令和5年度地熱発電の資源量調査事業費助成金交付事業_第3回
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
最大約100億円の大型助成
本事業の助成金上限額は約100億円(9,999,999,999円)と、補助金・助成金制度の中でも突出した規模です。地熱資源量調査には、地質調査・物理探査・坑井掘削など多額の初期投資が必要となりますが、本助成金を活用することで事業者の資金負担を大幅に軽減できます。特に坑井掘削は1本あたり数億円規模の費用がかかるため、この助成規模は実質的な開発推進力となります。
JOGMEC実施による技術的バックアップ
本事業はJOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)が実施主体です。JOGMECは地熱開発に関する国内最高水準の技術的知見とデータを保有しており、助成金の交付だけでなく、技術的助言や過去の調査データの活用支援が期待できます。これにより、調査の精度向上とリスク低減を同時に図ることが可能です。
再生可能エネルギー政策の追い風
政府のエネルギー基本計画において地熱発電は重要な再生可能エネルギー源として位置づけられており、2030年の導入目標に向けて開発促進策が強化されています。本助成金もその一環であり、今後も継続的な支援が見込まれます。資源量調査段階から参入することで、将来的な発電事業の優位性を確保できます。
全国対象で地域を問わず申請可能
本事業は全国の地熱資源が賦存する地域を対象としています。火山帯に沿った東北地方や九州地方をはじめ、北海道や中部地方など、地熱ポテンシャルのある地域であれば地域制限なく申請が可能です。地方自治体との連携による地域振興効果も期待されます。
ポイント
対象者・申請資格
事業者要件
- 地熱発電の資源量調査事業を実施する法人であること
- 電気・ガス・熱供給・水道業、または鉱業・採石業・砂利採取業に該当する事業者が主な対象
- 地熱資源の開発・利用に関する事業計画を有していること
- 調査事業を適切に遂行できる技術的能力と体制を有すること
対象事業
- 地熱資源の賦存量を把握するための地表調査(地質調査、地化学調査、物理探査等)
- 資源量を評価するための坑井掘削調査
- 噴気試験・還元試験等の資源量評価試験
- 上記調査に付随する環境影響調査・地元調整等の関連業務
申請条件
- 公募期間内(2023年11月16日〜12月6日)に所定の書類を提出すること
- JOGMECが定める実施細則・交付要領に従うこと
- 事業完了後の成果報告・会計報告を適切に行えること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:公募要領の確認と事前準備
JOGMECの公式サイトから公募要領・実施細則・交付要領を入手し、申請要件・助成対象経費・審査基準を熟読します。特に、対象となる調査手法や経費の範囲を正確に把握することが重要です。過去の採択事例も参考にしましょう。
ステップ2:調査計画の策定
地熱資源量調査の具体的な実施計画を策定します。調査対象地域の選定根拠、調査手法(地表調査・坑井掘削等)、スケジュール、必要経費の積算、期待される成果を明確にします。技術コンサルタントや地質専門家との連携も検討してください。
ステップ3:申請書類の作成・提出
公募要領に定められた様式に従い、事業計画書・経費見積書・事業者の概要資料等を作成します。申請期間は2023年11月16日〜12月6日と約3週間しかないため、事前に書類の骨子を準備しておくことを強くお勧めします。
ステップ4:審査・採択
JOGMECによる書類審査および必要に応じたヒアリングが実施されます。技術的妥当性、事業計画の実現可能性、費用対効果等が評価されます。
ステップ5:交付決定・事業実施
採択後、交付決定通知を受けて事業を開始します。事業実施中は、JOGMECへの進捗報告や経費管理を適切に行う必要があります。
ポイント
審査と成功のコツ
技術的根拠の明確化
段階的調査計画の設計
地元合意形成の進捗
実施体制の充実
経費積算の精緻化
ポイント
対象経費
対象となる経費
地表調査費(4件)
- 地質踏査・地質図作成費
- 地化学調査(温泉・噴気分析等)費
- 重力探査・電磁探査等の物理探査費
- リモートセンシング解析費
坑井掘削費(4件)
- 掘削工事費(機材・労務・資材)
- 坑井設計・管理費
- 泥水・セメンチング費
- ケーシング・坑口装置費
試験・評価費(3件)
- 噴気試験・還元試験実施費
- 坑井検層(温度・圧力測定等)費
- 資源量評価・シミュレーション費
環境関連調査費(3件)
- 環境影響事前調査費
- モニタリング機器設置・運用費
- 環境アセスメント関連費
技術コンサルティング費(3件)
- 地熱専門コンサルタント委託費
- 大学・研究機関との共同研究費
- 技術レビュー・第三者評価費
管理・報告費(3件)
- プロジェクト管理費
- 成果報告書作成費
- データ整理・解析費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 地熱発電所の建設工事費(本事業は資源量調査段階が対象)
- 土地の取得費・賃借料(調査用地の一時使用料は除く)
- 事業者の一般管理費・本社経費のうち直接関連しないもの
- 他の補助金・助成金で既に支援を受けている経費
- 調査事業に直接関係しない設備・備品の購入費
- 交際費・接待費・寄付金等の間接的経費
- 消費税(課税事業者で仕入税額控除が可能な場合)
よくある質問
Q地熱発電の資源量調査とは具体的にどのような調査ですか?
地熱発電の資源量調査は、地下に存在する地熱エネルギー(高温の蒸気・熱水)の量と品質を把握するための調査です。大きく分けて、地表調査(地質踏査、温泉・噴気の化学分析、重力・電磁探査等の物理探査)と、坑井掘削調査(調査井を掘削して地下の温度・圧力・地質を直接確認)があります。さらに、掘削した坑井で噴気試験等を行い、地熱流体の流量や性状を測定して、発電事業の採算性を判断するための資源量評価を行います。調査には数年単位の期間と数億〜数十億円の費用がかかるのが一般的です。
Qどのような事業者が申請できますか?
主な対象は、電気・ガス・熱供給・水道業、および鉱業・採石業・砂利採取業に該当する法人です。ただし、地熱発電事業への新規参入を目指すエネルギー関連企業、総合商社、デベロッパー等も、適切な技術体制と事業計画を有していれば申請対象となり得ます。複数の事業者がコンソーシアムを組んで共同申請する形態も一般的です。重要なのは、地熱資源量調査を適切に遂行できる技術的能力と実施体制を示せることです。
Q助成率(補助率)はどのくらいですか?
具体的な助成率は公募案内および実施細則に定められており、調査の種類や段階によって異なります。一般的にJOGMECの地熱関連助成では、初期段階の調査ほど高い助成率が適用される傾向にあります。詳細な助成率や助成金額の算定方法については、公募要領を確認するか、JOGMECの担当窓口に直接お問い合わせください。上限額は約100億円と大きいですが、実際の助成額は調査内容と規模に応じて個別に決定されます。
Q申請期間が短いですが、どう準備すればよいですか?
申請期間は2023年11月16日〜12月6日の約3週間と非常に短いため、公募開始前からの準備が不可欠です。まず、JOGMECのウェブサイトで過去の公募情報や採択事例を確認し、求められる申請書類の水準を把握しましょう。調査計画(対象地域・手法・スケジュール・経費積算)は事前に策定し、申請書類の骨子も準備しておきます。また、実施体制(社内人材・外部専門家・協力機関)の確保や、地元関係者との事前調整も早期に着手すべきです。JOGMECへの事前相談が可能であれば積極的に活用してください。
Q温泉事業者との調整は必要ですか?
はい、地熱開発において温泉事業者との調整は極めて重要です。地熱資源と温泉資源は地下水系を共有している場合があり、地熱開発が温泉に影響を与える懸念から反対運動が起きるケースがあります。平成24年の温泉法改正により、温泉と地熱の共生に向けた制度整備が進められていますが、申請段階で地元温泉組合や自治体との対話・合意形成の状況を示せることが、事業実現可能性の高さをアピールする上で重要です。共生型の開発(温泉熱の有効利用、地域への電力供給等)を計画に盛り込むことをお勧めします。
Q他の補助金と併用できますか?
同一事業・同一経費に対する他の国庫補助金等との重複受給は原則認められません。ただし、調査段階と開発段階で異なる制度を段階的に活用することは可能です。例えば、本助成金で資源量調査を完了した後、経済産業省やNEDOの地熱関連技術開発事業、あるいは地方自治体の再エネ支援制度を活用して次の開発段階に進む戦略が考えられます。併用を検討する際は、各制度の交付要領における併用制限条項を確認し、JOGMECの担当窓口に事前相談することをお勧めします。
Q採択後の義務や報告要件はありますか?
採択・交付決定後は、JOGMECが定める実施細則・交付要領に基づき、各種義務が発生します。主なものとして、事業の進捗状況報告(定期報告)、経費の適正な執行・管理、事業計画の変更時の事前承認申請、事業完了後の成果報告書・収支決算書の提出があります。また、助成事業で得られた調査データや成果は、JOGMECへの報告義務があり、場合によっては公開される可能性もあります。会計検査の対象ともなり得るため、経費関連書類は適切に保管・管理する必要があります。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
地熱発電の資源量調査事業費助成金は、JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)が交付する助成金であるため、同一事業・同一経費に対して他の国庫補助金等との重複受給は原則として認められません。ただし、調査段階と開発段階で異なる補助制度を段階的に活用することは可能です。 例えば、本助成金で資源量調査を実施した後、その成果を基に経済産業省の「地熱発電の導入拡大に向けた技術開発事業」やNEDOの地熱関連技術開発支援を活用して次段階の開発に進むといった戦略が考えられます。また、地方自治体が独自に実施する再生可能エネルギー導入支援制度との組み合わせも検討に値しますが、経費の重複がないことを明確に区分する必要があります。 環境影響評価に関しては、環境省の関連支援制度が利用できる場合もあります。併用を検討する際は、各制度の交付要領における併用制限条項を必ず確認し、不明な点はJOGMECの担当窓口に事前相談することを強くお勧めします。適切な制度の組み合わせにより、資源量調査から発電事業化までの各段階を効率的に支援でカバーする長期戦略を描くことが重要です。
詳細説明
地熱発電の資源量調査事業費助成金とは
本助成金は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が実施する、地熱発電に係る資源量調査事業への助成制度です。日本は世界第3位の地熱資源量を有するにもかかわらず、地熱発電の導入量は資源量に対して限定的です。その主な要因の一つが、開発初期段階における資源量調査の高コスト・高リスク性にあります。本助成金は、この初期リスクを軽減し、地熱発電の導入拡大を促進することを目的としています。
助成金の概要と規模
本事業の助成金上限額は9,999,999,999円(約100億円)と非常に大きな規模です。地熱資源量調査、特に坑井掘削調査には1本あたり数億円の費用がかかることから、この助成規模は実際の調査ニーズに対応した設計となっています。具体的な補助率については公募案内および実施細則で定められており、事業内容に応じて適用されます。
対象となる調査事業
本助成金の対象となる調査事業は、地熱資源の賦存量(埋蔵量)を把握・評価するための以下の活動です。
- 地表調査:地質踏査、地化学調査(温泉・噴気の化学分析)、物理探査(重力探査、電磁探査、弾性波探査等)により、地下の地熱貯留層の存在を推定します。
- 坑井掘削調査:調査井を掘削し、地下の温度・圧力・地質構造を直接確認します。概査掘削と詳査掘削に分けて段階的に実施することが一般的です。
- 噴気試験・還元試験:掘削した坑井から地熱流体を噴出させ、その流量・温度・化学性状等を測定して資源量を定量的に評価します。
- 資源量評価:上記調査データを統合し、数値シミュレーション等により地熱貯留層の資源量を評価します。
申請にあたっての重要ポイント
本事業の申請にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。
- 短い申請期間:公募期間は2023年11月16日から12月6日までの約3週間と非常に短期間です。公募開始前から調査計画と申請書類の準備を進めておくことが不可欠です。
- 技術的妥当性:調査対象地域の選定根拠、調査手法の適切性、実施体制の技術的能力が厳格に審査されます。地熱分野の専門家を含むチーム編成が重要です。
- 地元合意形成:地熱開発は温泉資源との関係から地元関係者との調整が重要です。申請段階での合意形成の進捗状況が事業実現可能性の評価に影響します。
JOGMECの役割と支援体制
JOGMECは単なる資金提供者ではなく、日本の地熱開発における中核的技術機関です。長年にわたる調査・研究データの蓄積があり、助成事業を通じて以下のような技術的支援も期待できます。
- 過去の地熱調査データ・地質情報の提供
- 技術的助言・コンサルテーション
- 調査手法や評価手法に関するガイダンス
地熱発電の将来展望と本助成金の意義
日本政府は2050年カーボンニュートラル実現に向け、地熱発電を含む再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を目指しています。第6次エネルギー基本計画では、2030年度の地熱発電導入目標が約148万kWとされ、現状からの大幅な増加が求められています。本助成金は、この政策目標を実現するための重要な支援制度であり、資源量調査という最もリスクの高い初期段階を支援することで、民間事業者の地熱開発への参入を促進する役割を担っています。
地熱発電は、太陽光や風力と異なり天候に左右されないベースロード電源として機能し、設備利用率が約83%と再生可能エネルギーの中で最も高い安定性を誇ります。長期的な事業収益性も見込めることから、本助成金を活用した資源量調査への投資は、将来の安定収益事業への第一歩となり得ます。