室谷さん、今日は「ものづくり補助金」ってやつを詳しく聞きたいんですけど、いきなり「ものづくり」って名前だと、工場とか製造業の人しか関係ないイメージがありません?
あ、それすごくよくある誤解なんですよ(笑)。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」っていう長〜い名前で、実は商業もサービス業もバッチリ対象なんです!しかも最大3,500万円の補助金ですから、中小企業にとってはめちゃくちゃデカいチャンスです。
3,500万円!マジですか?それって自己負担はどれくらい?てか、そもそも誰でももらえるわけじゃないですよね。
もちろん審査はあります。でもまず目的から押さえましょうか。この補助金は、中小企業が働き方改革とかインボイス制度みたいな制度変更に対応するために、革新的なサービス開発や生産プロセス改善の設備投資を支援するものなんです。つまり、「今のままじゃヤバいから、新しいこと始めたい!」って事業者の強い味方ですね。
その通り。公募要領にも「革新的な新製品・新サービスの開発を伴わないものは対象外」ってハッキリ書いてあります。単なる老朽化した機械の買い替えじゃ通らない。でも、新しい技術で生産性をグンと上げる計画なら可能性はありますよ。
そもそもなんでこんなデカい補助金が出てるんですか?国が本気な感じがしますね。
国の狙いはっきりしてますよ。「今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更に対応するため」ってのが公式の目的。つまり、中小企業が賃上げやインボイス、働き方改革に耐えられる体力をつけるための投資を後押ししたいんです。特に賃上げの要件も組み込まれていて、「補助金もらったら従業員の給料上げてね」っていうメッセージが強い。
ああ、だから“生産性向上”ってワードが入ってるんですね。設備投資して効率化して、その分で人件費を増やすっていう好循環を作りたいと。
大正解!それに加えて、海外展開やDX推進も視野に入ってます。20次締切は2025年10月27日から2026年12月28日まで受付中。結構長い期間あるけど、GビズIDの準備とかあるから、今から動かないと間に合わないかも。
個人事業主でもいけるんですか?「中小企業」って書いてあるから法人しかダメなのかと思ってました。
いけるいける!中小企業基本法の定義に当てはまれば、個人事業主も対象です。資本金や従業員数の基準があるんですけど、例えば製造業なら資本金3億円以下か従業員300人以下。卸売業なら資本金1億円以下か100人以下。サービス業なら資本金5,000万円以下か100人以下。小売業なら同じく5,000万円以下か50人以下。結構幅広いでしょ?
うわ、意外と大きい会社まで入るんですね。うちはスタートアップで従業員5人だけど、資本金は…あ、大丈夫そうだ。
大丈夫ですよ。それに特定非営利活動法人(NPO)や社会福祉法人も対象です。ただし、申請締切日前10か月以内に同じものづくり補助金の交付決定を受けてたら、残念ながらアウト。再申請は一定期間空けてからです。
過去に採択されたことある人も、条件満たせば再チャレンジ可能ってことですね。それはありがたい。
従業員数に制限ってあるんですか?「従業員数の制約なし」って書いてあったけど、大きすぎてもダメなのでは?
いや、本当に制約なしです!公式に「従業員数の制約なし」と明記されてます。だから従業員が1000人いる中堅企業も応募できます。ただし、その代わりに賃上げ要件が結構シビアです。付加価値額を年率平均3%以上、給与支給総額を年率平均1.5%以上向上させる計画が必要。しかも事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くしなきゃいけない。
げっ、結構高いハードルですね。でもそれをクリアできる事業計画なら、大きな補助金がもらえるってわけか。
そう。しかも従業員21人以上の場合は、仕事と子育ての両立に関する要件も追加で求められる場合があります。公募要領をしっかり確認してくださいね。
気になるお金の話!補助上限3,500万円って聞いたけど、もっと詳しく教えてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 3,500万円 |
| 補助率 | 1/2 もしくは 2/3 |
| 募集期間 | 2025年10月27日 〜 2026年12月28日 |
| 事業完了期限 | 2026年12月28日 |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 農業、林業、漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、学術研究、宿泊・飲食、生活関連サービス、教育、医療・福祉など20業種以上 |
| 従業員数 | 制約なし |
| 複数申請 | 不可 |
| 申請方法 | Jグランツ電子申請(GビズIDプライム必須) |
| 実施機関 | 経済産業省 |
補助率が1/2か2/3ってどういうこと?例えば1,000万円の設備を導入したら、いくら補助金が出るんですか?
補助率は中小企業と小規模事業者で違います。中小企業は1/2(半分)、小規模事業者は2/3(3分の2)。例えば、あなたが小規模事業者で1,000万円の機械を買ったら、補助金は約667万円。自己負担は約333万円です。逆に中小企業なら500万円が補助、自己負担も500万円。
おお、小規模事業者の方が手厚いんだ!でも上限3,500万円ってことは、最大補助額も小規模だと3,500万円の2/3で約2,333万円…いや待て、上限はあくまで3,500万円までですよね?
そうです。補助金としてもらえる最大額が3,500万円。だから中小企業なら総事業費7,000万円まで、小規模なら総事業費5,250万円まで、って計算になります。ただし、実際には申請する枠によって上限が異なる場合もあります。20次締切の公募要領では「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」があって、それぞれ上限が違う。でも基本は最大3,500万円と覚えておけば間違いないです。
小規模事業者の2/3って魅力的ですね。実際の計算をもっと具体的に知りたい!
では例を。例えばあなたが小規模事業者で、500万円の生産設備を導入する場合。補助率2/3なら補助金は約333万円、自己負担は約167万円です。これが補助率1/2だと補助金250万円、自己負担250万円。自己負担が83万円も違う!だから小規模事業者は本当に狙い目です。
めっちゃデカい差!ちなみに、この補助金は設備だけじゃなくてソフトウェアやクラウドサービスも対象なんですか?
そうなんです。対象経費のところでまた詳しく話しますけど、ソフトウェア開発費やクラウドサービス利用料も含まれます。例えば、新製品の設計用CADや、生産管理のクラウドシステムも対象になりますよ。
対象経費と対象外経費- 機械装置・システム構築費(生産設備、検査装置、試験装置、ソフトウェア開発、クラウドサービス利用料)
- 技術導入費(知的財産権導入費、技術ライセンス料)
- 専門家経費(技術指導費、コンサルティング費)
- 運搬費(設備運搬費、据付費)
- クラウドサービス利用費(IaaS、PaaS、SaaS)
×デメリット
- 土地・建物の取得費
- 車両購入費(公道走行車両)
- 汎用性の高いパソコン・タブレット等
- 事務用品・消耗品費
- 人件費・旅費
- 広告宣伝費・販売促進費
- 光熱水費・通信費
- 借入金利息
- 既に発注・購入済みの経費
改めて、設備投資以外にもいろいろ使えるんですね。特にクラウドサービスが対象って意外でした。
そう、IaaS、PaaS、SaaSの利用料が対象です。例えばAWSやAzureみたいなクラウド基盤の費用も含まれる。DX推進には必須ですからね。あと、技術指導費やコンサルティング費も対象なので、専門家にアドバイスをもらいながら事業を進めたい場合も使えます。
これはいいですね。例えば新しい製品開発にあたって、外部のエンジニアに技術指導を依頼する費用も補助対象になるってこと?
はい、専門家経費として認められています。ただし、あくまで補助事業に直接必要なものだけ。一般的な事務所の家賃や光熱費は対象外ですから注意。
「土地・建物の取得費」はダメとか「車両購入費」もダメって、結構厳しいですね。
そうなんです。特に「汎用性の高いパソコン・タブレット」が対象外なのは盲点。普通のオフィス用パソコンはダメで、製造現場で使う専用端末や産業用タブレットなら認められる可能性があります。また、人件費や旅費も対象外。つまり、設備投資以外のランニングコストには使えないんです。
あと「既に発注・購入済みの経費」もダメって。補助金が決まる前に発注しちゃったら、対象外ってことですね。
その通り!交付決定前に契約したものは一切対象になりません。だから、まずは申請して採択されてから、正式に発注する流れが基本。逆に言えば、審査に通るか分からないのに大きな投資はできない。そこが難しいところですね。
申請の流れ(6ステップ)- 1
GビズIDプライムの取得
必須アカウント。取得に2〜3週間。早めに準備
- 2
事業計画書の作成
A4で10ページ程度。数値目標を明確に
- 3
賃金引上げ計画の策定
付加価値額年率3%以上、給与総額年率1.5%以上
- 4
認定経営革新等支援機関の確認書を取得
税理士、金融機関、商工会議所などの確認が必要
- 5
Jグランツで電子申請
必要書類をアップロードして提出
- 6
採択後に交付申請→事業実施→実績報告
交付決定後に事業開始。完了後実績報告で補助金確定
まずGビズIDプライムって何ですか?聞いたことあるけど、なんで必要なの?
国の補助金申請システム「Jグランツ」にログインするための電子認証です。いわば補助金申請のパスポート。特にプライムじゃないとダメで、取得に2〜3週間かかるから、公募開始前に準備しておくのが鉄則。法人なら登記簿謄本、個人事業主なら運転免許証などが必要です。
2〜3週間も!今すぐやらないと間に合わないですね。しかも申請受付期間は長いけど、準備は早めにしないと。
そう。20次締切は2026年12月28日まで受け付けてますが、GビズIDを取るのに1ヶ月近く見たほうが安全。余裕を持って動いてください。
革新性、実施体制、スケジュール、数値目標を盛り込みます。A4で10ページ程度が目安。特に「付加価値額年率3%以上」「給与支給総額年率1.5%以上」という要件を達成できる具体的な計画が必要。採択後もこの目標を達成しなければならないので、現実的な計画を。
しかも「認定経営革新等支援機関」の確認書が必要なんですよね?これって何ですか?
税理士や金融機関、商工会議所など、国が認定した支援機関に事業計画の内容を確認してもらう書類です。形式的なものじゃなく、審査でも重要なポイント。支援機関と相談しながら計画を練るのがおすすめです。
申請はJグランツで行うんですね。何かコツはありますか?
まず期限内に提出すること。締切は2026年12月28日ですが、混み合うので早めに。また、書類の不備で不受理になると悲しいので、事前に支援機関にチェックしてもらいましょう。採択されたら交付申請をして、交付決定後に事業を開始。事業完了後に実績報告書を提出して、そこから補助金が振り込まれます。
色んな注意点がありましたが、審査で一番大事なのは何ですか?
まず「革新性」。単なる設備更新では絶対に受からない。自社の技術的課題をどう解決し、どんな新たな価値を生み出すのかを具体的に書く必要があります。公募要領にも「業種ごとに同業他社で既に相当程度普及しているものは対象外」とあります。つまり、他社がもうやってることはダメ。独自性が必要です。
じゃあ、例えば飲食店が最新のロボット調理機を導入するのはどうですか?
それだけだと「単なる機械導入」で終わる可能性が高い。でも、そのロボットを使って「完全無人店舗」という新しいサービスモデルを構築するなら話は別。あくまで「新製品・新サービスの開発」が前提です。
市場調査データや既存取引先の引き合い状況など、客観的な根拠を添えること。楽観的な数字だけじゃなく、保守的なシナリオも併記すると「現実的に考えてるな」と好印象です。そして賃上げ計画は、単なる「◯%上げます」じゃなく、具体的な昇給テーブルや賞与計画を示すと評価が高い。
そこまで詰めるのは大変そう。支援機関と一緒に作るのが良さそうですね。
20次締切のスケジュール、もう一度確認させてください。2025年10月27日から2026年12月28日まで受付、事業完了も同じ日って…つまり、申請して採択されてから事業を始めて完了させるまで、全部2026年12月28日までってことですよね?
そうです。長いようでいて、実際はGビズID取得や事業計画書作成で数ヶ月使うから、実質1年くらいの事業期間。大きな設備投資なら工事も含めて余裕を持ったスケジュールを。
あと、他の補助金との併用ってできるんですか?IT導入補助金とか持続化補助金。
できる場合とできない場合があります。同じ経費に重複して補助金をもらうのは禁止。でも、別々の経費なら併用可能です。例えば設備投資はものづくり補助金、販路開拓は持続化補助金、IT導入はIT導入補助金、という使い分けはアリ。さらに、都道府県の上乗せ補助金(熊本県や高知県の例がある)と組み合わせる手もあります。全体の資金計画をよく考えましょう。
「複数申請:不可」って書いてあるけど、1つの法人で何件も出すのはダメってこと?
そうです。1つの事業者につき1つの申請しかできません。複数のプロジェクトを同時に申請することはできませんので、最も効果的な計画を選んで集中する必要があります。
以前ものづくり補助金をもらったことがあるんです。また申請できますか?
申請締切日前10か月以内に同一事業の交付決定を受けていなければOKです。ただし、過去の補助事業の実績報告が完了していることが前提。交付決定日から10ヶ月以上経っていれば再チャレンジ可能です。
全然大丈夫です!公式に対象業種として「卸売業、小売業」が明記されています。他にも宿泊業、飲食サービス業、医療・福祉、情報通信業など20業種以上。名称に「ものづくり」とあるけど、商業・サービス業でも実績多数あります。
補助率が1/2か2/3ですから、事業費の1/3〜1/2が自己負担。例えば1,000万円の設備投資で補助率2/3なら自己負担は約333万円。1/2なら500万円。大きな設備を入れたいなら、自己資金の準備も計画的に。
今から取得しようと思ってるんですが、間に合いますか?
通常2〜3週間。書類に不備があるともっとかかる場合もあります。今すぐにでも手続きを始めてください。特に法人は登記簿謄本などが必要です。
賃上げ要件が厳しいって聞きましたが、具体的にどんな数値ですか?
3つの要件があります。(1)付加価値額が年率平均3%以上向上する計画。(2)給与支給総額が年率平均1.5%以上向上する計画。(3)事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高いこと。これらを計画に盛り込む必要があります。実績報告時に達成していなければ補助金返還のリスクもあるので、現実的な数字を。