編集長の佐藤です。石川県で学習塾を経営しているんですが、補助金って何か使えるんでしょうか?
こんにちは。株式会社MYUUU代表の室谷です。石川県の教育事業者さんは、北陸新幹線の延伸で学習需要が高まる一方、人手不足やデジタル化の波にどう対応するかが課題ですよね。実は小規模な塾から大学連携、学校現場のDXまで、多様な補助金が用意されています。一緒に見ていきましょう。
まず、個人塾のような小さな事業者でも使える補助金はありますか?
もちろんです。代表的なのは「小規模事業者持続化補助金」です。商工会議所地区版の
第7回受付分 では、上限50万円、補助率2/3で、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援。たとえば、新しい講座のチラシ作成やホームページ改修、ITツール導入などに活用できます。金沢商工会議所など地元の商工会議所に相談すれば、経営計画の作り方からサポートしてもらえますよ。
掲載しているのは令和元年度補正予算の第7回分で、締切は2022年2月4日と過去のものですが、この補助金は毎年のように公募が行われます。石川県産業創出支援機構(ISICO)や商工会議所に問い合わせれば、最新の公募情報を入手できます。少額でも使い勝手が良く、初めての補助金申請に最適です。
そうですね。次に、もう少し規模の大きな人材育成向けの補助金を紹介します。
地域で若手IT人材や起業家を育てたい教育事業者には、「地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金」が注目です。
令和7年度補正の同事業 では、上限89,000万円、補助率10/10(全額補助)という破格の支援。プロジェクトマネージャーを配置し、伴走型の育成プログラムを民間企業等が実施する費用を全額補助します。石川県でプログラミングスクールや起業家養成講座を立ち上げるなら、これを使わない手はありません。
8億9千万円はすごいですね。同じようなプロジェクトに「AKATSUKIプロジェクト」って聞いたことがありますが。
AKATSUKIプロジェクトは総務省が推進する別の枠組みで、
令和7年度の同事業 が対応します。上限3,000万円と上の補助金より小ぶりですが、人件費や委託費の2/3、開発支援費は全額補助と手厚い。産業界や学会のプロジェクトマネージャーによる審査・育成の仕組みを各地に横展開するもので、金沢市など都市部のIT教育にぴったりです。
また、実践的なデジタル人材育成には「地域デジタル人材育成・確保推進事業費補助金」があります。
令和8年度版 は上限5,600万円、
前年度版 は上限6,800万円、どちらも補助率は4/5以内。企業の実データを使ったケーススタディ教育プログラムを提供する事業が対象で、教育・学習支援業ももちろん申請できます。座学だけでなく、実際の経営課題を解決するDX人材を育てたい塾・スクールに最適です。
デジタル人材を育てる塾なら、補助率も高くて魅力的ですね。
ええ。さらに、キャリアチェンジを支援する「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」も見逃せません。
第六次公募 や
第五次公募 は、キャリア相談からリスキリング、転職支援まで一気通貫で行う民間団体が対象。語学スクールやITスクールが、受講生の転職までサポートする体制を整えれば、補助率1/2〜定額で支援が入ります。上限額は公募要領で確認が必要ですが、石川県内で新しいリスキリング事業を始めるチャンスです。
小中学校や高校向けのサービスを提供している教育企業もあると思うんですが、そういう事業者向けの補助金は?
あります。学校の働き方改革と探究学習の高度化を同時に進める大型補助金が2つ。一つは「探究的な学びに資する民間サービス等利活用促進事業費補助金」で、
令和4年度当時の公募 では上限158,950万円、全額補助(定額)。ICTを活用した学校活動支援サービス(例えば、授業準備の効率化やプログラミング教材の提供)を学校に導入する民間事業者を支援します。もう一つは「地域未来人材育成支援民間サービス等利活用促進事業費補助金」で、
公募要領 によると上限150,775万円、補助率は定額(全額補助)。教師の業務負担軽減と探究的な学びの高度化を同時実現するEdTechサービスの導入費を補助します。どちらも日本全国の学校が対象で、石川県の教育委員会や学校と連携してサービスを提供する事業者には絶好の制度です。
15億円超えですか! 採択されれば大きな事業展開ができそうですね。
そうですね。ただし、これらの補助金は事業者自身がサービスを企画し、学校現場への体験会なども実施する必要があります。補助率は全額補助と記載されているものの、公募要領で詳細を必ず確認してください。
大学や専門学校と組んで、より高度な人材育成をしたい教育事業者向けには?
企業等が高等教育機関に共同講座を設置する費用を助成する「高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金」があります。
令和5年度分 は上限35,000万円、補助率定額(10/10)で、最大約3.5億円が支給されました。産業界のニーズに即したカリキュラムを大学や高専と一緒につくることで、企業内人材のリスキリングと学生の専門教育を同時に進められます。石川県には金沢大学や金沢工業大学など有力校がありますから、連携のチャンスは十分あります。
はい。
令和3年度 は上限5,000万円、定額補助。公募は終了していますが、こうした制度が定期的に出てくるので、今後の公募に備えて準備しておくといいでしょう。
少し毛色が違いますが、「フェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業」も教育施設で活用できます。
三次公募、
二次公募 いずれも上限3,500万円、補助率1/3。平常時は省エネ、非常時は災害拠点やクーリングシェルターとして機能する設備の導入を支援します。保育所や幼稚園、学習塾の建物に太陽光発電と蓄電池を入れれば、光熱費削減と防災対策を両立できます。
ところで、能登半島地震で被災した教育施設への支援はありますか?
今回の記事で直接紹介できる補助金は上記のとおりですが、被災事業者向けの特別な支援策が別途用意されている場合があります。石川県産業創出支援機構(ISICO)や石川県庁の「能登半島地震関連支援」ページ、各市町村の商工会議所・商工会で情報を確認してください。また、施設の復旧にあたっては、先ほど紹介した「小規模事業者持続化補助金」などの一般枠も応用できる可能性があります。まずはお近くの窓口にご相談を。
わかりました。補助金の種類が多くて迷いますが、どう探せばいいでしょう?
ポイントは、自社の「強み」と「地域課題」を結びつけることです。石川県なら、北陸新幹線効果で需要が見込める教育サービス、能登の復興を担う人材育成、金沢のIT企業と連携したデジタル教育などをテーマに申請書を書くと説得力が増します。公募情報は常に更新されますから、ISICOや金沢商工会議所などのサイトを定期的にチェックしてください。
本日はありがとうございました。石川県の教育事業者として、できるところから動いてみます!
ぜひ。補助金を上手に使って、石川の未来を担う人材を育てていきましょう。
本記事は掲載時点の情報に基づきます。補助金の公募状況や要件は随時変わるため、必ず公式の公募要領を確認してください。