令和4年度地熱発電の資源量調査事業費助成金交付事業_令和4年度補正予算分第2回
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
助成金額に実質的な上限がない大型助成
地熱発電の資源量調査は、1本の調査井掘削だけでも数億円規模の費用がかかることがあります。本助成金は上限額が約100億円と設定されており、事実上、大規模な探査プロジェクトの費用をカバーできる制度設計となっています。地熱開発における最大のリスクである初期探査段階の資金負担を大幅に軽減できる点が最大の特徴です。
JOGMECの技術的知見を活用できる
助成金の交付元であるJOGMECは、日本における地熱資源開発の中核機関であり、数十年にわたる技術的知見を蓄積しています。助成事業を通じてJOGMECの専門家による技術的助言を受けられる可能性があり、資金面だけでなく技術面でも事業者を支援する体制が整っています。
脱炭素政策の追い風を受けた重点支援分野
2050年カーボンニュートラル宣言を受け、地熱発電は国のエネルギー政策において重点分野に位置づけられています。令和4年度補正予算による追加措置として実施されており、政府の地熱開発加速化の方針を反映した助成制度です。温泉法や自然公園法の規制緩和も進んでおり、事業環境が改善しています。
資源量調査の幅広い段階をカバー
本助成金は地表調査から掘削調査まで、資源量調査の幅広い段階を対象としています。初期段階の概査から詳細な掘削調査まで一貫して支援を受けられるため、段階的な調査計画を立てやすい制度です。
ポイント
対象者・申請資格
事業者要件
- 地熱発電事業の実施を計画している法人であること・資源量調査を実施する技術的能力または体制を有すること・JOGMECが定める助成事業の実施要件を満たすこと・反社会的勢力に該当しないこと
事業要件
- 地熱資源の資源量を把握するための調査事業であること・調査対象地域が国内であること・公募要領に定める調査内容(地表調査、掘削調査等)に該当すること・調査計画が技術的に妥当であると認められること
財務要件
- 助成事業を遂行するために必要な資金を確保できること・適切な経理処理体制を有すること・過去にJOGMECの助成金で不正があった事業者でないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:公募情報の確認と事前相談
JOGMECの公式サイトで公募要領・実施細則を入手し、助成要件を詳細に確認します。可能であればJOGMECの担当部署に事前相談を行い、自社の調査計画が助成対象に該当するか確認することを推奨します。
ステップ2:調査計画の策定
資源量調査の具体的な計画を策定します。調査対象地域の選定根拠、調査手法(地質調査、物理探査、掘削調査等)、スケジュール、費用見積り等を明確にまとめます。技術的な妥当性が審査の重要ポイントとなるため、専門家の知見を活用しましょう。
ステップ3:申請書類の作成・提出
公募要領に定められた様式に従い、申請書類一式を作成します。調査計画書、費用内訳書、事業者の概要書類等を揃え、申請期間内(2023年9月29日~10月19日)にJOGMECへ提出します。
ステップ4:審査・採択
JOGMECによる書類審査およびヒアリング審査が行われます。調査計画の技術的妥当性、費用の適切性、事業者の実施能力等が評価されます。審査結果は採択・不採択として通知されます。
ステップ5:交付決定・事業実施
採択後、助成金交付申請を行い、交付決定を受けてから調査事業を開始します。事業実施中は定期的な進捗報告が求められ、完了後に実績報告書を提出して助成金の確定・支払いを受けます。
ポイント
審査と成功のコツ
調査計画の技術的妥当性を徹底的に裏付ける
段階的な調査計画と出口戦略を明示する
地域との合意形成の進捗を示す
実施体制の専門性をアピールする
ポイント
対象経費
対象となる経費
地表調査費(5件)
- 地質調査費
- 地化学調査費
- 物理探査費(重力探査、電磁探査等)
- リモートセンシング調査費
- 地表踏査・マッピング費
掘削調査費(5件)
- 調査井掘削費
- 坑井仕上げ費
- 掘削資機材費
- 掘削用地造成費
- セメンチング費
物理検層・試験費(5件)
- 坑内物理検層費
- 噴気試験費
- 還元試験費
- 圧力測定費
- 温度測定費
データ解析・評価費(4件)
- 資源量評価解析費
- 貯留層シミュレーション費
- 地質モデリング費
- データ処理・解析費
環境調査費(4件)
- 環境影響事前調査費
- 温泉モニタリング費
- 地盤変動測定費
- 水質調査費
外注・委託費(4件)
- 地質コンサルタント委託費
- 専門技術者派遣費
- 分析試験外注費
- 測量業務委託費
その他直接経費(4件)
- 旅費・交通費
- 資機材運搬費
- 現場管理費
- 報告書作成費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 地熱発電所の建設・設備導入に係る費用(発電設備、送電設備等)
- 土地の取得費用
- 事業者の通常業務に係る人件費・一般管理費
- 資源量調査に直接関係しない研究開発費
- 交際費・接待費
- 訴訟費用・弁護士費用
- 助成金交付決定前に発生した費用
- 他の補助金・助成金で既に補填された費用
よくある質問
Q地熱発電の資源量調査事業費助成金はどのような事業者が申請できますか?
地熱発電事業の実施を計画している法人が対象です。電気・ガス・熱供給・水道業や鉱業関連の事業者が主な対象ですが、地熱発電事業への新規参入を目指す事業者も申請可能です。ただし、資源量調査を実施する技術的能力または体制(外部委託含む)を有していること、事業遂行に必要な資金を確保できることが要件となります。個人事業主は対象外となる場合がありますので、公募要領で詳細をご確認ください。
Q助成金の上限額が約100億円とありますが、実際にはどの程度の助成を受けられますか?
助成金額は申請する調査内容と規模によって大きく異なります。地表調査のみであれば数千万円〜数億円程度、掘削調査を含む場合は数億円〜数十億円規模の助成となるケースがあります。上限額は制度上の設定であり、実際の助成額は調査計画の内容と費用の妥当性をJOGMECが審査して決定します。補助率についても公募案内・実施細則に定められていますので、必ず最新の公募要領をご確認ください。
Q公募期間が約3週間と短いですが、事前準備として何をしておくべきですか?
まず、調査対象地域の選定と地熱ポテンシャルの事前評価を行いましょう。既存の地質データ、温泉分布、過去の地熱調査報告書等を収集・分析し、調査の技術的根拠を固めます。次に、調査計画(手法、スケジュール、費用見積り)の骨子を策定します。外部の地質コンサルタントへの委託を予定している場合は、早めに見積りを取得しておきましょう。JOGMECへの事前相談も強く推奨します。地元自治体や温泉事業者への事前説明も進めておくと、申請書の説得力が高まります。
Q地熱資源が見つからなかった場合、助成金の返還は必要ですか?
資源量調査の結果として地熱資源が見つからなかった場合でも、適切に調査を実施し、所定の報告を行っていれば、原則として助成金の返還は求められません。地熱探査にはそもそも発見できないリスク(探査リスク)が伴うものであり、本助成金はまさにそのリスクを軽減することを目的としています。ただし、調査を途中で中止した場合や、不正な経費使用が発覚した場合は返還を求められることがあります。
Q温泉地の近くで地熱調査を行う場合、特別な配慮は必要ですか?
はい、温泉地周辺での地熱調査には特別な配慮が不可欠です。温泉法に基づく許認可手続きが必要となるほか、地元温泉事業者との合意形成が事業成功の鍵を握ります。具体的には、調査による温泉への影響を事前に評価し、温泉モニタリング計画を策定することが求められます。地域説明会の開催や、温泉事業者との定期的な情報共有の仕組みを構築しましょう。近年は温泉法の運用見直しにより手続きが簡素化されていますが、地域との信頼関係構築には十分な時間をかけることを推奨します。
Q他の補助金・助成金と併用することはできますか?
同一の経費に対して他の補助金・助成金と重複して受給することは原則としてできません。ただし、地熱開発の異なる段階(探査→開発→建設)で別々の支援制度を活用することは可能です。例えば、本助成金で資源量調査を行った後、JOGMECの債務保証制度を利用して発電所建設資金を調達したり、経済産業省の再エネ設備導入支援を活用したりすることが考えられます。事業全体の資金計画を立てる際には、各段階で利用可能な支援制度を整理しておくことが重要です。
Q申請から助成金の受け取りまでの期間はどのくらいですか?
申請から交付決定までは通常2〜3ヶ月程度を見込む必要があります。審査では書類審査に加えてヒアリングが実施される場合があります。交付決定後に調査事業を開始し、事業完了後に実績報告書を提出します。JOGMECによる確定検査を経て助成金が支払われるため、事業完了から支払いまでさらに1〜2ヶ月程度かかります。地熱の資源量調査は数年にわたる長期プロジェクトとなることも多く、年度ごとの進捗管理と報告が求められます。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
地熱発電の資源量調査事業費助成金は、探査段階に特化した助成制度ですが、地熱開発の各段階に応じて他の支援制度と組み合わせることで、事業全体のリスクを大幅に軽減できます。 まず、資源量調査の結果を踏まえた開発段階では、JOGMEC の「地熱資源開発資金債務保証」を活用できます。これは地熱発電所の建設資金の借入に対する債務保証制度であり、金融機関からの資金調達を円滑化します。 また、環境省の「地熱開発加速化事業」では、地域共生型の地熱利活用に向けた支援が行われており、温泉熱の多段階利用や地域への熱供給事業と組み合わせることで、地域の理解促進と事業の多角化が図れます。 経済産業省の「再生可能エネルギー発電設備の導入支援」も視野に入れるべきです。資源量調査で有望な結果が得られた後の発電設備導入段階で活用でき、初期投資の負担軽減につながります。 さらに、自治体独自の再生可能エネルギー導入支援制度がある地域もあります。特に地熱資源が豊富な東北・九州地方の自治体では、地熱開発を促進するための独自支援策を設けている場合があるため、調査対象地域の自治体施策も必ず確認しましょう。FIT(固定価格買取制度)やFIP制度による売電収入も事業計画に組み込むことで、長期的な事業採算性を高められます。
詳細説明
地熱発電の資源量調査事業費助成金とは
本助成金は、JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)が地熱資源の開発促進を目的として実施する助成事業です。令和4年度補正予算を財源とした第2回公募として実施され、地熱発電の事業化に向けた資源量調査に要する費用を助成します。
なぜ地熱発電の資源量調査に助成が必要なのか
日本は環太平洋火山帯に位置し、世界第3位の地熱資源量(約2,347万kW)を有しています。しかし、実際に開発されている地熱発電の設備容量は約60万kWにとどまり、ポテンシャルの3%程度しか活用されていません。
地熱開発が進まない最大の要因は、初期探査段階の高いリスクと費用です。地熱資源の存在を確認するための掘削調査には1本あたり数億円の費用がかかり、しかも掘削しても地熱資源が見つからないリスクがあります。この「探査リスク」を軽減するために、国が助成金を通じて支援しています。
助成の対象となる調査内容
- 地表調査:地質調査、地化学調査、物理探査(重力・電磁探査等)により、地下の地熱貯留層の存在を推定します
- 掘削調査:調査井を掘削し、地下の温度・圧力・流体の状態を直接確認します
- 資源量評価:取得データを基に貯留層シミュレーションを行い、開発可能な地熱資源量を評価します
- 環境調査:周辺温泉への影響調査や環境モニタリングを実施します
助成金額と補助率について
本助成金の上限額は約100億円(9,999,999,999円)と設定されており、大規模な地熱探査プロジェクトにも対応可能です。具体的な補助率については公募案内および実施細則に定められており、調査の種類や段階によって異なる場合があります。詳細はJOGMECの公募要領をご確認ください。
地熱開発を取り巻く政策環境
近年、地熱開発を後押しする政策環境が大きく改善しています。
- 2050年カーボンニュートラル宣言により、再生可能エネルギーの導入加速が国策として推進
- 温泉法の運用見直し(2022年)により、地熱開発の許認可手続きが簡素化
- 自然公園法の運用見直しにより、国立・国定公園内での地熱開発規制が緩和
- 第6次エネルギー基本計画で地熱発電の導入目標が引き上げ
申請にあたっての注意点
公募期間は2023年9月29日から10月19日までの約3週間と限られています。短い公募期間内に質の高い申請書を提出するためには、事前にJOGMECへの相談を行い、調査計画の骨子を固めておくことが重要です。
また、地熱開発は地域の温泉事業者や自治体との合意形成が不可欠です。申請前から地域との対話を進め、調査事業への理解を得ておくことが、円滑な事業実施と採択可能性の向上につながります。