洋上風力案件形成促進事業費補助金
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
都道府県が対象の補助金
本補助金は民間企業ではなく、洋上風力発電の案件形成を進める都道府県が申請主体となる点が大きな特徴です。地方自治体が主体的に洋上風力発電の導入を推進するための財政的支援を提供します。
2段階の補助体系
準備区域等に整理されていない区域を対象とする場合は上限2,500万円の定額補助、準備区域を対象とする場合は上限1,000万円の1/2補助と、案件の進捗段階に応じた2段階の補助体系が設けられています。
再エネ海域利用法に基づく制度設計
海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域利用促進法(再エネ海域利用法)に基づき、促進区域指定ガイドラインに沿った案件形成活動を支援する法的根拠のある補助金です。
利害関係者調整の支援
洋上風力発電の導入には漁業者や地域住民など多様な利害関係者との合意形成が不可欠です。本補助金はこうした調整活動にかかる費用も対象としており、地域における合意形成プロセスを財政面から支えます。
ポイント
対象者・申請資格
申請主体の要件
- 都道府県であること(市区町村や民間企業は対象外)
- 洋上風力発電の案件形成を進めている、または進める計画があること
組織・体制の要件
- 本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること
- 本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、資金等について十分な管理能力を有していること
資格に関する要件
- 経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられていないこと
その他の要件
- 経済産業省におけるEBPM(証拠に基づく政策立案)に関する取組に協力すること
- 事業成果の報告や情報提供に応じること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事前準備と情報収集
経済産業省資源エネルギー庁の公募情報を確認し、公募要領・申請様式等の必要書類を入手します。再エネ海域利用法に基づく促進区域指定ガイドラインの内容を十分に理解した上で、自県における洋上風力発電の案件形成の現状と計画を整理してください。
ステップ2:事業計画の策定
案件形成に必要な調査・調整活動の具体的な計画を策定します。国への情報提供の内容、利害関係者(漁業関係者、地域住民、関係自治体等)との調整スケジュール、必要な経費の積算等を明確にします。
ステップ3:申請書類の作成・提出
公募要領に従い、事業計画書、経費明細書、組織体制図等の必要書類を作成します。jGrants(電子申請システム)を通じて申請を行います。申請期間は例年1ヶ月程度と短いため、早めの準備が重要です。
ステップ4:審査・採択
提出された申請書類に基づき、事業の妥当性、実施体制、費用対効果等が審査されます。審査結果は申請者に通知され、採択された場合は交付決定通知が発出されます。
ステップ5:事業実施と報告
交付決定後、計画に基づき事業を実施します。事業完了後は実績報告書を提出し、経費の確認を経て補助金が交付されます。EBPM関連の取組への協力も求められます。
ポイント
審査と成功のコツ
明確な案件形成ビジョンの提示
利害関係者調整の具体的計画
実施体制の充実
EBPMへの積極的な姿勢
ポイント
対象経費
対象となる経費
調査費(4件)
- 海域調査費
- 環境影響評価関連調査費
- 風況調査費
- 海底地盤調査費
調整・会議費(3件)
- 利害関係者との協議会開催費
- 地域住民説明会開催費
- 関係機関との調整にかかる旅費・交通費
専門家活用費(3件)
- 外部専門家への委託費
- コンサルティング費用
- 技術アドバイザー謝金
事務費(4件)
- 資料作成費
- 印刷費
- 通信費
- 事務用品費
対象外の経費
対象外の経費一覧(6件)
- 土地・建物の取得費
- 洋上風力発電設備の設置・建設費
- 既に他の国庫補助金で賄われている経費
- 補助事業に直接関係のない経費
- 食糧費・接待費
- 自治体職員の人件費(通常業務分)
よくある質問
Qこの補助金は民間企業でも申請できますか?
いいえ、本補助金の申請主体は都道府県に限定されています。民間の洋上風力発電事業者は直接申請することができませんが、都道府県との連携を通じて間接的に本制度の恩恵を受けることが可能です。
Q補助金の上限額はいくらですか?
案件の進捗段階により異なります。準備区域等に整理されていない区域を対象とする場合は上限2,500万円(定額補助)、準備区域を対象とする場合は上限1,000万円(1/2補助)です。
QEBPMとは何ですか?なぜ協力が必要ですか?
EBPMとはEvidence-Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略で、政策の企画を合理的根拠(エビデンス)に基づいて行うことです。経済産業省の方針として、補助金事業の効果検証や政策改善のためにEBPMへの協力が求められています。
Q複数の海域について同時に申請できますか?
公募要領の詳細によりますが、一般的に対象海域ごとに個別の申請が必要となります。具体的な申請方法については、経済産業省資源エネルギー庁風力政策室にお問い合わせください。
Q申請から交付決定までどのくらいかかりますか?
審査期間は公募回によって異なりますが、一般的に申請締切から1~2ヶ月程度で交付決定が行われます。事業実施のスケジュールを考慮し、余裕をもった計画を立てることをお勧めします。
Q洋上風力発電設備の建設費用もこの補助金で賄えますか?
いいえ、本補助金は案件形成のための調査・調整活動にかかる費用を対象としており、洋上風力発電設備の建設・設置費用は対象外です。設備建設段階ではFIT/FIP制度等の別の支援制度をご活用ください。
Q再エネ海域利用法における促進区域とは何ですか?
促進区域とは、再エネ海域利用法に基づき、洋上風力発電設備の整備を促進するために国が指定する海域のことです。促進区域に指定されると、最長30年間の占用許可を受けて洋上風力発電事業を行うことが可能になります。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金は都道府県向けの案件形成支援であり、洋上風力発電の実際の建設・運営段階では別の支援制度が利用可能です。例えば、洋上風力発電の建設段階ではFIT/FIP制度(固定価格買取制度/フィードインプレミアム制度)による売電収入の支援があります。また、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」や「脱炭素先行地域」関連の支援制度との連携も検討できます。ただし、同一経費に対する二重補助は認められないため、各制度の対象経費を明確に区分して活用する必要があります。国土交通省の港湾整備関連の支援制度も、洋上風力発電の基地港湾整備の観点から関連性があります。
詳細説明
洋上風力案件形成促進事業費補助金の概要
洋上風力案件形成促進事業費補助金は、経済産業省が実施する補助金制度で、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)に基づき、洋上風力発電の促進区域指定に向けた案件形成活動を行う都道府県を支援するものです。
制度の背景と目的
日本政府は2050年カーボンニュートラルの実現を目指しており、洋上風力発電はその中核的な再生可能エネルギー源として位置づけられています。2020年12月に策定された「洋上風力産業ビジョン(第1次)」では、2030年までに10GW、2040年までに30~45GWの案件形成を目標として掲げています。この目標を達成するためには、全国各地での案件形成を加速する必要があり、本補助金は都道府県レベルでの取り組みを財政面から支援するために設けられました。
補助金額と補助率
本補助金は案件の進捗段階に応じて2つの補助区分が設けられています。
- 区分①:準備区域等に整理されていない区域を対象とする場合 - 上限2,500万円(定額補助)
- 区分②:準備区域を対象とする場合 - 上限1,000万円(1/2補助)
区分①は案件形成の初期段階にある地域向けで、より手厚い支援が用意されています。区分②は既に準備区域として整理された地域向けで、促進区域指定に向けた最終段階の取り組みを支援します。
対象となる活動
本補助金の対象となる主な活動は以下の通りです。
- 洋上風力発電の導入可能性に関する調査・検討
- 国(経済産業省・国土交通省)への情報提供
- 漁業関係者、地域住民等の利害関係者との調整・協議
- 関係自治体(市町村等)との連携・調整
- 環境影響に関する基礎的な情報収集
再エネ海域利用法と促進区域指定プロセス
再エネ海域利用法では、洋上風力発電の導入に適した海域を「促進区域」として指定する仕組みが設けられています。促進区域の指定に至るまでには、「有望な区域」「準備区域」といった段階を経る必要があり、各段階で地域の合意形成や環境配慮等の要件を満たすことが求められます。本補助金は、このプロセスにおける都道府県の取り組みを支援するものです。
申請にあたっての注意点
本補助金は都道府県のみが申請可能であり、民間企業や市町村は直接申請することができません。申請にあたっては、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 事業を的確に遂行する組織・人員を有していること
- 必要な経営基盤と資金管理能力を有していること
- 経済産業省からの補助金交付等停止措置を受けていないこと
- EBPMに関する取組に協力すること
今後の展望
洋上風力発電は、日本のエネルギー政策において極めて重要な位置づけにあります。本補助金を活用した案件形成の加速により、全国各地で洋上風力発電プロジェクトが具体化し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた大きな推進力となることが期待されています。各都道府県におかれては、本制度を積極的に活用し、地域の海洋エネルギー資源の有効活用を図ることが重要です。