令和7年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業(二次公募)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
## この補助金の重要な特徴 - **補助上限10億円**:国内のZEB関連補助金として最大級の補助額。大規模建築物のZEB化に必要な追加コストを大幅にカバー - **新築・既築の両方が対象**:新築は10,000㎡以上、既存建築物は2,000㎡以上が要件。用途制限なく、オフィス・商業施設・病院・ホテル等あらゆる建物が対象 - **ZEB設計ノウハウ未確立の分野を重点支援**:まだZEB実績が少ない建物用途での挑戦を高く評価。業界初のZEB実現を目指すプロジェクトに有利 - **多様な申請主体**:建築主だけでなく、ESCO事業者・リース事業者・アグリゲーター等も申請可能。ビジネスモデルの柔軟性が高い - **高性能建材+高性能設備機器が補助対象**:断熱材・高性能窓・高効率空調・LED照明・太陽光発電・蓄電池等の導入費用を補助 - **実証データの公開義務**:採択事業は3年間のエネルギーデータ計測・報告が必要。設計ノウハウとして業界全体に共有される - **環境共創イニシアチブ(SII)が事務局**:省エネ補助金の運営実績が豊富な機関が審査・管理を担当
対象者・申請資格
## 対象者・資格要件ガイド ### 申請できる事業者 - **建築主(建物オーナー)**:自社ビル・施設をZEB化する法人・個人事業主 - **ESCO事業者**:省エネルギーサービスを提供し、建築主と共同で事業を実施する事業者 - **リース事業者**:ZEB関連設備をリース方式で提供する事業者 - **アグリゲーター**:複数建物のエネルギー管理を統合的に行う事業者 ### 建物の要件 | 区分 | 延床面積要件 | |------|------------| | 新築 | 10,000㎡以上 | | 既存改修 | 2,000㎡以上 | ### ZEB達成レベル - **ZEB**(正味ゼロ):一次エネルギー消費量を100%以上削減 - **Nearly ZEB**:75%以上削減 - **ZEB Ready**:50%以上削減(再エネ除く) - ※建物用途・規模に応じて求められるレベルが異なる ### 対象外となるケース - 住宅用途の建築物(ZEH事業が別途あり) - 国・地方公共団体が所有する建築物 - すでにZEB設計ノウハウが十分確立されている小規模建築物 - 他の国庫補助金との重複受給
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申請ガイド
## 申請手続きガイド ### 申請スケジュール(二次公募) - **公募期間**:2025年9月5日〜9月26日 - **申請方法**:SII(環境共創イニシアチブ)の補助金申請システムから電子申請 ### 申請の流れ 1. **事前準備**:ZEB設計の基本計画策定、省エネ計算(WEBPRO等)の実施 2. **SIIポータル登録**:申請者情報・建物情報の登録 3. **申請書類作成**:事業計画書・省エネ計算書・設計図書・見積書等を準備 4. **電子申請**:SIIの申請システムから提出 5. **審査**:外部有識者による技術審査・ヒアリング 6. **採択通知**:審査結果の通知 7. **交付申請**:採択後に正式な交付申請を提出 8. **事業実施**:工事着手〜完了 9. **実績報告**:事業完了後に実績報告書を提出 10. **計測・報告**:竣工後3年間のエネルギー消費量データを報告 ### 主な提出書類 - 事業計画書(SII所定様式) - 省エネルギー計算書(WEBPRO等による計算結果) - 建築図面(配置図・平面図・断面図・設備図) - 設備機器の仕様書・カタログ - 工事費見積書(内訳明細付き) - 事業スケジュール - 資金計画書
審査と成功のコツ
## 採択されるためのポイント ### 高評価を得るための戦略 1. **ZEB設計ノウハウ未確立の用途を選ぶ**:ホテル・病院・大型商業施設など、ZEB実績が少ない用途ほど審査で高く評価される 2. **高いZEB達成レベルを目指す**:ZEB Ready(50%削減)よりNearly ZEB(75%削減)やZEB(100%削減)を目指すと加点 3. **先進的技術の導入**:従来技術の組み合わせだけでなく、革新的な省エネ技術やシステムを提案に含める 4. **波及効果を明確に示す**:採択後のノウハウ公開により、同用途の建築物へのZEB普及にどう貢献するかを具体的に記載 5. **実現可能性の高い計画**:省エネ計算の根拠を明確にし、過度に楽観的でない現実的な計画を策定 ### 避けるべき失敗パターン - 省エネ計算の精度不足(WEBPROの入力ミス等) - 補助対象経費と対象外経費の区分が不明確 - 事業スケジュールに余裕がなく完了期限に間に合わないリスク - ZEB達成に不可欠でない設備を補助対象に含める ### 審査のポイント - エネルギー削減効果の妥当性と定量的根拠 - 技術的先進性と新規性 - 事業の実施体制と実現可能性 - 費用対効果(補助金額あたりのCO2削減量) - 成果の普及・波及効果
対象経費
対象となる経費
省エネ設備費(4件)
- 高効率空調システム費
- 高断熱外皮材料・設備費
- LED照明・制御システム費
- 高効率換気設備費
創エネ設備費(3件)
- 太陽光発電設備費
- 蓄電池設備費
- 燃料電池設備費
エネルギー管理設備費(3件)
- BEMS(ビルエネルギー管理システム)費
- IoT・AIを活用したエネルギー制御システム費
- スマートメーター・計測設備費
建築工事費(ZEB化に附帯するもの)(3件)
- ZEB化に必要な建築躯体・断熱工事費
- 設備設置附帯工事費
- 既存設備撤去工事費
実証・計測費(3件)
- 実証データ収集・分析システム費
- 計測機器費
- 実証運用支援費
設計・調査費(3件)
- ZEB設計費(建築・設備)
- エネルギーシミュレーション費
- 性能検証調査費
対象外の経費
対象外の経費一覧(6件)
- ZEB化に直接関係のない建築工事・内装工事費
- 汎用性の高い事務用備品・OA機器
- 土地取得費・賃借料
- 採択前着手分の費用(手続きなしの場合)
- 消費税(課税事業者の場合)
- 延床面積要件を満たさない建築物(新築10,000㎡未満・既存2,000㎡未満)への投資
よくある質問
QZEBとは何ですか?
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、建物の省エネと創エネにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した建築物です。達成レベルに応じてZEB、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedの4段階があります。
Q補助率はどのくらいですか?
補助対象経費の2/3以内が基本です。ただし、ZEB達成レベルや建物用途によって補助率が異なる場合があります。上限は10億円です。
Q既存ビルの改修も対象ですか?
はい、既存建築物の改修も対象です。ただし延床面積2,000㎡以上が要件となります。新築の場合は10,000㎡以上です。
Qテナントビルでも申請できますか?
申請可能です。ビルオーナーが申請者となります。テナント部分を含む建物全体でのZEB達成が求められます。
Q太陽光発電の設置は必須ですか?
必須ではありませんが、ZEBやNearly ZEB達成には再生可能エネルギーの導入が事実上必要です。ZEB Readyであれば省エネのみで達成可能です。
Q採択後にどのような義務がありますか?
竣工後3年間のエネルギー消費量の計測・報告が義務付けられています。また、設計データや実績はZEB設計ノウハウとして公開されます。
Q他の補助金と併用できますか?
同一の補助対象経費について、他の国庫補助金との重複受給はできません。ただし、補助対象外の部分について他の制度を活用することは可能です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
ZEB実証事業(環境省)と他の補助金との組み合わせについては、同一経費への重複補助は禁止されていますが、経費を明確に区分することで複数の補助金を活用できます。例えば、建物の省エネ・ZEB化に関しては本事業、再エネ設備(太陽光発電等)については経済産業省の再エネ関連補助金を活用するパターンが考えられます。また、ZEB化に伴う建物改修については、民間建築物の省エネ化等補助金との区分も検討できます。税制面では、環境関連投資減税・省エネ税制との組み合わせが有効な場合があります。ESCO事業として実施する場合は、ESCOの金融支援制度(省エネルギー投融資等)との組み合わせも検討できます。具体的な組み合わせ可否は各補助金の担当窓口・公募要領で確認してください。
詳細説明
ZEB実証事業の意義と背景
ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業は、環境省が推進する建築物の脱炭素化促進政策の中核に位置する事業です。建築・不動産分野は日本全体のCO2排出量の約3割を占めており、民間建築物の大規模ZEB化は2050年カーボンニュートラル達成に向けて極めて重要な課題となっています。
本事業は特に「ZEB設計ノウハウが確立されていない大規模建築物」を対象としており、病院・工場・物流施設・大型商業施設等、標準化が進んでいない建築用途でのZEB実証を通じて、業界全体のノウハウ蓄積・普及を図ることが政策的な目的です。
ZEBとは:4段階のランクと本事業の位置付け
ZEBには以下の4段階のランクがあります:
- ZEB:年間一次エネルギー消費量を100%以上削減(再エネ含む)
- Nearly ZEB:75%以上削減
- ZEB Ready:50%以上削減
- ZEB Oriented:大規模建築物等で40%/30%以上削減
本事業では先進的な技術を活用した高度なZEB化が評価されます。目標とするZEBランクと達成方法は申請計画の核心となりますので、建築・設備設計の専門家と連携して詳細設計を行ってください。
申請主体の多様性:建築主だけではない
本事業の大きな特徴の一つが、多様な主体が申請主体となれる点です:
- 建築主:建物オーナー・デベロッパー等。最も標準的な申請主体。補助金を受けて自社の建物をZEB化。
- ESCO事業者:省エネ効果を保証して投資回収するサービスを提供する事業者。建物オーナーに代わって申請・設備投資し、省エネ効果から回収。
- リース事業者:ZEB化設備をリースで提供する事業者。補助金を活用してリース料を抑制。
- アグリゲーター:複数の需要家の電力需要を束ねて電力市場・需給調整市場に参加するサービス提供者。
実証データ収集・公開の義務
本事業は単なる設備補助ではなく、「ZEB運用実績の蓄積・公開」が重要な義務として課されています。採択された場合、以下のデータ収集・報告が求められます:
- 建物全体・用途別のエネルギー消費量(電力・熱等)の計測データ
- 太陽光発電等の創エネ量データ
- ZEB達成状況(BEI実績値)の継続的な報告
- 先進技術の効果・課題に関する実証報告
審査の重点ポイント
ZEB実証事業の審査では以下の観点が特に重視されます:
- 先進技術の革新性:既存の標準的ZEB手法を超えた、新しい技術・手法を採用しているか
- ZEB達成の確実性:エネルギーシミュレーション等により、目標とするZEBランクの達成が確実に見込めるか
- 実証データの有用性:業界全体のZEBノウハウ普及に貢献する有用なデータが収集できるか
- 費用対CO2削減効果:投資額に対して十分なCO2削減効果が見込めるか