令和6年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業(超高層ZEH-M実証事業)※後年度事業※
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
超高層集合住宅に特化したZEH-M実証
21層以上の超高層集合住宅を対象とする唯一のZEH-M支援事業です。超高層ではフロアごとの日射条件や風圧の差異が大きく、ZEH設計ノウハウが未確立のため、実証を通じた技術的知見の蓄積が期待されています。一般的なZEH補助金とは異なり、建築物の高層化に伴う固有の技術的課題を解決するための設計手法を検証する点に独自性があります。
補助上限3億円・補助率1/2以内の大型支援
1事業あたり最大3億円の補助が受けられる大型支援制度です。超高層集合住宅の建設には多額の投資が必要となるため、補助対象経費の1/2以内という補助率が設定されています。高性能建材・高効率設備・再エネ設備等の追加コスト負担を大幅に軽減できることから、デベロッパーにとって超高層ZEH-Mへの挑戦を後押しする有力な財源となります。
ZEHデベロッパー登録制度との連動
本事業への応募にはSIIへのZEHデベロッパー登録が必須条件です。登録を通じて、ZEH-M普及に取り組む意志と実績が確認されます。登録デベロッパーは公式サイトで公開されるため、ZEH推進企業としてのブランド価値向上にもつながります。
後年度事業としての継続支援体制
令和5年度以前に複数年度事業として採択済みの案件に対する後年度の継続支援です。長期にわたる超高層建築プロジェクトの特性を踏まえ、複数年度にまたがる事業執行を前提とした制度設計がなされています。年度をまたぐ大規模建設工事の資金繰りを安定させる仕組みとなっています。
2050年カーボンニュートラルに直結する住宅政策
本事業は環境省が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けた住宅・建築物分野の中核施策です。超高層マンションのZEH化で得られる設計ノウハウは、将来的に標準仕様として業界全体へ波及することが見込まれ、事業参画が業界の先導者としてのポジション確立に寄与します。
ポイント
対象者・申請資格
申請主体の要件
- ZEHデベロッパー登録をSIIで完了していること(未登録の場合は事前に登録手続きが必要)
- 令和5年度以前に本事業(超高層ZEH-M実証事業)の複数年度事業として既に採択されていること
- 新規公募ではないため、過去に採択実績がない事業者は本公募の対象外
建物の要件
- 21層以上の超高層集合住宅であること
- 住棟全体でZEH-M基準(強化外皮基準を満たし、再エネを除く一次エネルギー消費量を20%以上削減)を満たすこと
- 高性能建材(高断熱窓・断熱材等)および高性能設備(高効率空調・給湯・換気・照明等)を導入すること
事業計画の要件
- 採択時に承認された事業計画に基づき、後年度分の事業を継続実施すること
- 導入設備のエネルギー性能について、SIIが定める基準を満たすこと
- 事業完了後のエネルギー消費量の計測・報告に協力すること
- 補助事業の成果を広く公開し、ZEH-M普及に貢献すること
ポイント
あなたは対象?かんたん診断
8問の質問に答えるだけで、この補助金の対象かどうかを簡易診断できます。
申請ガイド
後年度事業の手続きの流れ
本事業は後年度事業のため、通常の新規公募とは手続きが異なります。過去に採択された事業計画に基づき、当該年度分の交付申請手続きを行います。 1. SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)からの後年度事業に関する案内通知を確認 2. 当該年度分の交付申請書および事業実施計画書を作成 3. 前年度までの事業進捗状況報告書を準備 4. SIIの指定する期限までに必要書類一式を提出 5. 審査・交付決定後、当該年度の事業に着手 6. 中間報告・完了報告をSIIへ提出
申請時の留意事項
・交付決定前の経費支出は補助対象外となるため、必ず交付決定後に着手すること ・事業計画に変更が生じた場合は、速やかに計画変更承認申請を行うこと ・年度ごとに精算払いが原則であり、実績報告に基づく額の確定手続きが必要 ・SIIが開催する説明会や個別相談の機会を積極的に活用すること
ポイント
審査と成功のコツ
設計段階での性能最適化が鍵
高性能設備の選定と組み合わせ最適化
実証データの蓄積と報告の質を高める
工程管理と経費管理の徹底
ポイント
対象経費
対象となる経費
高性能建材(3件)
- 高断熱窓(Low-Eガラス・樹脂サッシ等)
- 高性能断熱材(外壁・屋根・床)
- 高気密部材・気密テープ等
高効率設備(4件)
- 高効率ヒートポンプ給湯器(エコキュート等)
- 高効率エアコン(省エネ基準達成型)
- 全熱交換型換気システム
- LED照明設備
再生可能エネルギー設備(3件)
- 太陽光発電パネル・パワーコンディショナー
- 蓄電池システム
- 太陽熱利用設備
エネルギー計測・管理設備(3件)
- HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)
- BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)
- 各住戸・共用部のエネルギー計測機器
設計費・工事費(3件)
- ZEH-M仕様への設計変更に伴う追加設計費
- 高性能建材・設備の設置工事費
- 省エネ性能の検証・試験費用
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 交付決定前に着手・発注した設備や工事の費用
- ZEH-M仕様でなくても必要となる標準的な建築躯体工事費(基礎・柱・梁等)
- 土地の取得費・造成費・賃借料
- 一般管理費・人件費(申請者の社員給与等)
- 他の国庫補助金と重複する同一経費
- 住戸内の家具・家電製品等の購入費
- モデルルーム・販売促進関連の費用
よくある質問
Q新規でこの補助金に応募することはできますか?
いいえ、本公募は令和5年度以前に複数年度事業として既に採択された事業者の後年度事業のみが対象です。新規の応募はできません。今後の参画を検討される場合は、SII公式サイトで次年度以降の新規公募情報をご確認ください。
QZEHデベロッパー登録はどのように行いますか?
SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の公式サイトからZEHデベロッパー登録の申請を行います。登録にはZEH-Mの普及目標やロードマップの策定・公表が必要です。登録が完了するとSIIサイトで公開されます。本事業は後年度事業ですが、登録は継続して有効である必要があります。
Q超高層の定義は何階建て以上ですか?
本事業における超高層集合住宅の定義は21層以上です。20層以下の集合住宅は別のZEH-M支援事業(高層ZEH-M実証事業等)の対象となる可能性がありますので、SIIの他の公募情報をご確認ください。
Q補助上限3億円は住棟単位ですか、住戸単位ですか?
補助上限3億円は1事業あたりの上限額です。超高層マンション1棟の建設プロジェクト全体に対して適用されます。住戸単位ではなく、住棟全体のZEH-M化に必要な高性能建材・設備・再エネ設備等の追加費用が補助対象となります。
Q太陽光発電パネルの設置量が少なくてもZEH-M基準を満たせますか?
はい、ZEH-Mにはエネルギー削減率に応じた4段階の定義(ZEH-M、Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Oriented)があります。超高層では屋上面積が限られるため、再エネを除く一次エネルギー消費量の20%以上削減(ZEH-M Oriented相当)を基本としつつ、可能な範囲で再エネを導入する設計が現実的です。
Q後年度事業で事業計画を変更することはできますか?
事業計画の変更は可能ですが、事前にSIIへの計画変更承認申請が必要です。変更内容によっては補助金額の見直しが生じる場合もあります。設計変更や工期変更等が発生した場合は、速やかにSIIへ相談してください。無断での計画変更は補助金返還の対象となる可能性があります。
Q竣工後にどのような報告義務がありますか?
実証事業であるため、竣工後にHEMS・BEMSで計測したエネルギー消費量データをSIIへ定期報告する義務があります。報告期間や項目はSIIの指示に従いますが、住戸単位・共用部単位の詳細なデータ収集が求められます。これらのデータは超高層ZEH-Mの設計指針策定に活用されます。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本事業は環境省の補助金であるため、経済産業省・国土交通省が実施する他のZEH関連補助金との直接的な併用は原則として認められません。ただし、同一建物の異なる部位・経費について明確に区分できる場合は、個別に確認が必要です。 超高層マンションの開発では、自治体独自の環境配慮建築物に対する助成制度(東京都のZEV補助等)が活用できる可能性があります。国の補助金と自治体補助金の併用可否は自治体ごとに異なるため、所在地の担当窓口へ事前確認を推奨します。 関連制度として、住宅金融支援機構の「フラット35S(ZEH)」は購入者向けの金利優遇であり、本補助金とは対象者が異なるため競合しません。ZEH-M認定を受けた物件は購入者に金利優遇メリットを訴求でき、販売面での差別化にもつながります。 また、環境省のJ-クレジット制度を活用し、ZEH-M化による省エネ効果をクレジット化して収益を得る方法も中長期的に検討できます。補助金終了後の運用フェーズにおける収益モデルとして有効です。
詳細説明
超高層ZEH-M実証事業(後年度事業)の概要
本事業は、環境省が推進する「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業」の一環として、超高層集合住宅(21層以上)におけるZEH-M化を実証的に支援する制度です。一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が事務局を務めています。
ZEH-M(ゼッチ・マンション)とは、マンション全体の年間一次エネルギー消費量を大幅に削減し、ネット・ゼロ・エネルギーに近づけた集合住宅のことです。戸建住宅のZEHと異なり、集合住宅では共用部のエネルギー消費や住戸間の断熱性能の違い等、マンション特有の技術的課題があります。特に21層以上の超高層ではこれらの課題が顕著となるため、本事業を通じた実証と設計ノウハウの確立が求められています。
後年度事業の位置づけ
本公募は令和5年度以前に複数年度事業として既に採択された事業者を対象とした「後年度事業」です。超高層マンションの建設は数年にわたるため、採択時に承認された事業計画に基づき、年度ごとに交付申請を行い事業を継続する仕組みとなっています。
そのため、新規の事業者が本公募に応募することはできません。今後新たにZEH-M実証事業への参画を検討される場合は、SIIの公式サイトで次年度以降の新規公募情報をご確認ください。
補助対象と補助率
補助対象経費は、ZEH-M仕様を実現するために必要な高性能建材(高断熱窓・断熱材等)、高効率設備(ヒートポンプ給湯・全熱交換換気・LED照明等)、再エネ設備(太陽光発電・蓄電池等)、およびエネルギー計測設備(HEMS・BEMS)の導入費用です。補助率は補助対象経費の1/2以内、補助上限額は1事業あたり3億円となっています。
超高層ZEH-Mの技術的ポイント
外皮性能の最適化
超高層マンションでは、上層階ほど風圧が強く日射条件も異なるため、フロアゾーンごとの外皮性能設計が不可欠です。高性能Low-Eガラスや樹脂サッシの採用に加え、各階の方位・高さに応じた断熱仕様の最適化が求められます。
設備の高効率化
超高層では屋上面積が総住戸数に対して限られるため、太陽光発電だけでエネルギー収支をゼロにすることは困難です。そのため、各住戸の給湯・空調・換気・照明の徹底的な高効率化によって基準一次エネルギー消費量を大幅に削減し、限られた再エネ発電量で目標を達成する設計アプローチが重要となります。
共用部の省エネ対策
超高層マンションではエレベーター・給水ポンプ・共用廊下照明等の共用部エネルギー消費が無視できません。共用部にもLED化・人感センサー・高効率モーター等を導入し、住棟全体でのエネルギー削減を実現する必要があります。
ZEHデベロッパー登録について
本事業の応募にはSIIへの「ZEHデベロッパー登録」が必須です。登録要件として、ZEH-Mの普及目標やロードマップの策定・公表が求められます。登録デベロッパーはSIIの公式サイトで一覧公開されるため、環境配慮型住宅に積極的な企業としての社会的評価向上にもつながります。
実証事業としての報告義務
本事業は単なる設備投資補助ではなく「実証事業」です。そのため、竣工後のエネルギー消費量の計測・報告が義務付けられています。HEMS・BEMSを活用した住戸単位・共用部単位の詳細なエネルギーデータの収集体制を整備し、SIIへの定期報告を行う必要があります。これらのデータは、超高層ZEH-Mの設計指針策定や将来の制度設計に活用されます。
事業スケジュールと経費管理
後年度事業では、年度ごとに交付申請・交付決定・事業実施・実績報告・額の確定という一連の手続きを繰り返します。特に重要なのは、交付決定前に発生した経費は補助対象外となる点です。建設工事の各フェーズと年度別予算配分を緻密に計画し、交付決定後に速やかに着手できるよう、事前の準備と工程管理を徹底してください。事業計画に変更が生じた場合は、事前に計画変更承認申請が必要です。