令和4年度地熱発電の資源量調査事業費助成金交付事業_令和4年度補正予算分第3回
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
ベースロード電源としての地熱開発を国が強力に後押し
地熱発電は太陽光や風力と異なり、天候に左右されず24時間365日安定した発電が可能です。政府の第6次エネルギー基本計画でも地熱発電の導入拡大が明記されており、本助成金はその実現に向けた資源量調査という最も初期かつリスクの高い段階を支援するものです。JOGMECという国の専門機関が直接実施する事業であり、技術的な知見の提供も期待できます。
助成上限額が約100億円と極めて大規模
地熱資源量調査には、地表調査から試掘・噴気試験まで多額の費用がかかります。本助成金は上限額が約100億円と設定されており、本格的な地熱資源の探査・評価に必要な費用を幅広くカバーできる設計となっています。これにより、民間企業単独では踏み切りにくい大規模調査への参入障壁が大きく下がります。
令和4年度補正予算による追加的な財源措置
通常の年度予算に加え、補正予算による追加財源が確保されたことで、より多くの事業者が採択される可能性があります。補正予算は経済対策の一環として措置されるため、迅速な執行が求められ、採択から事業開始までのスピードも比較的速い傾向にあります。
JOGMECの技術支援・知見が活用可能
JOGMECは日本の地熱開発における中核的な技術機関であり、単なる資金援助にとどまらず、地熱資源評価に関する豊富な技術データや専門的な助言を受けられる可能性があります。過去の調査データの提供や技術的なコンサルティングなど、資金以外の価値も大きい事業です。
ポイント
対象者・申請資格
事業主体の要件
- 地熱発電事業を計画している法人であること
- 電気事業者(発電事業者、特定卸供給事業者等)または地熱資源開発を行う鉱業権者
- 十分な事業遂行能力(技術力・資金力・組織体制)を有すること
- 反社会的勢力に該当しないこと
対象事業の要件
- 地熱発電に係る資源量調査事業であること
- 地表調査、掘削調査、噴気試験等の調査活動が対象
- 日本国内における地熱資源の開発を目的とした調査であること
- 調査結果を地熱発電所の建設・運営に活用する計画があること
技術的要件
- 調査計画が技術的に妥当であること
- 地熱資源のポテンシャルが一定程度見込まれる地域であること
- 環境影響評価や地元合意形成の見通しが立っていること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事前情報収集と相談
JOGMECの公募要領を入手し、助成対象や申請要件を確認します。可能であればJOGMECの担当部署に事前相談を行い、調査計画の方向性について助言を得ることを推奨します。過去の採択事例や地熱資源データベースも参考にしましょう。
ステップ2:調査計画の策定
地表調査・掘削調査・噴気試験等の具体的な調査計画を策定します。調査地域の選定根拠、技術的手法、スケジュール、費用見積りを詳細に作成します。外部の地質コンサルタントや掘削事業者との連携体制も明確にしておきます。
ステップ3:申請書類の作成
公募要領に指定された様式に従い、事業計画書、収支予算書、法人の概要資料等を作成します。技術的な妥当性と事業の実現可能性を説得力のある形で記載することが重要です。
ステップ4:申請書の提出
申請期間(2023年11月16日~12月6日)内にJOGMECに申請書を提出します。提出方法(郵送・電子申請等)は公募要領で確認してください。期限厳守で、不備がないよう事前にチェックリストで確認しましょう。
ステップ5:審査・採択
JOGMECによる書類審査およびヒアリング審査が行われます。技術的妥当性、事業の実現性、地熱開発への寄与度等が総合的に評価されます。採択後は交付決定を経て事業を開始します。
ポイント
審査と成功のコツ
JOGMEC事前相談の徹底活用
地元合意形成の進捗を明示する
段階的な調査計画の設計
発電所建設までのロードマップ提示
環境アセスメントへの対応準備
ポイント
対象経費
対象となる経費
地表調査費(4件)
- 地質調査費
- 地化学調査費
- 物理探査費(重力探査・電磁探査等)
- リモートセンシング調査費
掘削調査費(4件)
- 調査井掘削費
- 掘削用資機材費
- 掘削サービス費(泥水・セメンチング等)
- 坑井仕上げ費
噴気試験費(3件)
- 噴気試験実施費
- 計測機器費
- 蒸気・熱水の分析費
環境調査費(3件)
- 環境影響事前調査費
- 温泉モニタリング費
- 生態系調査費
技術コンサルティング費(3件)
- 地質コンサルタント費
- 貯留層シミュレーション費
- 資源量評価解析費
現場管理費(3件)
- 現場事務所設置費
- 安全管理費
- 現場スタッフ人件費
報告書作成費(3件)
- 調査報告書作成費
- データ整理・分析費
- 成果とりまとめ費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 地熱発電所の建設工事費(調査段階を超える設備投資)
- 土地取得費・用地買収費
- 既存設備の維持管理・修繕費
- 一般管理費のうち助成事業に直接関係しない経費
- 交際費・接待費・寄付金
- 消費税及び地方消費税(免税事業者を除く)
- 助成金交付決定前に発生した経費
- 他の国庫補助金等で手当てされている経費
よくある質問
Q地熱発電の資源量調査とは具体的にどのような調査ですか?
地熱発電の資源量調査とは、地下に存在する地熱エネルギー(蒸気・熱水)の量と質を評価するための一連の調査活動です。大きく分けて、地表調査(地質踏査、温泉・噴気の化学分析、重力探査・電磁探査等の物理探査)、掘削調査(調査井の掘削による地下構造の直接確認)、噴気試験(坑井からの蒸気・熱水の産出テスト)の3段階があります。これらのデータを総合的に解析し、発電所建設の可否を判断するための貯留層評価を行います。特に掘削調査は1本あたり数億円のコストがかかるため、本助成金の支援が重要な意味を持ちます。
Q申請期間が短いですが、どのように準備すればよいですか?
申請期間は約3週間と短いため、公募開始前からの準備が不可欠です。まず、JOGMECのウェブサイトで過去の公募情報や採択実績を確認し、申請書の構成を把握しておきましょう。次に、調査地域の選定と基本的な地質情報の整理を事前に行います。JOGMECへの事前相談も積極的に活用してください。また、掘削事業者や地質コンサルタントとの連携体制を事前に構築し、見積りの取得や技術的な計画策定を済ませておくことが重要です。申請書の下書きは公募要領の公開を待たずに、過去の様式を参考に着手しておくことをお勧めします。
Q補助率はどの程度ですか?
本助成金の補助率は公募案内および実施細則に定められており、一律の公表値はありません。ただし、JOGMECの地熱関連助成事業では、調査段階の事業に対しては比較的高い補助率が設定される傾向があります。一般的に、地表調査段階では2分の1以上、掘削調査段階でも相当程度の補助率が設定されるケースが多いです。正確な補助率は公募要領で確認するか、JOGMECに直接お問い合わせください。なお、助成上限額は約100億円と設定されており、大規模な調査事業にも対応可能な制度設計となっています。
Q温泉地域での地熱開発でも申請できますか?
温泉地域での地熱開発に関する資源量調査も、本助成金の対象となり得ます。ただし、温泉事業者との合意形成が重要な評価ポイントとなります。地熱開発と温泉利用の共存は日本特有の課題であり、JOGMECも温泉共生型の開発を推進しています。申請にあたっては、温泉モニタリング計画の策定、地元温泉事業者との協議状況の報告、温泉資源への影響を最小化する調査計画の設計などを盛り込むことが重要です。近年は、温泉熱を活用したバイナリー発電など、温泉事業者と共存可能な開発方式も注目されています。
Q中小企業でも申請できますか?
制度上、中小企業であっても要件を満たせば申請は可能です。ただし、地熱資源量調査は高度な専門性と大規模な事業遂行能力が求められるため、実際には大手電力会社やエネルギー企業、または複数企業によるコンソーシアムでの申請が多い傾向にあります。中小企業が申請を検討する場合は、地質コンサルタント会社や掘削事業者との共同体制を構築し、技術力と事業遂行能力を補完することが現実的なアプローチです。地域のエネルギー会社として自治体と連携した申請も一つの選択肢です。
Q採択後の報告義務や成果の公表はありますか?
JOGMECの助成事業では、採択後に定期的な進捗報告と事業完了時の成果報告が求められるのが一般的です。具体的には、事業期間中の中間報告書、事業完了後の完了報告書および精算報告書の提出が必要となります。また、調査成果については、JOGMECのデータベースへの登録や、一定期間経過後の公表が条件となる場合があります。これは国の助成を受けた調査成果を広く地熱開発に活用するための措置です。ただし、企業の競争上の秘密に配慮した取り扱いがなされますので、詳細はJOGMECにご確認ください。
Q過去に不採択だった場合、再申請は可能ですか?
JOGMECの地熱関連助成事業では、過去に不採択となった案件の再申請は一般的に認められています。ただし、再申請にあたっては前回の審査で指摘された課題を改善していることが重要です。特に、技術的な計画の精緻化、地元合意形成の進展、事業実施体制の強化などの改善点を明確に示すことが求められます。本事業は第3回公募であることからもわかるように、複数回の公募が行われており、タイミングを見て再挑戦することも有効な戦略です。JOGMECへのフィードバック確認も活用してください。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
地熱発電の資源量調査に関する本助成金は、JOGMECが実施する国の事業であるため、同一の調査事業に対して他の国庫補助金との重複受給は原則として認められません。ただし、地熱開発は資源量調査→環境アセスメント→発電所建設→運転開始と長期にわたるプロジェクトであるため、異なる段階で別の支援制度を活用することは十分可能です。 例えば、本助成金で資源量調査を実施した後、環境省の「温泉共生型地熱開発支援事業」で温泉モニタリング体制を構築したり、経済産業省の「地熱発電導入拡大研究開発」で技術開発を進めるといった段階的な制度活用が考えられます。また、地方自治体が独自に設けている再生可能エネルギー導入支援制度との併用も検討すべきです。 FIT(固定価格買取制度)やFIP(フィードインプレミアム制度)は発電開始後の売電に関する制度であり、調査段階の本助成金とは対象フェーズが異なるため、同一事業内での併用問題は生じません。長期的な事業計画の中で、各段階に最適な支援制度を組み合わせる戦略的なアプローチが重要です。
詳細説明
地熱発電の資源量調査事業費助成金とは
本助成金は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が実施する、地熱発電の資源量調査を支援するための制度です。令和4年度補正予算を財源としており、日本国内における地熱資源の探査・評価を行う事業者に対して、調査費用の一部を助成します。
地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されず24時間安定した発電が可能なベースロード電源として、エネルギー安全保障の観点からも注目されています。しかし、開発の初期段階である資源量調査には多額の費用とリスクが伴うため、民間企業単独での取り組みには限界がありました。本助成金は、そのリスクを国が分担することで地熱開発を促進する重要な役割を担っています。
助成金の概要と規模
本事業の助成上限額は約100億円と、エネルギー関連の助成制度としても極めて大規模な設定となっています。これは地熱資源量調査、特に探査井・調査井の掘削には数億円から数十億円の費用がかかることを反映しています。
令和4年度補正予算(第3回公募)という位置づけから、通常予算に加えた追加的な財源措置であることがわかります。政府のエネルギー政策における地熱開発の重要性が、予算面でも裏付けられています。
対象となる調査事業
本助成金の対象となる資源量調査事業には、以下のような活動が含まれます。
- 地表調査:地質踏査、地化学調査(温泉水・噴気ガスの分析)、物理探査(重力探査、電磁探査、地震探査等)など、地表から地下の地熱資源を推定する調査
- 掘削調査:調査井・探査井の掘削により、地下の地熱貯留層を直接確認する調査。地熱開発において最もコストがかかる工程です
- 噴気試験:掘削した坑井からの蒸気・熱水の産出量や温度・圧力を測定し、発電に利用可能な資源量を定量的に評価する試験
- 貯留層評価:各種調査データを統合し、数値シミュレーション等により地熱貯留層の規模や持続的な利用可能量を評価する解析
申請にあたっての注意点
本事業の申請期間は2023年11月16日から12月6日までの約3週間と非常に短期間です。地熱資源量調査の計画策定には相当の準備期間が必要であるため、公募開始前からの準備が不可欠です。
申請にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。
- JOGMECへの事前相談を行い、調査計画の技術的妥当性について助言を得ること
- 調査地域における地元合意形成(特に温泉事業者との協議)の状況を明確にすること
- 資源量調査後の発電所建設に至るまでのロードマップを具体的に示すこと
- 環境影響評価への対応方針を含む環境配慮計画を策定すること
地熱開発の現状と本助成金の意義
日本は世界第3位の地熱資源量を持ちながら、その開発は十分に進んでいません。主な要因として、初期調査の高コスト・高リスク、温泉事業者との調整、環境規制、開発期間の長さ(調査から発電開始まで10年以上)が挙げられます。
本助成金は、これらの課題のうち最も初期段階の資金的リスクを軽減することで、新規参入や既存事業者の開発拡大を促進する狙いがあります。特に令和4年度補正予算による追加措置は、2050年カーボンニュートラル目標の達成に向けた政府の強い意志を示しています。
対象業種と想定される申請者
本助成金の主な対象業種は電気・ガス・熱供給・水道業および鉱業・採石業・砂利採取業です。具体的には以下のような事業者が想定されます。
- 地熱発電事業への新規参入を検討している電力会社・エネルギー企業
- 既存の地熱発電所の近隣で新たな資源開発を計画している事業者
- 地熱資源を活用した温泉発電・バイナリー発電を検討している鉱業事業者
- 地域エネルギー会社として地熱発電事業を計画している自治体出資法人