【令和6年度】新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 (飲食事業者向け経営基盤強化支援(受動喫煙防止対策支援コース))助成金
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
助成率が最大9/10と非常に高い
客席面積100㎡以下の中小飲食店であれば、助成率は9/10以内と極めて高い水準です。通常の補助金・助成金では2/3や1/2の助成率が一般的ですが、本制度では小規模飲食店への手厚い支援が特徴です。自己負担がわずか1割で済むため、資金面のハードルが大幅に下がります。
喫煙専用室の設置と分煙設備の撤去の両方に対応
本助成金は、新たに喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室を設置する場合だけでなく、既存の分煙環境設備を撤去して完全禁煙化する場合にも活用できます。全面禁煙に舵を切りたい事業者にとっても使いやすい設計となっています。
東京都の中小飲食・宿泊事業者に特化した支援
対象が東京都内の中小企業者に限定されており、飲食施設と宿泊施設の双方が申請可能です。国の受動喫煙防止対策助成金とは別枠の都独自の制度であり、都内事業者にとって見逃せない支援メニューです。
助成限度額400万円で本格的な設備投資が可能
喫煙専用室の設計・施工には数百万円規模の費用がかかることも珍しくありませんが、限度額400万円の設定により、換気設備や間仕切り工事を含む本格的な施工にも対応可能です。
ポイント
対象者・申請資格
事業者要件
- 東京都内で飲食施設または宿泊施設を営む中小企業者であること
- 中小企業基本法に定める中小企業者に該当すること(資本金・従業員数の基準を満たすこと)
- 都内に主たる事業所または支店等を有すること
施設要件
- 対象施設が東京都内に所在すること
- 飲食店営業許可または旅館業営業許可を取得していること
- 助成率9/10の適用を受ける場合は、客席面積が100㎡以下であること
事業内容要件
- 喫煙専用室または指定たばこ専用喫煙室の設置工事であること
- もしくは既存の分煙環境設備の撤去工事であること
- 工事着手前に申請し、交付決定を受けてから着工すること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事前準備と要件確認
まず自社が中小企業者の要件を満たすか確認し、客席面積を測定して助成率の区分を把握します。施工業者から見積書を取得し、対象経費の範囲を整理しましょう。
ステップ2:申請書類の作成・提出
所定の申請書に必要事項を記入し、事業計画書、見積書、営業許可証の写し、登記簿謄本等の必要書類を添えて申請します。書類不備がないよう、提出前にチェックリストで確認することが重要です。
ステップ3:審査・交付決定
提出された申請書類に基づき審査が行われます。必要に応じて現地調査やヒアリングが実施される場合があります。交付決定通知を受領してから工事に着手してください。
ステップ4:工事実施・完了報告
交付決定後、計画に沿って工事を実施します。工事完了後、実績報告書に工事写真(着工前・施工中・完了後)や請求書・領収書等を添えて提出します。
ステップ5:検査・助成金交付
実績報告に基づく検査が行われ、適正と認められた場合に助成金の額が確定し、交付されます。
ポイント
審査と成功のコツ
施工業者の選定は複数見積もりで比較検討
換気設備の性能基準を事前に確認
客席レイアウトの見直しを同時に検討
完全禁煙化も選択肢として検討
ポイント
対象経費
対象となる経費
喫煙専用室設置工事費(3件)
- 喫煙専用室の間仕切り壁・天井・床の設置工事
- 出入口ドアの設置工事
- 喫煙専用室内の内装仕上げ工事
換気設備費(3件)
- 排気装置(換気扇・ダクト)の設置工事
- 給気設備の設置工事
- 空気清浄機の設置(換気設備と一体のもの)
電気・給排水設備費(3件)
- 喫煙専用室に係る電気配線工事
- 照明設備の設置工事
- 火災報知器・スプリンクラー等の設置工事
分煙設備撤去費(3件)
- 既存の喫煙ブース・パーティションの撤去工事
- 撤去に伴う原状回復工事
- 撤去した設備の廃棄処分費
設計・監理費(2件)
- 喫煙専用室の設計費
- 施工監理費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 喫煙専用室以外の店舗改装・リニューアル費用
- 喫煙器具(灰皿・ライター等)の購入費
- たばこ自動販売機の設置費用
- 交付決定前に着手した工事の費用
- 消耗品(フィルター交換用部品等のランニングコスト)
- 土地・建物の取得費用
- 人件費・交通費等の間接経費
- 他の補助金・助成金で助成を受けた経費
よくある質問
Q喫煙専用室と指定たばこ専用喫煙室の違いは何ですか?
喫煙専用室は紙巻たばこを含むすべてのたばこを喫煙できる部屋ですが、室内での飲食はできません。一方、指定たばこ専用喫煙室は加熱式たばこのみ喫煙可能な部屋で、室内での飲食が認められています。どちらを設置するかは、お店の客層やサービス形態に応じて判断してください。いずれの場合も、出入口の気流基準(0.2m/s以上)や排気設備の設置など、法令上の技術的基準を満たす必要があります。本助成金ではどちらの設置工事も助成対象となります。
Q客席面積100㎡以下かどうかはどのように判断しますか?
客席面積とは、客席として使用されるスペースの床面積を指します。厨房、トイレ、レジ周辺、通路など客席以外のスペースは含みません。個室や座敷も客席として使用される場合は面積に含まれます。正確な測定が難しい場合は、店舗の図面をもとに算出するか、申請前に東京都中小企業振興公社の窓口に相談することをお勧めします。100㎡以下であれば助成率が9/10と大幅に有利になるため、正確な面積把握は重要です。
Qすでに分煙設備がある場合でも申請できますか?
はい、申請可能です。既存の分煙設備を撤去して完全禁煙化する場合は「分煙環境設備の撤去」として助成率2/3以内・限度額150万円で申請できます。また、既存の分煙設備では法令基準を満たせない場合に、新たに基準適合の喫煙専用室を設置する工事も助成対象となり得ます。ただし、既存設備の単なる修繕やメンテナンスは対象外ですのでご注意ください。
Q宿泊施設も対象になりますか?
はい、東京都内で旅館業を営む中小企業者も本助成金の対象です。ホテルや旅館のロビー、レストラン、宴会場などの共用スペースにおける喫煙専用室の設置や、分煙設備の撤去が助成対象となります。宿泊施設ではインバウンド旅行者への対応も考慮し、多言語での禁煙・喫煙エリアの案内表示なども合わせて検討するとよいでしょう。
Q工事完了後に助成金が減額されることはありますか?
はい、実績報告の内容によっては助成金額が減額される場合があります。主な理由としては、実際の工事費用が見積額を下回った場合(助成金は実支出額に基づいて算定されます)、計画と異なる内容で工事が行われた場合、必要な技術的基準を満たしていない場合などが挙げられます。減額リスクを避けるためには、申請時の計画を忠実に実行し、変更が生じる場合は事前に担当窓口に相談することが重要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本助成金は東京都の独自事業であるため、国の「受動喫煙防止対策助成金」(厚生労働省所管)との併用については注意が必要です。同一の経費について二重に助成を受けることはできませんが、対象経費を明確に区分できる場合は、それぞれ別の経費部分について活用できる可能性があります。具体的な併用可否については、申請前に東京都の担当窓口に確認することを強くお勧めします。 また、東京都中小企業振興公社が実施する他の助成金(例:躍進的な事業推進のための設備投資支援事業等)との併用についても、同一経費への重複助成は認められません。ただし、店舗の改装工事を「受動喫煙防止対策部分」と「それ以外の部分」に分けて、それぞれ別の助成金を活用するという方法は検討の余地があります。 小規模事業者持続化補助金など国の補助金を活用して店舗リニューアルを行う場合も、受動喫煙防止対策に係る経費を本助成金で、その他の販路開拓経費を持続化補助金で申請するなど、戦略的な使い分けが可能です。いずれの場合も、経費の按分根拠を明確にし、各制度の担当窓口に事前相談することが重要です。
詳細説明
受動喫煙防止対策の背景と本助成金の意義
2020年4月の改正健康増進法の全面施行により、飲食店を含む多くの施設で原則屋内禁煙が義務化されました。東京都では国に先駆けて「東京都受動喫煙防止条例」を制定し、従業員を雇用する飲食店は規模にかかわらず原則屋内禁煙としています。こうした法規制に対応するため、東京都は中小飲食事業者・宿泊事業者向けに本助成金を設けています。
助成対象となる取組内容
本助成金では、大きく分けて以下の2つの取組が助成対象となります。
- 喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室の設置:店舗内に法令基準を満たす喫煙専用室を新設する工事が対象です。間仕切り壁の設置、換気設備の導入、電気工事など一連の施工費用が含まれます。
- 分煙環境設備の撤去:既存の分煙設備を撤去し、完全禁煙化する工事が対象です。撤去工事費用に加え、原状回復工事や廃棄処分費も含まれます。
助成率と助成限度額の詳細
助成率と限度額は、事業の種類と店舗規模によって異なります。
- 喫煙専用室等の設置(客席面積100㎡以下の中小飲食店):助成率9/10以内、助成限度額400万円
- 喫煙専用室等の設置(上記以外の中小企業者):助成率2/3以内、助成限度額400万円
- 分煙環境設備の撤去:助成率2/3以内、助成限度額150万円
客席面積100㎡以下の中小飲食店は自己負担がわずか1割で済むため、特に活用メリットが大きい制度です。
喫煙専用室に求められる技術的基準
喫煙専用室を設置する際は、健康増進法で定められた以下の技術的基準を満たす必要があります。
- 喫煙専用室の出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上であること
- たばこの煙が室外に流出しないよう、壁・天井等によって区画されていること
- たばこの煙を屋外に排気するための設備を備えていること
これらの基準を満たさない場合、法的要件を充足できないだけでなく、助成金の交付が認められない可能性もあるため、施工業者と十分に打ち合わせを行いましょう。
申請から助成金交付までの流れ
申請は以下のステップで進みます。
- 事前相談(推奨):申請前に東京都中小企業振興公社の窓口で要件確認や書類の事前チェックを受けることができます。
- 申請書提出:所定の様式に必要事項を記入し、添付書類とともに提出します。
- 審査・交付決定:書類審査の後、交付決定通知が届きます。工事着手は必ず交付決定後に行ってください。
- 工事実施・完了報告:計画に沿って工事を行い、完了後に実績報告書を提出します。
- 検査・交付:実績報告に基づく確認が行われ、助成金が交付されます。
経営戦略としての受動喫煙防止対策
受動喫煙防止対策は単なる法令遵守にとどまらず、経営戦略としても重要な意味を持ちます。禁煙・分煙の徹底により、非喫煙者やファミリー層など新たな客層の獲得が期待できます。また、従業員の健康保護の観点からも、快適な職場環境の整備は人材確保・定着に寄与します。本助成金を活用して初期投資の負担を軽減しつつ、中長期的な集客力強化と経営基盤の安定化を図りましょう。