室谷さん、富山県のまちづくり関連の補助金ってどのくらいあるんですか?地域の課題解決に使いたいって聞くんですけど、よくわからなくて。
富山県の場合、国の制度と県独自の支援を合わせると89件以上あるんですよ。まちづくりって範囲が広くて、コンパクトシティ推進から脱炭素、地域交通の整備、木造建築の促進まで、いろんな切り口で支援が出てるんです。
富山市は「お団子と串」のコンセプトで、公共交通を軸にしたコンパクトなまちづくりを全国に先駆けて推進してきた都市なんです。だから特に、交通と地域拠点を絡めた制度が手厚い。そこが他の都市と違うところですね。
富山市の説明を借りると、鉄軌道やバス路線が「串」、その駅やバス停の徒歩圏が「お団子」なんです。公共交通の沿線に住民・施設・商業を集中させて、車がなくても暮らせるまちをつくるっていう考え方ですね。2010年以降、富山市の人口が減少に転じたことへの危機感が原点にあって、このコンセプトに合う補助制度が多いんですよ。
それは納得(笑)。じゃあ具体的に、どんな補助金が使えるのかを教えてください!
富山県のまちづくり補助金 申請主体別分類図
| 補助金名 | 補助率 | 上限額 | 申請主体 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金(ビジネスコミュニティ型) | 定額 | 50万円 | 小規模事業者グループ |
| グリーンスローモビリティ導入促進事業 | 1/2 | 1台300万円 | 企業・自治体・NPO |
| 地域デジタル基盤活用推進事業 | 1/2 | 上限なし | 自治体・民間 |
| スマートシティ推進事業 | 1/2 | 上限なし | 地方公共団体等 |
| 防災拠点エネルギー設備導入推進事業 | 補助率あり | 大型補助 | 自治体・施設管理者 |
| 地域公共交通×脱炭素化移行促進事業 | 補助率あり | 大型補助 | 公共交通事業者等 |
| 地球温暖化防止活動促進事業 | 補助率あり | 大型補助 | 自治体・NPO・団体 |
| 木の香るとやまの街づくり事業(富山県独自) | 一部助成 | 要問合せ | 市町村・法人・NPO |
| 小規模事業者持続化補助金(ビジネスコミュニティ型・商工会地区) | 定額 | 50万円 | 商工会地区の事業者グループ |
まず「小規模事業者持続化補助金(ビジネスコミュニティ型)」って、聞いたことはあるんですけど、まちづくりに関係あるんですか?
はい、これが実はまちづくり文脈でかなり使いやすい補助金なんですよ。若手経営者や女性経営者のグループが5者以上集まって、セミナーや研修、販路開拓、さらには防災活動にも使えるんです。最大50万円が定額で出ます。
個人がバラバラに申請するんじゃなくて、グループで動くんですね。
そうです。商工会議所地区と商工会地区で窓口が分かれてますけど、富山市内ならほぼ商工会議所地区に当たることが多い。地域のコミュニティ活動、例えば商店街の活性化イベントとか、地域の防災マップ作りとか、そういう活動費にも充てられるんです。
おお、それは具体的でわかりやすい。申請の難易度はどうですか?
次は交通系の補助金を教えてください。富山市がコンパクトシティで交通に力を入れてるって話でしたよね。
そうなんです。環境省の「グリーンスローモビリティ(GSM)導入促進事業」は、富山みたいな地域に超マッチしてます。時速20km未満で公道を走れる電動小型車両を導入する費用を、1台あたり最大300万円、補助率2分の1で助成してくれる制度です。
グリーンスローモビリティって、どんな場面で使うイメージですか?
観光地の周遊バスとか、高齢者が多い地区の「ちょっとそこまで」移動サービスとか、地域の足が弱い場所に小型の電動車両を入れるイメージですね。富山県内でも、農村部や郊外で活用している事例が出てきてます。NPO法人も申請できるのが大きい。
民間企業、地方公共団体、一般社団法人・財団法人、NPO法人と幅広い。令和7年度は一次公募と二次公募があって、富山県のような中山間地域にある自治体やNPOは特に活用してほしいですね。詳しくは
グリーンスローモビリティ導入促進事業のページで確認できます。
デジタル技術を使ったまちづくりの補助金もあるんですか?
総務省の「スマートシティ推進事業」と「地域デジタル基盤活用推進事業」の2本立てで、かなり手厚い支援があります。スマートシティのほうは補助率1/2で上限がなく、地方公共団体が取り組む都市OS(データ連携基盤)の整備や、それを使ったサービス開発に使えます。
上限なしってすごいですね!富山市の場合はどんな活用ができますか?
例えば、公共交通の利用状況を可視化したり、防災情報を一元管理したり、高齢者の見守りシステムをデジタル化したり。富山市はコンパクトシティの文脈で、すでにデジタル化が進んでいる分野もあるので、既存のインフラに上乗せする形で申請しやすいんですよ。
まちの安全・防災面での補助金はどうですか?富山県は2024年1月に能登半島地震もあったじゃないですか。
まさにその通りで、防災拠点のエネルギー自立は今、国が一番力を入れてる分野の一つなんです。環境省の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」、長い名前ですけど(笑)、避難所や防災拠点に太陽光発電・蓄電池を導入するための補助で、自治体や公共施設の管理者が申請できる大型補助です。
令和7年度補正版と令和8年度版の両方が現在公募中なので、富山県内で避難所の設備更新を検討している自治体や施設管理者は、今すぐ確認してほしい制度です。能登半島地震の教訓で「電源が落ちた時のリスク」を多くの人が実感してるはずなので、申請の説得力も増してます。
この手の環境省の補助金は、脱炭素の貢献度(CO2削減量)をどう計算して示すかが重要になります。事前に専門家に計算してもらって、数字で示せるようにしておくといい。あと、富山県の場合は冬季の降雪があるので、蓄電システムの容量設計も重要ポイントです。詳しくは
防災拠点エネルギー設備導入推進事業のページで確認できます。
はい、環境省の「地域の公共交通×脱炭素化移行促進事業」です。バス・鉄道・船舶・タクシーなどの公共交通事業者が、EVバスや電気鉄道車両などのゼロエミッション車両に転換する際の導入コストを補助してくれます。富山県はLRT(富山ライトレール)が走っていて、全国的にもモデル的な位置づけにある地域なんですよ。
そうなんです。富山地方鉄道とか万葉線とか、電動化・省エネ化を推進している事業者にとっては活用しやすい補助です。車両の電動化だけじゃなく、充電インフラや関連設備の整備費も対象になる場合があります。詳細は
地域の公共交通×脱炭素化移行促進事業のページをご覧ください。
これは面白い制度ですよ。令和8年度(2026年度)も募集が始まっている「木の香るとやまの街づくり事業」です。公共施設や観光施設など不特定多数が利用する場所の木造化・内装木質化に、富山県産材を使う費用の一部を助成してくれる制度です。
そうです。富山県は林業が盛んで、県産材の利用促進という政策意図がある。対象施設の幅がけっこう広くて、学校や社会福祉施設はもちろん、旅館・ホテル、飲食・物販店舗も対象になります。観光客が来るような民間施設も対象なのが、このPR効果を狙った設計ですね。
旅館のロビーを木質内装にする費用が出るってことですか?
そうです!インバウンド対応とまちづくりを兼ねた活用ができます。「富山らしさ」を観光でアピールしたい施設には、ぜひ富山県林業振興課(木材利用推進担当)に問い合わせてみてほしいですね。
- 担当: 富山県農林水産部 林業振興課 木材利用推進担当
- 公式ページ: 富山県公式サイト
- 令和8年度(2026年度): 募集中(2026年3月30日更新)
NPOや地域団体が申請できる補助金って、まだほかにありますか?
環境省の「地域における地球温暖化防止活動促進事業」は、NPO・環境NGO・地方公共団体が取り組む脱炭素の普及啓発活動や地域住民への情報提供に使えます。富山県内の環境NPOや自治会レベルの活動でも申請可能なケースがあって、全業種・全都道府県が対象です。
そうです。地域の「温暖化防止活動センター」と連携した活動が特に通りやすい。例えば、地域の小学校と連携した省エネ教室の開催費、緑化活動の費用、地域のカーボン排出量の見える化プロジェクトなど。実績として形に残るものが重視される傾向があります。詳しくは
地域における地球温暖化防止活動促進事業のページで確認できます。
まちづくり補助金 申請フロー(富山県版)
自分の立場(申請主体)を確認する
自治体なのか、NPO法人なのか、民間事業者なのか、グループなのか。補助金ごとに申請できる主体が違います。まず「誰が申請者か」を明確にしましょう。
国の制度か県の制度かを把握する
国の制度は全国共通で申請可能です。富山県独自の制度は富山県内の法人・団体が対象。両者を組み合わせて「ダブル活用」できるケースもあります。
申請期限と公募スケジュールを確認する
環境省の補助金は令和8年度(2026年度)公募中のものが複数あります。年度をまたいで応募できない場合もあるので、早めに確認を。
GビズIDを事前取得しておく
国の補助金の多くはJグランツ(jGrants)経由で申請します。GビズIDの取得に2〜3週間かかるので、申請を考えたら即取得が鉄則です。
富山県の中小企業支援機関に相談する
富山県よろず支援拠点、富山市産業振興財団、各市町村の産業担当課が無料で相談に乗ってくれます。補助金選びから書類作成まで伴走支援してくれるところも多い。
- まちづくり系の補助金は**後払い(精算払い)**が多い。先に費用を立て替えてから補助金が振り込まれる仕組みのため、資金繰りの準備が必要です。
- 補助対象外の経費(人件費・土地代・消費税等)が含まれる場合があります。補助対象経費の定義を必ず公募要領で確認してください。
- 採択されても不正受給や目的外使用が発覚した場合は返還請求の対象になります。用途管理・証憑書類の保管を徹底しましょう。
最後に、補助金をうまく活用するためのアドバイスをもらえますか?
一番大事なのは「単体で考えない」ことです。例えば、富山市でコンパクトシティ推進の文脈で地域拠点施設を建てるなら、木の香るとやまの街づくり事業(富山県産材の木質化助成)と、防災拠点エネルギー設備導入(太陽光・蓄電池の整備)を組み合わせることができる。
そうです。ただし、同じ経費に対して複数の補助金を重複申請することは原則NGです。あくまで「経費の種類を分けて、それぞれ別の補助金を当てる」という考え方です。木質化の費用に富山県の補助、エネルギー設備に環境省の補助、という形ですね。
なるほど、計画段階から補助金の活用を設計するのが大事ですね。
計画段階からが一番大事です(笑)。あとは、富山市みたいに「コンパクトシティ」という明確なビジョンがある地域は、そのビジョンに合った事業計画を書くと採択率が上がります。審査員も「この地域のまちづくり戦略に合致してるか」を見てますから。
地域の戦略を踏まえた申請書類が大事なんですね。今日はすごく具体的な話が聞けました!
富山県は全国でも先進的なまちづくりの事例が多い地域なので、補助金を使ってさらに面白い取り組みが生まれてほしいですね。まずは相談から始めてみてください!他の都道府県のまちづくり・地域振興補助金を探す方は
まちづくり・地域振興の補助金一覧もご覧ください。富山県全体の補助金・助成金については
富山県の補助金・給付金一覧からも検索できます。