佐藤

佐藤

編集長

石川県で宿泊業や飲食サービス業を営んでいるんですが、今使える補助金ってどんなものがありますか?能登半島地震の影響もあって、設備投資や新たな取り組みを検討しているんですが、情報が多くて迷ってしまいます。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。石川県の宿泊・飲食業界は、観光需要の回復と防災・環境対応の両面で、今まさに補助金を活用する好機です。国や県のさまざまな制度がありますが、今回は特に宿泊施設や飲食店が使いやすいものをピックアップします。まず、観光庁が実施している「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」は、インバウンド向けの観光コンテンツを造成・改善する補助金で、宿泊業も対象になります。

観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業

佐藤

佐藤

編集長

それは具体的にどういう事業ですか?旅館やホテルでも申請できるんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、できます。この事業には3つの類型があります。①新創出型は、これまでにない観光コンテンツをゼロから作り出す場合に使えます。補助上限は400万円まで定額、400万円を超える部分は事業費2100万円まで補助率1/2(最低事業費600万円)です。②分野特化型(ガストロノミー)は、食をテーマにしたコンテンツ開発向けで、やはり400万円まで定額、超過分は事業費2500万円まで1/2(最低事業費600万円)。③品質向上型は、既存コンテンツのレベルアップを図るもので、800万円まで定額、超過分は事業費4200万円まで1/2(最低事業費1200万円)です。宿泊施設の場合、例えば「地元の食材を使った料理体験ツアー」や「伝統工芸と宿泊を組み合わせた滞在型プラン」をガストロノミー型で申請するイメージですね。
佐藤

佐藤

編集長

かなり手厚い補助ですね。採択数はどのくらい見込まれているんですか?
室谷

室谷

代表取締役

新創出型は350~400件、品質向上型は100件程度、ガストロノミー型は10件程度の採択を予定しています。締切は2026年4月2日とまだ先ですが、予算が限られているので早めの準備が肝心です。

フェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業

佐藤

佐藤

編集長

次に気になるのが、環境省の「フェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業」です。これは宿泊施設にも関係ありますか?
室谷

室谷

代表取締役

まさに関係します。この事業は、平常時は省CO2設備として光熱費削減、非常時はクーリングシェルターや災害活動拠点として機能する施設の導入を支援します。宿泊業は、災害時の避難所としての役割が期待されており、この補助金で太陽光発電や蓄電池、断熱改修などを導入すれば、平常時のエネルギーコスト削減と防災力強化の一石二鳥が狙えます。補助率は対象経費の1/3、上限は3500万円と規模感も大きい。一次公募は2025年5月9日、二次は7月25日、三次は9月26日締切で、段階的に実施されています。温泉旅館などで、非常時にも独立して電源を確保できる設備を整えたい場合に最適です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。ただ、補助率1/3だと自己負担が大きいですね。予算の組み立てが難しそうですが…。
室谷

室谷

代表取締役

確かに1/3ですが、対象経費の範囲が広く、設備費だけでなく工事費なども含まれます。また、この事業は「フェーズフリー」という考え方に基づいており、補助金の意義として、防災備蓄を新しい形で社会実装する位置づけです。宿泊施設としても、地域の防災拠点としての価値を高められます。

観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業

佐藤

佐藤

編集長

バリアフリー関連の補助金もありますよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい、「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」が2026年5月15日まで募集されています。これは高齢者や障害者が安心して旅行できる環境整備を目的とし、宿泊施設のバリアフリー改修、多言語対応、情報アクセシビリティ向上などが対象です。具体的な補助率や上限額は公募要領で確認する必要がありますが、インバウンド需要の回復を見据えて、ユニバーサルツーリズムは成長分野です。
佐藤

佐藤

編集長

過去には同じようなバリアフリー補助金があったと聞きましたが、今はこれに統合されたんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。令和4年度や3年度には「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」として、バリアフリー分野(上限500万円、補助率1/2)やストレスフリー分野(上限150万円、補助率1/3)がありましたが、これらは既に終了しています。現在は上記のユニバーサルツーリズム促進事業が後継的な位置づけになります。

飲食サービス業向けの補助金

佐藤

佐藤

編集長

飲食店向けにはどんな補助金がありますか?
室谷

室谷

代表取締役

農林水産省の事業でいくつかあります。まず「令和7年度食品産業プラスチック資源循環対策事業」は、食品容器包装のリサイクルを促進するもので、上限4000万円、補助率は定額(全額)です。飲食店がテイクアウト容器を環境配慮型に切り替える際に活用できます。締切は2026年1月7日。
佐藤

佐藤

編集長

全額補助は大きいですね!
室谷

室谷

代表取締役

ただし、全体の予算枠が4000万円で、応募多数なら採択されない可能性もあります。「令和7年度食品ロス削減等緊急対策事業」も注目です。こちらは上限2億円、補助率定額で、食品ロス削減のモデル事業や未利用食品の供給体制構築を支援します。飲食店がフードシェアリングサービスと連携したり、廃棄予定の食材を活用したメニュー開発をする際に使えるでしょう。同じく締切は2026年1月7日です。
佐藤

佐藤

編集長

輸出関連の補助金もありますか?
室谷

室谷

代表取締役

「令和7年度補正 重要市場の商流維持・拡大緊急対策事業」という制度があります。上限1000万円、補助率は定額または1/2以内。ただし、直近2年以上の輸出実績と認定品目団体との連携が必要で、海外輸出に既に取り組んでいる事業者向けです。地元の日本酒や加工食品を輸出している飲食店なら対象になる可能性がありますが、ハードルは高めです。

過去の定番補助金と相談窓口

佐藤

佐藤

編集長

小規模事業者持続化補助金はよく聞きますが、今は使えないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

残念ながら、リストにあるものは第6回~第11回までで、全て2022~2023年に締切済みです。ただし、この補助金は毎年度のように新たな回が設けられることが多いので、最新の公募情報を商工会や商工会議所でチェックする価値はあります。通常枠で上限50万円、補助率2/3と、小規模事業者にとって非常に使い勝手が良く、店舗改装やチラシ作成などに活用できました。石川県内の商工会・商工会議所の窓口に問い合わせれば、次回の予定を教えてもらえるでしょう。
佐藤

佐藤

編集長

他に石川県独自の制度はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

県のホームページで「コンベンション誘致推進事業補助金」「いしかわの新たな観光スタイル開発支援事業」「支援者受入環境整備事業費補助金」といった制度が掲載されていますが、詳細は各事業の公募要領をご確認ください。宿泊業や飲食業にとっては、県が行う観光振興策と連動した支援が得られる可能性があります。
佐藤

佐藤

編集長

最後に、これから補助金を申請する際のポイントを教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

まず、補助金の申請には経営計画書が必須のものが多いです。特に観光コンテンツ系は、事業の目的や期待効果を具体的に示す必要があります。また、石川県は能登半島地震の復興需要もあるため、防災や地域貢献をアピールすると評価が高まる可能性があります。早めに情報収集を始め、自治体や専門家のサポートを受けながら計画的に進めてください。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございました。早速動き出します!