室谷さん、愛媛県で災害対策とか感染症対策の補助金を探してるんですけど、正直どこから手をつければいいかわからなくて。
分かります、分かります!愛媛って実は南海トラフ巨大地震の被害想定がかなり大きい県なので、防災関連の補助金の種類が多いんですよね。大きく分けると「事業者向け」と「自治体・公共施設向け」の2軸で考えるとスッキリしますよ。
そうです。中小企業や病院・福祉施設が使える補助金と、市町村や公共施設が使える補助金で、対象者が全然違うんです。あと感染症対策は、コロナ禍以降は「事業継続」の文脈で防災と一緒くたに扱われることが増えました。愛媛の地域性と合わせて解説しますね。
| 区分 | 主な対象 | 代表的な補助金 |
|---|
| エネルギー・防災設備 | 中小企業、自治体 | 燃料備蓄推進、天然ガス設備 |
| インフラ強靭化 | 自治体、公共施設 | 環境省レジリエンス事業 |
| 南海トラフ対策 | 県・市町村 | 旧鉱物採掘区域防災対策 |
| 事業再建支援 | 中小企業 | 持続化補助金・災害支援枠 |
| ガス・通信インフラ | 事業者 | 都市ガスレジリエンス強化 |
なるほど、けっこう種類があるんですね。愛媛特有の事情ってあるんですか?
愛媛は南海トラフの被害想定エリアとして、宇和島市や八幡浜市など南予地域を中心に津波被害リスクが高い地域が多いんです。そのぶん国の南海トラフ対策の補助金が直接関係してくることが多い。あと2018年の西日本豪雨でも愛媛は特に大きな被害を受けていますよね。宇和島の農業被害とか記憶に新しい方も多いと思います。
ああ、あの時は本当に大変でしたね…。そういう背景があるから補助金も手厚いわけですか。
まさにそうです!だから「防災やレジリエンス強化」という名目の補助金を愛媛の事業者は優先的にチェックすべきで、全国制度の中にも愛媛を主要対象とした補助金が入ってます。次からは具体的に見ていきましょう。
愛媛県の災害対策補助金 主要6件の補助率・上限額比較
最初に押さえるべきは「燃料備蓄」系の補助金です。これは病院・福祉施設・避難所になる施設が災害時に電気やガスが止まっても動き続けるための設備を導入する支援で、補助率が手厚いんです。
17億!ってすごいですね。愛媛の市町村も申請できるんですか?
そうです。愛媛県内の市町村が対象になります。南海トラフの被害が大きく想定されている宇和島市や八幡浜市、大洲市の施設なんかは特に優先度が高いと思いますよ。
ほんとに。ただこれらは執行団体公募形式なので、事業者が直接申請するというより、採択された執行団体を通じた間接補助という形です。施設管理者や自治体担当者は把握しておく価値があります。
ガスの話も聞きました。そっちの補助金はどうですか?
資本金3億円以下または従業員300人以下の中小規模ガス事業者です。愛媛県内でも地域のガス事業者さんは対象になりえますね。過去の大規模地震でガス供給の停止が長引いた事例から、こういう遠隔制御設備の整備が急務になっています。
コージェネって、病院とかが非常用電源として持てるやつですよね?
そうです!停電しても自前で電気と熱を供給できる設備です。災害時でも医療を継続できるとか、福祉施設で暖房を維持できるとか、直接「命を守る」ことに繋がる投資です。愛媛の医療機関はぜひ活用を検討してほしいですね。
要するに、南海トラフ地震の被害が想定される地域で昔に石炭や亜炭を採掘していた跡地があるんですが、その地盤が弱くなっていて地震で陥没する危険があるので、県・市町村が調査と防災工事を行う費用を補助するものです。補助率は9/10、上限は約71億3,000万円という超大型の国家事業です。
調査から本工事まで段階的に支援してくれるんですね。
そうなんです。まず地盤調査をして危険箇所を特定し、そこから防災工事へと段階的に進む形です。県の防災・危機管理部門が把握しておくべき補助金です。
学校とか公民館を避難施設として強化する補助金はありますか?
まさにそこがポイントで、平常時は再エネで電気代を下げながら、災害時は電力系統が止まっても施設を単独で動かせるようにする、という設計です。R7補正版の
【環境省】R7補正「地域レジリエンス・脱炭素化事業」もほぼ同内容で実施済みです。この系列の補助金は毎年度継続されているので、愛媛の市町村は次回公募を狙いやすいです。
毎年あるなら、今から準備しておくと有利そうですね。
そうなんです。実は申請書類の準備に数ヶ月かかることが多いので、公募開始を待ってから動くと間に合わないことがある。愛媛県の担当部署や市町村の防災課は、年度始めの段階でリストを作っておくのがおすすめです。
- 4月〜5月: 国の当初予算補助金の公募開始。環境省・経産省系は特に早め
- 6月〜7月: 補正予算補助金の公募が出始める傾向
- 10月〜12月: 年度末前の追加公募・三次公募が出ることが多い
- 通年: 天然ガス設備系・燃料備蓄系は複数回公募が恒例
事前準備として: GビズID取得(申請に必要)・設備の見積もり取得・市町村との調整を先に進めておく
じゃあまとめますね。愛媛の事業者・自治体が使いやすいものを特に厳選しました。
| 補助金名 | 対象 | 補助率 | 上限額 | 特徴 |
|---|
| 災害時燃料備蓄推進(防災拠点向け) | 自治体・公共施設 | 定額 | 17億5,000万円 | 発電設備の導入 |
| 燃料備蓄推進(石油タンク等) | 避難所・病院等 | 10/10 | 約21億円 | 全額補助・最強クラス |
| 天然ガス利用設備導入支援 | 中小企業・医療機関 | 1/2〜1/3 | 3億6,000万円 | コージェネ等 |
| 都市ガスレジリエンス強化 | 中小ガス事業者 | 2/3〜1/2 | 1億3,500万円 | バルブ・監視システム |
| 南海トラフ旧採掘区域防災工事 | 県・市町村 | 9/10 | 71億円 | 地盤強化工事 |
| 環境省・避難施設再エネ導入 | 地方公共団体 | 要確認 | 要確認 | 太陽光+蓄電池 |
| 石油ガス地域防災訓練 | 石油ガス事業者 | 10/10 | 300万円 | 訓練費用 |
補助率10/10(全額補助)の燃料タンク系や、9/10の南海トラフ対策工事系は特に手厚いですね。「予算がないから防災投資できない」という言い訳ができないくらいのカバー率です(笑)
感染症対策の補助金ってどうですか?コロナ後でも使えるものはありますか?
コロナ禍ほど感染症特化の補助金は減りましたが、今は「BCP(事業継続計画)策定支援」という形で防災と感染症対策をまとめてカバーする補助金が残っています。中小企業庁のものづくり補助金やIT導入補助金でも、感染症対策・非対面化の観点で採点加点が入ることがあるんです。
なるほど、主流の補助金に感染症対策の要素が織り込まれてる感じですか。
そうなんです。避難訓練とか防災訓練って「やったほうがいいのはわかってるけど費用がかかる」ってなりがちなので、こういう補助があると動きやすいですよね。
事業者向けの補助金はよく分かりました。ところで、個人や一般の方が被災したときに使える給付金ってありますか?
もちろんあります!個人・世帯向けの給付金・支援金は、補助金とは別の枠組みで用意されているんです。代表的なのは「被災者生活再建支援金」で、住宅が全壊・大規模半壊などになった世帯に最大300万円が支給される国の制度です。愛媛では西日本豪雨(平成30年)の際にも多くの世帯が利用しました。
あと「災害弔慰金」として、災害で亡くなった方の遺族に最大500万円が支給される制度もあります。愛媛県や各市町村が独自に見舞金や生活支援の
給付金を上乗せしているケースもありますよ。こうした個人向け給付金・支援金の情報は
愛媛県の給付金・支援金一覧ページにまとめていますので、ぜひあわせてご確認ください。
災害対策系の補助金は公募期間が短いケースが多い。特に以下の点に注意:
- 執行団体公募と事業者公募は別。執行団体採択後に事業者向け二次公募が出る二段階構造の補助金がある
- 年度末の補正予算補助金は12月〜2月頃に突然公募が出て締切が1ヶ月以内ということがある
- GビズID登録は必須。未登録だと申請できない。取得に1〜2週間かかるので事前に済ませておく
愛媛県の災害対策補助金 申請の流れ(8ステップ)
なるほど!特に複数の補助金を組み合わせるって、盲点でした。
そうなんです。「補助金は1本だけ申請するもの」と思いがちですが、要件が重複しない限り複数申請できます。設備の種類ごとに別々の補助金が当てはまることが多いので、設備投資計画の段階から補助金マップを作るイメージで動くと、実質負担がかなり小さくなります。
設備投資計画を先に作って、補助金を当てはめていくんですね!
まさに。逆に「補助金が出るから設備を買う」だと要件に合わないことがあるので注意が必要です。まず自社・施設のBCP課題を棚卸しして、必要な設備を明確にしてから補助金を探す順番がベストです。
愛媛県の事業者が特に注目すべき補助金 2026年版
- 医療・福祉施設: 燃料備蓄推進(全額補助)+天然ガス設備(1/2〜1/3)
- 中小ガス事業者: 都市ガスレジリエンス強化(2/3〜1/2)
- 市町村・公共施設: 環境省レジリエンス事業+南海トラフ防災工事(9/10)
- 小規模事業者で災害被害あり: 持続化補助金・災害支援枠(2/3、上限200万円)
愛媛は南海トラフの対策が国の最優先課題。防災投資に対する補助が充実している地域です
- 愛媛県産業振興財団(サンサポえひめ): TEL 089-960-1100 / 〒791-1101 松山市久米窪田町337-1 / 月〜金 8時30分〜17時15分(補助金・助成金の申請相談)
- 四国経済産業局 中小企業支援室: 高松市サンポート3-33 / 国の補助金全般・ものづくり補助金・IT導入補助金など
- 愛媛県庁 防災対策部: TEL 089-941-2111(代表)/ 南海トラフ対策・県の防災施策に関する問い合わせ
今日はいっぱい教えていただきましたが、一番押さえておくべきポイントは何ですか?
愛媛の場合は南海トラフ対策という「地政学的な優位性」があるので、国が南海トラフ関連で手当てした予算が直接使える可能性があります。特に県・市町村の防災担当者は旧鉱物採掘区域防災対策事業(補助率9/10、71億円超)、施設管理者は燃料備蓄推進(全額補助)から確認してみてください。
まさにそうです。被害リスクが高い地域ほど、国の支援も手厚い。それを活かすかどうかは情報を知っているかどうかにかかってます。補助金の公募は年度途中でも突然出るので、定期的なチェックと早めの準備が大事ですね。