令和6年度安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
最大1,850万円の2フェーズ一貫支援
本事業の最大の魅力は、製品の開発段階から市場普及段階までを切れ目なく支援する2フェーズ構成です。開発・改良フェーズで上限1,500万円(助成率2/3以内)、普及促進フェーズで上限350万円(助成率1/2以内)と、合計最大1,850万円の助成を受けることができます。開発だけで終わらず、製品を市場に届けるところまで支援する点が他の補助金と一線を画しています。
助成率2/3の高い補助水準
開発・改良フェーズの助成率は対象経費の2/3以内と、一般的な補助金(1/2〜1/3)と比較して非常に高い水準です。資金力に限りのある中小企業にとって、自己負担を抑えながら本格的な製品開発に取り組める大きなメリットがあります。1,500万円の上限額も、試作品製作や外部委託を含む本格的な開発プロジェクトに十分対応できる規模です。
普及促進フェーズで市場投入をサポート
開発した製品を実際に市場で普及させるため、先導的ユーザーへの導入費用(上限200万円、特例300万円)と展示会出展・広告費(上限150万円、特例250万円)が助成されます。開発した製品のPoC(概念実証)を先導的ユーザーで実施し、その実績を基に本格展開するという戦略的なマーケティングが可能です。
最長1年9か月のゆとりある開発期間
開発・改良フェーズの助成対象期間は令和6年11月から最長令和8年7月までの1年9か月間です。短期間での成果を求められる補助金とは異なり、技術的な試行錯誤や改良を繰り返しながら、品質の高い製品開発に取り組むことができます。
幅広い経費区分で柔軟な予算設計
原材料費、機械装置費、委託費、産業財産権出願費、直接人件費と、製品開発に必要な主要経費がほぼ網羅されています。特に直接人件費が対象に含まれている点は、開発専任スタッフの人件費を確保できるため、中小企業にとって非常に実用的です。
ポイント
対象者・申請資格
法人の場合
- 令和6年7月1日時点で東京都内に登記簿上の本店または支店があること
- 令和6年7月1日時点で都内事業所で実質的に1年以上事業を行っていること
- 助成事業の成果を活用し、東京都内で引き続き事業を営む予定であること
- 中小企業者等に該当すること(中小企業基本法に基づく規模要件)
個人事業主の場合
- 令和6年7月1日時点で税務署に提出した開業届により都内所在地が確認できること
- 令和6年7月1日時点で都内事業所で実質的に1年以上事業を行っていること
- 助成事業の成果を活用し、東京都内で引き続き事業を営む予定であること
テーマ要件
- 「安全・安心」をテーマとする製品・技術の開発であること
- 防災、防犯、感染症対策、インフラ安全管理、交通安全など東京の安全・安心に貢献する内容
- 実用化・事業化の見通しがあること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:募集要項の確認と事前準備
まず東京都中小企業振興公社のWebサイトから募集要項を入手し、応募資格・テーマ要件・助成対象経費を確認します。自社の製品開発計画が「安全・安心」のテーマに合致するか、客観的に評価してください。
ステップ2:事業計画書の作成
開発する製品・技術の概要、開発スケジュール、期待される成果、市場性、事業化計画を具体的に記載した事業計画書を作成します。技術的な新規性・優位性と、東京の安全・安心への貢献度を明確にアピールすることが重要です。
ステップ3:経費見積の精査と予算計画
各経費区分(原材料費、機械装置費、委託費、産業財産権出願費、直接人件費)の見積書を取得し、適正価格であることを確認します。2フェーズそれぞれの予算配分も検討してください。
ステップ4:必要書類の収集と申請書提出
法人の場合は登記簿謄本、決算書、会社案内等、個人事業主の場合は開業届の控え、確定申告書等を準備します。申請書類一式を期限内に提出してください。
ステップ5:審査対応(書類審査・面接審査)
書類審査を通過すると面接審査が実施されます。開発の技術的実現可能性、市場性、安全・安心への貢献度について、経営者自身がプレゼンテーションで説明できるよう準備してください。
ステップ6:交付決定後の事業実施
採択後は交付決定通知に基づき事業を実施します。経費の支出は交付決定日以降に行い、計画変更がある場合は事前に届出が必要です。中間検査・完了検査に備えて証拠書類を整理して保管してください。
ポイント
審査と成功のコツ
安全・安心テーマとの整合性を明確にする
技術的な新規性・優位性を具体的に示す
実現可能性の高い開発スケジュールを設計する
普及促進戦略を具体的に描く
経費積算の妥当性を担保する
ポイント
対象経費
対象となる経費
原材料・副資材費(3件)
- 試作品製作のための原材料費
- 部品・材料の購入費
- 副資材・消耗品費
機械装置・工具器具費(3件)
- 試作・開発用機械装置の購入費
- 工具・器具の購入費
- 計測機器・試験装置のリース費
委託費(3件)
- 試験・分析の外部委託費
- 設計・デザインの外部委託費
- 性能評価・認証試験の委託費
産業財産権出願・導入費(4件)
- 特許出願費用
- 実用新案登録費用
- 特許調査費用
- ライセンス導入費
直接人件費(2件)
- 開発専任スタッフの人件費
- 技術者の人件費(開発従事分)
先導的ユーザーへの導入費用(普及促進フェーズ)(4件)
- 導入先への製品提供に係る原材料費
- 導入に必要な機械装置費
- 導入支援の委託費
- 導入に伴う直接人件費
展示会出展・広告費(普及促進フェーズ)(3件)
- 展示会の出展料・装飾費
- 展示物の製作費
- 広告宣伝費(Web広告、印刷物等)
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 土地・建物の購入費や賃借料
- 汎用性のある備品(パソコン、プリンター、事務机等)の購入費
- 間接経費(光熱水費、通信費、事務用品費等)
- 交通費・旅費・宿泊費
- 交際費・接待費・飲食費
- 消費税および地方消費税
- 既に完了した開発や発注済みの経費
- 他の補助金・助成金で助成対象となっている経費
よくある質問
Q「安全・安心」のテーマとは具体的にどのような分野が対象ですか?
防災(地震・風水害対策製品、避難支援システム等)、防犯(監視カメラ技術、セキュリティシステム等)、感染症対策(非接触技術、空気清浄・殺菌装置等)、インフラ安全管理(構造物点検技術、老朽化検知センサー等)、交通安全(自動運転支援、歩行者安全システム等)、サイバーセキュリティなど、東京の安全・安心に貢献する幅広い分野が対象となります。募集要項に記載のテーマ例を確認し、自社の開発計画との整合性を確認してください。
Q開発・改良フェーズと普及促進フェーズは両方に申請する必要がありますか?
申請時に両フェーズの計画を記載しますが、普及促進フェーズは開発・改良フェーズの成果を前提としており、開発フェーズの完了検査後に実施となります。開発フェーズで確実に成果を上げた上で普及促進フェーズに進むという流れになるため、まずは開発計画の完成度を高めることに注力してください。なお、普及促進フェーズのみの申請はできません。
Q助成金はいつ支払われますか?事業期間中の資金繰りはどうすればよいですか?
助成金は原則として精算払い(事業完了後の支払い)です。事業期間中は自己資金で経費を立て替える必要があるため、十分な運転資金の確保が必要です。最大1,850万円の助成に対応する立替資金として、金融機関からのつなぎ融資や東京都の制度融資の活用を事前に検討しておくことをお勧めします。採択決定書を持参すれば、金融機関も融資に前向きに対応してくれるケースが多いです。
Q直接人件費はどのように計算されますか?
直接人件費は、助成事業に直接従事するスタッフの人件費が対象です。対象者の給与・賞与をベースに、助成事業への従事時間割合で按分して算出します。日報や勤務記録で従事時間を明確に記録・管理することが必要です。間接部門(経理、総務等)の人件費や、役員報酬は対象外となるのが一般的です。人件費の積算根拠は審査でも確認されるため、合理的な算出方法を事前に整理しておいてください。
Q設立1年未満の企業でも申請できますか?
残念ながら、令和6年7月1日時点で都内事業所において実質的に1年以上事業を行っていることが応募資格の要件です。設立1年未満の企業は本事業への申請はできません。ただし、都内に支店を設置してから1年以上経過している場合や、個人事業から法人成りした場合で個人事業時代から通算して1年以上の事業実績がある場合は、要件を満たす可能性があります。詳細は事務局にご確認ください。
Q先導的ユーザーへの導入費用助成とは具体的にどのような費用ですか?
開発した製品・技術を実際のユーザー企業(先導的ユーザー)に試験的に導入する際の費用が対象です。具体的には、導入先への製品提供に必要な原材料費、設置に必要な機械装置費、導入支援のための委託費、導入作業に従事する人件費が含まれます。上限200万円(特例300万円)で助成率は1/2以内です。先導的ユーザーでの導入実績は、その後の本格的な販路開拓における強力なエビデンスとなります。
Q他の補助金と併用することはできますか?
同一の経費に対して他の補助金・助成金と二重に受給することはできません。ただし、本事業と異なる経費項目や異なる事業フェーズについて、別の補助金を活用することは可能です。例えば、本事業で製品開発を行い、別途「市場開拓助成事業」で海外展示会出展費用を賄うといった組み合わせが考えられます。併用を検討する場合は、経費の区分を明確にし、各事務局に事前相談することを強くお勧めします。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本事業は東京都独自の助成金であり、同一経費への二重助成は認められませんが、異なる経費項目や事業フェーズで他の補助金と戦略的に組み合わせることが可能です。例えば、製品開発の基礎研究段階では国の「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」を活用し、安全・安心テーマに特化した応用開発段階で本事業を利用するという時系列での使い分けが考えられます。また、開発した製品の海外展開を視野に入れる場合は、JETROの海外展開支援事業や東京都の「海外展開支援助成事業」との併用も検討できます。販路開拓面では、東京都中小企業振興公社の「市場開拓助成事業」が本事業の普及促進フェーズを補完する形で活用できる場合があります。さらに、知的財産戦略の強化には「外国特許出願費用助成事業」の併用も有効です。いずれの場合も、助成対象経費の重複がないよう明確に区分し、各制度の事務局に事前相談することを強くお勧めします。
詳細説明
事業の目的と背景
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」は、東京都が都内中小企業の技術力を活用し、防災・防犯・感染症対策等の社会課題を解決する製品・技術の開発と普及を促進するために設けた助成制度です。近年、首都直下地震への備え、激甚化する風水害対策、新たな感染症リスクへの対応など、東京の安全・安心に関する課題は多様化・複雑化しています。本事業はこうした課題に対し、中小企業ならではの機動力と独自技術による革新的ソリューションの創出を支援します。
2フェーズ構成の詳細
本事業の最大の特徴は、開発・改良フェーズと普及促進フェーズの2段階構成により、製品の着想から市場投入までを一貫して支援する点です。
フェーズ1:開発・改良フェーズ
東京の安全・安心をテーマとする製品・技術の開発・改良・実用化を支援します。
- 助成限度額:1,500万円
- 助成率:対象経費の2/3以内
- 対象期間:令和6年11月1日〜最長令和8年7月31日(1年9か月以内)
- 対象経費:原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託費、産業財産権出願・導入費、直接人件費
開発フェーズでは、試作品の製作、性能試験、改良、実用化に至るまでの幅広い経費が助成対象となります。特に直接人件費が含まれている点は、専任の開発エンジニアを配置するための人件費確保に大きく貢献します。
フェーズ2:普及促進フェーズ
開発した製品・技術の市場普及を支援します。
- 助成限度額:350万円(内訳は下記)
- 先導的ユーザーへの導入費用:上限200万円(特例300万円)
- 展示会出展・広告費:上限150万円(特例250万円)
- 助成率:対象経費の1/2以内
- 対象期間:開発フェーズ完了検査日翌日から1年以内、または令和9年7月31日のいずれか早い日まで
先導的ユーザーへの導入費用助成は、開発した製品を実際のユーザー企業に導入し、実証データや導入事例を獲得するための費用をカバーします。この実績が本格的な販路開拓の強力な武器となります。
応募資格の詳細
応募できるのは以下の要件をすべて満たす中小企業者等です。
- 令和6年7月1日時点で東京都内に本店または支店の登記があること(法人の場合)
- 同時点で都内事業所において実質的に1年以上の事業実績があること
- 助成事業の成果を活用し、都内で引き続き事業を営む予定であること
- 個人事業主の場合は開業届により都内所在地が確認できること
審査のポイント
本事業の審査では、以下の観点が重要視されます。
- テーマとの整合性:開発する製品・技術が「安全・安心な東京の実現」にどう貢献するか
- 技術的新規性:既存技術・製品との差別化要素と技術的優位性
- 実現可能性:開発計画の具体性、技術的裏付け、実施体制の充実度
- 事業化見通し:市場規模、競合分析、販売戦略の妥当性
- 波及効果:東京の産業活性化や社会課題解決への広がり
申請から採択までの流れ
申請後は書類審査と面接審査の2段階で選考が行われます。面接審査では経営者または開発責任者がプレゼンテーションを行い、審査委員からの質疑に対応します。技術的な実現可能性だけでなく、市場ニーズの把握度や事業化への熱意も評価されるため、十分な準備が必要です。
採択後の事業運営における注意点
交付決定後は、計画に沿って事業を実施し、経費の適正な管理が求められます。
- 経費の支出は交付決定日以降に限られます(事前着手は対象外)
- 計画変更がある場合は事前に変更届を提出する必要があります
- 中間検査・完了検査があるため、帳簿・証拠書類の整理保管を徹底してください
- 助成金は精算払い(事業完了後の支払い)が原則です