教育・学習支援業 向け主要補助金・助成金 比較表
塾や教育サービスって、補助金が使いにくいイメージがあるんですけど、実際どうなんですか?
それ、よくある誤解ですね。教育・学習支援業って、業種として補助金の対象外になっているわけじゃないんです。人材育成系の助成金は特に相性がいいし、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金も普通に使えます。
あ、そうなんですか。なんか「お金を教える立場なのに補助金は知らない」みたいになりがちですよね(笑)
確かに(笑)。ざっくり分類すると、教育機関・スクールが使える補助金は3つのカテゴリに分けられます。「自社の人材育成を支援する助成金」「ICT化・IT導入を支援する補助金」「事業の販路開拓や生産性向上を支援する補助金」です。
そうです。それぞれの代表的な制度を見ていきましょう。学習塾、専門学校、eラーニング事業者、研修会社など、規模や業態で使えるものが変わりますよ。
| カテゴリ | 代表的な制度 | 補助上限の目安 |
|---|
| 人材育成・リスキリング | 人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金 | 30〜100万円/コース |
| ICT化・IT導入 | IT導入補助金 | 〜450万円 |
| 事業持続・販路 | 小規模事業者持続化補助金 | 〜200万円 |
| 大規模・特定分野 | 洋上風力人材育成補助金、共同講座創造支援補助金 | 数千万〜億円規模 |
まず人材育成の助成金から聞かせてください。教育業が使えるって、どういうことですか?
教育・学習支援業の事業者が「自社のスタッフを育てる」ために使う、という使い方ですね。学習塾の先生をICT研修に送るとか、オンライン教材の使い方研修を実施するとか。事業者自身が研修を受ける側じゃなくて、「自社従業員の能力開発をする」立場として申請するわけです。
なるほど!「研修を提供する側」じゃなくて「研修を受ける側の雇用者」として申請するんですね。
正確にはそうです。人材開発支援助成金が代表格で、7つのコースがあります。一番使いやすいのが「人への投資促進コース」で、eラーニングなどの定額制サービスを活用した研修費用の一部を助成してくれます。
中小企業の場合、訓練経費の最大60%、訓練時間中の賃金の75%まで助成されます。たとえば講師陣を新しい教育技術のオンライン研修に参加させた費用が、実質40〜75%引きになるイメージです。
あとはキャリアアップ助成金も相性がいいです。非正規の講師を正社員に登用したときに57万円、賃金規定を改定して3%以上の賃上げをしたときも助成が出ます。学習塾って非常勤講師が多いですよね。そういうところが活用しやすい制度です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金
DBにある「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」って何ですか?
これは補助金の対象が少し変わっていて、個人に対してキャリア相談・リスキリング・転職支援を一体的に提供できる民間事業者を対象にしているんです。教育業の事業者が「支援する側」として申請できる珍しい制度です。
教育事業者が「リスキリング支援機関」として認定を受ける形ですか?
そうです。補助率は1/2から定額まで複数パターンがあって、対象経費に人件費や外部委託費が含まれます。六次公募まで続いていた大型補助金で、新公募が再開されれば使い直しができます。詳細は
補助金詳細ページをご確認ください。
教育・学習支援業 補助金 申請の流れ
IT導入補助金がド定番ですね。学習管理システム(LMS)の導入、オンライン授業システム、生徒管理・請求ソフトの導入に使えます。教育・学習支援業は対象業種に含まれていますよ。
現行の制度で上限450万円、補助率は1/2から3/4です。ソフトウェアの費用だけじゃなくて、初期設定や導入支援の費用も含められる場合があります。ITツールを導入してオンライン授業に対応したい学習塾には特に使いやすい制度です。
IT導入補助金って申請が難しそうなイメージがありますが…
実は登録されたIT導入支援事業者(ベンダー)経由で申請する仕組みなので、事業者自身が複雑な書類を一から作る必要はないんですよ。ベンダーに「補助金を使いたい」と伝えると一緒に手続きしてくれます。
- 学習管理システム(LMS): Moodle, Google Classroom対応製品など
- 生徒・保護者管理ソフト: 月謝管理、出欠管理、連絡帳アプリなど
- オンライン授業プラットフォーム: Zoom連携、録画配信対応製品など
- バックオフィス効率化: 請求書発行、会計ソフト連携ツールなど
探究学習とかEdTech系の補助金ってありますか?
ありましたよ!「探究的な学びに資する民間サービス等利活用促進事業費補助金」という経済産業省の補助金で、最大約15.9億円の規模の大型補助金でした。学校への探究学習・プログラミング教育などの民間サービス導入を支援するもので、教育サービス事業者が学校に自社サービスを入れる費用を補助してくれる仕組みです。
残念ながら直近の公募は終了しています。ただ同様の趣旨の公募が再開される可能性がありますし、過去の採択事例から「どんな教育ICTサービスが評価されるか」を学べます。詳細は
補助金詳細ページで確認できますよ。
個人塾や小さな教室って、大型補助金は申請が難しいですよね。こういう規模に合った補助金はありますか?
ありますよ。一番のおすすめは「小規模事業者持続化補助金」です。常時使用する従業員が5人以下の教育サービス業が対象で、上限200万円(最低限の枠は50万円)、補助率は2/3です。
新しい教育コースのチラシ作成・広告費、ホームページ制作・リニューアル、オンライン授業に必要な機材の購入などが対象になります。全国商工会議所が採択を担当しているので、地元の商工会議所に相談に行くといいです。
はい。通年で公募が続いていることが多いですが、各回の締め切りがあるので、計画的に動くことが大事です。全国学習塾協会もこの補助金を「塾事業者向け」として積極的に案内していますよ。
東京都の教育事業者向け助成金
東京都の「広域団体認定訓練助成金」があります。中小企業の団体が広域的に認定職業訓練を行う際に助成される制度です。単独の学習塾というよりは、塾の業界団体・組合が研修事業をやる場合に向いています。
そうです。ただ都内の小さな塾でも、スキルアップ助成金(事業外)は使えます。外部の教育機関に社員研修を委託したときの費用を助成してくれる制度で、1企業あたり年間最大150万円まで活用できます。
大学や研究機関レベルの教育機関が使える補助金もあるんですか?
あります。「高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金」が代表例で、企業と大学・高専が組んで共同講座を設置する費用を補助します。補助率10/10(全額)、上限3.5億円という大型の制度です。
産業界のニーズに即した高度専門人材の育成を目的とした講座です。DX・AI・サイバーセキュリティ・グリーン系の技術人材を育てるためのカリキュラムを、企業と大学が共同で設計する、という使い方が典型的ですね。
高等専門学校でも対象になりますよ。ただ「企業との共同申請」が必要なので、大学や高専が単独では使えません。詳細は
補助金詳細ページで確認できます。
洋上風力発電人材育成事業費補助金
洋上風力って、教育業って感じじゃないんですが(笑)
確かに(笑)。でも補助対象の中に「教育機関」が含まれているんです。洋上風力発電の専門人材を育てるカリキュラムを作ったり、トレーニング施設を整備したりする教育・研修事業者が申請できます。
特定の産業向け人材育成に特化した補助金ってわけですね。
そうです。経済産業省資源エネルギー庁が管轄していて、
令和8年度公募で最大約5.7億円規模の大型補助金です。再生可能エネルギー・工学系の教育機関や研修事業者にとってはかなり使いやすい制度です。
補助金詳細ページで詳しく確認できます。
AKATSUKI プロジェクト: 地方の若手人材育成
地方で教育事業をやっている方向けの補助金もありますか?
あります!「地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金(AKATSUKIプロジェクト)」という総務省の補助金で、上限3,000万円、補助率は人件費・委託費2/3、開発支援費10/10です。
首都圏で成果を上げたIT・起業家人材の発掘・育成プログラムを地方に展開する事業が対象です。地方のICT教育機関やプログラミングスクールが、地元の若者向けに新しいプログラムを立ち上げる場合に活用できます。
公募期間を早めにチェックする — 補助金は公募期間が短いものが多い。経済産業省・厚生労働省のサイトを定期的に確認する
GビズIDを事前に取得する — IT導入補助金や持続化補助金はGビズIDが必要。取得まで2〜3週間かかるため先に準備する
「事業計画書」を丁寧に書く — 審査員が見るのは数字の正確さより「なぜこの補助金が必要か」「採択後にどんな成果を出すか」という説得力
経費を使う前に必ず採択通知をもらう — 採択前に実施した経費は原則として補助対象外。申請→採択通知→事業開始の順序を守る
補助金は後払いが基本 — 先に経費を払って実績報告後に入金される仕組みがほとんど。資金繰りを事前に確保しておく
- 事業計画書に「〜が欲しいので補助金を使う」という書き方をする(補助金は事業目的が先。ツール取得が目的はNG)
- 見積もりを1社しか取らない(複数社の相見積もりが必要な場合が多い)
- 申請期限直前に慌てて書類を用意する(修正の余地がなくなる)
- 補助対象経費でないものを計上する(後で差し戻される)
そこ、実は一番見落とされがちなポイントなんです。たとえば50万円の補助金を使う場合、最初に自己資金で50万円の経費を払って、実績報告後に補助金が振り込まれます。つまり一時的に50万円の立て替えが必要です。
できます。日本政策金融公庫の「スタートアップ創業融資」や「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」と組み合わせて使う事業者も多いですよ。補助金が決まったら融資も申し込む、という流れで資金繰りを解決できます。
教育業向けの補助金、思ったよりたくさんあるんですね!
まとめると、中小の学習塾・教室なら「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「人材開発支援助成金」の3つから検討するといい。大学・高専・研究機関なら「高等教育共同講座」「洋上風力人材育成」。EdTechで学校向けサービスを提供している事業者なら「探究的な学び利活用促進」や「地域未来人材育成」系の公募をウォッチする、という感じです。
そこを最初に整理しないと、自分には使えない制度を延々と調べることになります(笑)。「自社は誰を教えているのか(学生・社会人・企業社員)」「何を教えているのか(IT・語学・資格・探究)」「規模はどのくらいか」の3点を先に整理すると、使える補助金が絞れてきますよ。
なるほど、そこから考えるのが近道なんですね。ありがとうございます!