 外注費(設計・加工の外注)
- 広告宣伝・販売促進費(広告制作・展示会)
- 廃業費(原状回復・在庫処分・解体撤去)※成長分野進出枠のみ
×デメリット
- 人件費
- 土地の取得費用
- 汎用性のある備品(PC・タブレット等)
- 自動車等の車両購入費
- 補助事業と関係のない経費
- 消費税等の公租公課
- 不動産の取得費用
ここからは実際の申請手順を教えてください。交付申請するには何から始めればいいんですか?
まず大前提として、GビズIDプライムアカウントが必要です。暫定アカウントは2023年3月31日で利用終了してるので、正式なプライムアカウントを持ってない人は新規取得してください。
GビズIDって、よく聞くけど具体的にどうやって取るんですか?
デジタル庁のGビズIDのサイトで申請します。法人の場合は登記情報が必要で、発行までに数日〜2週間くらいかかることもあるから、早めに準備しておくのが鉄則です。
次に、自分がどの類型で採択されたかを確認します。第13回の採択通知を見て、成長分野進出枠(通常類型)、コロナ回復加速化枠(通常類型)、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)のどれかを把握。
そうなんです。事業計画の実施内容、経費内訳、スケジュールなどを記載した交付申請書類を作成します。特に大事なのは、経費の積算を正確にやること。見積書を取って、市場価格と整合性が取れてるか確認する必要があります。
基本的には1社でもOKですが、高額な設備などは相見積もりを取っておいた方が、後で「不適正」と言われにくいです。補助金は後でチェックが入るので、透明性が大事。
なるほど。書類ができたら、どうやって提出するんですか?
jGrantsという電子申請システムを使います。対応ブラウザは、WindowsならChrome、Firefox、Edge。macOSならChrome、Firefox、Safari。AndroidはChrome。絶対にInternet Explorerは使わないでください。Edgeの「Internet Explorerモード」もエラーになるので避けてください。
はい。あと、入力する文字にも注意が必要で、ダブルクォーテーション("や“ ”)、カンマ(,)、タブは使わないように。コピペすると余計な文字が入ることがあるので、気をつけてください。
交付申請の流れ(ステップバイステップ)- 1
採択類型の確認
第13回の採択通知で、成長分野進出枠(通常類型)・コロナ回復加速化枠(通常類型)・コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)のいずれかを確認
- 2
GビズIDプライムの準備
正式なGビズIDプライムアカウントを取得。暫定アカウントは利用終了のため、新規取得が必要な場合あり
- 3
交付規程・手引きの確認
公式サイトから交付規程、補助事業の手引き、各種様式をダウンロード。自身の類型に応じた要件をチェック
- 4
交付申請書類の作成
事業計画の実施内容、経費内訳、スケジュールを記載。廃業費の上乗せを希望する場合は廃業計画も盛り込む
- 5
jGrantsで電子申請
対応ブラウザ(Chrome/Firefox/Edge/Safari)からjGrantsにログインし、交付申請を提出。禁止文字に注意
いえいえ、その後も継続的な対応が必要です。補助事業を実施したら実績報告を出して、精算払請求をして、事業化状況報告もします。補助金が確定した後も、財産処分の手続きなど、長い付き合いになります。
交付申請は、すでに採択された人が行う手続きなので、基本的には形式的な審査がメインです。ただし、事業計画の内容が公募時のものから大きく変わっていたり、経費の積算に不備があったりすると、指摘される可能性はあります。
一番大事なのは経費の正確性と不正防止です。補助金の不正受給には厳しい罰則があって、虚偽申請が発覚すると、補助金の返還だけでなく加算金が課され、最悪の場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金になる可能性もあります。
実際にニュースになるケースもありますからね。「ちょっとした水増し」とか「関係のない経費を混ぜる」なんてことは絶対にダメ。すべての経費に証拠書類が必要で、後日事務局のチェックが入ります。
成長分野進出枠(通常類型)で廃業費を上乗せする場合、何かコツはありますか?
廃業費は最大2,000万円まで計上できますが、使える経費は限られています。原状回復費、在庫処分費、解体撤去費など。これらの費用を漏れなく見積もって、証拠書類をしっかり残すことが大事です。
例えば、古い工場を解体して新しい工場を建てる場合、解体費用は廃業費に入るんですか?
はい、解体撤去費として計上できます。ただし、新しい建物の建設費は建物費として別枠。廃業費はあくまで「古い事業をたたむための費用」です。これをうまく使えば、実質的な補助額は大きくなります。
事業再構築補助金は国の大型補助金なので、同一の経費に対して他の国庫補助金と併用はできません。ただし、対象経費が重複しない範囲で、IT導入補助金(ITツール導入部分)や小規模事業者持続化補助金(販路開拓部分)と使い分けることは可能な場合があります。
つまり、同じ機械を買うのに2つの補助金は使えないけど、機械は事業再構築で、販促費は持続化補助金で、という使い分けはあり得るってことですね。
その通り。ただし、併用の可否は必ず各制度の事務局に事前確認が必要です。自己判断は危険。また、自己負担分の資金については、日本政策金融公庫の新事業展開資金や各自治体の制度融資が使えるケースも多いので、銀行と相談してみてください。
募集期間は2025年6月30日から2026年8月29日まで。ただし、注意してほしいのは、新規申請の受付終了は2026年6月30日(もしくは補助事業完了期限日)という点。つまり、実際に申請できるのは2026年6月30日までで、それ以降は一部の例外(承継承認や社名変更など)を除いて受け付けてもらえません。
結構長い期間があるんですね。でも、ギリギリになるとシステムが混むかもしれないから、早めにやった方が良さそう。
そうですね。特にGビズIDの取得に時間がかかるケースがあるので、最低でも1ヶ月前には準備を始めることをおすすめします。
はい。補助事業を完了させる期限が2026年8月29日。つまり、それまでに計画した設備投資や外注などを終わらせて、実績報告ができる状態にしなければいけません。このスケジュール感を逆算して計画を立てることが重要です。
最後に、よくある質問をいくつか確認しておきましょう。
まず、「このページで対応する事業類型は何ですか?」という質問。答えは、成長分野進出枠(通常類型)、コロナ回復加速化枠(通常類型)、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の3つです。
補助上限額は7,000万円。さらに成長分野進出枠(通常類型)で廃業を伴う場合は、最大2,000万円の廃業費を上乗せできて、最大9,000万円の支援を受けられます。
「廃業費の上乗せはどの類型でも使えますか?」これ、さっき出ましたね。
はい。成長分野進出枠(通常類型)の補助金交付候補者に限られます。コロナ回復加速化枠では廃業費の上乗せは適用されません。
「コロナ回復加速化枠の通常類型と最低賃金類型の違いは?」という質問もありそうですね。
通常類型はコロナ禍からの回復を加速させる事業再構築全般が対象。最低賃金類型は、最低賃金の引上げに取り組む事業者を特に支援する類型で、賃金に関する追加条件(2023年10月〜2024年9月の間に最低賃金+50円以内で雇用している従業員が10%以上など)があります。
あと、GビズIDの暫定アカウントが使えなくなったのも重要な注意点ですね。
そうです。暫定GビズIDプライムアカウントは2023年3月31日で利用終了。もし暫定アカウントで過去に申請したことがある方でも、新たに正式なGビズIDプライムアカウントを作成してログインする必要があります。
最後に、不正受給の罰則についてもう一度確認しておきましょう。
はい。虚偽申請や目的外利用が発覚した場合、交付決定取消し、補助金の返還+加算金、そして「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」第29条に基づき、5年以下の懲役または100万円以下の罰金、または両方の可能性があります。決して軽い罰則ではないので、絶対にやらないように。
今日はたっぷりと事業再構築補助金(第13回)の交付申請について教えていただきました。最後にポイントをまとめると、どうなりますか?
そうですね。まず、このページは第13回で採択された方が交付申請をするための専用ページだということ。3つの事業類型があって、それぞれ要件や補助上限が違う。補助上限は最大7,000万円、成長分野進出枠なら廃業費が最大2,000万円上乗せできる。
申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、書類作成は正確に、不正は絶対にダメ、と。
そう。あと、スケジュール管理が大事。新規申請は2026年6月30日まで、事業完了は2026年8月29日まで。この期間を逆算して、余裕を持って準備してください。
ありがとうございました!室谷さんの解説で、とてもよくわかりました。
いえいえ、こちらこそ。採択された事業者の皆さんが、この補助金を有効活用して、新しい事業で成功されることを願っています!