群馬県の災害復旧補助金 主な制度比較
群馬県って、台風や大雨の被害が多いイメージがあるんですが、被災したときに使える補助金ってどんなものがあるんでしょう?
いい質問ですね。群馬県は利根川や烏川の流域があって、台風シーズンになると毎年どこかで浸水被害が出るんですよ。補助金は大きく分けると「国の制度(全国共通)」と「群馬県独自の支援」の2層になっています。
| 対象 | 主な支援制度 | ポイント |
|---|
| 自治体・防災拠点 | 災害時燃料備蓄推進事業費補助金、環境省レジリエンス補助金 | 大型・定額補助が多い |
| 中小ガス事業者 | 都市ガス災害対応・レジリエンス強化補助金 | 復旧設備の1/2〜2/3補助 |
| 小規模事業者 | 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠) | 上限200万・補助率2/3 |
| 鉱山事業者 | 休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金(災害対策分) | 上限5,000万 |
| BCP策定・防災投資 | 群馬県BCP策定支援、災害レジリエンス強化資金 | 無料相談・低利融資 |
種類が結構あるんですね。中小企業の事業主さんが「被災した、なんとかしたい」ってなったとき、最初に注目すべきはどれですか?
それはもう、小規模事業者持続化補助金の災害支援枠です。最もアクセスしやすい制度で、被災した事業用資産の復旧や販路回復に使えます。上限200万円、補助率2/3というのは、個人事業主や従業員が数名の小さなお店にとっては非常に大きい。
ここが少し注意点で、現時点では令和6年能登半島地震の被災事業者向けが中心です。ただし、台風や大雨で新たな被害が出た場合は、速やかに同様の制度が設けられることが多いので、被災したらすぐ商工会か商工会議所に相談することが大事です。群馬なら
群馬県商工会連合会が窓口になります。
そのとおりです!自力で制度を調べる前に、まず窓口に電話する方が絶対に早いです(笑)
全国共通の補助金でも群馬県の事業者が申請できるものがあるということですよね。具体的にどれを押さえておけばいいですか?
はい、特に事業者規模や業種によって使える制度が全然違うので、分けて説明しますね。
災害時燃料備蓄推進事業費補助金(経済産業省・資源エネルギー庁)
まず自治体や大規模防災拠点向けには、「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」があります。令和8年度版では上限25億5,000万円という巨大な補助金です!
これは自治体が防災拠点施設に自家発電設備を設置するときの補助金なので、直接使うのは市町村などの行政機関です。ガソリンスタンドや燃料供給業者も含まれます。令和7年度版も大型の補助金で、群馬県内の市町村が防災計画の中でこういった補助を活用しています。詳細は
令和7年度・燃料備蓄補助金の詳細ページをご確認ください。
企業向けで面白いのは天然ガス利用設備導入支援補助金です。停電しても動くコージェネレーションシステム(発電しながら熱も使う設備)や、GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン)を避難所や防災協定を結んだ施設に入れるときに使えます。補助率は1/2〜1/3、上限は最大3.6億円です。
そうです。群馬県内でも、市民体育館や公民館を避難所に指定しているところが多いですよね。そういった施設の管理者や、市町村と防災協定を結んでいる民間施設が対象になります。詳細は
令和5年度補正・天然ガス設備補助金ページで確認できます。
環境省・地域レジリエンス補助金
環境省が出している「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」も要注目です。太陽光発電+蓄電池のセットで、避難所や防災拠点に入れる費用を補助してくれます。
防災とエコを一緒にやってしまおうという発想ですね。
まさに。停電になっても電気が使えて、普段は環境にやさしい、という両取りです。令和8年度版も公募が予定されていて、地方公共団体だけでなく、地域の公共性が高い施設管理者も対象になります。
詳細ページに最新情報が掲載されています。
全国対象なので群馬県内の施設も当然対象です。市役所や学校が申請主体になるケースが多いですね。
都市ガス災害対応・レジリエンス強化補助金
ガス会社向けには「都市ガス分野の災害対応・レジリエンス強化に係る支援事業費補助金」があります。中小規模のガス導管事業者が、バルブの遠隔制御システムや災害時の監視装置を導入するときの補助金です。令和7年度は上限約1.3億円(1億3千万円超)で、補助率はバルブ開閉器が2/3、ガバナ遠隔監視システムが1/2です。
そうです。大手ではなく中小規模の導管事業者が対象で、「中小企業者」の定義(資本金3億円以下または従業員300人以下)に当てはまる会社です。詳しくは
令和7年度・都市ガス補助金のページを。
群馬県独自の制度というのはどんなものがあるんですか?
群馬県は「災害に強い群馬」を掲げていて、県独自の制度がいくつかあります。代表的なのはBCP(事業継続計画)策定支援プロジェクトと災害レジリエンス強化資金です。
BCPって最近よく聞きますけど、群馬県が無料で支援してくれるんですか?
そうなんです!群馬県は2014年から東京海上日動火災保険と協定を結んで、企業のBCP策定を無料で支援しています。担当者が会社に来てくれて、3〜6ヶ月かけてBCPを一緒に作ってくれます。費用は無料(テキスト代の実費1,000円程度のみ)です。
マジですか!それは中小企業にとってかなりありがたいですね。
しかもBCPを策定すると、群馬県独自の優遇融資が受けられるんですよ。「中小企業パワーアップ資金」と「災害レジリエンス強化資金」という2つの制度があって、特に災害レジリエンス強化資金は、防災・減災の設備投資をするときに上限5,000万円・低利で融資を受けられます。
正確には融資です。補助金は返さなくていいお金ですが、融資は返済が必要です。ただし、国の補助金と群馬県の低利融資を組み合わせて使うことができます。補助金で賄えなかった自己負担部分を低利融資でカバーする、という使い方ですね。これが実務的には一番多いパターンです。
BCP策定の相談窓口は群馬県産業経済部地域企業支援課(電話 027-226-3339)です。まずここに電話すると、個別支援か、セミナー参加か、どちらが合っているかアドバイスしてもらえます。
- 支援内容: 個別訪問によるBCP策定支援(全工程伴走・無料)
- 期間: 約3〜6ヶ月
- 特典: BCP策定後に「災害レジリエンス強化資金」(上限5,000万円・低利融資)が利用可能
- 問い合わせ先: 群馬県産業経済部地域企業支援課経営支援係 電話 027-226-3339
- 申込: 群馬県BCP個別策定支援申込(ぐんま電子申請受付システム)
群馬県 災害復旧補助金 申請の流れ
補助金の申請って、実際どういう流れでやるんですか?
被災・防災対策を検討する 被災した場合はすぐに商工会か商工会議所に連絡。防災投資の場合は、どの補助金が使えるか確認する
該当補助金を確認・問い合わせ 公募要領を読んで、対象者・対象経費・補助率を確認。わからなければ申請窓口に電話で問い合わせる
必要書類を準備・申請書を作成 事業計画書・見積書・決算書などを揃える。商工会・商工会議所の経営指導員に手伝ってもらえる
申請書を提出・審査 公募期間内に提出。書類審査または採択審査を経る
採択・交付決定後に事業を実施 必ず交付決定が出てから着工・発注する。決定前の着工は全額対象外になる
これは本当に注意が必要です。被災して一刻も早く復旧したい気持ちはわかるんですが、補助金の場合、「まず交付決定をもらってから工事を発注する」という順番が絶対のルールです。被災直後に自力で復旧作業をスタートしてしまうと、その費用は補助の対象外になってしまいます。
- 補助金申請中に工事を発注・着工すると、その全額が補助対象外になる
- 被災直後は「応急処置」と「本格復旧」を分けて考える
- 応急処置(緊急で必要な最低限の対応)は先に行ってOK。本格復旧工事は交付決定後
- 不明な場合は商工会・商工会議所・県の窓口に必ず事前確認
応急処置と本格復旧を分ける、というのは実務的なアドバイスですね。
そうですね。被災して動揺している状態でも、ここだけは冷静に判断してほしいポイントです。群馬県商工会連合会(電話 027-234-6001)や、最寄りの商工会・商工会議所に電話するのが一番確実です(笑)
そういえば、群馬って「群馬絹産業遺産群」とかありますよね。工芸品関係の補助金もあったりしますか?
あります。経済産業省の「伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)」は、指定された伝統的工芸品の産地が災害で被害を受けたときに、設備復旧や製品開発を支援する補助金です。上限1,000万円で、令和8年度版も公募されています。
群馬は「桐生織」「伊勢崎絣」「高崎だるま」「甘楽のきんつば」...ちょっと後者は食べ物ですが(笑)。国の伝統的工芸品に指定されているのは桐生織や伊勢崎絣などの繊維系が有名です。産地組合が主体となって申請することが多いですね。
個人の工芸作家ではなくて、産地組合が申請するんですね。
制度がたくさんあって、どれを選べばいいか迷いそうですね。整理してもらえますか?
| 事業者タイプ | おすすめ制度 | 上限金額 | 補助率 |
|---|
| 小規模事業者(被災後の復旧) | 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠) | 200万円 | 2/3 |
| 鉱山事業者(防災設備整備) | 休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金(災害対策分) | 5,000万円 | 1/3〜1/4 |
| ガス導管事業者(設備強靭化) | 都市ガス災害対応・レジリエンス強化補助金 | 約1.3億円超 | 1/2〜2/3 |
| 防災拠点施設管理者(発電設備) | 天然ガス設備導入支援補助金 | 3.6億円 | 1/2〜1/3 |
| 自治体・大規模防災拠点 | 燃料備蓄推進事業費補助金 | 最大25億円以上 | 定額 |
| BCP策定を検討中の中小企業 | 群馬県BCP策定支援(無料)+災害レジリエンス強化資金 | 融資5,000万円 | 融資 |
| 伝統的工芸品産地(被災復旧) | 伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業) | 1,000万円 | 要確認 |
これを見ると、規模や業種によってかなり違いますね。
そうです。「うちはどれ?」と迷ったときの判断基準は2つです。1つ目は「今被災している(急ぎ)か、これから防災投資をしたい(中長期)か」。2つ目は「中小企業か、大企業・自治体か」。この2軸で絞れば、だいたい候補が2〜3本に絞れます。
そのとおり。一番ダメなのは「難しそうだから調べるのをやめた」という判断です(笑)。わからなければ商工会か群馬県の産業政策課に電話するだけで、専門家が個別に教えてくれますから。
最後に、群馬県で相談できる窓口を教えてもらえますか?
被災した場合や補助金の申請を考えているときの主な相談先をまとめます。
- 群馬県商工会連合会(小規模事業者支援全般): 電話 027-234-6001 / 公式サイト
- 前橋商工会議所(前橋市内の事業者): 電話 027-234-5321
- 高崎商工会議所(高崎市内の事業者): 電話 027-361-5171
- 群馬県産業経済部地域企業支援課(BCP策定・制度融資の相談): 電話 027-226-3339
- 群馬県産業経済部産業政策課(事業継続力強化支援計画認定): 電話 027-226-3320
- 群馬県社会福祉協議会 災害福祉支援センター(福祉施設向けBCP): 電話 027-289-4411
被災した直後って、どこに相談していいかわからなくてパニックになることが多いです。でも、商工会や商工会議所はそういうときのために存在しているので、とにかく電話してください、というのが一番のアドバイスです。「補助金が使えるかどうかわからない」という段階でも全然OK。むしろそういうご相談の方が多いくらいですから。
ありがとうございました。今日は国の制度から群馬県独自の支援まで、多彩な経費に教えていただきましたね。
補助金は知っている人だけが得をする世界なので(笑)。ぜひ群馬県内の事業者の方には積極的に活用してもらいたいですね。それと、被災してからじゃなくて、BCPを今から策定しておくことで、いざというときの動きが全然違ってきます。群馬県の無料BCP策定支援は本当におすすめなので、ぜひ検討してみてください。