展示会出展で使える補助金・助成金の種類
展示会って、出展費用がなかなかバカにならないじゃないですか。ブースの小間代だけで数十万、装飾費や輸送費も合わせたら100万超えることもある。補助金って使えるんですか?
使えますよ。というか、展示会は「販路開拓」の典型例として国も自治体も積極的に支援してる分野なので、むしろ補助金の出どころが多い領域なんですよね。
ただ注意が必要で、「展示会」という言葉が名前に入ってる制度は実は少ないんです。「販路開拓支援」「市場開拓助成」「小規模事業者持続化補助金」みたいな制度の対象経費として展示会出展費が認められてる、というケースがほとんどで。
そうそう。だから「展示会 補助金」で探すより「販路開拓 補助金」で調べた方がヒットしやすいんですよ。あとは補助金と助成金の違いも把握しておいた方がいいですね。
補助金は審査があって採択件数に上限があるやつ。要件を満たしても落ちる可能性がある。助成金は要件を満たせば原則もらえることが多いんですが、審査があるものもあります。展示会の場合、東京都の助成金みたいに「要件OK→申請→確認→助成」というシンプルなものもあれば、ものづくり補助金みたいに競争率がある補助金もある。
両方同時に探して、タイミングが合うもの全部使う、が正解です(笑)。ものづくり補助金に落ちても、小規模事業者持続化補助金は採択されるケースもありますし、都道府県の助成金は年に何回も公募があるので拾いやすい。
まず全国で使えるメジャーどころから整理しましょう。代表的なのは6種類くらいですね。
| 制度名 | 上限額 | 補助率 | 申請者 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 50〜200万円 | 2/3 | 小規模事業者 |
| 共同・協業販路開拓支援補助金 | 5,000万円 | 定額または2/3 | 地域団体・10社以上 |
| ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金 | 規模による | 2/3 | 中小企業 |
| 伝統的工芸品産業支援補助金 | 2,000万円 | 公募要領参照 | 伝産法認定団体 |
| 皮革産業振興対策事業費補助金 | 3,500万円 | 2/3 | 皮革関連団体 |
| 都道府県独自助成金 | 150〜300万円 | 1/2〜2/3 | 地元中小企業 |
幅が広いですね〜。中小企業なら複数同時に狙えそう?
同じ展示会の経費に対して二重申請はできないんですが、別の展示会ならOKです。例えば上半期の展示会には都の助成金、下半期の別の展示会には持続化補助金、みたいな使い方はできますよ。
まず「小規模事業者持続化補助金」は、展示会で使えるんですか?
バリバリ使えます。販路開拓の代表的な対象経費として明記されてるくらいで。従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の小規模事業者が対象で、上限50万円、補助率2/3なので最大で33万円くらいが戻ってくるイメージです。
展示会の小間代って業種や規模にもよりますが、国内の中規模展示会で30〜50万前後が多いので、実質出展コストの半分以上がカバーできる計算です。
持続化補助金は年に複数回公募があって、「展示会後に費用申請」ではなく「事前に採択を受けてから出展」という流れになります。だから逆算して動かないといけないのが一番のポイントですね。3〜6ヶ月前には動き始めたい。
展示会が決まってから申請しようとしたら間に合わないやつですね。
そうなんです(笑)。あとブース装飾費・広告宣伝費・バナー作成費なども対象になるので、トータルの販路開拓活動として申請額を積み上げるのがコツです。
小規模事業者持続化補助金の詳細ページで最新の公募情報を確認してみてください。
「共同・協業販路開拓支援補助金」って名前からして大きそうですよね。
これは規模が違います。上限5,000万円で補助率が定額または2/3。ただし対象が「地域の中小企業10社以上」が組んで、商工会や商工会議所、協同組合が主体となって申請するやつなんです。
個人ではできないですね。地域の業界団体や商工会が音頭を取って、地域の中小企業複数社が一緒に展示会や商談会を開催するとか、そういう規模感の事業に使う補助金です。
共同・協業販路開拓支援補助金(第9回公募)はすでに締め切られてますが、後継事業が繰り返し実施される傾向があるので動向を追っておく価値あります。
商工会に入ってるなら相談してみる価値ありそうですね。
そうです。商工会・商工会議所経由でアンテナ張っておくのが一番確実ですよ。
「伝統的工芸品産業支援補助金」って、名前に展示会が出てこないですけど展示会にも使えるんですか?
使えるんですよ、これが面白くて。国内外の展示会への出展が対象経費として明記されてて、しかも「工芸に限らず食に関する展示会など需要開拓に資するものであれば対象」という懐の広さで。
あ、申請者は「伝産法に基づく計画認定を受けた組合・団体・事業者等」に限定されてます。伝統的工芸品を扱っている事業者さんには強力な制度ですよ。上限2,000万円で補助率は公募要領参照ですが、実質的にかなり手厚い。
令和8年度伝統的工芸品産業支援補助金は令和9年1月29日締切で現在公募中です。
伝統工芸の世界って、展示会で販路開拓してる事業者さんも多いですもんね。
多いですよ。百貨店の催事とかインテリア系の展示会とか。国内外問わず認められるので、海外展開を考えてる職人さんにも使えます。
「皮革産業振興対策事業費補助金」っていうのは、かなりニッチですよね?
業種特化型の制度ですね。皮革・皮革製品関連の業界団体または4社以上で構成される事業者グループが対象で、上限3,500万円、補助率2/3以内(または定額)と規模感があります。
そうですね。業界特化なのでライバルも限られる分、採択されやすい傾向もある。業界団体に所属してる方は絶対チェックすべき制度です。
全国制度以外にも都道府県の制度があるって先ほど言ってましたけど、どんなものがあるんですか?
東京都が特に充実してて、代表的なのが「展示会出展助成事業」と「展示会出展助成プラス」と「市場開拓助成事業」の3本柱ですね。
まず「展示会出展助成事業」は上限150万円で補助率2/3。BtoB展示会への出展費用が対象で、年に複数回公募があります。「展示会出展助成プラス」も同じ150万円・2/3ですが、名前に「プラス」がついてる分だけ対象が少し広いです。「市場開拓助成事業」は上限300万円と大きめで補助率1/2。東京都や公社から評価・認定を受けた製品・サービスが対象なので、ハードルは少し高い。
令和8年度市場開拓助成事業が令和8年5月29日締切で現在公募中です。展示会参加費だけでなく、ECサイト出店費・Web制作費・動画制作費・広告費まで対象になるのが特徴的で、展示会出展をきっかけにデジタル販路も整備したい事業者には使い勝手がいいですよ。
正直、東京都の制度が飛び抜けて充実してて、他県は都道府県ごとにバラバラなんですよね。「本拠地の商工会・商工会議所に聞く」「J-Net21で都道府県絞り込みで検索する」の2パターンが一番確実です。
- 地元の商工会・商工会議所に「展示会出展の助成金ありますか?」と聞く
- J-Net21(中小企業基盤整備機構の補助金検索サービス)で地域絞り込み
- 都道府県の産業振興財団・中小企業支援センターのWebサイトをチェック
東京都の「展示会出展助成プラス」について、もう少し詳しく教えてもらえますか?
都内に本店または主たる事業所があって、製造業・情報通信業・卸売業・小売業などの中小企業が対象です。BtoB展示会への出展費用の2/3、上限150万円が助成されます。
そうなんです。消費者向けのBtoCの展示会は対象外で、企業間取引が前提の展示会に限られます。製造業の商談会とか、IT系の技術展とか、そういうやつですね。
令和7年度展示会出展助成プラス(第3回)は令和7年6月20日締切でした。年間で複数回公募があるので、令和8年度の新しい公募も出るはずです。
一番重要なのが「事前申請必須」であること。展示会が終わってから申請しても対象外になります。出展が決まったら即申請、という流れで動いてください。
補助金・助成金は原則として「実費払い後に精算請求」の後払い方式です。つまり一時的に展示会費用を全額立て替える必要があります。100万円の出展費用なら、採択されても約100万円を先払いしてから補助金申請、という流れ。資金繰りに余裕がない場合は金融機関との相談も検討してください。
展示会出展補助金 申請の流れ
たくさんあってどれを選べばいいか迷いますね。選び方のコツってありますか?
まず「自分が小規模事業者かどうか」を確認することですね。製造業・建設業なら従業員20人以下、商業・サービス業なら5人以下が「小規模事業者」の基準です。この基準を満たすなら持続化補助金が使いやすい。
次に「業種」です。皮革業なら皮革産業補助金、伝統工芸なら伝産支援補助金みたいに業種特化の制度がある場合はそっちを優先した方がいい。競争相手が少ない分、採択されやすいですから。
確かに、専用の制度があるならそっちの方がいいですよね。
で、地域は「東京都内に事業所があるか」で大きく変わります。東京都は制度が充実してるので、都内事業者なら都の助成金と国の補助金を組み合わせるのが王道です。
複数の補助金を同時に申請することってできるんですか?
同じ経費への二重申請はNGですが、別の制度への同時申請はOKです。ただし採択された場合に経費配分をどうするかの調整が必要なので、申請前に確認しておくことをおすすめします。
| 条件 | おすすめ制度 |
|---|
| 小規模事業者(従業員20人以下) | 小規模事業者持続化補助金 |
| 東京都内事業者 | 展示会出展助成プラス・市場開拓助成事業 |
| 皮革関連業界団体 | 皮革産業振興対策事業費補助金 |
| 伝統的工芸品事業者 | 伝統的工芸品産業支援補助金 |
| 地域の複数社連携 | 共同・協業販路開拓支援補助金 |
| 安全・安心製品開発 | 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業 |
制度によって異なりますが、共通して求められる書類をまとめると、法人の場合は登記事項証明書・決算書・事業計画書・出展する展示会のパンフレット・見積書が基本セットです。
そうです。小間代の見積もりと、装飾費・輸送費なども経費として申請するなら各業者からの見積もり。あとほとんどの制度で「事業計画書」が求められるので、「なぜこの展示会に出展するのか」「どんな顧客を獲得したいのか」を具体的に書く必要があります。
慣れれば大したことないですよ。重要なのは「販路開拓の目的」「ターゲット顧客」「期待効果」の3点をしっかり書くこと。「東京インターナショナルギフト・ショーに出展して、小売バイヤー30社にアプローチし、3社と取引開始を目指す」みたいに具体的に書くのがコツです。
数字と具体性は審査官に刺さります。「認知度を上げたい」より「新規取引先5社獲得を目指す」の方が明確でしょ。
出展する展示会を決める(出展6〜3ヶ月前を目安に)
一番多いのが「展示会が終わってから申請する」パターンですね。補助金は基本的に「採択後の経費」が対象なので、展示会が終わってから申請しても経費が認められないことがほとんどです。
「終わってから申請」って確かにやりそうですね(笑)
次に多いのが「公募期間を見逃す」。東京都の助成金は年に複数回公募がありますが、各回の公募期間が2〜4週間と短いものも多い。気づいたら締め切ってた、というケースが本当に多いです。
メーリングリストへの登録です。東京都中小企業振興公社やJ-Grantsのメルマガを登録しておくだけで、公募開始の通知が届きます。あとはGビズIDを先に作っておくこと。多くの補助金申請がGビズID経由になっていて、作成に数日〜2週間かかる場合があるので、申請したいと思った時に間に合わないことがあります。
法人代表者や個人事業主がオンラインで行政サービスを使うためのアカウントです。今すぐ展示会の予定がない方でも、先に取得しておくことを強くおすすめします。
多くの補助金申請はGビズIDが必須です。GビズIDの取得には書類郵送が必要で、発行まで2週間程度かかる場合があります。公募開始後に「取得してない」と気づいても間に合いません。今すぐGビズIDの取得申請を行いましょう。
ここまでで結構な制度が出てきましたけど、他にも展示会に使える制度ってあるんですか?
調査してると、地方の商工会議所や中小企業支援財団が独自に運営してる「地域企業展示会出展支援事業」みたいな名称の制度が各地に存在するんですよ。ただ非常に告知が少なくて、地元の商工会に相談に行かないと知れないやつが多い。
そうなんです。あと海外展示会への出展を狙う場合は、JETRO(日本貿易振興機構)の「JAPANパビリオン出展支援」や各省庁の海外展開支援補助金も組み合わせられる可能性があります。例えば東京の「スタートアップ海外進出支援事業」は海外展示会への出展費用が対象になる制度で、
スタートアップ海外進出支援事業はスタートアップ向けの海外展示会出展を最大200万円で支援します。
海外展示会まで見てると選択肢がさらに広がりますね。
国内・海外合わせると、展示会出展に活用できる制度は全国で85件以上DBに登録されてますしね。都道府県別のページも活用して探してみてください。
まず「加点項目の活用」ですね。持続化補助金なら「賃上げ加点」「創業加点」「事業承継加点」などがあって、これらに該当する事業者は審査で加点されます。
見落としがちなんですよ。あと「複数の展示会への出展計画を盛り込む」のも効果的です。1回の申請で3展示会分の費用を申請した方が、1展示会より計画の具体性が上がります。
そして「過去に類似事業を実施した実績がある」企業は、実績写真や数字(商談件数・成約件数・売上増加額)を積極的に盛り込むこと。審査官は「この会社は本当に展示会で成果を出せそうか」を見てるので、過去の実績が一番の説得力です。
初出展なら「なぜ今このタイミングなのか」の説得力を高めること。業界トレンドや自社の製品力・競合優位性を具体的に書いて「この会社なら展示会で確実に成果を出せる」と思わせる計画書を作ることが大事です。
- 加点項目(賃上げ・創業・事業承継等)を全て確認し、該当するものを漏れなく記載
- 計画の具体性: 展示会名・日程・ターゲット顧客・目標件数を数字で明記
- 実績があれば写真・数字で証明。初出展なら自社の競合優位性を丁寧に書く
今日の話、すごく勉強になりました。最後にポイントをまとめてもらえますか?
3つに絞ると、「早めに動く」「自分に合った制度を選ぶ」「事前申請を忘れない」ですね。
そうなんですけど、この3つが意外とできてない人が多い。特に「早めに動く」は本当に重要で、展示会の6ヶ月前から補助金の公募情報を追いかけ始める習慣をつけてほしいです。
採択されてから出展準備するので、実際には採択通知から展示会まで2〜3ヶ月くらい必要なんです。逆算すると6ヶ月前くらいから情報収集を始めないと、公募に間に合わないケースが出てくる。
なるほど、ちゃんと考えると結構タイトなスケジュールなんですね。
そうです。でも習慣にしてしまえば怖くない。年間の展示会スケジュールを先に決めて、逆算して補助金カレンダーを作るだけです。それだけで申請機会を大幅に増やせますよ。
展示会補助金マスターになれそうです(笑)ありがとうございました!