室谷さん、今日はよろしくお願いします!いきなりなんですけど、「小規模事業者持続化補助金」って、よく耳にするんですよね。「持続化補助金」っていう言葉自体はなんとなく知ってるんですけど、今回の「災害支援枠」っていうのはまた別物なんですか?
佐藤さん、いい質問です!そうなんですよ。「小規模事業者持続化補助金」って、実はいくつか種類があって、通常の一般型とは別に、災害に特化した「災害支援枠」っていうのが存在します。そして今回、令和6年の能登半島地震と能登豪雨で被災された事業者さんを対象にした、10次公募が始まってるんです!
えっ、10次公募!? もうそんなに回数重ねてるんですね。それだけニーズが大きいってことですよね。
まさにその通りです。この制度、一言で言うと、震災や豪雨で直接被害を受けた小規模事業者さんが、事業を再建するために使えるお金を国がサポートしてくれる、そういう補助金なんです。しかも、補助上限は200万円!
200万円! それは大きいですね。でも、条件とか難しそう…。
確かに、きっちりとした要件はあります。でもご安心ください。今回は、申請するためのノウハウも含めて、隅から隅までお話ししますから!
お願いします! さっそくですが、この10次公募、かなり対象が絞られてるって聞いたんですけど、本当ですか?
はい、そこが一番のポイントです。今回の10次公募、対象になるのは石川県の能登3市3町だけなんです。具体的には、珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、七尾市、志賀町。そして、さらに条件があって、令和6年能登半島地震または能登豪雨で直接被害を受けた事業者さんの中で、特別な事由により9次公募までに補助事業が行えなかった方に限定されています。
なるほど。つまり、過去の公募で申請したけど通らなかった、とか、申請する時間がなかった、っていう方が対象になるってことですね。
そういう解釈で間違いないです。まさに「逃した人、もう一度チャンスですよ!」っていう意味合いが強いですね。
そもそも、なぜこの「災害支援枠」って制度ができたんですか? 通常の補助金じゃダメだったんですかね?
それはですね、通常の補助金は「事業を拡大する」「新しいことに挑戦する」っていうのが目的なんです。でも、被災された事業者さんは、まず「以前の状態に戻す」…つまり「事業再建」が最優先じゃないですか。設備が壊れてしまった、お客さんが来なくなった、そういう状況で「新しい挑戦を!」って言われても難しいですよね。
確かに! まずは元の状態に戻さないと、次に進めないですもんね。
そうなんです。だからこの制度は、災害からの「事業再建」に特化しているんです。具体的に言うと、壊れた機械を買い替える費用、店舗を修繕する費用、或いは客足を取り戻すためのチラシを作る費用などが対象になります。
なるほど。目的がはっきりしてるんですね。じゃあ、この補助金を使うためには、商工会のサポートも受けられるって本当ですか?
はい、それがこの制度の大きな特徴の一つです!申請するためには、まず管轄の商工会に相談しなければいけません。商工会のスタッフが、計画書の作り方から、申請書類の書き方まで、丁寧にサポートしてくれるんです。
それは心強い! 自分だけで書類を揃えるのは大変ですもんね。さて、ここまでの話だと、対象者はすごく限定的な感じがしますが、そもそも「小規模事業者」って、具体的にどういう定義なんですか?
なります! 個人事業主、法人、どちらでも大丈夫です。大事なのは、日本国内に事業所があること。あと、小規模事業者の定義に該当するかどうかです。
小規模事業者の定義…聞いたことはありますが、具体的に教えてください。
はい。簡単に言うと、従業員数が20人以下の事業者さんです。業種によって細かい違いはありますが、基本的にはこの線引きですね。
20人以下。結構多いですね。うちの編集部もそれくらいなんで、該当しそうです(笑)。
ははは(笑)。佐藤さんのところも対象になるかもしれませんね。ただし、もう一つ重要な条件があります。それは「資本金や出資金が5億円以上の法人に、100%株式を保有されていないこと」。つまり、大企業の子会社は対象外、ということです。
あー、なるほど。それは当然ですよね。あと、利益が大きすぎてもダメとかあるんですか?
いいところに気づきましたね。あります。直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと、という条件があります。よほど大きな会社じゃなければ大丈夫だと思いますけどね。
この補助金、申請先が「商工会」用と「商工会議所」用に分かれてるんですよね? これ、結構ややこしくないですか?
そうなんですよ。これ、結構な落とし穴でして。あなたの事業所が、どちらの管轄かで申請するページが違うんです。この記事で紹介しているのは商工会地区用のページになります。
えっ、間違えて違う方から申請しちゃったらどうなるんですか?
それはもう、受理されません。残念ながら。ですから、絶対に間違えないでください。自分の事業所がどっちの管轄か分からない場合は、最寄りの商工会か商工会議所に電話して確認するのが確実です。
大事なポイントですね。しっかり確認します。じゃあ、そもそも商工会と商工会議所って何が違うんですか?
簡単に言うと、商工会は主に町村部、商工会議所は市部を管轄しているイメージです。ただ、絶対的なルールではないので、やっぱり確認が一番です。
なるほど。その辺はケースバイケースってことですね。
ここまでで、大まかな条件は分かりました。でも、9次公募までに事業が行えなかった「特別な事由」って、具体的にどういうことですか?
良い質問です。公募要領では「特別な事由」の詳しい定義までは明記されていませんが、例えば、被災の影響で長期間入院していた、書類が流出してしまって準備できなかった、などのケースが想定されます。
なるほど。あとは、商工会に相談したけど、計画がまとまらなかった、とかでもいけるんですかね?
それも「特別な事由」の一つとして認められる可能性はあります。ただ、あくまで担当の商工会としっかり相談して、認められるかどうかを確認するのが鉄則です。
あ、そうか。商工会と連携することが、そもそもの条件ですもんね。最初に相談して、その上で「過去の公募に出せなかった理由」を説明すればいいわけですね。
いよいよ気になるお金の話です!補助上限は200万円とのことですが、これは全額もらえるわけじゃないんですよね?補助率ってやつが関係するって聞きました。
おっしゃる通りです。補助率は基本、3分の2です。つまり、200万円の事業を行う場合、約133万円が国から補助されて、残りの約67万円が自己負担になります。
なるほど、3分の2は国が持ってくれるけど、3分の1は自分で用意しないといけない、と。
そうです。ただ、ここで重要なのが「定額補助」という制度です。一定の要件を満たす事業者さんは、対象経費の全額が補助される可能性があるんです!
えっ! 全額!? それはすごい! どんな人が対象なんですか?
それがですね。具体的な要件は結構細かくて、公募要領で確認する必要があります。ざっくり言うと、被害の程度が特に大きいとか、復旧にどうしても資金が必要だ、と認められた場合です。商工会に相談すれば、自分が該当するかどうか教えてくれますよ。
なるほど、ケースバイケースなんですね。これは商工会に確認必須ですね!
じゃあ、具体的に計算してみましょうか。例えば、新しい機械を150万円で買いたい場合、いくら補助されるんですか?
良いですね。計算してみましょう。補助率は3分の2ですから、150万円の3分の2、つまり100万円が補助されます。自己負担は50万円ですね。
なるほど。じゃあ、上限の200万円ギリギリまで使いたい場合は、総事業費をいくらにすればいいんですか?
計算は簡単です。補助額200万円 ÷ 補助率(2/3) = 総事業費300万円。つまり、300万円の事業を行えば、上限いっぱいの200万円が補助される計算になります。
おお、頭いい! じゃあ、300万円の計画を立てれば、自己負担は100万円ですね。なるほど。
ところで、この補助金って、前払いじゃなくて後払いなんですよね?
はい、その通りです。これ、結構重要なポイントです。補助金は、事業を実施した後に、かかった費用を報告して、後日振り込まれるという流れになります。
つまり、一時的に自分で全額を立て替えなきゃいけないんですね。100万円の自己負担と言っても、300万円の事業をするなら、一時的に300万円の資金が必要になる…。
そういうことです。ですから、資金繰りの計画はしっかり立てておく必要があります。商工会に相談すれば、つなぎ融資の情報なども教えてもらえるかもしれません。
せっかくもらえるお金ですから、使い道はしっかり知っておきたいです。どういったものに使えるんですか?
大きく分けて、いくつかのカテゴリーがあります。一つ目は、機械装置等費。事業再建に必要な生産設備や製造機器の購入、修繕などが対象です。
例えば、パン屋さんが地震で壊れたオーブンを買い替える、とか?
まさにそれ! 対象になります。他にも、広報費として、店舗の再開を告知するチラシやウェブサイトの制作費もOKです。
あ、それはいいですね。お店を再開したことを知らせるためには必須ですからね。
そうなんです。他にも、展示会等出展費として、販路回復のための展示会に出る費用や、開発費として、新商品の開発費も対象になります。
おや? 新商品の開発も対象になるんですね。ただの復旧だけじゃなくて、復興に向けた挑戦も支援してくれるんですね。
はい。この制度の良いところです。あと、意外と知られていないのが、設備処分費。被災して使えなくなった設備を撤去・処分する費用も対象になるんですよ。
えっ、処分費用まで!? それはありがたい。がれきの処理とか、ものすごくお金がかかりますもんね。
逆に、これは絶対に使えない、という経費はありますか?
もちろんあります。これは明確に線引きされています。
- 土地や建物の購入費
- 自動車の購入費
- 人件費
- 通常の事業運営に係る経費(水道光熱費や通信費など)
- 補助事業期間外に発生した経費
なるほど。普通の運営費には使えないんですね。あと、自動車がダメなのは、よくあるパターンですか?
そうですね。自動車は補助対象にならないケースが多いです。これは注意してください。
対象になる経費・ならない経費- 事業再建に必要な生産設備の購入費(例:壊れたオーブンの買い替え)
- 製造機器の修繕・入替費
- 業務用機器の購入費
- 事業再開の告知に係るチラシ・パンフレット制作費
- ウェブサイトの復旧・リニューアル費
- 広告掲載費
- 販路回復のための展示会出展費
- 新商品・新サービスの開発費
- 被災した設備の撤去・処分費
- 店舗・事務所の改修工事費
- 専門家への業務委託費
×デメリット
- 土地・建物の購入費
- 自動車の購入費
- 人件費
- 通常の事業運営に係る経費(水道光熱費・通信費等)
- 補助事業期間外に発生した経費
- 他の補助金で既に補助を受けている経費
- 10万円超の現金払いによる支出
- 事業とは無関係の汎用品の購入費
ここからが本番ですね。具体的な申請の流れを教えてください。
はい。全部で6つのステップに分けられます。一つずつ見ていきましょう。
まずは、自分がこの補助金の対象になるかどうかを確認することです。対象地域(石川県能登3市3町)に事業所があるか。本当に令和6年の地震や豪雨で直接被害を受けたか。そして、小規模事業者の定義に該当するか。この辺りをざっくりと確認してください。
そう! ここが一番大事なステップです。まずは管轄の商工会に電話して、「小規模事業者持続化補助金の災害支援枠について相談したい」と伝えましょう。商工会のスタッフが、あなたの事業所の状況をヒアリングして、計画の方向性を一緒に考えてくれます。
この段階で、過去の公募に出せなかった理由も説明しておいた方が良いですよね?
そうですね。そこで「特別な事由」をしっかり説明して、大丈夫かどうか確認してもらいましょう。
商工会と相談しながら、具体的な計画書を作っていくわけですね。
そうです。これがこの補助金の肝です。ただの「お金ください」じゃダメで、「震災でこんな被害を受けた。だから、こういう設備を買って、こういう風に事業を再建する。そのためにいくら必要か」 というストーリーが明確な計画書を作る必要があります。
なるほど。単なる見積もりではなくて、復興のストーリーが必要なんですね。
計画ができたら、次は書類作成ですね。何か特別な様式があるんですか?
はい、公募要領と一緒に公開されている「応募時提出資料・様式集」を使います。これをダウンロードして、必要事項を記入していきます。経費の明細や、被害の状況が分かる写真なども必要になります。
そして、最後は電子申請ですね。この「jGrants」っていうシステムを使うんですよね?
そうです。最近の補助金申請は、ほぼこの「jGrants」という電子システムを使います。事前にGビズIDプライムアカウントを取得しておく必要がありますので、余裕を持って準備しておきましょう。
GビズID…聞いたことはありますが、申請に時間がかかるとか?
そうなんですよ。これが結構時間がかかることがあるので、申請を考えているなら、今すぐ取得手続きを始めることをお勧めします!
審査を経て、採択が決まります。採択されたら、いよいよ事業の実施です。ただし、事業を始める前に「交付決定」を受ける必要がありますので、そのタイミングを間違えないようにしてください。事業が終わったら、実績報告をして、後日補助金が振り込まれます。
申請の流れ- 1
Step1 被害確認
被災地域・直接被害の事実を確認。り災証明書などを準備。
- 2
Step2 商工会相談
まずは管轄の商工会に連絡! 計画の方向性を相談。
- 3
Step3 計画策定
商工会の助言を受けながら、事業再建計画を作成。
- 4
Step4 書類作成
公募要領の様式に従い、申請書類を作成。
- 5
Step5 電子申請
jGrantsで申請。GビズIDプライムアカウントが必要!
- 6
Step6 事業実施
採択・交付決定後、事業を実施。実績報告をして完了。
ここが一番気になるところです。せっかく申請するなら、どうせ採択されたいですよね。審査ではどんなところを見られるんですか?
「震災の被害」と「今回の事業」がしっかり結びついているかどうかです。「震災で売り上げが落ちたから、新しいチラシを作って客を呼び戻す」というのは分かりやすいですが、「震災で売り上げが落ちたから、新しい商品を開発する」というのは、少しストーリーが飛躍していると見られる可能性があります。
なるほど! 被害の写真や、売上が落ち込んだデータなど、客観的な証拠を添付するのが有効ってことですね。
計画の実現性です。あまりに理想論すぎる計画よりも、まずは事業を再開するために必要不可欠なことから手をつける、という現実的な計画の方が評価されます。
なるほど。「全部を一度に復旧しようとしない」ってことですね。「まずはこの機械を直して、生産を再開する。そして次の段階で新しい商品を開発する」というように、段取りがしっかりしている計画が良いと。
まさにその通りです! 審査する側も「この計画は本当に実行できるのか?」という目で見ていますからね。
そうです!(笑) 商工会は被災地域の実情をよく知るプロです。そのプロのサポートを受けて計画を作った、という事実自体が、計画の信頼性を高めるんです。
なるほど。商工会と二人三脚で作った計画は、やはり強いんですね。
気になるスケジュールですが、募集期間はいつまでですか?
今回の10次公募の募集期間は、2026年7月27日から、2026年10月16日までです。
約3ヶ月間あるんですね。でも、書類準備や商工会との調整を考えると、実質的にはもっと短いですよね。
そうなんです。特に、GビズIDの取得には2週間から1ヶ月ほどかかることもあります。「まだ期間があるから大丈夫」と思わずに、すぐに動き出した方が良いですよ!
あと、併用とかってどうなんですか? 他の補助金も使いたいんですけど…。
基本的に、この補助金と他の補助金で、同じ経費を二重に受けることはできません。また、この制度自体への「複数申請」も不可です。
なるほど。じゃあ、例えば「なりわい再建支援補助金」みたいな大きな補助金と、この補助金を組み合わせて、別々の経費に充てることはできるんですか?
理論的には可能です。ただし、経費の用途をしっかりと分けて、二重取りにならないようにする必要があります。これはかなり複雑なので、必ず商工会に相談しましょう。
最後に、もし分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
まずは、あなたの事業所を管轄する商工会です! 問い合わせ対応時間は、9:00〜12:00、13:00〜17:00(土日祝日、年末年始除く) です。商工会の場所が分からない場合は、商工会検索サイトで調べるか、中小企業庁の問い合わせ窓口(03-6634-9307)に電話して確認してください。
ここまでの説明でかなりクリアになりました! 最後に、よくある質問をいくつかお願いします。
令和6年能登半島地震または能登豪雨により直接被害を受けた、石川県能登3市3町に所在する小規模事業者です。ただし、10次公募は特別な事由により9次公募までに事業が行えなかった方が対象です。
上限額は200万円、補助率は基本3分の2です。一定の要件を満たすと、全額が補助される「定額補助」の対象になる可能性もあります。
管轄する団体の違いです。それぞれ申請ページが異なりますので、自分の事業所がどちらの管轄か、必ず確認してください。この記事は商工会地区の方向けの情報です。
「jGrants」という電子システムを使います。事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必須です。取得には時間がかかるので、お早めに。
①震災の被害と事業再建計画の因果関係が明確か、②計画が実現可能か、③商工会のサポートを適切に受けているか、この3点です。
同じ経費に対して他の補助金と併用することはできません。ただし、経費を分ければ、他の復興支援制度と組み合わせることは可能です。商工会で全体像を把握しましょう。
室谷さん、今日は本当にありがとうございました! すごく詳しく、そして分かりやすく解説していただきました。最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
被災された皆さまは、本当に大変な日々を過ごされていると思います。でも、この補助金は、そんな皆さまの「もう一度、事業を再開したい」という強い気持ちを、国が後押ししてくれる制度です。
そうです。商工会という頼れるパートナーもいます。書類作成は確かに面倒かもしれませんが、一歩踏み出せば、必ず道は開けます。この記事を読んで、少しでも「やってみよう」と思っていただけたら嬉しいです。
ぜひ、この制度を活用して、力強い復興を遂げてください! 本日はありがとうございました!