令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金(技術実証支援)_令和5年度_第1回
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
IoT・AI・ドローン等の先端技術活用に特化
本補助金は産業保安分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための制度です。単なる設備更新ではなく、IoTセンサーによるリアルタイム監視、AI画像解析による腐食・劣化の自動検出、ドローンによる高所・危険箇所の遠隔点検、デジタルツインを用いた予兆保全など、従来の保安手法を根本的に変革する技術の実証が求められます。
最大5,000万円・中小企業は補助率2/3の手厚い支援
補助上限額は5,000万円と高額であり、本格的な技術実証に十分な予算規模が確保されています。中小企業には補助率3分の2、中堅企業・地方公共団体には2分の1が適用され、企業規模に応じた支援設計となっています。実証に必要な機器購入、システム開発、データ分析基盤の構築まで幅広い経費が補助対象となります。
産業保安法令の適用設備が対象
対象となるのは高圧ガス保安法、電気事業法、ガス事業法、鉱山保安法等の産業保安法令が適用される設備を保有する事業者です。化学プラント、発電所、ガス供給施設、鉱山等の産業インフラにおける保安業務が主な対象領域となります。法令で義務付けられた検査・点検業務の高度化が期待されています。
保安人材不足という社会課題への対応
日本の産業保安分野では熟練技術者の高齢化と後継者不足が深刻化しています。本事業は技術的な実証にとどまらず、人手不足の中でも安全を確保できるスマート保安体制への移行を見据えた国家的な取り組みの一環です。実証結果は他の事業者や業界全体への展開が期待されています。
ポイント
対象者・申請資格
事業者の要件
- 中小企業者(中小企業基本法に定める中小企業者)→補助率2/3
- 中堅企業(資本金10億円未満の企業等)→補助率1/2
- 地方公共団体→補助率1/2
- 産業保安法令の適用を受ける設備を保有または管理していること
対象となる保安法令
- 高圧ガス保安法
- 電気事業法
- ガス事業法
- 鉱山保安法
- 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
対象となる技術実証の要件
- IoT、AI、ドローン、ロボット、AR/VR等の新技術を活用すること
- 産業保安業務の高度化・効率化に資する実証であること
- 実証計画に技術的新規性が認められること
- 実証結果の他事業者への横展開が期待できること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:実証テーマの選定
自社の保安業務における課題を洗い出し、新技術で解決可能なテーマを選定します。既存の保安業務のどの工程をデジタル化・自動化するのか、期待される効果(コスト削減率、検査精度の向上、人員削減効果等)を数値で整理します。
ステップ2:技術パートナーの選定
IoTセンサーメーカー、AIソリューション企業、ドローンサービス事業者等、実証に必要な技術パートナーを選定します。共同提案型の場合は各社の役割分担を明確にしておくことが重要です。
ステップ3:実証計画書の作成
実証の目的、活用する技術、実施体制、スケジュール、期待される成果、他事業者への展開可能性を具体的に記載した実証計画書を作成します。KPI(重要業績評価指標)の設定が審査で重視されます。
ステップ4:申請書類の提出
公募要領に定められた様式で申請書一式を作成し、事務局に提出します。事業計画書、経費内訳書、会社概要、直近の財務諸表等が必要です。電子申請の場合はjGrants等のシステムを利用します。
ステップ5:審査・採択・事業実施
外部有識者による審査を経て採択が決定します。交付決定後に実証を開始し、定期的な進捗報告と事業完了後の成果報告を行います。実証結果は事例集として公表される場合があります。
ポイント
審査と成功のコツ
保安課題の定量的な可視化
技術的新規性と実現可能性の両立
安全性確保の具体的な計画
成果の横展開ロードマップ
ポイント
対象経費
対象となる経費
機械装置費(3件)
- IoTセンサー・デバイスの購入費
- ドローン・ロボットの購入費
- エッジコンピューティング機器の購入費
システム開発費(3件)
- AI解析システムの開発費
- データ収集・分析プラットフォームの構築費
- 遠隔監視システムの開発費
クラウド・通信費(3件)
- クラウドサービスの利用料
- 通信回線の敷設・利用料
- データストレージの利用料
外注費(3件)
- 技術コンサルティング費
- データ分析の外部委託費
- システムインテグレーション費
技術導入費(3件)
- ソフトウェアライセンスの購入費
- APIサービスの利用料
- 技術ライセンスの取得費
試験・検査費(3件)
- 実証試験の実施費
- 性能評価・検証費
- 安全性試験費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 既存設備の単純更新・修繕費用
- 建物・土地の取得費や賃借料
- 人件費(申請者側の社内人件費)
- 汎用的な事務用品・消耗品の購入費
- 交際費・接待費・飲食費
- 交付決定前に発生した経費
- 他の国庫補助金と重複する経費
よくある質問
Q大企業は申請できないのですか?
本補助金の対象者は中小企業者・中堅企業(資本金10億円未満)・地方公共団体であり、大企業単体での申請はできません。ただし、大企業が技術提供者として中小・中堅企業と共同で実証プロジェクトに参画する形は認められる場合があります。大企業が保有する先端技術を中小企業の保安現場で実証するコンソーシアム型の提案も検討に値します。詳細は公募要領で確認してください。
Qどのような産業保安設備が対象になりますか?
高圧ガス保安法の適用を受ける高圧ガス製造設備・貯蔵設備、電気事業法の適用を受ける電気工作物(発電設備、変電設備等)、ガス事業法の適用を受けるガス供給設備、鉱山保安法の適用を受ける鉱山の施設・設備、液化石油ガス法の適用を受けるLPガス供給設備などが対象です。産業保安法令の適用を受ける設備であれば幅広く対象となりますが、事前に適用法令の確認が必要です。
Q技術実証の期間はどのくらいですか?
事業期間は交付決定日から年度末(原則として翌年3月末)までが基本です。ただし、技術実証の性質上、複数年度にわたる計画が認められる場合もあります。実証の準備(機器調達、システム構築)から実証実施、データ分析、成果報告までを事業期間内に完了させる必要があるため、現実的なスケジュールの策定が重要です。公募時期によっては実質的な実証期間が限られるため、事前準備を十分に行ってください。
Qドローンだけの導入でも対象になりますか?
ドローンの導入だけでは対象になりにくい可能性があります。本補助金は「技術実証支援」であり、既に市販されているドローンを単に購入・運用するだけでは技術的新規性が不十分と判断される場合があります。ドローンで取得した画像データをAIで解析する仕組みの構築、従来の手作業点検との精度比較実証、自動飛行ルートの最適化など、技術的なチャレンジ要素を含むプロジェクトとして設計することが重要です。
Q実証で得たデータの取り扱いはどうなりますか?
実証で得たデータの知的財産権は原則として事業者に帰属しますが、実証成果の概要(技術の有効性、コスト削減効果等)は経済産業省の事例集等で公表される場合があります。企業秘密に該当するデータ(設備の詳細仕様、顧客情報等)は公表対象から除外されますが、成果の横展開に必要な範囲の情報共有は求められます。データの取り扱いについては交付決定時の条件で詳細が定められます。
Q技術パートナー企業の費用も補助対象ですか?
外注費や委託費として技術パートナー企業への支払いは補助対象に含まれます。AIソリューション企業へのシステム開発委託費、IoTセンサーメーカーへのカスタマイズ費用、コンサルティング企業への技術支援費用などが該当します。ただし、技術パートナーが補助事業者と資本関係にある場合は利益相反の観点から制限がかかる場合があります。外注費の妥当性を示すための相見積もりの取得も必要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
スマート保安導入支援事業費補助金は技術実証フェーズの支援であり、実証後の本格導入フェーズには別の支援制度を組み合わせることが効果的です。経済産業省の「ものづくり補助金」は実証で有効性が確認された技術を本格的に設備導入する際に活用でき、デジタル枠であれば補助率が優遇されます。また、中小企業庁の「IT導入補助金」はクラウドサービスやSaaSの導入に特化しており、スマート保安で使用するソフトウェアの年間利用料をカバーできる場合があります。人材育成面では、厚生労働省の「人材開発支援助成金(DX推進コース)」がスマート保安を運用する人材の研修費用を支援します。さらに、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の各種技術開発支援プログラムは、より基礎的な技術開発フェーズの支援に活用可能です。実証で得たデータを活用した技術標準化の取り組みには、各業界団体の助成制度も選択肢となります。
詳細説明
スマート保安導入支援事業費補助金(技術実証支援)の概要
本事業は、経済産業省が推進する「スマート保安」政策の一環として、IoT・AI・ドローン等の先端デジタル技術を産業保安分野に導入するための技術実証を支援する補助制度です。令和4年度補正予算により措置され、化学プラント、発電所、ガス供給施設、鉱山等の産業インフラにおける保安業務のデジタルトランスフォーメーションを加速することを目的としています。
なぜスマート保安が求められているのか
日本の産業保安分野は3つの構造的課題に直面しています。
- 熟練技術者の高齢化と人手不足:高圧ガス設備や電気設備の保安業務を担う技術者の平均年齢が上昇し続けており、ベテラン技術者の退職に伴う技術承継が喫緊の課題です。新規人材の確保も困難な状況にあります。
- 設備の老朽化:高度経済成長期に建設された産業インフラの老朽化が進み、検査・点検の重要性がますます高まっています。老朽設備の増加に対して検査人材が追いつかない状況が生まれています。
- 安全基準の高度化:社会的な安全意識の高まりとともに、保安に求められる水準が年々上昇しています。目視・手作業による従来型の検査では限界があり、より高精度で網羅的な検査手法が求められています。
対象となる技術実証の例
本事業では多様なスマート保安技術の実証が想定されています。IoTセンサーネットワークによる設備の常時監視と異常の早期検知、AI画像解析技術による配管腐食・劣化の自動検出、ドローンやロボットを活用した高所・狭所・危険箇所の遠隔点検、AR(拡張現実)を用いた保安作業のナビゲーション支援、デジタルツインによる設備のバーチャルシミュレーションと予兆保全などが代表的な実証テーマです。
補助率と企業規模別の支援内容
中小企業者には補助率3分の2、中堅企業・地方公共団体には補助率2分の1が適用されます。補助上限額は5,000万円で、技術的に高度な実証プロジェクトにも対応可能な予算規模です。機器購入費、システム開発費、クラウド利用料、外部委託費、試験費など幅広い経費が補助対象となります。
実証成果の活用と横展開
本事業の特徴として、実証成果の業界全体への横展開が重視されている点があります。採択された実証プロジェクトの成果は事例集として公表され、他の事業者が参照できる形で共有されます。スマート保安技術の普及を通じて、日本全体の産業保安レベルの底上げを図るという政策目的があるため、自社の競争力強化だけでなく業界貢献の視点も重要です。
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