フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業(事業化支援)補助金(第2期)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
補助率2/3・上限300万円の手厚い支援
フィンテック分野に特化した補助金として、補助率2/3は非常に高い水準です。上限300万円のため、実証実験のクラウド環境構築やAPI連携のための外部委託費など、事業化検証に必要な投資を大幅にカバーできます。自己負担は最大でも150万円程度に抑えられるため、スタートアップやアーリーステージの企業にとって資金面のハードルが大きく下がります。
金融事業者との協働が前提の独自スキーム
本補助金の最大の特徴は、フィンテック企業単独ではなく金融事業者等との協働による実証実験が支援対象である点です。銀行・証券・保険会社等との連携体制を構築することが採択の鍵となり、単なる技術開発補助とは一線を画します。協働パートナーの確保が申請準備の最重要タスクです。
対象経費がクラウド・委託・相談に特化
対象経費はクラウドサービス利用費、委託・外注費、専門家等への相談経費の3カテゴリに絞られています。人件費や設備費は対象外のため、外部リソースを活用した事業化検証モデルが求められます。逆に言えば、社内リソースが限られるスタートアップでも外部パートナーを活用すれば十分に活用できる設計です。
東京都のフィンテックエコシステム形成の一環
本事業は東京都のフィンテック産業振興策の一環として位置づけられており、採択企業は東京都のフィンテックコミュニティへのアクセスや、関連する支援プログラムとの接点が期待できます。補助金の金銭的支援に加え、都のネットワークを活用した事業展開の加速が見込めます。
ポイント
対象者・申請資格
企業形態・所在地要件
- 東京都内に登記簿上の本店または支店があること
- 革新的なアイデアや技術に基づくフィンテック企業等であること
- 法人格を有していること(個人事業主は対象外の可能性あり)
事業内容要件
- 金融事業者等との協働による実証実験を実施すること
- フィンテック分野における事業化を目指す取り組みであること
- 実証実験の具体的な計画と協働先が明確であること
その他要件
- 東京都税の滞納がないこと
- 暴力団等の反社会的勢力でないこと
- 同一事業で他の都補助金を受けていないこと
- 過去に本事業で不正受給等の実績がないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:協働パートナーの確保
まず金融事業者等の協働パートナーを確保します。銀行、証券会社、保険会社等に自社のフィンテックソリューションを提案し、実証実験の協力合意を取り付けましょう。パートナー選定は採択審査に直結するため、最も重要な準備です。
ステップ2:実証実験計画の策定
協働パートナーと共同で実証実験の具体的な計画を策定します。検証項目、スケジュール、必要経費(クラウド利用費・委託費・相談経費)を明確にし、事業化に向けたマイルストーンを設定します。
ステップ3:申請書類の作成・提出
公募要領に従い、事業計画書、経費明細書、企業概要書、協働先との連携体制を示す書類等を作成します。技術的な革新性と事業化の実現可能性を具体的に記載することがポイントです。
ステップ4:審査・採択
書類審査およびプレゼンテーション審査が行われます。フィンテック分野の専門家による評価を受けるため、技術的優位性と市場インパクトを明確に説明できるよう準備しましょう。
ステップ5:交付決定後の実施・報告
採択後、交付決定を受けてから事業を開始します。実証実験を計画通り遂行し、完了後に実績報告書を提出します。経費の証拠書類は全て保管してください。
ポイント
審査と成功のコツ
協働パートナーの質と関係性
技術的革新性の明確な説明
事業化までのロードマップ
経費計画の妥当性と具体性
第1期からの学びを活用
ポイント
対象経費
対象となる経費
クラウドサービス利用費(4件)
- AWS・Azure・GCP等のクラウドインフラ利用料
- SaaS型開発ツール・テスト環境の利用料
- API連携サービスの利用料
- データストレージ・データベースサービス利用料
委託・外注費(5件)
- システム開発・プログラミングの外部委託費
- UI/UXデザインの外注費
- セキュリティ診断・脆弱性テストの委託費
- データ分析・AIモデル構築の外部委託費
- API開発・インテグレーションの委託費
専門家等への相談経費(4件)
- 金融規制(資金決済法・銀行法等)に関する弁護士相談費
- 知的財産(特許・商標)に関する弁理士相談費
- 金融ビジネス戦略に関するコンサルティング費
- セキュリティ・コンプライアンス専門家への相談費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 自社従業員の人件費・給与
- オフィス賃料・光熱費等の固定費
- パソコン・サーバー等のハードウェア購入費
- 交通費・宿泊費・出張旅費
- 飲食費・交際費・接待費
- 消耗品費・事務用品費
- 交付決定前に発生した経費
- 他の補助金で補填される経費
よくある質問
Qフィンテック企業の定義は何ですか?どのような事業が対象になりますか?
フィンテック企業とは、革新的なアイデアや技術に基づき、金融サービスにテクノロジーを活用した事業を行う企業を指します。具体的には、キャッシュレス決済、オンライン融資・レンディング、ロボアドバイザー等の資産運用、インシュアテック(保険×テクノロジー)、ブロックチェーン・暗号資産関連、金融データ分析・AI活用、RegTech(規制対応テクノロジー)など、幅広い分野が対象です。既存の金融サービスを技術で革新する取り組みであれば、業種を問わず申請の可能性があります。
Q金融事業者との協働パートナーがまだ決まっていません。申請できますか?
本補助金は金融事業者等との協働による実証実験が支援対象であるため、申請時点で協働パートナーが確定していることが原則として求められます。少なくとも具体的な協議が進んでおり、協力の意向が確認できる状態が必要です。パートナー未定の状態での申請は採択が困難と考えられます。まずは金融機関のオープンイノベーション窓口やフィンテック協会のマッチングイベント等を活用して、候補先へのアプローチを開始することを推奨します。
Q本店は地方にありますが、東京都内に支店登記があれば申請できますか?
申請要件は「東京都内に登記簿上の本店又は支店がある」ことですので、本店が地方にあっても東京都内に支店の登記があれば申請資格を満たす可能性があります。ただし、実証実験の主たる活動拠点が都内であること、都内のフィンテック市場活性化に寄与する事業であることなど、事業内容面での要件も考慮されます。形式的に支店登記があるだけでなく、東京都内での事業活動の実態があることが重要です。
Q補助上限300万円に対して、総事業費はいくら必要ですか?
補助率が2/3であるため、補助上限300万円を満額受給するには、対象経費の総額が450万円以上必要です。例えば、総事業費450万円の場合、300万円(2/3)が補助金、150万円が自己負担となります。総事業費が450万円未満の場合は、実際の対象経費の2/3が補助額となります。例えば総事業費300万円なら補助額は200万円、自己負担は100万円です。事業規模に応じた適切な経費計画を策定しましょう。
Q第1期と第2期で申請要件や審査基準に違いはありますか?
基本的な申請要件や対象経費は第1期と共通ですが、第2期では第1期の運用実績を踏まえた審査基準の微調整や、重点分野の変更がある可能性があります。第1期で採択された企業・分野との差別化も重要な観点です。公募要領を必ず確認し、第2期固有の変更点がないか注意深く確認してください。また、第1期に申請して不採択だった場合でも、計画を改善して第2期に再申請することは可能です。
Q実証実験の期間はどのくらいを想定すればよいですか?
実証実験の期間は事業内容によりますが、一般的には交付決定日から年度末(3月末)までが補助対象期間となります。申請時期によっては6〜9ヶ月程度の実施期間が見込まれます。実証実験の設計では、この期間内に検証可能なスコープに絞り込むことが重要です。あまりに壮大な計画は期間内の完了が困難と判断され、減点対象となる可能性があります。マイルストーンを明確に設定し、期間内に成果を出せる現実的な計画を策定しましょう。
Q採択後に経費の内訳を変更することはできますか?
交付決定後の経費内訳の変更は、事前に事務局への相談・承認が必要です。軽微な変更(カテゴリ内での項目の入れ替え等)は比較的認められやすいですが、経費カテゴリ間の大幅な配分変更や総額の増額は原則として認められません。実証実験の進捗に応じて経費計画の調整が必要になった場合は、速やかに事務局に相談してください。なお、交付決定額を超える経費は全額自己負担となるため、当初計画の精度を高めておくことが重要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金は東京都の事業であるため、同一事業に対して他の都補助金との重複受給は原則として認められません。ただし、対象経費が明確に区分できる場合や、異なる事業フェーズに対する補助金であれば併用の余地があります。例えば、本補助金で実証実験フェーズの経費を賄い、国の「IT導入補助金」で別途システム導入費を申請するといった使い分けは可能です。また、経済産業省の「ものづくり補助金」や中小企業庁の「事業再構築補助金」は国の制度であるため、東京都の補助金との併用は制度上は可能ですが、同一経費への二重申請は不可です。併用を検討する場合は、各補助金の対象経費を明確に切り分け、経費の按分根拠を示せるようにしておく必要があります。なお、東京都中小企業振興公社の「先進的防災技術実用化支援事業」等、都の他のイノベーション支援系補助金とは対象事業の重複に特に注意が必要です。申請前に事務局へ併用可否を確認することを強く推奨します。
詳細説明
フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業(事業化支援)補助金とは
本補助金は、東京都が都内フィンテック市場の活性化と金融分野のイノベーション創出を目的として実施する支援事業です。フィンテック企業等と金融事業者等の協働による実証実験の実施を促進し、フィンテック企業の事業化フェーズを資金面から支援します。
フィンテック(FinTech)とは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、決済・送金・融資・資産運用・保険・仮想通貨など、金融サービスにテクノロジーを活用した革新的なサービスを指します。東京都は国際金融都市としての競争力強化の一環として、フィンテック産業の育成に注力しており、本補助金はその中核的な支援策の一つです。
補助金の概要
- 補助上限額:300万円
- 補助率:対象経費の2/3以内
- 対象エリア:東京都
- 公募期:第2期
対象となるフィンテック企業の条件
本補助金の対象となるのは、以下の条件を満たす企業です。
- 東京都内に登記簿上の本店または支店を有すること
- 革新的なアイデアや技術に基づくフィンテック関連事業を行っていること
- 金融事業者等との協働による実証実験を計画していること
ここでいう「フィンテック企業等」とは、金融サービスにおける革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップや中小企業を主に想定しています。決済、融資、保険、資産運用、ブロックチェーン、AI活用型金融サービスなど、幅広い分野が対象となります。
対象経費の詳細
本補助金で申請できる経費は、以下の3カテゴリに限定されています。
- クラウドサービス利用費:実証実験に必要なクラウドインフラ(AWS、Azure、GCP等)の利用料、SaaS型ツールの利用料、API連携サービスの利用料などが該当します。
- 委託・外注費:実証実験に必要なシステム開発、デザイン、セキュリティ診断、データ分析等の外部委託費が対象です。自社で対応できない専門領域を外部パートナーに委託する費用を幅広くカバーします。
- 専門家等への相談経費:金融規制に関する弁護士相談、知的財産に関する弁理士相談、ビジネス戦略に関するコンサルティング費用等が該当します。フィンテック事業特有の規制対応に必要な専門家活用を支援します。
金融事業者等との協働について
本補助金の最大の特徴は、フィンテック企業単独ではなく、金融事業者等との協働による実証実験が支援対象である点です。協働パートナーとなりうる金融事業者には、銀行、信用金庫、証券会社、保険会社、クレジットカード会社、資産運用会社などが含まれます。
協働の形態としては、金融事業者のAPIを活用したサービス連携の実証、金融事業者の顧客基盤を活用したユーザーテスト、金融事業者の業務プロセスへのフィンテックソリューション導入実験などが想定されます。
申請から採択までの流れ
申請は公募要領に基づき、事業計画書や経費明細書等の必要書類を作成して提出します。書類審査に加えてプレゼンテーション審査が行われることが一般的で、技術的革新性、事業化の実現可能性、協働体制の具体性などが評価されます。
第2期公募であるため、第1期の採択実績や審査傾向を踏まえた申請準備が重要です。東京都のフィンテック関連施策の方向性を理解し、都の政策目標との整合性をアピールすることが採択率向上のポイントとなります。
活用のポイント
本補助金を最大限活用するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 早期の協働パートナー確保:金融事業者との関係構築には時間がかかるため、公募開始前から候補先へのアプローチを始めることが重要です。
- 明確な実証実験設計:何を検証し、どのような結果が得られれば事業化に進めるのか、仮説検証型の実験設計を行いましょう。
- 規制対応の事前確認:フィンテック事業は資金決済法や銀行法等の規制に抵触する可能性があるため、専門家相談経費を活用して事前に法的リスクを洗い出しておくことが重要です。
- 経費の適切な管理:補助金の経費は証拠書類の保管と適切な管理が求められます。見積書・発注書・納品書・請求書・支払証明のセットを漏れなく保管しましょう。