室谷さん、今日は長野県の茅野市にある「中小企業人材育成等支援補助金」について聞きたいんですが、どんな制度なんですか?
これ、かなり使いやすい制度ですよ!茅野市内の中小企業が、技術力や経営力を高めるために研修を受けたり開催したりすると、その費用の一部を茅野市が補助してくれるんです。しかもDXやGX関連の研修だと補助率が3分の2に上がるという、今の時代にすごくフィットした設計になっています。
そうなんですよ。通常の研修だと費用の2分の1が補助されるんですが、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)に関連する研修については3分の2まで補助率がアップします。茅野市がデジタル化・脱炭素化を産業政策の重点に置いているということの表れですね。
なるほど!ちなみに補助金の仕組みって、「研修を受ける」場合と「研修を開催する」場合で違うんですか?
鋭いですね!実はこの補助金、受講補助と開催補助の2本立てになっているんです。研修を受けに行く場合と、自社グループで研修を企画・開催する場合の両方を支援している珍しい設計ですよ。
茅野市中小企業人材育成等支援補助金 受講補助と開催補助の比較図
受講補助と開催補助の具体的な金額を教えてください!
| 項目 | 通常の研修 | DX・GX関連研修 / 情報サービス業 |
|---|
| 補助率 | 2分の1以内 | 3分の2以内 |
| 1人あたり上限 | 1万円 | 1万円 |
| 1事業者の年間上限 | 10万円 | 10万円 |
1人1万円っていうのは、1回の研修で1万円ですか?
いえ、同じ人でも研修内容が異なれば年度内に複数回申請できます。ただし1人あたりの年間合計上限が1万円ということなので、複数の研修を受けて合計が1万円を超えても、補助は1万円まで。でも社員10名が各1万円ずつ受けた場合、事業者としての年間上限10万円をフル活用できますよ。
つまり社員を多く動かすほど恩恵が大きくなるわけですね。開催補助はどうですか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象 | 中小企業グループ(5社以上)が研修を企画・開催する場合 |
| 補助率 | - |
| 1事業あたりの上限 | 5万円 |
| グループあたりの年間回数 | 1回まで |
グループで5社以上って、結構ハードルが高くないですか?
そうですね、個社での開催は対象外なんです。でも茅野市内の同業者や取引先5社以上でグループを組めば申請できます。業界内の横のつながりを使って、業界特有の課題解決型研修を企画するというイメージですね。例えば製造業の会社5社が集まって、スマートファクトリー化の研修を外部講師を呼んで開催するとか。
それは確かに使えそうですね。では対象になる業種はどこですか?
茅野市が指定している日本標準産業分類の対象業種はこちらです。
| 分類 | 業種 |
|---|
| 大分類D | 建設業 |
| 大分類E | 製造業 |
| 大分類G(中分類39) | 情報サービス業 |
| 大分類I | 卸売業、小売業 |
| 大分類L(小分類746) | 写真業 |
| 大分類M(中分類76・77) | 飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業 |
| 大分類N(中分類78・79、小分類801) | 洗濯・理容・美容・浴場業、その他生活関連サービス業、映画館 |
そうなんです。ただし上記に該当しない業種でも、「商工業の振興のために技術力・経営力を強化する必要があると市長が認める場合」は対象になり得ます。迷ったら茅野市商工課に相談してみてください。
基本的には3つのパターンがあります。まず最も一般的なのが、茅野市内に事業所を持つ中小企業・小規模事業者であること。さらに先ほどの業種表に該当すること。そしてもう一つの注意点が、市税の滞納がないことです。
はい、国民健康保険税を含む市税に滞納がある場合や未申告の場合は対象外になります。これは多くの公的補助金共通のルールですね。まず税金周りを整理しておくことが重要です。
開催補助の場合はさらに条件が追加されるんですよね?
その通りです。開催補助を使うには茅野市内の中小企業5社以上で構成されるグループであることが必要。個社だけでの自社研修開催は補助対象になりません。あと絶対に覚えておいてほしいのが、自社の社員が講師を務める社内研修も対象外です。外部講師を招くか、外部の研修機関が主催する研修への参加、これが大前提。
なるほど。「外部性」がポイントなわけですね。そういえば対象にならない研修ってどんなものですか?
- 資格取得目的の研修: ITパスポート、基本情報技術者試験、国家資格取得のための受験対策講座など「資格が目的」の研修は対象外
- 自社研修(社内講師): 社内の先輩社員や上司が講師を務める社内勉強会は不可
- 事後申請: 研修が終わってから申請しても不可。必ず受講・開催前に申請すること
- 交付決定前の支払い: 交付決定通知が届く前に研修費用を支払ってしまった場合は補助対象外になる可能性が高い
受講補助と開催補助で対象経費が違います。受講補助の場合は、外部研修機関への受講料と、その研修で義務付けられているテキストや教材の購入費です。交通費・宿泊費は基本的に対象外なので注意してください。
オンライン研修はどうですか?最近eラーニングを使う企業も多いですよね。
オンライン研修・eラーニングも受講料が発生するものであれば対象になりますよ!コロナ以降にオンライン研修が普及しましたし、特にDX・IT系の研修はオンラインが充実しているので、うまく活用できると思います。
開催補助の場合は、外部講師への謝礼・講師料(旅費含む)、研修会場の使用料、教材・テキスト代、資料代などが対象です。ただし消費税は補助対象に含まれないので注意してください。
| 補助タイプ | 主な対象経費 | 対象外経費 |
|---|
| 受講補助 | 受講料、義務付けられたテキスト代 | 交通費、宿泊費、消費税 |
| 開催補助 | 講師謝礼・旅費、会場使用料、教材費、資料代 | 社内講師の人件費、懇親会費、消費税 |
茅野市中小企業人材育成等支援補助金 申請フロー図
最重要ポイントは「研修の前に申請する」です。これを間違えると補助を受けられなくなるので、まずここを覚えてください。
ステップ4の「証拠書類の保管」って、どんなものが必要ですか?
受講の場合は、修了証や受講証明書など「研修を受けた証拠」が必要です。それと領収書。「受講したこと」と「費用を払ったこと」の両方を証明できる書類が揃っていれば基本OKです。研修後すぐ捨てずに、実績報告まで保管しておいてください。
他の大型補助金のような競争審査ではなく、要件を満たしていれば交付されます。ただし予算枠に達した時点で受付終了になるので、早めの申請が鉄則です。
市側の年度予算次第なので公開されていないんですが、年度後半になると予算が切れている可能性があります。特に補助率が高いDX・GX関連研修は人気が出やすいので、年度初めの2026年4月〜6月頃に申請するのが安全です。
戦略1: DX・GX研修を優先活用
補助率2/3のDX・GX関連研修を年間計画の軸に置く。例えば対象経費が15万円の研修なら、通常は7.5万円の補助だが、DX関連なら10万円の補助に。同じ予算で補助額が3割増しになる。
戦略2: 複数社員への分散投資
年間上限10万円を最大活用するため、1人に集中させず複数社員(理想は10名)に分散。全員がDX関連研修を受ければ、社全体のデジタルスキルが上がり補助も満額活用できる。
戦略3: 受講補助と開催補助の組み合わせ
同一年度内に受講補助と開催補助を両方使うことが可能。前半に受講補助(上限10万円)、後半に開催補助(上限5万円)を活用すれば、合計最大15万円の補助を受けられる可能性がある。
一番大事なのは「この研修が技術力・経営力の強化につながること」をしっかり書くことです。申請書には研修内容と目的を書く欄がありますが、業務に直結した理由を具体的に書くほど、担当者が判断しやすくなります。
例えば「生産管理システム導入に向けてIT担当者のスキルアップが必要」とか「脱炭素経営のためにGX推進担当者を育成したい」というように、自社の経営課題と研修内容を結びつけて書くといいですね。単に「スキルアップのため」では弱いです。
DX関連研修として認めてもらうにはどうすればいいですか?
DXと認められやすい研修には、業務自動化・RPA関連、クラウドサービス活用、データ分析・AI活用、業務改善・プロセスリエンジニアリング、ITツール導入・活用研修などがあります。一方、ITパスポートや基本情報技術者試験のような「資格取得目的」は明確にNGです。境界線が曖昧な研修は、申請前に必ず市の担当窓口に確認してください。
【長野県茅野市】受注及び販路開拓支援事業補助金との組み合わせも面白いですよ。展示会出展前に営業力強化研修・英語研修をこの人材育成補助で先行実施して、その後に販路開拓補助で実際の展示会に出る、という「準備→実践」のロードマップが組めます。
DX推進関連だと、IT導入補助金との関係はどうなりますか?
IT導入補助金(経済産業省)は主にソフトウェア・システムの「導入コスト」への補助です。一方、この茅野市の人材育成補助は「人のスキルアップ」への補助。「まず人材育成補助でDXスキルを上げてから、IT導入補助金でシステムを入れる」というロードマップが理想的です。スキルなしにシステムだけ入れても定着しないので。
厚生労働省の人材開発支援助成金(特定訓練コース等)と同一経費への重複申請はできません。ただ対象となる研修の種類が違う場合は使い分けが可能です。国の助成金の方が補助額が大きいケースもあるので、両制度を比較した上で最適な活用方法を選んでください。
人材育成補助と一緒に活用しやすい茅野市の補助金を比較してみます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 茅野市中小企業人材育成等支援補助金 |
| 実施機関 | 長野県茅野市 産業経済部 商工課 |
| 対象地域 | 長野県茅野市内 |
| 申請期間 | 2026年4月1日〜2027年3月31日(予算枠消化次第終了) |
| 補助率(通常) | 2分の1以内 |
| 補助率(DX・GX・情報サービス業) | 3分の2以内 |
| 受講補助の上限 | 1人1万円、年間10万円(事業者単位) |
| 開催補助の上限 | 1事業5万円、年1回(グループ単位) |
| 申請方法 | 紙・窓口持参(電子申請不可) |
| 問い合わせ先 | 茅野市 産業経済部 商工課 TEL 0266-72-2101(内線433・434) |
| 公式ページ | 茅野市公式サイト 中小企業の人材育成等に対する補助金 |
現状では窓口への書類持参か郵送が基本です。電子申請には対応していません。茅野市役所の商工課(産業経済部 商工課)が窓口なので、最初は電話で相談するのをおすすめします。FAX番号は0266-72-4255、メールはshoko(アット)city.chino.lg.jpです。
- 機関名: 長野県茅野市 産業経済部 商工課
- TEL: 0266-72-2101(内線 433・434)
- FAX: 0266-72-4255
- メール: shoko(アット)city.chino.lg.jp
- 所在地: 長野県茅野市塚原二丁目6番1号
- 公式ページ: 茅野市 中小企業の人材育成等に対する補助金
そもそも茅野市ってどんな産業が多い地域なんですか?
茅野市は長野県の諏訪地域に位置していて、諏訪エリアはものづくりのメッカとして知られています。精密機械・電子部品・製造業が集積していて、大手メーカーのサプライヤーとなっている中小企業が多いんです。だから製造業と情報サービス業が補助対象業種に入っているのは、この地域の産業構造をしっかり反映しているんですよ。
諏訪地域はエプソンやセイコーのお膝元ですよね。そういった精密製造業が多い地域なんですね。
そうです!だからDX・GX研修への優遇(補助率2/3)は単なるトレンド対応じゃなくて、製造現場のデジタル化、スマートファクトリー化への強い後押しなんです。IoT・AI活用、データ分析、自動化システム導入などに向けたスキルアップを支援したいという茅野市の産業政策の意図がはっきり見えますよね。
ということは、製造業の現場でIoT活用やスマート化を学ぶ研修は、DX研修として認定される可能性が高いですか?
可能性は十分ありますね。スマートファクトリー関連の研修や、IoT・センサー技術を活用した生産管理の研修などはDX関連として認められやすいと思います。申請前に市の担当窓口に確認するのが確実ですが、「製造業のDX化に向けた実践的な研修」という文脈で説明すれば理解してもらいやすいでしょう。
GX関連だと、製造業・建設業はどんな研修が活用できますか?
製造業なら、省エネ設備の適切な運用方法、CO2排出量算定・管理の研修、ISO14001(環境マネジメント)の実践研修あたりが使えます。建設業なら、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)設計研修、脱炭素建築の施工技術研修などが考えられます。2030年のカーボンニュートラル目標に向けて、各業界でGX人材の育成が急務になっていますから、この補助率優遇を使い倒す価値は十分あります。
飲食店や美容室など生活関連サービス業の事業者が使うとしたら、どんな研修が向いていますか?
飲食店であれば、キャッシュレス決済・POSシステム活用の研修、食品ロス削減・脱炭素経営の研修、SNSマーケティング・デジタル集客の研修などが活用できます。美容室なら、予約管理システム・顧客管理システムの活用研修、エネルギー効率化の研修などですね。業種に関係なく「デジタル化で業務改善」「環境負荷低減」のキーワードに沿った研修を選ぶと、DX・GX関連として認められやすくなります。
ここまで詳しく教えてもらいましたが、よくある疑問についても教えてください。
はい!まず「DX関連研修の範囲はどこまで?」という質問が多いです。明確な定義は市の運用次第ですが、業務デジタル化・自動化研修、クラウドサービス活用、データ分析・AI活用、業務改善・プロセスリエンジニアリング、ITツール活用研修などが認められやすいです。一方でITパスポートなど資格取得目的はNG。迷ったら事前に市の担当窓口へ確認を!
同一人物でも内容が異なる研修であれば年度内に複数回申請できます。ただしその人の年間補助額の合計は1万円が上限。3回受けても1万円を超えた部分は補助されません。
原則として研修前に申請して交付決定を受けることが必要です。先払いしてからの事後申請は補助対象外になる可能性が高いです。ただし申込金・予約金など事前の支払いが避けられないケースは、個別に市の担当窓口へ確認することをおすすめします。
はい、同一年度内に両方活用できます!受講補助の年間上限10万円と、開催補助の5万円は別枠です。うまく計画すれば合計最大15万円の補助を受けられる可能性があります。
GX関連として認められやすいのは、省エネ・再生可能エネルギー導入に関するセミナー、カーボンニュートラル経営研修、環境マネジメント(ISO14001等)研修、サステナビリティ・ESG経営研修、脱炭素経営実践講座などです。製造業・建設業など環境負荷が大きい業種に特におすすめです。
- 業種確認: 自社が対象業種(建設業・製造業・情報サービス業・卸売小売業・飲食業など)に該当するか
- 市税確認: 国民健康保険税を含む市税に滞納・未申告がないか
- 事前申請: 研修が始まる前に申請書を提出できるスケジュールか
- 外部研修確認: 社内講師ではなく外部機関・外部講師を使う研修か
- DX・GX確認: DX・GX関連の場合は、申請書でその旨を明確に記載する
- 証拠書類準備: 受講後に修了証・領収書が取得できる研修か
茅野市だけでなく、長野県内の他の補助金情報も気になりますね。
茅野市に限らず、長野県全体でも補助金はあるんですか?
今日は詳しく教えていただきありがとうございました!
茅野市の中小企業人材育成等支援補助金は、使い方次第でかなりコストパフォーマンスが高い制度です。特にDX・GX関連研修への補助率優遇(2/3)は今の時代にすごくフィットしています。年度末に予算が切れることもあるので、2026年度の研修計画を早めに立てて、年度前半からの活用を目指してください!