放送局を守る国の補助金って、どんな制度なんですか?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

室谷さん、今日紹介するのは「地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業」という補助金なんですけど、名前からして難しそうで……これって具体的にどういう制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これは一言で言うと、「災害が起きても放送局が止まらないようにするための設備投資を、国が一部肩代わりする補助金」ですね。総務省が実施していて、電波法を根拠法令にした制度です!
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

放送局が止まる…ってどういう状況を想定しているんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大規模な自然災害が発生したとき、放送局が被災して放送を継続できなくなるケースです。停電で設備が動かなくなったり、地震で送信鉄塔が倒れたり。そうなると被災情報も避難情報も届けられない。だから事前に設備を強化しておく必要があるんです!
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ほんとに?停電で放送局が止まったら困りますね。じゃあどんな設備が対象なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく3つのカテゴリがあります。①停電対策②予備設備の整備③耐震対策です。具体的には非常用発電設備の設置から、バックアップ回線の整備、送信鉄塔の耐震補強まで、3カテゴリすべてが補助対象です。

補助率と申請資格

補助率比較表
補助率比較表
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

補助率ってどのくらいもらえるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これが申請者の種別によって違うんですよ。まずこの表を見てください。
申請者区分補助率具体例
地方公共団体等1/2都道府県、市区町村
地上基幹放送事業者等1/3民間テレビ・ラジオ放送局
条件不利地域かつ財政力指数0.5以下の市町村(受信障害対策用中継局)2/3離島・山間部の弱小自治体
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど!民間の放送局が1/3で、地方自治体が1/2なんですね。条件不利地域の市町村は2/3ってかなり手厚くないですか!
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです!離島や山間部など情報伝達が困難な地域は、財政的にも弱いことが多い。だから特別に高い補助率を設定しているんですね。この「条件不利地域かつ財政力指数0.5以下」というのは、総務省に個別確認するのが確実です!
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

補助上限額ってどのくらいなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公募要領上は補助上限額の個別設定はなく、事業費に補助率を乗じた額が補助金額になる仕組みです。大型設備の整備を複数組み合わせれば、当然ながら補助額も大きくなります。民間テレビ局が送信鉄塔の耐震補強と非常用発電設備をセットで整備するようなケースでは、数千万円規模の補助を受けたケースもあります。

誰が申請できるのか?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

申請資格を詳しく教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく分けて4つのカテゴリが対象です!

申請できる主体

  1. 認定基幹放送事業者(民間テレビ・ラジオ放送局)
  2. 特定地上基幹放送事業者等
  3. 都道府県・市町村などの地方公共団体
  4. コミュニティFMなどを運営する一般社団法人等
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

コミュニティFMも申請できるんですね!それは知らなかった。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。地域の災害情報を担う役割があるので、ちゃんと対象に入っています。地域の防災体制という観点で、放送事業者と自治体が一緒になって整備できる制度設計になっているんです!
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

電波法に基づく放送事業を行っていることが大前提なんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

正確には電波法附則第15項による読み替え後の電波法第103条の2第4項第12号の4が根拠法令です。電波法に基づく放送事業を行っていることと、総務省の交付要綱に定める要件を満たすことが必要です。

対象経費と対象外経費

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

補助の対象になる経費と、ならない経費を整理してもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

まず対象経費からいきましょう!
対象カテゴリ具体的な経費例
停電対策設備非常用発電設備・蓄電池設備・燃料タンク増設・無停電電源装置(UPS)
予備設備予備送信機・予備アンテナ・バックアップ回線・予備STL回線設備
耐震対策送信鉄塔の耐震補強工事・放送機器の免震装置設置・建屋の耐震補強
付帯工事設備設置・据付工事費・電気工事費・配管配線工事費
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

幅広いですね!じゃあ逆に対象外は何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象外も明確にしておきましょう。

対象外の経費(補助されない)

  • 通常の設備更新(災害対策に該当しないもの)
  • 番組制作用設備の購入費
  • 人件費・旅費
  • 設備の保守・メンテナンス費用
  • 事務所の建設・改修費用
  • 交付決定前に着手した工事の費用
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

交付決定前に工事を始めてしまうと対象外になるんですね!これ要注意ですね。
室谷

室谷

代表取締役

これはよくある失敗パターンです!「承認が下りる前に工事を始めてしまいました」というケースで全額自己負担になったケースも聞きます。必ず交付決定後に工事着手してください!

令和8年度の公募スケジュール

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

今年度(令和8年度)の申請期限を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

令和8年度は3回の締切があります!
締切期限
第一次締切令和8年2月27日(金)12時00分まで
第二次締切令和8年4月3日(金)12時00分まで
第三次締切令和8年5月1日(金)12時00分まで
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

第一次締切は2月で、もう終わってますね…
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです、第一次は終わりましたが、第二次・第三次がまだあります。第一次締切に申請した案件から交付決定を行うので、早い回に申請するほど交付決定も早くなります。応募状況によっては予算額に達した場合に締め切られることもありますので、早めに準備するのがおすすめです。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

第三次締切以降はどうなりますか?
室谷

室谷

代表取締役

応募状況によっては第三次締切以降も随時受け付ける場合がありますが、その場合は管轄する総合通信局等に個別相談が必要です。確実を期すなら第三次締切(令和8年5月1日)までに申請することが重要ですね。

申請の流れを解説!

申請フロー図
申請フロー図
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

申請手続きの流れを教えてもらえますか?ちょっと複雑そうで…
室谷

室谷

代表取締役

5つのステップで整理できます!
1

対象設備と補助率の確認 総務省のウェブサイトで公募要領と交付要綱を確認し、整備予定の設備が補助対象(停電対策・予備設備・耐震対策)のどれに該当するかを特定します。自社の事業者区分に応じた補助率も確認してください。

2

現状の災害リスク評価 放送設備の立地する地域の地震発生確率・浸水リスク・停電の発生頻度などを確認します。ハザードマップや過去の被災履歴を活用した客観的なリスク評価が審査での説得力を高めます。

3

整備計画と見積書の策定 対策の優先順位に基づき、具体的な設備仕様と工事計画を策定します。設備メーカーや工事業者から見積書を取得し、事業費を算出します。

4

申請書類の作成と提出 公募申請書・交付申請書案(様式第1号)・整備計画書・見積書・工事概要書などの書類を作成し、管轄の総合通信局等を通じて総務省へ提出します。

5

交付決定後に工事実施・完了報告 審査を経て交付決定を受けた後、工事を実施します。工事完了後に実績報告書を提出し、補助金の交付を受けます。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

整備計画書って具体的に何を書くんですか?
室谷

室谷

代表取締役

整備する設備の仕様・設置場所・整備効果・工事スケジュール・費用の内訳、そしてなぜその設備が必要なのかという「リスク評価の結果」を記載します。公募要領に記載例があるので、それを参考にしながら作成するのが効率的です!

審査に通るための攻略法

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

採択されやすい申請書の書き方ってありますか?
室谷

室谷

代表取締役

いくつか重要なポイントがあります!

審査突破のポイント

リスクを数値で示す 地震発生確率・停電頻度・浸水深など、具体的なデータでリスクを定量化する。「過去○年で停電×回発生」のような実績データが特に有効。

段階的な整備計画を示す すべての対策を一度に行うことが予算的に困難な場合は、優先順位をつけた中長期ロードマップを示す。今回の申請がその計画のどこに位置づけられるかを明確にする。

コスト効果を定量化する 設備投資に対してどの程度のリスク軽減が見込めるかを定量的に示す。停電対策なら非常用電源の稼働時間、耐震対策なら想定地震への耐力向上など。

地域防災計画との連動を示す 地方公共団体の地域防災計画・国土強靱化地域計画との整合性を示すことで、地域全体の防災体制強化の一環として位置づけられる。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

申請前に総務省に相談はできるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

義務ではないですが、事前相談が強く推奨されています。対象設備の該当性や補助率の適用条件を確認するために、申請前に総務省情報流通行政局放送施設整備促進課(TEL 03-5253-5949)へ相談することをおすすめします!窓口担当者と事前にすり合わせておくと、書類の不備も防げます。

関連する放送・総務省補助金との比較

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

似た名前の補助金がいくつかあると思うんですが、どう使い分ければいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いい質問ですね!総務省が実施している放送関連補助金は目的ごとに役割が明確に分かれています。まず4制度を横並びで見てみましょう!
制度名補助率対象事業者主な目的・特徴
耐災害性強化支援事業(本事業)1/3〜2/3放送事業者・自治体既存放送設備の停電対策・耐震・予備設備の強化
地上基幹放送ネットワーク整備等事業1/3〜3/4放送事業者・自治体予備送信所・補完送信所など新規設備の設置が中心
民放ラジオ難聴解消支援事業1/2〜2/3民間ラジオ放送事業者AM・FM中継局の整備で難聴地域の解消に特化
先進的設備等を活用した放送コンテンツ製作促進事業1/2(最大2億円)放送事業者VFX・AIなど先進技術を使った番組コンテンツ製作支援
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

だいぶ違いますね!停電対策をやりたいなら本事業一択ってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです!既存の放送設備を強化したいなら本事業が最適です。地上基幹放送ネットワーク整備等事業は新規設置がメインなので、予備送信所を新たに作りたい場合はそちらを選ぶことになります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ラジオ局はどの補助金を使えばいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

難聴エリアを解消したいラジオ局なら民放ラジオ難聴解消支援事業が最優先ですね。補助率が2/3と本事業よりも高いケースがある!ただし中継局の新設目的に限定されています。一方でラジオ局の既存設備の耐震補強・停電対策なら本事業で申請できます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

番組制作系の先進的設備等を活用した放送コンテンツ製作促進事業は全然違う用途なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです、あちらは最大2億円とスケールが大きいですが、VFX・3DCG・AI技術などを活用したコンテンツ製作が対象です。防災インフラ整備とは全く別カテゴリなので、目的別に使い分けてください!

4制度の使い分けまとめ

「既存設備の停電・耐震補強」→ 本事業(ID189)

「新しい中継局・予備送信所の新設」→ ID187 ネットワーク整備等事業

「ラジオ難聴エリアの解消(中継局新設)」→ ID191 民放ラジオ難聴解消支援事業

「先進技術を使った番組コンテンツ制作」→ ID355 放送コンテンツ製作促進事業

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

組み合わせることもできるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

できます!特に地方公共団体が放送設備を整備する場合は、本事業(耐災害性強化)と内閣府の「国土強靱化関係予算」との連携も有効です。また地方公共団体が防災設備を整備する際に活用できる「緊急防災・減災事業債」は、起債充当率100%・交付税措置70%という有利な条件で資金調達できます!

基本情報まとめ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

制度の基本情報をまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

一覧でまとめますね!
項目内容
制度名地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業(令和8年度公募)
実施機関総務省情報流通行政局放送施設整備促進課
根拠法令電波法附則第15項による読み替え後の電波法第103条の2第4項第12号の4
補助率地方公共団体等1/2、放送事業者等1/3、条件不利地域の市町村2/3
公募開始令和8年1月30日
最終締切令和8年5月1日(第三次締切)、それ以降は個別相談
対象地域全国
問い合わせ先総務省情報流通行政局放送施設整備促進課 03-5253-5949
公式サイトhttps://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/hosonet_kyojinka04.html
Jグランツhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDXFjMAP
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

問い合わせはどこにすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請や制度の詳細については、総務省情報流通行政局放送施設整備促進課(TEL 03-5253-5949)が窓口です。また、実際の申請手続きは管轄の総合通信局等を通じて行います。北海道なら北海道総合通信局、関東なら関東総合通信局が担当窓口になります。

問い合わせ先

総務省情報流通行政局放送施設整備促進課

TEL 03-5253-5949

公式サイト: https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/hosonet_kyojinka04.html

Jグランツ: https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDXFjMAP

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

都道府県別のページも確認しておくといいですよね?都道府県ごとの補助金情報は、たとえば東京の補助金一覧北海道の補助金一覧からも確認できます!
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。本補助金は全国対象ですが、類似の自治体独自の補助金が設けられている場合もあるので、各地域のページで確認することをおすすめします!

よくある質問

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

最後によくある質問をまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい!よくある質問をまとめました。

FAQ:よく聞かれる質問

Q. 停電対策・予備設備・耐震対策をすべて同時申請できますか? できます。ただし、予算の範囲内で優先度の高い対策から採択される場合があるため、複数対策を申請する場合は優先順位を明記した整備計画書を作成することが重要です。

Q. コミュニティFM局も申請できますか? はい、コミュニティ放送を運営する一般社団法人等も申請対象に含まれます。地域の災害情報伝達において重要な役割を果たすコミュニティFMの耐災害性強化も支援されています。

Q. 民間テレビ局の補助率はなぜ1/3なのですか? 地方公共団体は公共性・公益性が高く財政基盤が国に依存することから1/2、民間放送事業者は営利法人として自己資本による整備も期待されることから1/3に設定されています。

Q. 「条件不利地域」とは具体的にどの地域ですか? 過疎地域、半島地域、離島、山村地域などの地理的条件が不利な地域のうち、財政力指数が0.5以下の市町村が対象です。具体的な該当地域については総務省にご確認ください。

Q. 申請前に総務省への事前相談は必要ですか? 義務ではありませんが、対象設備の該当性や補助率の適用条件を確認するため、申請前に総務省情報流通行政局放送施設整備促進課(03-5253-5949)への事前相談が推奨されています。

Q. 地上基幹放送ネットワーク整備等事業(ID187)と同時に申請できますか? 両事業の対象範囲が異なるため、組み合わせ申請が可能です。ネットワーク整備等事業が新設中心、本事業が既存設備の強化であるため、両方を活用することで包括的な耐災害性強化が実現できます。