室谷さん、今日は愛知県の岡崎市が製造業向けに用意している「岡崎ものづくり支援補助金(見本市等出展事業)」を取り上げたいんですが、これって具体的にどういう補助金なんですか?
岡崎市内のものづくり事業者が、見本市や展示会に出展して販路を開拓するときの費用を補助してくれる制度です!補助率が対象経費の1/2以内、上限30万円という設定で、出展料と主催者が提供する会場設営費が対象経費になります。
展示会の出展料って意外と高くて、ひとつの展示会で20〜60万円くらいかかることも普通にありますから、その半額が戻ってくるのはかなり助かります。初めて展示会に挑戦しようとしている岡崎の製造業者には、心強い後押しになりますよ。
岡崎市って愛知県の製造業の中でどういう位置づけなんでしょうか?
岡崎市は徳川家康の生誕地として有名ですが、製造業の面でも愛知県内の重要な産業都市のひとつです。自動車関連の部品メーカーや金属加工、電子部品など多様なものづくり事業者が集積していて、岡崎ものづくり推進協議会という支援組織がこうした企業の成長を後押しするための補助制度を複数展開しています。
そうです。岡崎商工会議所内に事務局を置く岡崎ものづくり推進協議会が窓口で、見本市等出展事業のほかにも共同研究事業、依頼試験事業、知的財産権取得事業などシリーズで用意されています。製造業の成長段階に合わせて複数の制度を組み合わせられるのが特徴です。
まず基本情報として、今の申請期間はいつからいつまでですか?
令和8年度(2026年度)は2026年3月31日から2027年3月31日までが申請期間です。ただし「予算がなくなり次第終了」という注記があるので、早めに動くのが賢明です!
1年近くある期間ですけど、予算が尽きたら終わっちゃうんですよね。
そうなんです。しかも申請開始のタイミングに制限があって、前年度(令和7年度)にこの見本市等出展事業の交付決定を受けた事業者は10月1日以降でないと申請できないんです。中小企業者に該当しない大企業・中堅企業は12月1日以降から申請可能という制限も。
初めて挑戦する中小企業者を優先するための設計です。前年度のリピーターや規模の大きい事業者は、新規の中小企業が申請し終わってから参加してくれという考え方ですね。限られた予算を最大限に有効活用しようとする意図が見えます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 | 30万円 |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日(予算なくなり次第終了) |
| 新規中小企業者 | 年度当初から申請可能 |
| 前年度交付決定者 | 2026年10月1日以降に申請可能 |
| 中小企業者以外 | 2026年12月1日以降に申請可能 |
| 実施機関 | 岡崎ものづくり推進協議会 |
| 問い合わせ先 | 岡崎市竜美南1丁目2番地(岡崎商工会議所内)0564-53-6191 |
申請できる事業者の要件を教えてください。岡崎市内の製造業者なら誰でもいいというわけではないんですよね?
3つの要件を全て満たす必要があります。まず日本標準産業分類の大分類E(製造業)であること。金属加工、電子部品、食品製造、印刷業など幅広い製造業が対象になりますが、情報サービス業や卸売業などは対象外です。
次に岡崎市内に6か月以上継続して本社機能または製造を行う事業所を有していること。市外に本社があっても、岡崎市内に製造拠点があれば対象になります。最後に市税を完納していることです。未納があると申請できないので、確認しておきましょう。
法人は「製造業を営む法人」、個人は「個人事業の開業・廃業届出書を税務署に提出した個人事業主」が対象です。フリーランス的に製造業を営んでいる方も申請できますよ。
- 製造業(日本標準産業分類 大分類E)を営んでいる
- 岡崎市内に6か月以上継続して本社機能または製造拠点がある
- 岡崎市税を完納している
- 法人または個人事業主(開業届提出済み)である
自分が製造業に該当するか迷ったらどうすればいいですか?
日本標準産業分類の大分類Eに含まれる業種はじつにバリエーションがあって、食料品製造業、木材・木製品製造業、化学工業、プラスチック製品製造業、金属製品製造業、電子部品製造業など数十種類あります。判断が難しい場合は岡崎ものづくり推進協議会事務局に直接確認するのが一番確実です。で、申請資格が確認できたら、次は出展する展示会自体の要件も確認しておく必要があります。
展示会側にも要件があるんですよね?どんな展示会なら補助対象になるんですか?
大事なポイントが3つあります。まず50小間以上の規模の見本市・展示会であること。小間数が少ない小規模なイベントは対象外です。次に小売りを主目的とした展示会でないこと。消費者向けのイベントではなく、BtoB取引を主眼としたビジネス展示会が対象になります。そして自ら出展すること——代理出展や、他社ブースの名義貸しは認められません。
展示会場の1小間(コマ)は通常3m×3m=9平方メートルが一般的です。50小間だと450平方メートル以上の出展エリアがある規模ということになります。東京ビッグサイトや名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)で開催される業界展示会はたいてい条件を満たしますが、地域の小規模なイベントや業界団体の小さな発表会は対象外になることが多いですね。
ものづくり岡崎フェアは岡崎市の製造業向け展示会ですが、規模によって対象になるかどうかが変わります。不明な場合は事前に事務局に確認してみてください。名古屋市内で開催される「メッセナゴヤ」や「人とくるまのテクノロジー展」などの大型展示会は通常50小間超なので対象になりやすいです!
- 小売り・消費者向けを主目的とした展示会(フリマ、消費者向けフェア等)
- 50小間未満の小規模イベント
- 代理出展(他社が自社に代わって出展)
- 共同ブースでの名義のみ貸し出し
- 交付決定前に出展料を支払った場合
対象経費と対象外経費の比較
補助対象になる経費ってどの範囲なんですか?展示会に出展するといろんな費用がかかりますよね。
対象経費は大きく2カテゴリです。1つ目が出展料(出展小間料)——1小間あたりの基本料金、追加小間の料金、出展者登録料などがこれに当たります。2つ目が主催者に申し込む会場設営費——主催者が提供するパネルや基本装飾パッケージ、電源や照明などの設備使用料、主催者が提供する什器のレンタル費用などです。
そこが最重要ポイントです!自社で別途業者を手配するブース装飾や什器は対象外なんです。主催者が用意したオプションを使えば補助対象になりますが、自社でデザイン会社にブースを依頼したら対象外になります。展示会の出展者募集要項で主催者提供のオプション一覧を確認して、できるだけ主催者経由でサービスを利用するのが補助金最大化のコツです。
| カテゴリ | 具体例 | 補助対象 |
|---|
| 出展小間料 | 基本出展料、追加小間料、出展登録料 | 対象 |
| 出展付帯料金 | 出展者バッジ発行費、主催者指定保険料、名鑑掲載料 | 対象 |
| 主催者申込みの会場設営費 | 基本装飾パッケージ、パネル・パーテーション、電源・照明設備使用料 | 対象 |
| 旅費・交通費 | 出展に伴う交通費、宿泊費 | 対象外 |
| 自社手配の装飾費 | ブースデザイン費、自社発注の什器レンタル | 対象外 |
| 印刷物 | パンフレット、カタログ印刷費 | 対象外 |
| 振込手数料 | 出展料の振込時の手数料 | 対象外 |
パンフレットやカタログが対象外なのは痛いですね。展示会には絶対必要なのに。
そうなんです。ただ印刷費については、小規模事業者持続化補助金など他の補助制度で対応できる場合があります。複数の補助制度を組み合わせて、トータルコストを最小化する戦略を立てると良いですよ。
岡崎ものづくり支援補助金(見本市等出展事業)申請フロー
実際の申請手続きの流れを教えてください。どこから始めればいいですか?
まず大前提として、交付決定前の費用支払いは全額対象外です!先に展示会申し込みをすること自体は問題ないですが、お金を払う前に補助金の申請と交付決定を受けておく必要があります。手順を間違えると補助金が使えなくなるので要注意です。
書類ダウンロードはウェブサイトからできるんですね。
はい、
岡崎ものづくり推進協議会の公式サイトから交付申請書・経費明細表・事業計画書、実績報告書などの書類が全てダウンロードできます。記載例も公開されているので、初めて申請する方でも参考にしながら作れます。
申請したら必ず通るわけじゃないですよね?どうしたら通りやすくなりますか?
本補助金は予算の範囲内で先着的に交付されるタイプで、要件を満たした申請は基本的に採択されるイメージですが、それでも事業計画書の記載内容は重要です!「なぜこの展示会に出展するのか」「どんな成果を期待しているか」を具体的に書くことで審査がスムーズになります。
いくつか意識すると良いポイントがあります。まず出展目的の明確化——「新規顧客獲得」「既存製品の新市場開拓」「新製品の市場反応テスト」など、具体的な目的を書きましょう。次に展示会との親和性——展示会の来場者層と自社製品・技術のマッチングを説明するとよいです。そして期待する成果——展示会出展後の商談件数目標、成約見込みなどを数値で示すと説得力が増します。
- 出展する展示会の特徴(来場者数・業種・規模)を具体的に記載する
- 「なぜこの展示会か」の理由を自社の製品・技術と結びつけて説明する
- 展示会後の見込み客フォロー計画まで書き込む
- 主催者提供オプションの活用により補助対象経費を最大化している旨を明記
- 前回の出展経験があれば成果を記載し、今回の改善点も添える
主催者の設営オプションを最大活用するのが賢い戦略なんですね。
そうです。自社で別途手配するより主催者オプションを積極的に使うことで、補助対象経費が増え、実質的な自己負担が減ります。例えばブースの基本装飾は主催者の標準パッケージを選んで補助対象に入れつつ、チラシや試作品は自社で持参する、という分け方が効率的ですよ。
展示会終了後のフォローについても触れてくれましたが、それも審査に関係あるんですか?
実績報告の段階で「どんな成果が出たか」を書く必要があるので、展示会後のフォローが充実していると報告書も書きやすくなります。名刺交換した人への商談アプローチ、資料送付、サンプル送付——こうした計画を事前に立てておくと、補助金の投資対効果が高まります。次の申請にもつながりますしね!
この見本市等出展事業って、他の補助金と組み合わせたりできるんですか?
岡崎ものづくり支援補助金にはシリーズで6種類の事業類型があって、それぞれ別の費用を対象にしているので、うまく組み合わせると総合的な事業支援を受けられます!
流れとしてはこういう活用法が考えられます。まず
共同研究事業や
依頼試験事業で新製品・新技術を開発・検証し、
知的財産権取得事業で特許を取得。それを今回の見本市等出展事業で展示会に出展して販路開拓する——というサイクルです。各事業類型で申請期間内に複数回申請できる(予算の範囲内)場合もあるので、事務局に確認してみてください。
同一の費用(同じ展示会の出展料)に対して複数の補助金を重複受給することは原則禁止です。ただし、例えば展示会Aの出展料は岡崎ものづくり支援補助金で、展示会Bの出展料は小規模事業者持続化補助金で、という別々の経費への活用は可能な場合があります。詳細は各制度の交付要綱と事務局への確認が必要です。
申請で迷いやすい部分って他にもありますか?FAQ形式でもう少し聞かせてください。
問い合わせが多い質問がいくつかあります。まず「50小間以上かどうかわからない」という相談が多いですね。確認方法は展示会の公式サイトや出展者募集要項の会場レイアウト図を見るのが一番です。それでも不明な場合は主催者に直接問い合わせるか、展示会の名前を岡崎ものづくり推進協議会事務局に伝えて判断してもらうのが確実です。
交付要綱に国内限定の明示的な制限がなければ、海外展示会も要件を満たせば対象になる可能性があります。ただし海外出展は出展料の通貨換算や証拠書類の言語など追加の確認事項が生じるため、必ず事前に事務局へ確認してください。
複数社で一つのブースをシェアする共同出展はどうですか?
自ら出展することが要件なので、申請者が出展者として主催者に登録され、出展料の支払い義務を負っている形であれば認められる可能性があります。ただし他社ブースの一角を間借りするだけとか、名義だけ参加というのは「自ら出展しない」と判断される恐れがあります。共同出展を計画する場合は出展契約の形態と費用分担を確認してから事務局に相談してください。
オンライン展示会(バーチャル展示会)は対象になりますか?
オンライン展示会は物理的な小間という概念がないため、「50小間以上」の要件をどう適用するかが難しいところです。近年オンライン・ハイブリッド形式の展示会が増えているので、対象となるか否かは事務局の判断に委ねられます。検討する場合は事前確認が必須です!
- 出展する展示会が50小間以上の規模かどうか(公式サイトまたは主催者に確認)
- 展示会の申込みは事前でよいが、出展料の支払いは交付決定後に行うこと
- 前年度に見本市等出展事業の交付決定を受けた場合は10月1日以降でないと申請不可
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 岡崎ものづくり支援補助金(見本市等出展事業) |
| 実施機関 | 岡崎ものづくり推進協議会 |
| 対象地域 | 愛知県岡崎市内 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 | 30万円 |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日(予算なくなり次第終了) |
| 対象者 | 製造業(大分類E)で岡崎市内に6か月以上事業所を有し市税完納の法人・個人事業主 |
| 問い合わせ | 岡崎ものづくり推進協議会 0564-53-6191 |
| 公式サイト | https://www.okamono.com/subsidy_list.php |
| 申請様式 | okamono.comからダウンロード |
展示会に出展したいけど費用が心配だった岡崎の製造業者には、申請のハードルも比較的低そうでいいですね。
シンプルな経費構造で書類も比較的作りやすい制度なので、初めて補助金を使う製造業者にも取り組みやすいです!まず展示会の出展要件(50小間以上・BtoB目的)を確認して、交付決定前に費用を支払わないという2点を守れば、スムーズに申請できます。愛知県内の製造業者はぜひ活用してみてください。
愛知県内の補助金についてはエリア別にまとめてあります。
愛知県の補助金一覧でほかの制度もチェックしてみてください。