燃料対策補助金 種類と補助額の比較
室谷さん、最近ガソリンも灯油も高くなってますよね。富山県内の事業者さんって、燃料費の高騰でかなり大変になってると思うんですが、使える補助金ってあるんですか?
ありますよ!しかも思ったより多くて、国の制度だけで常時30件以上、富山県や市町村の独自支援を加えると相当な数になります。「燃料対策」って一言で言っても、ガソリンスタンドの設備更新から、EVや天然ガス車への転換、災害時の燃料備蓄まで、かなり幅があって。
へえ、そんなに種類があるんですね!自分のケースに合うやつをどう探せばいいんでしょう?
まず「誰が申請するか」で大きく分けると整理しやすいんです。ガソリンスタンド(SS)を経営している方、トラック・バス等の運送事業者、製造業や物流業で大量に燃料を使う中小企業、そして公共交通の運行会社で、それぞれ使える補助金が違ってきます。
そうです。富山県は電力王国で水力発電が豊富なんですが、それでも物流や農業・漁業では石油製品への依存度がまだ高い。だから燃料費高騰の影響が直撃しやすい産業が多いんですよ。
まずガソリンスタンドの経営者向けを教えてください。富山って山間部も多いし、過疎地のSSって減ってますよね?
それが深刻な問題で、国が「SS過疎地対策」として専用の補助金を複数用意してるんです。中でも注目なのが石油製品販売業構造改善対策事業費補助金で、令和8年度版も公募中です。
過疎地のSSが設備を更新したり、老朽化した地下タンクを撤去したりするときの費用を定額(10/10)で補助してくれます。最大でざっくり4億9千万円くらいの枠があって。富山県内の山間部でSSを継続するための工事費が全額出るのは大きいですよ。詳しくは
令和8年度石油製品販売業構造改善対策事業費補助金のページを参照してください。
えっ、10/10補助って全額出るってこと?それすごくないですか!
すごいんですよ(笑)。ただ「執行団体公募」という形式で、個々のSSが直接申請するわけじゃなくて、石油業界の団体を通じた間接補助になります。業界団体に問い合わせるのが第一歩ですね。
あと、自治体がSS事業を引き継ぐというのも聞いたことあります。
それも国が支援していて、
自治体によるSS承継等に向けた取組支援事業として最大2億2,700万円が出ます。富山県内でも過疎地の自治体がSSを直営化するケースが出てきてるので、市町村の担当課に相談してみる価値はありますよ。
そこも手当てされていて、
災害対応能力強化事業で地下埋設物の入換工事費や、油槽所の自家発電設備の更新費用が補助されます。これも定額(10/10)で最大約2億9,100万円。令和6年能登半島地震で富山県も被害を受けた経緯もあって、北陸地区向けには特別に
LPガス貯蔵施設の早期復旧支援(最大15億円、1/3補助)が用意されていたこともあります。
能登地震の影響は富山のエネルギーインフラにも大きかったんですね。
新潟・富山・石川・福井の4県が対象でした。あの震災があって、あらためてエネルギーのレジリエンスが重要だという認識が広まりましたね。
燃料対策補助金 申請の流れ
次に、もう少し幅広い事業者が使える国の補助金を教えてもらえますか?
はい。いくつかカテゴリに分けると分かりやすいです。まず「次世代自動車・燃料転換」系の補助金。
富山って積雪もあるし、EV航続距離への不安はありそうですが、それでも使えるんですか?
充電インフラの整備支援も並行してあって、
充電・充てんインフラ等導入促進補助金(510億円規模)で職場や商業施設への充電器設置費用が出ます。富山県内でもEV充電スポットはここ数年で急増してますよ。
トラックとかバスはどうですか?物流系の会社さんも燃料費大変ですよね。
トラック・バスには
ハイブリッド及び天然ガストラック・バス導入支援事業があって、通常のディーゼル車との価格差の1/2が補助されます。1台あたり最大で約1,155万円。1事業者で最大30台まで申請できるので、中小の運送会社でもまとめて活用しやすい設計です。
ざっくり3億5千万くらいになりますね(笑)。ただ燃料の種類が限定されていて、天然ガス車かハイブリッドが対象。燃料電池トラックは別の補助金になります。
はい。災害時に避難所や防災拠点になる施設が優先対象で、中圧導管または耐震性向上低圧導管でガス供給を受けているという条件があります。富山ガスの管網が届いているかどうか、先に確認が必要です。
次は富山県独自の支援を教えてもらえますか?国のだけじゃなくて、県や市のほうが使いやすい場合もありますよね?
そうですね。富山県が力を入れているのが脱炭素化モデル中小企業育成事業費補助金です。環境省の交付金を活用した制度で、令和8年5月1日から新たに募集が始まっています。
自家消費型太陽光発電設備(5万円/kW以内、上限500万円)、水力・地中熱利用設備(補助率2/3)、高効率空調・給湯機器(補助率1/2)が対象です。「省エネ診断」を受けた企業は審査で加点されるという新しい仕組みも令和8年度から入りました。
省エネルギーセンターとか環境共創イニシアチブが実施する公的な省エネ診断で、令和5年度以降のものが対象です。診断を受けた上でこの補助金に申請すると採択されやすくなるわけです。富山県内の中小企業なら、まず診断から入るのがおすすめです。
結構充実してますよ。富山市が
燃料電池自動車導入推進事業費補助金を実施していたり、射水市ではGX推進の助成金があったり。高岡市はカーボンニュートラル対策等支援補助金として、省エネや再エネ設備の導入費用を一部補助しています。
富山県全体でいうと、令和7年度に「富山県燃料電池車両普及促進事業費補助金」もありましたね。
はい。令和8年3月31日まで受付していたやつです。FCVの購入補助で、国の補助と組み合わせることで実質的な購入コストをかなり下げられました。令和8年度版の募集状況は富山県のHPで随時確認が必要ですね。
富山県が独自にやってる「公共交通燃料価格高騰対策支援金」があります。鉄軌道、路線バス・高速バス、タクシー事業者が対象で、令和7年度は第7期(令和7年7月〜9月対応分)の申請受付が2025年11月まで行われていました。
そうです。1路線あたり(タクシーは1台あたり)の各月支援額が、「燃料価格高騰支援額 × 燃料使用量 × 1/8(高速バスは1/6)」で算出されます。タクシーの場合は国の支援分を差し引いた差額が対象になります。
なるほど。農業や漁業の方はどうですか?漁船の燃油費も高いですよね。
農業・漁業系は「農業経営基盤強化」や「漁業コスト対策」の補助金が別途あって、燃料費はその一部として申請できるケースが多いです。富山県の水産漁港課や農業振興課に問い合わせると、現在使える制度をまとめて教えてもらえます。
| 補助金名 | 対象者 | 補助率 | 補助上限額 | 窓口 |
|---|
| SS構造改善(過疎地流通体制整備) | ガソリンスタンド | 定額10/10 | 約4.9億円 | 石油販売業界団体 |
| 自治体によるSS承継支援 | 自治体・SS事業者 | 定額10/10 | 約2.3億円 | 経済産業省 |
| 災害対応能力強化(地下タンク等) | ガソリンスタンド | 定額10/10 | 約2.9億円 | 石油販売業界団体 |
| 燃料備蓄推進(インフラ向け) | 自治体・病院等 | 定額 | 約25.5億円 | 経済産業省 |
| EV・FCV導入促進補助金 | 自動車購入者全般 | 車種による | 1,100億円規模 | SII等執行団体 |
| EV・FCV充電インフラ整備 | 施設設置事業者 | 要確認 | 510億円規模 | 経済産業省 |
| HV・天然ガストラック・バス導入 | 運送・バス事業者 | 価格差の1/2 | 約1,155万円/台 | 北海道環境財団 |
| 天然ガス設備(コージェネ等) | 防災拠点施設等 | 1/2〜1/3 | 約3.6億円 | 都市ガス振興センター |
| 富山県脱炭素化モデル中小企業補助 | 県内中小企業 | 1/2〜2/3 | 500万円 | 富山県 |
| 富山県公共交通燃料価格高騰対策支援金 | バス・タクシー等 | 計算式による | 都度変動 | 富山県 |
| LPガス施設復旧支援(北陸向け) | LPガス事業者 | 1/3 | 約15億円 | 経済産業省 |
- EVやFCVの購入では「国のEV補助金 + 富山県の補助 + 市町村の補助」の3段階が使えるケースあり
- ガソリンスタンドの設備更新では「構造改善補助 + 環境保全対策補助」の重複申請が可能な場合も
- 必ず各補助金の要綱で「併用可否」を確認してから申請計画を立てること
まずGビズIDプライムアカウントの取得です。国の補助金はほぼ全てjGrants(Jグランツ)という電子申請システムで申請するんですが、そのログインにGビズIDが必要です。
申請してから発行まで、早くて2〜3週間、混雑時は1ヶ月以上かかることもあります。だから補助金の公募が始まる前に取得しておくのが鉄則です。「公募が始まってから申請すればいい」と思ってたら期限に間に合わない、というのが一番多い失敗パターン。
補助金って、申請したら必ずもらえるわけじゃないですよね?
そうなんです。採択式の補助金は審査があって、書類の完成度や事業計画の説得力で採否が変わります。特に国の大型補助金は採択率が30〜50%程度のものも多い。「補助金が採択されることを前提に設備を発注してしまって、落ちたら困った」というケースが実際に起きているので、採択決定通知が来るまで発注・着工してはいけないのが基本ルールです。
後払い(後払いの補助)というのも資金繰りのリスクになります。補助金は基本的に「先に自分で払い、後で補助額が振り込まれる」仕組みなので、一時的に自己資金が必要です。その部分を金融機関に相談するか、信用保証付きの融資を先に確保しておくと安全です。
- GビズID未取得で締め切り直前に気づく → 申請そのものができない
- 採択前に先行発注・着工する → 補助対象外になり全額自己負担に
- 後払い資金繰りを考えていない → 補助金受取まで数ヶ月〜1年かかる場合も
富山県中小企業診断士協会、富山商工会議所、富山県商工会連合会、そして経済産業省の中小企業支援センター(ミラサポplus)あたりが窓口です。補助金申請支援を専門にしている行政書士や中小企業診断士に相談するのも、採択率を上げる有効な手です。
GビズIDプライムを取得する(公募開始の1ヶ月以上前に)
- 富山商工会議所: 富山市新桜町2-3 / TEL 076-423-1151
- 富山県商工会連合会: 富山市桜橋通り3-1
- 経済産業省 ミラサポplus: https://mirasapo-plus.go.jp/
- 富山県中小企業支援センター(公益財団法人): 富山市桜橋通り3-1 富山県中小企業振興センター内
富山県の燃料対策補助金、想像より種類が多かったです。まず何から手をつけるのがいいですか?
自分の業種と目的を明確にすることです。「SS経営者としてタンクを更新したいのか」「運送会社としてEVトラックを入れたいのか」「工場で使う燃料コストを省エネ設備で下げたいのか」によって使う補助金が全然違うので。
そうですね、まず自分が何をしたいかを整理してから調べるのがよさそう。
まず
富山県の補助金一覧ページや富山商工会議所のサイトで最新情報を確認して、気になる制度の要綱を取り寄せてみてください。燃料費高騰は中小事業者にとって切実な問題ですが、うまく補助金を使えばかなりコスト負担を軽減できます。ぜひ早めに行動してみてください!
ありがとうございました。燃料対策補助金を使って、富山の事業者さんのコスト削減が進むといいですね。
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