排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業(事業Ⅱ(化学・紙パルプ・セメント等))(公募申請)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
大規模脱炭素投資への手厚い補助
本補助金の最大の特徴は、通常の補助金では対応しきれない大規模な設備投資を支援する点にあります。化学プラントの製造ライン転換やセメント製造設備の燃料切り替えなど、数億円から数十億円規模の投資が必要となるケースにも対応できる制度設計となっています。補助上限額は公募要領で個別に設定されるため、事前に詳細を確認することが重要です。
3区分の申請類型で柔軟に対応
事業Ⅱでは「燃料転換」「製造プロセス転換」「構造転換」の3つの区分が設けられており、自社の脱炭素化の取り組みステージに応じて最適な区分を選択できます。最も補助率が高い「構造転換(補助率1/2以下)」は、業界の事業構造そのものを変革する取り組みを対象としており、野心的な投資計画を持つ企業に適しています。
国際競争力強化との両立を評価
本補助金は単なる環境投資ではなく、グリーン製品の供給力確保や国際競争力の維持・強化につながる投資を高く評価します。輸出型事業では付加価値領域のグリーン化、内需型事業では脱炭素化とコスト競争力の両立を目指す取り組みが採択されやすい傾向があります。
全国の法人が対象
補助対象事業者は日本国内に拠点を持つ法人であれば、業種を問わず応募が可能です。ただし実態としては、製造業を中心とするCO2多排出産業に属する事業者が主な対象となっています。事業終了後も設備の管理・運営に責任を持てることが要件とされています。
構造転換申請時の二重申請対応
構造転換区分で申請した場合、審査の過程で要件を充足していないと判断された場合でも、自動的に「燃料転換・製造プロセス転換」区分として審査が継続される仕組みとなっています。この場合、補助率が1/2以下から1/3以下に変更されるため、申請書類には両パターンの費用内訳を明示的に記載する必要があります。
ポイント
対象者・申請資格
法人格の要件
- 日本国内に本社または事業所を持つ法人であること
- 個人事業主は対象外となります
事業継続能力の要件
- 事業終了後も設備・建物等の管理・運営に責任を持てる法人であること
- 補助事業完了後の設備維持管理体制が整っていること
対象業種(実質的な対象)
- 化学工業(石油化学、有機化学品製造業等)
- 紙パルプ製造業(製紙業、パルプ製造業等)
- セメント製造業および窯業・土石製品製造業
- 鉄鋼業(高炉、電炉等)
- その他CO2排出量が多く、削減が技術的・経済的に困難な製造業
対象となる投資内容の要件
- 従来型製造プロセスから低排出型製造プロセスへの転換に必要な設備投資
- 石炭等の化石燃料を使用する自家発電設備・ボイラー等から低排出燃料への転換に必要な設備投資
- 上記に付随する建物・附帯設備等への投資
- CO2排出削減効果等の要件を満たすこと(具体的な基準は公募要領を参照)
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:公募要領の入手と精読
事務局(hta-process.jp)から公募要領を入手し、補助対象要件・補助率・補助上限額・審査基準を詳細に確認します。構造転換・燃料転換・製造プロセス転換の各区分の違いを理解したうえで、自社の申請区分を決定します。
ステップ2:事前相談の実施
コールセンター(03-6734-7800、平日9時〜17時)に早期に連絡を取り、申請内容の適格性や書類作成の留意点について確認します。大規模案件の場合は専門コンサルタントの活用も検討してください。
ステップ3:申請書類の準備
投資計画書、CO2削減効果の計算書、経済的基準の根拠資料、様式第3(PPT・Excel)等の申請様式を準備します。構造転換区分で申請する場合は、構造転換あり・なしの2パターンの費用内訳を同一ファイル内に綴じ込む必要があります。
ステップ4:電子申請
jGrantsシステム等を通じて電子申請を行います。申請様式のバージョンが更新されることがあるため、最新版を使用していることを確認してください(様式末尾の更新日表示を確認)。
ステップ5:審査・採択
提出書類をもとに事務局および有識者による審査が行われます。採択後は補助金交付申請、事業実施、完了報告という流れになります。
ポイント
審査と成功のコツ
早期の公募要領確認と事前相談
CO2削減効果の定量的な裏付け
産業競争力強化との連携を強調
構造転換申請の二重書類対策
専門家・コンサルタントの活用
ポイント
対象経費
対象となる経費
製造プロセス転換設備費(3件)
- 低排出型製造プロセスへの転換に必要な製造設備
- プロセス転換に伴う反応炉・蒸留塔等の化学設備
- 製造ライン全体の更新に必要な機械装置
燃料転換設備費(3件)
- 石炭・石油等化石燃料ボイラーから低排出燃料ボイラーへの更新
- 自家発電設備(ガスタービン、燃料電池等)の導入
- 水素・アンモニア等次世代燃料対応バーナー・燃焼設備
附帯工事費(3件)
- 設備設置に必要な建屋改修・基礎工事
- 配管・電気・計装工事等の附帯設備工事
- 既存設備の撤去・解体工事(新設備導入に必要な場合)
エンジニアリング費(3件)
- 設備設計・基本設計・詳細設計費
- 施工管理・プロジェクトマネジメント費
- 試運転・立ち上げ支援費
設備導入に伴うシステム費(3件)
- 製造プロセス制御システム(DCS・PLCの更新)
- エネルギー管理システム(EMS)の導入
- 排出量モニタリングシステム
輸送・据付費(2件)
- 大型製造設備の輸送費
- クレーン・重機を使用した据付・組立費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 既存設備の通常の修繕・メンテナンス費用
- 省エネ効果があるがCO2排出削減に直結しない設備投資
- 土地の取得費および賃借料
- 人件費(従業員の給与・賞与等)
- 消耗品・部品等の調達費用(設備の一部でないもの)
- 販売促進・広告宣伝費
- 研究開発段階にある設備(社会実装に至っていないもの)
よくある質問
Q事業Ⅱの「構造転換」と「製造プロセス転換」の違いは何ですか?
「製造プロセス転換」は既存の製造ラインを低炭素型プロセスに切り替える投資を指し、補助率は1/3以下が目安です。「構造転換」はより抜本的な事業構造の変革を伴う取り組みで、補助率が最大1/2以下と高く設定されています。構造転換で申請した場合、審査の結果として要件を充足しないと判断されても、自動的に製造プロセス転換の区分として再審査が行われます。その際、補助率が1/3以下に変更されるため、申請書類には両パターンの費用内訳を1つのファイルに明示する必要があります。
Q補助上限額はいくらですか?
公募要領に個別に定められており、本補助金データベースには明示されていません。大型の設備投資に対応した高額な補助上限が設定されているケースが多いですが、必ず最新の公募要領をご確認ください。また、補助上限額は区分(構造転換・燃料転換・製造プロセス転換)によっても異なる場合があります。
Q中小企業でも申請できますか?
法人であれば規模を問わず申請の資格があります。ただし、本補助金の主な対象は化学・紙パルプ・セメント等のCO2多排出製造業であり、数億円〜数十億円規模の大型設備投資を伴うケースが多いため、実態としては中堅・大企業が主な申請者となっています。中小製造業でも対象業種に該当し、公募要領の要件を満たす設備投資を計画している場合は、積極的に申請を検討する価値があります。
Q申請様式が公募期間中に更新されました。どうすればよいですか?
更新後の最新様式を使用して申請してください。様式の末尾に「(241016差替)」のように更新日が記載されており、これが更新版のサインです。古い様式で申請すると不備扱いとなる可能性があるため、提出直前に事務局ウェブサイト(hta-process.jp)で最新版を確認することを強くお勧めします。
Q省エネ補助金と重複して申請することはできますか?
同一の設備・事業に対して複数の国費補助金を重複受給することは原則として禁止されています。ただし、補助対象の設備・事業範囲が明確に分離されている場合は、異なる補助金を活用できる可能性があります。具体的な組み合わせの可否については、各補助金の事務局に個別に確認することが必要です。また、日本政策投資銀行等のグリーンローンとの組み合わせは、補助金とは性質が異なるため一般的に問題ありません。
Q申請にあたって専門家のサポートは必要ですか?
必須ではありませんが、本補助金は申請書類の量・複雑さ・審査基準の高さから、GX補助金に精通した専門コンサルタントの活用が有効です。特に構造転換区分での申請は、書類の作成ルールが独特であり、CO2削減効果の定量化や事業計画の記述に専門知識が求められます。一般的には成功報酬型(補助金獲得額の数%)の支援サービスを利用することで、採択率向上と準備工数の削減が期待できます。
Q公募はいつ行われますか?
現在の公募状況はclosedとなっています。次回公募の時期については、事務局ウェブサイト(hta-process.jp)や経済産業省の発表をご確認ください。GX政策の推進に伴い、継続的な公募が行われることが見込まれますが、具体的なスケジュールは公式情報をご参照ください。
Q事前相談は必須ですか?
必須ではありませんが、申請前にコールセンター(03-6734-7800、平日9時〜17時)に相談することを強くお勧めします。自社の投資計画が補助対象となるかどうか、申請区分の選択が適切かどうかを事前に確認することで、申請書類作成の方向性が明確になり、不採択リスクを大幅に低減できます。特に大型案件の場合、早期相談によって的確なアドバイスを受けることができます。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金はGX(グリーントランスフォーメーション)推進のための国の重点施策であり、他の国の補助金との原則的な重複申請は認められていません。ただし、以下の点を踏まえた戦略的な活用が可能です。一般的には、同一の設備・事業に対して複数の国費補助金を重複受給することは禁止されていますが、補助対象の設備や事業範囲が明確に分離されている場合は、一部の組み合わせが認められるケースがあります。例えば、製造プロセス転換に関わる設備は本補助金で対応し、付随する省エネ改修部分については「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」等の省エネ補助金を活用するといった組み合わせが考えられます。また、融資との組み合わせとして、日本政策投資銀行(DBJ)や民間金融機関のグリーンローン・サステナビリティリンクローンと本補助金を組み合わせることで、大型投資の資金調達を多層的に構成することが効果的です。自治体独自の脱炭素補助金との組み合わせについても、都道府県や政令指定都市によってはGX投資を支援する独自制度を設けているケースがあり、国の補助金と自治体補助金の重複可否を個別に確認したうえで、最大限の補助活用を図ることが推奨されます。
詳細説明
補助金の背景と政策的意義
本補助金「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業(事業Ⅱ)」は、日本政府が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)政策の重要な柱の一つです。化学、紙パルプ、セメントといった素材産業は、日本のものづくり基盤を支える一方で、製造プロセスの性質上CO2排出削減が技術的・経済的に困難な「ハードトゥアベイト(Hard-to-Abate)産業」とも呼ばれています。これらの産業では、単なる省エネルギーでは不十分であり、製造プロセスそのものを抜本的に変革する大規模な設備投資が不可欠です。
本補助金はこうした産業の脱炭素化を加速するため、国がリスクマネーを提供することで民間投資を誘発し、カーボンニュートラルと産業競争力強化を同時に実現することを目的としています。
事業区分と補助率の詳細
事業Ⅱでは主に3つの申請区分が設けられています。
- 燃料転換:石炭・重油等の化石燃料を使用するボイラー・自家発電設備を、水素・アンモニア・バイオマス等の低排出燃料に対応した設備に切り替える投資を支援します。補助率は一般的に1/3以下とされています。
- 製造プロセス転換:従来のCO2排出量が多い製造プロセスを、低排出型の製造プロセスへ転換するための設備投資を支援します。こちらも補助率は1/3以下が目安です。
- 構造転換:業界・産業の事業構造そのものを変革する取り組みで、上記2区分より高い補助率(1/2以下)が適用されます。ただし、審査の結果、構造転換の要件を充足していないと判断された場合は、自動的に燃料転換・製造プロセス転換の区分(補助率1/3以下)として再審査されます。
対象となる主な投資内容
以下のような設備投資が補助の対象として想定されます(詳細は公募要領を参照)。
- 電炉・水素還元製鉄設備等、低炭素型の素材製造設備への転換
- 化学プラントにおけるバイオマス原料対応設備・電化対応設備の導入
- 紙パルプ工場における化石燃料ボイラーからバイオマスボイラーへの転換
- セメント工場における廃棄物・バイオマス燃料対応設備の導入
- 水素・アンモニア燃焼対応バーナーおよびその周辺設備
- 製造プロセス転換に伴うエネルギー管理・制御システムの更新
申請にあたっての重要事項
本補助金の申請では、特に以下の点に注意が必要です。
- 構造転換区分での二重書類作成:構造転換区分で申請する場合、申請書類には「構造転換あり」と「構造転換なし(燃料転換・製造プロセス転換のみ)」の2パターンの内容を、同一ファイルの中に綴じ込む必要があります。パワーポイントはスライド右上に区分名を赤枠で明記、Excelはシートを複製してシート名に区分を記載するルールが定められています。
- 様式の更新に注意:公募期間中に申請様式が複数回更新されることがあります(過去には2024年9月〜10月に複数回更新あり)。常に最新版の様式を使用していることを確認してください。様式末尾の更新日表示(例:「241016差替」)で確認できます。
- CO2削減効果の定量化:申請書には投資によるCO2削減効果を定量的に示す必要があります。現状の排出量と削減後の見込み排出量の差を、科学的根拠に基づいて算出・記載する準備が必要です。
事務局・問い合わせ先
申請に関する質問はコールセンター(電話番号:03-6734-7800、平日9時〜17時)で受け付けています。大型案件の場合は早期に相談することで、申請内容の適格性確認や書類作成の留意点について具体的なアドバイスが得られます。また、事務局ウェブサイト(hta-process.jp)では公募要領・申請様式・FAQ等が公開されています。
GX時代における戦略的活用
本補助金は、単なる補助金の枠を超え、日本の素材産業がGX時代に生き残るための戦略的投資の一部として位置づけるべきものです。グローバルに拡大するカーボンニュートラル規制(EUのCBAM等)に対応したグリーン製品の供給力を確保することは、輸出産業にとって事業継続の根幹に関わる問題です。本補助金を活用した脱炭素投資は、規制対応コストの軽減だけでなく、グリーン製品プレミアムによる収益向上、グリーン調達を重視する大手顧客との取引維持・拡大にも直結します。補助金獲得を目的化するのではなく、自社のGX戦略全体の中に本補助金を有機的に組み込むアプローチが、長期的な競争力強化につながります。
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