外国人雇用補助金の比較図
最近、外国人スタッフを採用したいという相談が増えてますよね。コストが結構かかると聞いて、なんか使える補助金あるのかなと思って。
ありますよ! 実は外国人雇用の場面では、雇用後の職場環境整備から語学研修まで、国と自治体の両方から補助が受けられる制度がいくつも出てます。知らずに全額自己負担してる会社がかなり多いんですよね。
そうなんですか! どんなカテゴリに分かれてるんですか?
大きく3つに分けて考えると整理しやすいですね。まず「就労環境整備系」、次に「人材育成・研修系」、そして「採用促進・職場定着系」です。国の制度が柱になって、都道府県や市区町村の補助が上乗せされる構造です。
| カテゴリ | 代表的な制度 | 補助の対象 |
|---|
| 就労環境整備系 | 人材確保等支援助成金(外国人就労環境整備コース) | 多言語化・相談体制・就業規則の多言語化 |
| 人材育成・研修系 | 外国人従業員研修等支援助成金 | 日本語教育・ビジネスマナー研修 |
| 採用促進系 | 高度人材インターンシップ受入支援費補助金 | 海外高度人材のインターン宿泊費 |
| 受入環境整備系 | 飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金 | 生活環境改善・地域交流 |
この全体像を頭に入れてから個別の制度を調べると、「自社はどれが使えるか」がすごく見えやすくなります。
まず国の制度から教えてください。一番メジャーなやつってどれですか?
断トツで知っておくべきなのは人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ですね。厚生労働省が管轄で、外国人労働者が働きやすい環境を整えた事業主に支給されます。
就業規則の多言語化、苦情・相談体制の整備、社内マニュアルの多言語化、一時帰国のための休暇制度の整備なんかが対象です。1制度の導入につき20万円、上限は80万円です。
そうです。賃金要件も満たすと支給対象経費の2/3(上限72万円)になります。賃金要件を満たさない場合は1/2(上限57万円)。正直、外国人スタッフを雇うなら必ず確認してほしい制度です。
まず就労環境整備計画を管轄の都道府県労働局かハローワークに提出して、認定を受けてから環境整備措置を実施します。計画期間終了後の12ヶ月の算定期間が終わってから2ヶ月以内に申請、という流れですね。先払いじゃなくて後払いなので、そこは資金繰りに注意が必要です。
- 助成金はすべて「実施後に申請→後払い」です
- 環境整備にかかる費用をいったん自社で立替える必要があります
- GビズIDの事前取得を強くおすすめします(電子申請に必須。取得に2〜3週間かかります)
キャリアアップ助成金も外国人に使えると聞いたんですが。
使えます! キャリアアップ助成金の正社員化コースは、国籍に関係なく使える制度なんで、有期雇用の外国人スタッフを正社員化したときに申請できます。外国人雇用専用というわけじゃないんですけど、知っておくと得です。
そうです。特定訓練コースだと最大50万円の補助が出ますし、外国人スタッフが雇用保険に加入していれば対象になります。計画届を訓練開始の1ヶ月前までに出す必要があるので、スケジュール管理が大事です。
都道府県の独自制度だと、東京都は手厚いって聞きますよね?
そうですね。東京都は外国人従業員に対する研修等支援助成金という制度があって、一般コースとウクライナ避難民採用企業コースの2本立てです。
日本語教育・ビジネスマナー講座・異文化理解講座の研修費用を補助する制度です。
上限25万円、補助率1/2。標準プラン(50時間以上)と短時間プラン(30時間以上)があります。対象は日本語能力試験N2レベル以下の外国人従業員で、申請期間は令和8年1月15日まで(令和7年度)です。詳細は
中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金(一般コース)のページでご確認いただけます。
日本語教員を呼んで社内研修にしてもOKだし、日本語学校に通学させてもOKです。教材費や翻訳費も対象になります。使い勝手は高いですよ。
- 一般コース: 上限25万円・補助率1/2(令和7年4月3日〜令和8年1月15日)
- ウクライナ避難民採用企業コース: 上限50万円・補助率10/10
- 対象研修: 日本語教育・ビジネスマナー・異文化理解
- 都内事業所勤務のN2以下の外国人従業員が対象
福岡県の飯塚市だと外国人材受入環境整備事業費補助金というのがあって、上限30万円・補助率2/3です。技能実習・特定技能・技術人文知識国際業務の在留資格を持つ外国人材が対象で、就業環境の改善・地域交流イベント・生活環境整備と幅広い取り組みに使えます。
飯塚市の外国人材受入環境整備事業費補助金の詳細もぜひ確認してみてください。こういった市区町村独自の制度は各地にあるので、自社の所在地でも確認する価値は十分あります。
外国人雇用補助金の申請フロー
特定技能とか技能実習以外の在留資格、たとえば海外のエンジニアを採用したいとき使える制度はありますか?
それだと東京都の高度人材インターンシップ受入支援費補助金が面白いですね。海外在住の高度人材を約3ヶ月間インターンとして受け入れる中小企業に、
宿泊費・滞在費を1日4,000円(全額補助)で出してくれる制度です。
高度人材インターンシップ受入支援費補助金の詳細要件もページで確認できます。
そのとおりです! 実際に働いてもらってから採否を判断できるし、コストも大幅に抑えられる。高度人材の採用に二の足を踏んでいる会社にはすごく有効な制度です。
インバウンド関連のビジネスをやってる宿泊業者はどうですか?
外国人雇用の文脈で宿泊業支援まで対象になるんですね。
そうなんです。「外国人雇用」と「外国人受入環境整備」は切り分けて考えると、使える補助金の幅がぐっと広がります。
まず「外国人スタッフが在籍しているか、これから採用するか」で入口が変わります。在籍中なら就労環境整備・研修系。これから採用するなら採用支援系やインターン支援系から攻めましょう。
| 制度名 | 補助額 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 人材確保等支援助成金(就労環境整備コース) | 上限80万円 | 1/2〜2/3 | 全国・在籍外国人労働者がいる事業主 |
| 東京都外国人従業員研修等支援助成金(一般) | 上限25万円 | 1/2 | 都内中小企業 |
| 東京都外国人従業員研修等支援助成金(ウクライナ) | 上限50万円 | 10/10 | 都内・ウクライナ避難民採用企業 |
| 高度人材インターンシップ受入支援費補助金 | 1日4,000円 | 10/10 | 東京都・中小企業 |
| 飯塚市外国人材受入環境整備事業費補助金 | 上限30万円 | 2/3以内 | 飯塚市内事業者 |
できます! たとえば、人材確保等支援助成金(就労環境整備コース)で就業規則を多言語化しながら、東京都の研修支援助成金で日本語教育を受けさせる、という組み合わせは普通に可能です。ただし同一の取り組みに対して二重に補助を受けることはできないので、各制度の対象経費を確認してから申請計画を立てるのがコツです。
助成金は補助金と違って、基本的には要件を満たしていれば受給できる仕組みです(審査落ちがある補助金と違う)。ただ、書類の不備や申請タイミングのズレで受給できないケースは多いので、社会保険労務士と連携して進めることをおすすめします。
いざ申請しようとなったとき、最初に何をすればいいんでしょう?
まずGビズIDを取得することですね。今はほとんどの雇用助成金が電子申請に対応していて、GビズIDがないと申請できません。取得に2〜3週間かかるので、早めに動いてほしいです。
GビズIDを事前取得(gBizID.go.jp、2〜3週間かかる)
使いたい制度の「計画届」を提出(訓練系は開始1ヶ月前まで)
雇用保険への加入確認ですね。多くの助成金が「雇用保険適用事業主で、外国人労働者が雇用保険被保険者であること」を要件にしています。在留資格によって加入可否が変わるので、確認が必要です。技能実習生は雇用保険に加入できますが、インターン生や特別永住者は別に確認を。
不正受給にならないように気をつけることって何かありますか?
書類と実態を一致させることです。「研修を実施した」という書類を出すなら、実際に実施した証拠(出席記録・研修内容の記録・費用の領収書)が必ず必要です。「書類だけ整えて実態はない」というのは不正受給になりますし、返還だけでなく法的リスクも生じます。
- 実施していない研修の費用を申請する(不正受給)
- 書類の作成日を遡って記載する(書類偽造)
- 申請締め切りを過ぎた後に申請する(不受理)
- 外国人スタッフの雇用保険加入を忘れる(受給要件を満たさなくなる)
まとめてみると、外国人雇用で使える補助金って思ったより多いですよね(笑)
そうなんですよ。国の制度だけでも就労環境整備・人材育成・採用促進と3カテゴリあって、東京都みたいに独自制度が手厚い自治体もあります。「どうせ使えないだろう」と諦めてる事業主が多いんですけど、ちゃんと調べると意外と対象に入ってること多いですよ。
外国人雇用を考えてる経営者の方には、まず何からやってほしいですか?
GビズIDの取得と、自社の所在地の都道府県・市区町村の制度確認ですね。国の制度は全国共通ですが、自治体の上乗せ制度は地域によって全然違います。
各都道府県の補助金・助成金一覧でお住まいのエリアの制度をチェックしてみてください。また外国人雇用関連の補助金一覧は
外国人雇用の補助金・助成金ページでも随時更新しています。
今日は詳しく教えてもらってありがとうございました!
外国人雇用の補助金は、使いこなせば採用コストを大幅に圧縮できます。ぜひ積極的に活用してほしいですね(笑)