今日は東京都の私立学校向けの補助金について聞きたいんですけど、「結核予防費都費補助金」ってちょっと聞き慣れない名前ですよね?結核って今でも関係あるんですか?
意外と思われるかもしれないですけど、結核は今でも国内で毎年1万人以上の新規患者が報告されている感染症なんですよ! 2025年のデータでも年間1万人規模の発生があって、決して過去の病気じゃないんです。
えっ、そんなに!? てっきり昔の病気かと思ってました。
特に多くの人が集まる学校や施設では定期的な健康診断が法律で義務づけられているんですね。感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の第60条第1項がその根拠で、東京都がその費用の一部を補助する制度が今回紹介する「令和7年度私立学校等結核予防費都費補助金」です。
なるほど! 法律に基づいて義務でやってる検診なのに、全部自己負担だと大変ですよね。
そうなんです。特に在学・在籍者数が多い私立大学や、複数キャンパスを持つ法人だと年間の検診費用がかなりの額になりますから。この補助金で費用の3分の2を補助してもらえるのは、設置者にとって非常に助かるはずです!
「都費補助金」っていうのは東京都のお金から出るってことですよね?
そうです! 東京都が独自に予算を組んで、都内の私立学校・施設を支援している制度です。財源が東京都なので、他の都道府県にはない東京独自の制度ですよ。似たような制度が他の都道府県にあるかどうかは各都道府県に確認が必要です。
令和7年度私立学校等結核予防費都費補助金の仕組み図解
申請受付が令和7年7月10日から令和8年5月29日まで、10カ月以上もある長期間なんですね。
定期健康診断の実施時期が学校ごとにバラバラなので、長めの期間を設けているんです。ただし、検診を実施した後に申請する流れになるので、早めに準備を進めておくのがベストです。
申請は郵送ですか? それともオンラインでもできますか?
この点については公式サイトや交付要綱で確認が必要です。電子申請か書面申請かは毎年度の要綱で案内されているので、ダウンロードした交付要綱に記載の提出方法に従ってください。
どんな学校や施設が対象になるんですか?「等」って書いてあるので、学校だけじゃないんですよね?
そうなんです! 対象はかなり多くて、私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学・短大・専修学校(修業年限1年以上)・各種学校(修業年限1年以上)はもちろん、社会福祉施設なども含まれます。
保育園や障害者支援施設なんかも対象になりますよ。ただし、いくつか除外される施設があって注意が必要です。国・東京都・区市町村が設置する施設(つまり公立校・公立施設)は対象外です。あと、修業年限が1年未満の学校も対象外になります。
そうです。「調理師養成施設」などで1年未満のコースだけの場合は対象外です。もう一つ大事なポイントが、八王子市に所在する学校・施設は対象外なんですよ。
八王子市は「保健所設置市」といって、東京都から独立して保健所機能を持ち、独自に結核対策を実施しているんです。だから東京都の本補助金の対象から外れているんですね。八王子市内の施設は八王子市の制度を確認するといいです。
以下に該当する場合は本補助金の対象外です。
申請前に必ず確認しましょう。
- 国・東京都・区市町村が設置する学校・施設(公立)
- 八王子市に所在する学校または施設
- 修業年限が1年未満の学校(専修学校・各種学校等)
- 定期健康診断以外の臨時検査や、結核以外の疾病に関する検査費用
補助率が「3分の2」というのはわかったんですが、実際にいくらもらえるかの計算ってどうやるんですか?
ここが少し複雑なんですよ。次の3つの金額を比較して、最も少ない額に3分の2を掛けた金額が交付額になります!
3つを比べてその最小値に3分の2…なるほど、上限が2段階になってるんですね。
正確に言うと3段階です(笑)。まず「補助基準単価による算出額」、次に「補助対象経費の実支出額」、そして「総事業費から寄付金等を差し引いた額」の3つを比べます。
| 算定基準 | 内容 |
|---|
| ① 補助基準単価による算出額 | 交付要綱別表1に定める単価 × 受診者数 |
| ② 補助対象経費の実支出額 | 交付要綱別表2に定める範囲の実費 |
| ③ 総事業費から収入を引いた額 | 事業費全体 - 寄付金等の収入 |
| 交付額 | ①②③の最小値 × 2/3(上限1,000万円) |
①の補助基準単価って何ですか? 独自に設定されてる金額なんですよね?
そうです。東京都が交付要綱の別表1で定める単価で、健康診断の種類(胸部X線検査など)や検査内容ごとに基準単価が設定されています。委託費用がこの基準単価を超えている場合、超えた部分は補助の対象にならないわけです。
なるほど! だから高い医療機関に頼みすぎると損するんですね。
そういうことです! 委託先の医療機関を選ぶときは、基準単価を意識した適正な価格で契約することが補助金を最大限に活用するコツですよ。ちなみに算出された額に1円未満の端数が出た場合は切り捨てになります。
複数の学校を持つ学校法人だと、まとめて申請できるんですか?
その点は交付要綱の規定によりますので、防疫課結核担当に直接確認するのがいちばん確実です。上限額1,000万円は制度全体での上限ですから、大規模な学校法人でも一定の補助が受けられるようになっています!
補助対象になる経費とならない経費は、具体的にどう区別されるんですか?
大まかに言うと、感染症法に基づく定期の結核健康診断の実施に直接関わる費用が対象です。
| 対象経費 | 対象外経費 |
|---|
| 結核検診(胸部X線検査)の実施費用 | 結核以外の疾病に係る検査費用 |
| 医療機関への健診委託費用 | 健康診断以外の一般管理費 |
| 検診結果の判定・読影費用 | 施設の改修・修繕費用 |
| 受診勧奨に係る直接的な事務経費 | 医療機器の購入費用 |
| 常勤職員の人件費(給与等) |
施設改修とか医療機器の購入はダメなんですね。あくまで「健診の実施費用」に特化した補助金なわけですね。
まさに。「結核予防のための定期健康診断を確実に実施させる」という目的に絞った制度なので、関係ない費用は入れられません。書類を準備するときにそこを間違えないように注意が必要です。
胸部X線検査以外の検査(血液検査とかツベルクリン反応)はどうですか?
結核検診の一環として実施されるもので、交付要綱別表2の「補助対象経費」に含まれているものは対象になります。何が対象か不明な場合は、必ず事前に防疫課に確認するのが安心です。領収書を後から仕分け直すのは大変ですから、事前確認が鉄則ですよ!
委託先の医療機関の選び方についてアドバイスはありますか?
補助基準単価以内で検診を実施してくれる医療機関や健診センターを選ぶことが大前提ですね。複数の学校・施設を持つ法人なら、まとめて発注することでボリュームディスカウントが受けられる場合もあります。契約書の締結前に補助基準単価を確認しておくことが、補助金の取りこぼしを防ぐポイントです!
令和7年度私立学校等結核予防費都費補助金 申請ステップ
実際の申請手続きはどんな流れになるんですか? 初めて申請する学校向けに教えてほしいです。
5つのステップで整理できます! 順番に説明しますね。
ステップ3の「3つの中で最も少ない額」っていうのが、実際の作業では難しそうですね。
そこはしっかり計算が必要ですね。特に医療機関への委託費用が補助基準単価を大きく超えている場合、実際に払った額よりかなり少ない補助金になることもあります。委託先を選ぶ段階から基準単価を意識することがポイントです!
この補助金は採択審査があるんですか? それとも要件を満たせば全員もらえる感じですか?
本補助金は法令に基づく法定健康診断を支援するための制度なので、要件を満たした申請に対して交付されます。競争倍率で落とされるタイプではないです。
じゃあ書類がしっかり整っていれば確実にもらえるんですね! それは安心した。
ただし、申請書類の不備や記載ミスで処理が遅れたり、補助額の計算が間違っていたりするケースはあり得るので、準備は丁寧にやりましょう。
補助金申請で失敗しないためのチェックリストです。
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最新の様式を使う(毎年度更新されるので古い様式は不可)
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補助基準単価を確認してから委託契約を締結する(超過部分は補助対象外)
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健康診断の実施記録・領収書・受診者名簿を整理して保管しておく
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3つの算定基準を正確に計算して最小値を特定する
-
寄付金等の収入がある場合は総事業費から必ず差し引く(忘れると過多請求になる)
「古い様式は不可」というのはトラップですね。前年のファイルを使い回してしまいそう。
これ、意外とやりがちなミスなんですよ! 毎年度の最新様式が公式サイトに掲載されているので、申請前に必ず確認してください。担当者が変わった年は特に注意です。
毎年申請が必要ということは、担当者の引き継ぎも重要になってきますね。
そうです! 初年度に申請のノウハウを組織内でマニュアル化しておくことを強くお勧めします。申請書の書き方、提出先、使用する様式、スケジュールをまとめたマニュアルがあると、担当者が変わっても確実に申請できます。
毎年4月以降に必ず確認しましょう。
- 公式サイトから最新年度の交付要綱・申請様式をダウンロードしているか
- 補助基準単価に変更がないか(別表1の確認)
- 申請受付開始日と締切日をカレンダーに登録しているか
- 健康診断委託先との契約単価が基準単価以内に収まっているか
よくあるのは計算ミスと書類の欠落です。3段階の算定比較で間違えやすかったり、受診者名簿と領収書の金額が合わなかったりするケースがあります。提出前に必ず上長や別の担当者にチェックしてもらうことをお勧めしますよ!
この補助金と合わせて知っておくべき、東京都の他の学校・医療・福祉系の補助金ってありますか?
対象が似ていたり、組み合わせを考えられたりするものをいくつか紹介しましょう。東京都の医療・福祉・教育系の補助金にはいろいろな種類がありますよ!
なるほど! 学校法人が社会福祉施設も運営している場合は、この結核予防費補助金で福祉施設の検診費用もカバーできるってことですね。
そうです! 学校法人が附属の保育所や社会福祉施設も運営している場合、同一法人として申請できる可能性があります。詳細は防疫課に確認を。また、学校の日常的な運営費については私立学校経常費補助金(東京都私学財団経由)など別の制度もありますから、複数の補助制度を組み合わせて活用するといいですよ!
介護施設や保育所も「感染症対策」という観点では共通してますよね。東京都には感染症関連の補助金が他にもありますか?
感染症対策全般に関しては
令和7年度NBC災害・テロ対策設備整備補助事業のように別の補助制度もあります。ただしNBC補助金は生物・化学・放射線テロ対策設備の整備が目的なので用途が違います。本補助金はあくまで結核の定期健診費用に特化していますよ。それぞれの制度の目的をよく確認してから申請するといいですね!
実際にこの補助金を使っているのはどんな法人が多いですか?
大きく分けると3つのパターンが多いですね。まず私立大学・短大など在籍者数が多い学校法人、次に都内で複数の私立高校・中学を運営する大規模学校法人、そして保育所や福祉施設を多数運営する社会福祉法人です。
やっぱり規模が大きい組織ほどメリットが大きいですね。
例えば学生・教職員合計で3,000人規模の私立大学が胸部X線検査を委託すると、年間の費用が相当な額になります。補助基準単価に収まっている場合、費用の3分の2が補助されるわけで、規模が大きいほど絶対額のメリットは大きいです。小規模な学校でも確実に申請すべき制度ですよ!
そうです! 日本国内とは感染症の流行状況が異なる地域から来た留学生が多い大学や専修学校では、結核のリスク管理という面でも定期健診の意義がより高くなります。海外からの入学者が多い学校ほどこの補助金の活用価値があると言えます。
実際に申請しようとしている担当者の方から、よく寄せられる疑問ってどんなものがありますか?
ちなみに「補助基準単価」って公式サイトで確認できますか?
交付要綱の別表1に記載されています。公式サイトから要綱をダウンロードして確認できます。実際の委託費用と比較して、単価超過分は補助対象外になることを覚えておいてください。
毎年申請しなきゃいけないんですか? 一度認定されたら継続して受け取れる感じではないんですよね。
はい、毎年度申請が必要です! 前年度の実績があっても自動的に継続されません。年間スケジュールに「7月から申請開始」と組み込んでおくのがベストです。
修業年限1年以上の専修学校は対象です! ただし1年未満の課程のみの場合は対象外になります。
複数の学校を運営する法人は、まとめて申請できるんですか?
その点は交付要綱の規定によりますので、防疫課結核担当(03-5320-4483)にご確認ください。まとめて申請できる場合と、学校ごとに申請が必要な場合があります。
八王子市の学校が対象外というのはちょっと驚きでした。
八王子市は保健所設置市なので独自に結核対策を実施しています。八王子市内の学校・施設は八王子市に問い合わせてみてください。同様に、国立・都立・区市町村立の学校・施設は対象外です。
申請について詳しく聞きたい場合はどこに連絡すればいいですか?
申請に関する不明点や、具体的なケースの判断については直接担当課に問い合わせるのがいちばん確実です。
ありがとうございます! 結核予防って地味に聞こえるかもしれないけど、学校や施設で毎年必ず実施している法定健診の費用が3分の2補助されるのは、かなり大きいですよね。
そうなんです! 上限1,000万円まで補助されるので、大規模な学校法人だと数百万円単位の財政支援になる場合もあります。申請期間が長い(令和7年7月10日〜令和8年5月29日)ので余裕があるように見えますが、様式は毎年更新されるし、書類の準備も必要なので早めに動くのがコツですよ!
東京都内の私立学校・施設の担当者の方はぜひ活用してみてください!
1,000万円という上限は、複数の学校・施設を持つ法人が実際に年間数百万円かけて健診を実施している現実に配慮した金額設定だと思います。感染症対策の一環として、毎年欠かさず申請する習慣をつけることで、長期的に大きな財政効果が得られますよ!