今日は長野県茅野市の「受注及び販路開拓支援事業補助金」を聞いていきたいんですけど、一言でいうとどんな補助金ですか?
展示会や見本市に出展するときの費用を茅野市が補助してくれる制度ですね。国内の展示会なら最大20万円、国外なら最大40万円、オンライン展示会なら最大10万円が出ます。茅野市内に事業所がある中小企業であれば、製造業・情報サービス業・一部の小売・飲食業も対象です。
えっ、国外展示会で40万円!それはかなり助かりますね(笑)
海外市場に打って出たい企業にとっては特に嬉しいですよね。国際展示会の出展費って渡航費込みで100万円を超えることも珍しくないので、そこから40万円が戻ってくるのは大きいです。しかも情報サービス業なら補助率が2分の1じゃなくて3分の2に引き上げられるので、さらにお得になります。
IT系の企業への優遇もあるんですね。具体的にどんな業種が対象なんでしょうか?
大きく分けると4つのカテゴリーです。まず製造業(大分類E)、次に情報通信業のうち情報サービス業(中分類39)、それから卸売・小売業の一部、宿泊・飲食サービス業の一部です。茅野市は精密機械や電子部品の製造業が集積しているエリアなので、製造業が主なターゲットとして設計されています。
補助額比較チャート
補助金の金額をちゃんと整理してもらえますか?出展の種類によって違うんですよね?
そうです。出展形態と対象者によって補助率と上限額が変わります。テーブルにまとめますね。
| 出展形態 | 対象者 | 補助率 | 上限額(1回目) | 上限額(2回目) |
|---|
| 国内展示会 | 一般の中小企業 | 1/2 | 20万円 | 10万円 |
| 国内展示会 | 情報サービス業 | 2/3 | 20万円 | 10万円 |
| 国外展示会 | 一般の中小企業 | 1/2 | 40万円 | 20万円 |
| 国外展示会 | 情報サービス業 | 2/3 | 40万円 | 20万円 |
| オンライン展示会 | すべての対象事業者 | 10/10(全額) | 10万円 | 10万円 |
| グループ出展 | 4者以上のグループ | 1/2(情報サービスは2/3) | 40万円 | 20万円 |
本当です(笑)。オンライン形式の展示会・バーチャル見本市については補助率10分の10、つまり自己負担ゼロで挑戦できます。ただし上限は10万円。初めて展示会に出展してみたい企業にとっては、リスクゼロで市場の反応を測れる絶好の機会ですよ。
「2回目は半額」というのはどういう計算になるんですか?
同一年度内に2回補助を受ける場合、上限額が半分になります。国内展示会の場合、1回目は20万円が上限ですが、2回目は10万円が上限になる、という感じです。ただし補助率(1/2や2/3)自体は変わりません。なので2回目は「出展費用×補助率」か「半額の上限額」の低い方が補助額になります。
なるほど、上限が下がるだけで補助率はそのままなんですね。じゃあ活用戦略としては1回目に大きな国外展示会、2回目に国内展示会という組み合わせが良さそうですか?
まさにその通りで、1回目に国外展示会(上限40万円)、2回目に国内展示会(上限10万円)という組み合わせが定番ですね。あるいはオンライン展示会で市場を先に検証してから、国内・国外に進出するステップアップ戦略も有効です。次の申請の話が出たところで、申請期間について確認しましょう。
令和8年(2026年)4月1日から令和9年(2027年)3月17日まで受け付けています。年度通じて申請できますが、展示会の開催日の2週間前までに交付申請書を提出しなければなりません。展示会の申込とこの補助金の申請は同時進行で進める必要があります。
展示会出展を決めてから急いで申請、ということですね。展示会はどんな条件のものが対象になりますか?
対象となる展示会には条件があります。官公庁・公的機関が主催・共催・後援しているもの、またはそれに準ずるものが基本です。それ以外でも「受注や販路開拓の効果が高い」と市長が認めるものであれば対象になります。
「諏訪圏工業メッセ」など、茅野市が補助をしている団体や商工会議所等の補助を受けている展示会は対象外です。また当年度中に開催されるものであることも条件です。慣れた展示会が対象になるか否か、事前に商工課に確認することをお勧めします。
商工会議所が主催する展示会が対象外っていうのは意外ですね。
そうなんですよね。すでに他の補助があるところへの二重補助を避けるためなんですね。なので申請前に「この展示会は対象になりますか?」と商工課に事前確認するのが一番安全です。
| 経費カテゴリ | 主な内容 |
|---|
| 出展費用 | 展示会の出展小間料・参加費 |
| ブース関連費 | 小間内の内装・装飾費、展示台・パネル製作費 |
| 搬出入費用 | 展示品・什器の往復輸送費 |
| 広告宣伝費 | 展示会用カタログ・パンフレット制作費(展示会期間中に配布する分のみ) |
| 通訳・翻訳費 | 海外展示会出展時の通訳費、カタログ翻訳費 |
海外展示会の場合、往復航空運賃(エコノミークラス相当、2名分まで)も対象経費に含まれます。ただし国内旅費(ホテル代、国内交通費)と国外旅費(現地での宿泊・交通費)は補助対象外です。また燃料サーチャージや国内空港施設料は対象です。ビジネスクラス以上の追加料金は対象外になるので注意が必要です。
以下の費用は補助対象外です。事前によく確認してください。
- スタッフの国内旅費・国外旅費(宿泊費・現地交通費等)
- 展示する商品・製品の試作・製造・購入費
- 飲食費・接待費
- 消費税(課税事業者の場合)
- クーポン・ポイント等の値引き後の差額分
- 3月末(年度末)までに支払いが完了しない経費
- パンフレット印刷のうち展示会期間外に使用する分
領収書の年度内支払いが条件なんですね。3月末ギリギリに展示会に出展する場合は注意が必要そうです。
その通りです。クレジットカードで支払う場合は引き落とし日が翌年4月以降になると補助対象外になります。3月下旬の展示会は要注意です。実績報告書の提出も年度内に済ませる必要があるので、スケジュールに余裕を持って動くことが大切です。
実際に申請するには何をすればいいんでしょうか?ステップを教えてもらえますか?
大きく3つのフェーズがあります。出展前・出展中・出展後という流れです。
申請フロー図
交付決定前に費用を支払ったらアウトなんですね。それは気をつけないと!
よくあるミスです(笑)。展示会の申込金を先に払ってしまうと補助対象外になる恐れがあります。展示会主催者に「申込は仮予約扱いにしてほしい、正式決済は後日」とお願いするか、申請を急いで交付決定を先に出してもらうかのどちらかです。出展を決めたらすぐに商工課に相談するのが鉄則です。
事業計画書の書き方が一番重要です。「なぜその展示会に出展するのか」「どんな顧客に出会い、何件の商談を目指すのか」を具体的に書くことです。目標をコミットメントとして書けるかどうかが採否の分かれ目だと思います。
以下の4要素を具体的に記載すると、審査に通りやすくなります。
- 出展理由: なぜその展示会か?どんなバイヤー・顧客と会えるか?
- 数値目標: 商談件数の目標(例 10件)、受注見込み額(例 500万円)
- 自社の強み: 展示会でアピールできる製品・技術・実績は何か?
- アフターフォロー計画: 出展後72時間以内のフォローアップ体制
そうです。補助金の費用対効果を証明する数字が次年度申請の信頼につながります。出展中から名刺・商談メモ・フォローアップメール等の証跡をリアルタイムで蓄積する習慣が大切です。
展示会で名刺交換した相手への連絡は、出展後72時間が勝負です。
- 出展当日: 名刺をすべてスキャン・デジタル化して顧客リストを作成
- 翌日: お礼メールと製品資料を送付(カタログPDFを添付)
- 3日以内: 商談につながりそうな相手に電話フォロー
- 1週間以内: 見積もり・提案書を提出
この流れを事前に社内で整えてから出展すると、商談転換率が大幅に向上します。
補助金で浮いたコストをブース装飾に回すのも有効ですか?
とても有効です。補助金で出展コストを抑えられた分を、ブース装飾・サンプル品・英語対応パンフレットの質向上に再投資することで、展示会での訴求力を高められます。来場者の足を止めるビジュアル設計と、その場で商談に移れる営業トークの準備が出展成功の鍵ですね。
グループ出展のメリットをもう少し詳しく教えてもらえますか?
4者以上の中小企業がグループを組んで出展すると、補助上限が個社と同じ40万円を受けられます。大型ブースを複数社でシェアすることで、1社あたりの出展コストを大幅に圧縮できます。さらに補助金と組み合わせれば、単独では到底参加できなかった規模の国際展示会への出展が現実的になります。
競合しない業種・補完し合う製品ラインを持つ企業同士が理想的ですね。例えば精密加工部品メーカーと表面処理メーカーと検査機器メーカーが組めば、来場者に「加工から検査まで」のワンストップ提案ができます。グループ構成員のうち2分の1以上が茅野市内の中小企業であればOKで、グループの事務局が市内にあることも条件です。
グループを組みたいけど仲間集めが難しいという場合は?
茅野市の商工課か茅野商工会議所に相談するのが一番の近道です。同じ展示会への出展を検討している企業を紹介してもらえる場合もありますよ。
茅野市には連携しやすい補助金が揃っています。以下の表で比較してから組み合わせを検討してください。
消費喚起イベント事業補助金と組み合わせると、地域内でのリピート顧客獲得はイベント施策で、広域の新規顧客は展示会で、という二軸の販路戦略が組めます。
中小企業人材育成等支援補助金と組み合わせると、展示会出展前に商談力強化研修や英語プレゼン研修を先行実施して、出展の質を高めることができます。「スキル向上→実践」の流れを補助金で支援する王道の組み合わせです。
インターンシップ等促進事業補助金も活用して採用力を強化しながら、展示会で社名を広める効果も狙えます。
小規模事業者持続化補助金(販路開拓コスト)やものづくり補助金(展示会出展)と同一経費が重複する場合は申請できません。国の補助金の方が補助額が大きいケースも多いので、まず国の制度を確認して、対象外・上限超過分を茅野市の補助金で補完するという順番で考えることをお勧めします。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 茅野市受注及び販路開拓支援事業補助金 |
| 申請期間 | 令和8年(2026年)4月1日〜令和9年(2027年)3月17日 |
| 申請締切 | 展示会開催の2週間前まで |
| 補助上限 | 国外40万円 / 国内20万円 / オンライン10万円 |
| 補助率 | 1/2(情報サービス業は2/3、オンラインは10/10) |
| 対象地域 | 長野県茅野市内に事業所を有する中小企業 |
| 実施機関 | 茅野市産業経済部商工課 工業・産業振興係 |
| 電話 | 0266-72-2101(内線433) |
| Fax | 0266-72-4255 |
| メール | shoko@city.chino.lg.jp |
| 公式ページ | 展示会・見本市等への出展に対する補助金について |
窓口はメールでも問い合わせできるんですね。それは便利ですね!
そうです。電話が難しい時間帯でもメールで事前相談できます。茅野市の商工課は産業振興に力を入れていて、相談対応も丁寧だという評判があります。補助金の活用を検討している企業は気軽に相談してみてください。次のセクションでは、よくある疑問点を整理しておきましょう。
「製造業以外は申請できないんじゃ?」と思っている事業者も多そうですが、実際はどうですか?
対象業種は製造業だけではありません。情報通信業(情報サービス業)、卸売業・小売業の一部(各種商品小売、飲食料品小売など)、飲食サービス業の一部も対象です。小売業・飲食業については「一部が対象」とされていて、地場産品・地域ブランド商品の販路拡大を目指す事業者が想定されています。
業種コードだけで判断せず、事業内容と出展目的を明確に説明した上で商工課に事前相談するのが正解です。茅野市の特産品(蕎麦・地酒・工芸品・農産物加工品など)を扱う事業者は、一見対象外に思えても対象となる可能性があります。
「出展費用を先に払ってしまった」という場合はどうなりますか?
交付決定前に支払った費用は原則として補助対象外になります。ただし「仮申込状態で支払い前だった」という場合は救済される可能性もあるので、すぐに商工課に相談してください。とにかく申請を決めたらまず商工課に連絡するのが鉄則です。
申請事業年度末(3月31日)までに支払いが完了した経費が対象です。展示会自体が3月末から4月にかけて開催される場合、3月中に支払いが完了した費用は対象になる可能性がありますが、4月以降の支払いは対象外です。年度末に出展を予定している場合は特に早めに商工課に相談することをお勧めします。
諏訪圏工業メッセは対象外と聞いたんですが、他に対象外になりやすい展示会はありますか?
茅野市が補助している団体や商工会議所等の補助を受けている展示会は全て対象外です。また市内のイベントより全国規模・国際規模の展示会の方が審査に通りやすい傾向があります。地域の産業まつりや商店街イベントは対象にならないケースが多いです。