
佐藤
補助金エージェント編集長
茨城県の企業が国内外の展示会に出展する際に活用できる補助金には、どのようなものがありますか?

室谷
代表取締役
まず押さえておきたいのが、共同・協業販路開拓支援補助金です。これは地域の商工会や商工会議所といった「地域振興等機関」が主体となり、10社以上の中小企業・小規模事業者とともに販路開拓に取り組む事業を支援する大型の補助金です。展示会や商談会の開催、マーケティング拠点の運営などが対象になり、補助率は定額または2/3、上限は5,000万円と非常に高いのが特徴です。

佐藤
補助金エージェント編集長
ということは、個社で直接申請する制度ではないんですね。茨城県内の事業者がこの補助金を活用するには、どうすればいいのでしょうか?

室谷
代表取締役
おっしゃる通り、個社での申請はできません。例えば、茨城県商工会連合会や各市町村の商工会議所が音頭をとって、県内の製造業や食品加工業など複数の事業者を募り、「茨城県ブース」として国内外の見本市に出展するといったケースが想定されます。実際に過去の公募では、地域の支援機関が幹事となって出展計画を練り、参加企業の製品や技術をまとめてアピールする取組が支援されています。

佐藤
補助金エージェント編集長
なるほど。公募の時期や締切はどうなっていますか?

室谷
代表取締役
これまで第5回から第9回まで断続的に公募が行われてきました。直近では共同・協業販路開拓支援補助金(第9回公募)が2024年6月28日を締切としていましたが、現在は終了しています。同様の制度は今後も予算が確保されれば新たな公募が行われる可能性が高いので、IRI茨城(茨城県中小企業振興公社)やJETRO茨城といった支援機関の情報をこまめにチェックすることをお勧めします。

佐藤
補助金エージェント編集長
被災地向けの共同・協業販路開拓支援補助金もありますが、茨城県では使えるのでしょうか?

室谷
代表取締役
被災地向け共同・協業販路開拓支援補助金は、令和6年能登半島地震の被災区域4県(石川県、富山県、福井県、新潟県)に限定されています。茨城県は対象外ですので注意してください。あくまで全国版の共同・協業販路開拓支援補助金を狙うことになります。

佐藤
補助金エージェント編集長
共同・協業以外に、特定の業種向けの補助金で展示会出展に使えるものはありますか?

室谷
代表取締役
はい、業種が限定されますが、以下のような制度があります。
業種別の展示会出展支援制度

佐藤
補助金エージェント編集長
たとえばどんな業種が対象ですか?

室谷
代表取締役
一つは皮革産業です。経済産業省が実施する皮革産業振興対策事業費補助金では、団体・グループ向けと地方公共団体向けの両方で、国内外の展示会出展や商談会開催などが補助対象になります。直近では令和7年度皮革産業振興対策事業費補助金(団体・グループ)(上限3,500万円、補助率2/3)や令和8年度皮革産業振興対策事業費補助金(団体・グループ)(上限3,300万円、補助率2/3以内または10/10)があります。茨城県内に皮革関連の事業者団体や産地がある場合、活用を検討できるでしょう。

佐藤
補助金エージェント編集長
皮革産業に特化しているんですね。他には?

室谷
代表取締役
伝統的工芸品産業も展示会出展に補助金を使えます。国が指定する伝統的工芸品の組合や団体が対象で、令和7年度伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業を除く)や令和8年度伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業を除く)では、後継者育成や原材料確保と並んで国内外展示会への出展が支援メニューに含まれています。上限は2,000万円で、伝産法に基づく各種計画の認定が必要です。茨城県には笠間焼や真壁石灯籠など指定伝統的工芸品もありますので、該当する産地組合はご確認ください。

佐藤
補助金エージェント編集長
農業分野では展示会出展に使える補助金はありますか?

室谷
代表取締役
現在掲載されている補助金の中に、農業分野の展示会出展を直接カバーするものは見当たりません。農業生産におけるプラスチック排出抑制対策事業としてプラスチック代替資材実用化推進事業などがありますが、これらは資材の代替実証や情報発信が目的で、展示会出展費用の補助には適していません。ただ、ジェトロ茨城や県の農政課などが別途、海外見本市への出展支援プログラムを持っている場合があるので、一度相談されると良いでしょう。

佐藤
補助金エージェント編集長
補助金の申請は、出展前と出展後、どちらに行えばいいのでしょうか?

室谷
代表取締役
原則として出展前に申請し、交付決定を受けてから出展する必要があります。補助金は後払いが基本で、事業完了後に実績報告を行って精算払いとなります。公募期間は短いことが多く、「出展したい展示会が来月あるからすぐ申請」では間に合わないケースがほとんどです。逆算して、半年前から情報収集を始めることをお勧めします。

佐藤
補助金エージェント編集長
補助金の最新情報を茨城県で得るには、どこをチェックすればいいですか?

室谷
代表取締役
まずはIRI茨城(公益財団法人茨城県中小企業振興公社)のウェブサイトです。中小企業向けの各種補助金やセミナー情報を発信しています。海外展示会を視野に入れるならJETRO茨城も重要な情報源です。また、県の茨城県産業政策課も地域独自の支援策を公表するので、定期的に確認しましょう。先ほど述べた共同・協業販路開拓支援補助金のような大型制度は、国や中小企業基盤整備機構のウェブサイトにも掲載されますが、地元の支援機関が公募開始のタイミングをいち早く案内してくれることが多いです。

佐藤
補助金エージェント編集長
最後に、展示会出展を考えている茨城県の事業者に向けてアドバイスをお願いします。

室谷
代表取締役
展示会出展は費用がかかるだけに、補助金の活用は大きな助けになります。個社で難しい場合は、地域の商工会・商工会議所に相談して共同出展の枠組みを検討するのが第一歩です。また、自社の業種が皮革や伝統工芸品に該当するなら、業界団体を通じた専門的な補助金も選択肢に入ります。補助金は情報戦です。普段から支援機関と関係を築き、公募情報を逃さないようにしてください。
