室谷さん、富山でイベントや展示会を開きたいんですけど、補助金ってどこから探せばいいんですか?「学会の誘致」「商談会への出展」「地域のお祭り支援」って目的ごとに全然違うじゃないですか。
そうなんですよ!富山のイベント補助金って実は3つのルートで考えると分かりやすいんです。一つ目はコンベンション・学会を誘致するルート、二つ目は展示会・商談会に出展するルート、三つ目は地域活性化のために地元でイベントを開くルート。この3軸で探すと候補が一気に絞りやすくなります。
2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸で関西圏からのアクセスが大幅に改善した今、富山を開催地に選ぶ学会や企業コンベンションが増えています。この追い風を使わない手はないですよ。
富山県のイベント・展示会 補助金比較
じゃあまず「コンベンション誘致」側の補助金から教えてください。富山に全国から参加者を呼ぶときに使えるやつですよね?
はい。まず富山県学会等開催事業費補助金があります。県外から宿泊を伴う参加者が集まる学会・大会・会議(企業コンベンション含む)が対象で、市町村や観光協会の開催補助金の額を上限の計算基準に使うという仕組みです。補助限度額は市町村または観光協会の開催補助金額の2倍まで、という設計になっています。
ほんとに?市町村の補助の2倍って、うまく重ねれば結構な金額になりますね。
そうなんです(笑)。市・観光協会・県、3段階で積み上げる構造です。大事なのはタイミングで、開催の3ヶ月前までに相談を開始して、申請書類は1ヶ月半前までに提出する必要があります。問い合わせはコンベンション誘致担当(076-444-4565)に早めに連絡を。
あと、富山市は別途富山市コンベンション開催事業補助金を持っています。これは上限500万円で、県外参加者数と会期に応じて算定される仕組みです。県の補助と同時活用が狙い目なので、まず富山市に相談してから県に申請するというルートが王道ですね。
- 富山市コンベンション開催事業補助金 上限500万円(学会・大会・会議が対象、展示会・コンサートは対象外)
- 富山県学会等開催事業費補助金 市町村開催補助金の2倍が上限(要、市町村の補助が前提)
- 2つを組み合わせると補助規模が大きくなる。相談は開催3ヶ月前が必須
展示会とかイベントは対象外なんですね。あくまで「学会・会議系」限定?
そうです。展示会・コンサート・スポーツ大会系はこの窓口ではなくて、別ルートを使う必要があります。次のセクションで解説しますね。
富山の中小企業が東京ビッグサイトとか、海外の展示会に出るときに使えるのはどれですか?
ここはTONIO(富山県新世紀産業機構)の販路開拓強化支援事業が強いです。令和8年度版では、個別企業の出展で国内展示会は上限25万円(東京・大阪など主要都市は35万円)、国外展示会は上限50万円、助成率は対象経費の2分の1以内という内容です。
35万円か、1枠の小間料くらいはカバーできそうですね。
15社以上で共同出展するグループ事業だと話が変わって、上限500万円(特別要件を満たせば750万円)まで引き上げられます。グループ出展は助成率も3分の2以内に上がるので、富山の同業者同士でまとまって出展するのは非常に合理的な選択肢ですね。
750万円!それは大きいですよ!みんなで出れば規模感が出ますし一石二鳥ですね。
高岡市は市独自の高岡市新時代販路開拓事業支援補助金を持っています。国内展示会に単独出展の場合は上限30万円、国外展示会は上限50万円(アメリカ・台湾の場合は100万円)です。
| 補助金名 | 実施主体 | 国内展示会 | 国外展示会 | 助成率 |
|---|
| 販路開拓強化支援事業(個別) | TONIO | 25〜35万円 | 50万円 | 1/2以内 |
| 販路開拓強化支援事業(グループ) | TONIO | 500〜750万円 | 500〜750万円 | 2/3以内 |
| 高岡市新時代販路開拓事業支援補助金 | 高岡市 | 30万円 | 50〜100万円 | 2/3 |
TONIO個別とグループで大きく変わるんですね。グループのほうが条件はあるんですか?
15社以上でまとまって出展する必要があります。業界団体や商工会議所が音頭を取るケースが多いです。高岡市補助は国外がアメリカ・台湾に出る場合にJETRO富山のアドバイスを受けることが条件になっているので、事前にJETROに相談しておくとスムーズです。
富山だけじゃなくて、全国どこでも使える補助金でイベント・事業運営に関係するのってありますか?
いくつかあります。まず小規模事業者持続化補助金は、商談会への出展費用・チラシ・PR動画制作など幅広い販促活動が対象です。上限は通常枠で50万円、補助率は2/3。インボイス特例(+50万円)や賃金引上げ特例(+150万円)が重なると最大250万円まで上限が上がります。
ものづくり補助金ってそんなにイベント系にも使えるんですか?
グローバル枠を使うと海外展示会の出展費用まで対象になります。海外の展示会に出て新規顧客を開拓するんだという文脈で申請するのが筋ですね。広告宣伝・販売促進費も対象で、通訳費は上限30万円(経費全体の1/5まで)まで見てもらえます。
「このイベント・展示会出展でどう売上を伸ばすか」を定量的に書けるかどうかがポイントになります。展示会に出て何件の商談を目指すか、売上目標はいくらかを具体的に書きましょう。
ものづくり補助金・事業再構築補助金など国の補助金はGビズIDが必須です。取得には2〜3週間かかるため、申請締切の1ヶ月前には手続きを始めてください。締切直前に慌てないことが採択率を上げる最低条件です。
事業再構築補助金(第十二回・第十三回)は
最大5億円という大型制度で、既存事業から新しい市場や業態に転換する事業が対象です。たとえば地方の老舗旅館がインバウンド向けに学会・コンベンション誘致事業を新たに始めるケース、製造業者が産業観光・工場見学イベント事業に参入するケースなどが当てはまります。詳細は
事業再構築補助金(第十二回)のページで確認できます。
旅館がコンベンション専用施設を整備するとか、そういうの?
まさしく。施設整備から集客・運営まで一貫して申請できる設計になっています。こういう使い方が富山らしいと思います。
富山ならではの補助金って何かありますか?伝統工芸とかお酒とかのイベントに使えるやつ。
ありますよ!**伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度災害復興事業)**がまずあります。2024年の能登半島地震で被災した富山・石川・新潟・福井の工芸品製造事業者向けで、
補助率3/4以内、上限1,000万円の規模です。井波彫刻、高岡銅器、越中和紙など富山の伝統工芸品メーカーが対象で、展示・PR用の設備整備にも使えます。詳細は
伝統的工芸品産業支援補助金で確認できます。
能登半島地震の復興支援として設けられているんですね。それは富山の工芸品事業者にとってはありがたい。
そうなんです。立山・銀盤・勝駒など全国に知られる富山の地酒イベントに関しては、国税庁所管の酒類業振興支援事業費補助金があります。試飲会の会場費・広告費・海外輸出促進費が対象の制度です。審査では「業界全体への波及効果」の説明が重視されるので、単独蔵元のPRよりも、富山地酒産業全体の認知向上につながる事業として組み立てるのがポイントです。
それが採択率を高める王道ルートですね(笑)。観光推進機構との連携を明記するとさらに加点されやすいです。
スポーツイベントとか映像コンテンツ系の補助金はどうですか?
令和8年度スポーツエンターテインメント・コンテンツ海外展開支援事業費補助金があって、
上限1億円・定額支援という規模です。詳細は
スポーツエンターテインメント・コンテンツ海外展開支援事業費補助金を参照してください。スポーツの海外展開やコンテンツのグローバル展開が対象です。富山発のコンテンツを海外に売り出したい方には選択肢になりえます。
| 補助金名 | 上限額 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 伝統的工芸品産業支援補助金(令和8年度) | 1,000万円 | 3/4以内 | 富山・石川等の被災工芸品事業者 |
| 酒類業振興支援事業費補助金 | 国税庁に要確認 | 定額 | 試飲会・輸出促進イベント |
| スポーツエンターテインメント補助金 | 1億円 | 定額 | スポーツ・コンテンツの海外展開 |
| 富山市コンベンション開催事業補助金 | 500万円 | 参加者数に応じ算定 | 学会・会議(富山市内開催) |
| TONIO販路開拓強化支援(グループ) | 750万円 | 2/3以内 | 県内中小企業15社以上の共同出展 |
イベント補助金 申請の流れ
これだけいろんな補助金があると、どう組み合わせればいいか迷いそうですね。まず何から始めればいいですか?
目的に応じて入口を変えることが大事です。「富山に人を呼ぶ」なら富山市コンベンション補助→県の学会補助の順番で二段活用。「富山から外に出展する」ならTONIOの販路開拓支援が窓口で、規模によって個別かグループかを選ぶ。「地域内でイベントを開く」なら市町村の産業振興補助や文化振興補助が一次窓口です。
国が全都道府県に設置している無料の経営相談機関です。補助金申請の相談にも乗ってくれて、費用はゼロ。富山のよろず支援拠点はTONIO内に設置されているので、展示会補助とセットで相談できます。
ほとんどの補助金は「後払い」方式です。展示会出展費用を立て替えた後に補助金が振り込まれるため、手元資金がないと動けません。出展費用を先払いする必要がある場合は、融資(日本政策金融公庫や制度融資)と補助金を組み合わせて資金計画を立ててください。
それは大事な話だ。補助金が来るまでの間に資金が足りなくなるパターンはありそう。
展示会の小間料を申請前に払う必要がある場合、一部の補助金は「事前着手届」を提出することで対象にできる制度があります。TONIOの販路開拓支援がその例です。申請前に確認を忘れずに。
- 富山県新世紀産業機構(TONIO) 展示会出展助成・販路開拓支援の窓口 公式サイト
- 富山よろず支援拠点(TONIO内) 補助金選定・申請書類作成の無料相談
- 富山県コンベンション誘致担当 076-444-4565 学会・コンベンション誘致補助の窓口(開催3ヶ月前から相談開始)
- 富山市観光・コンベンション担当 富山市コンベンション開催事業補助金の申請窓口
- JETRO富山 国外展示会出展前の事前相談(高岡市補助の要件にも関係)
相談先がたくさんあるんですね。どこから行けばいいか。
富山の中小企業なら、まずTONIOかよろず支援拠点に行くのが一番です。「うちはこういう事業でこういうイベントをやりたい」と相談すると、使える補助金の組み合わせを提案してもらえます。個別の申請書作成まで伴走してくれるケースも多いですよ。
なんか、富山って補助金の受け皿がちゃんと整ってる感じがしますね。
北陸新幹線延伸を追い風に、官民でイベントや産業観光を盛り上げようという機運があるので、補助金の整備も進んでいると思います。制度の賞味期限は年度単位なので、気になったらすぐ問い合わせるが勝ちです(笑)