水力発電の導入加速化補助金_執行団体公募(令和4年度)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
大規模な補助金額と定額補助
本補助金の最大補助額は約20億1,520万円と非常に大規模です。補助率は「定額」とされており、採択された場合は対象経費の全額が補助される可能性があります。水力発電関連の調査・設計・工事等には多額の費用が必要となるため、この手厚い支援は事業実施の大きな後押しとなります。
2つの支援メニューで新規・既存の両方をカバー
初期調査等支援事業では、新規の水力発電計画に対して事業性評価に必要な調査・設計等を支援します。一方、既存設備有効活用支援事業では、すでに稼働中の水力発電設備の増出力や増電力量の可能性調査、さらに実際の更新工事までをカバーします。新規開発と既存設備の有効活用の両面から水力発電の導入を推進する構造です。
地域共生促進も対象
水力発電の開発は地域の河川環境や景観に影響を及ぼすため、地域住民との合意形成が重要です。本補助金では、地域における共生促進を図る事業も支援対象に含まれており、地元との協議・説明会の実施や環境保全対策なども補助対象として活用できます。
執行団体公募という特殊な枠組み
本公募は一般的な補助金申請とは異なり、国に代わって補助事業を執行する団体を選定するものです。採択された団体は、個別の水力発電事業者からの申請を受け付け、審査・交付決定・管理等を行う役割を担います。コンソーシアム形式での応募も可能で、幹事者を定めて事業提案書を提出する形式です。
ポイント
対象者・申請資格
組織要件
- 日本に拠点を有する民間団体等であること
- コンソーシアム形式での応募も可能(幹事者を決定し、幹事者が事業提案書を提出)
- ただし幹事者が業務の全てを他者に再委託することは不可
事業遂行能力
- 本事業を的確に遂行する組織・人員等を有していること
- 本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有していること
- 資金等について十分な管理能力を有していること
欠格事由に該当しないこと
- 経済産業省からの補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられていないこと
情報公開への同意
- 採択結果(採択事業者名、採択金額、第三者委員会審査委員の属性、審査結果の概要、全公募参加者の名称・採点結果)を経済産業省ホームページで公表することに同意すること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:公募要領の確認と事業計画の策定
まず経済産業省・資源エネルギー庁のホームページから公募要領を入手し、事業の目的・対象・要件を詳細に確認します。自組織が執行団体としてどのような体制で事業を運営できるか、具体的な事業計画を策定してください。コンソーシアム形式の場合は、参加団体との役割分担も明確にします。
ステップ2:事業提案書の作成
公募要領に定められた様式に従い、事業提案書を作成します。事業の実施体制、執行管理の方法、個別補助事業者の募集・審査方法、予算計画等を具体的に記載します。水力発電分野における知見や過去の実績があれば、それらも積極的にアピールしてください。
ステップ3:申請書類の提出
申請様式(docx形式)に必要事項を記入し、添付書類とともに所定の方法で提出します。提出期限は厳守してください(令和4年度は2022年2月14日~3月9日が公募期間でした)。
ステップ4:第三者委員会による審査
提出された提案書は第三者委員会による審査を受けます。組織体制の充実度、事業計画の妥当性、コスト効率性等が総合的に評価されます。審査結果は経済産業省ホームページで公表されます。
ステップ5:採択・交付決定後の事業実施
採択された場合、交付決定を受けた後に事業を開始します。執行団体として個別の水力発電事業者からの補助申請の受付・審査・交付決定を行い、事業全体の管理・監督を担います。
ポイント
審査と成功のコツ
水力発電分野の専門性と実績をアピール
堅牢な事業管理体制の構築
個別事業者の発掘・支援方針の明確化
コンソーシアム構成の最適化
ポイント
対象経費
対象となる経費
調査費(5件)
- 水力発電の事業性評価に必要な現地調査費
- 河川流量調査費
- 地質調査費
- 環境影響調査費
- 既存設備の増出力可能性調査費
設計費(3件)
- 水力発電施設の基本設計費
- 詳細設計費
- 既存設備の更新設計費
工事費(3件)
- 既存設備の増出力工事費
- 設備更新工事費
- 送電線接続工事費
技術情報調査費(3件)
- 水力発電の開発・導入のための技術情報収集費
- 先進事例調査費
- 技術コンサルティング費
地域共生促進費(4件)
- 地域住民への説明会開催費
- 地域協議会の運営費
- 環境保全対策費
- 地域振興関連費
事務管理費(4件)
- 執行団体としての事業管理費
- 審査委員会運営費
- 報告書作成費
- 監査費用
対象外の経費
対象外の経費一覧(6件)
- 水力発電以外のエネルギー事業に関する経費
- 土地の取得費用
- 既存設備の通常の維持管理・修繕費用
- 事業に直接関係のない一般管理費・間接経費
- 交付決定前に発生した経費
- 他の国庫補助金等との重複支出
よくある質問
Qこの補助金は個別の水力発電事業者が直接申請できますか?
いいえ、本公募は「執行団体公募」であり、個別の水力発電事業者が直接応募するものではありません。国に代わって補助事業全体を執行・管理する団体を選定するための公募です。個別の水力発電事業者は、採択された執行団体を通じて補助金の申請を行うことになります。水力発電の調査や設備更新を検討している事業者の方は、執行団体が決定した後に、その団体が実施する個別公募にご応募ください。
Qコンソーシアム形式で応募する場合の注意点は何ですか?
コンソーシアム形式で応募する場合は、まず幹事者を決定する必要があります。幹事者が事業提案書を提出し、事業全体の責任を負います。ただし、幹事者が業務の全てを他の構成員に再委託することはできません。コンソーシアムを構成する際は、各参加団体の役割分担を明確にし、水力発電の技術面・事業管理面・地域対応面など、それぞれの強みを活かした体制を構築することが重要です。
Q補助率「定額」とはどういう意味ですか?
補助率「定額」とは、補助対象経費に対して一定の補助率(例:1/2、2/3等)を乗じるのではなく、予算の範囲内で対象経費の全額が補助される方式を指します。ただし、補助上限額(本補助金の場合は約20億1,520万円)の範囲内に限られます。定額補助は事業者の自己負担が少なくなるメリットがある一方、補助金の適正な使用について厳格な管理が求められます。
Q初期調査等支援事業と既存設備有効活用支援事業の両方に応募できますか?
執行団体の公募では、両方の事業メニューをカバーする形での提案が可能と考えられます。実際に補助金の交付要綱では、(1)初期調査等支援事業と(2)既存設備有効活用支援事業の両方が事業内容として定められています。ただし、具体的な応募条件については公募要領を確認し、不明点は資源エネルギー庁の担当者(新エネルギー課)にお問い合わせください。
Q審査ではどのような点が重視されますか?
第三者委員会による審査では、主に以下の点が評価されると考えられます。(1)事業管理体制の充実度:20億円規模の補助金を適正に管理できる組織体制・経理処理体制が整っているか、(2)水力発電分野の専門性:技術的知見や業界ネットワークを有しているか、(3)過去の実績:類似の補助事業の執行経験があるか、(4)事業計画の妥当性:個別事業者の募集・審査方法や支援内容が具体的かつ実効性があるか、(5)コスト効率性:事業管理費が適切な水準であるか。
Q公募期間が短いですが、どのように準備すればよいですか?
令和4年度の公募期間は約3週間(2022年2月14日~3月9日)と短期間でした。効果的に準備するためには、(1)公募開始前から資源エネルギー庁のホームページを定期的にチェックし、公募情報をいち早くキャッチする、(2)自組織の事業実施体制や実績を事前に整理しておく、(3)コンソーシアム形式の場合は事前にパートナーとの協議を進めておく、(4)申請様式のひな形が公開された段階で速やかに記入を開始する、といった事前準備が重要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金は国(経済産業省・資源エネルギー庁)の補助事業であるため、同一事業・同一経費に対して他の国庫補助金を重複して受給することはできません。これは補助金適正化法に基づく基本的なルールです。 ただし、水力発電事業は多段階・長期にわたるプロジェクトであるため、異なるフェーズや異なる経費項目について、他の支援制度を活用できる可能性があります。例えば、本補助金で初期調査を行った後、実際の建設段階では別の再生可能エネルギー関連補助金やFIT/FIP制度を活用するといった段階的な組み合わせが考えられます。 また、地方自治体独自の再生可能エネルギー導入支援制度との併用については、各自治体の要綱を確認する必要があります。国の補助金と地方自治体の補助金は、対象経費が明確に区分されていれば併用可能な場合もあります。 融資制度については、日本政策金融公庫の環境・エネルギー関連融資や、地域金融機関のグリーンローン等を併用することで、自己負担分の資金調達を効率的に行うことが可能です。補助金と融資は性質が異なるため、重複の問題は生じません。
詳細説明
水力発電の導入加速化補助金とは
水力発電の導入加速化補助金は、経済産業省 資源エネルギー庁が所管する大規模な国家補助事業です。本公募は「執行団体公募」という形式で、国に代わって補助事業を執行する民間団体等を選定するものです。最大補助額は約20億1,520万円で、水力発電の導入促進を通じて、安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を目的としています。
事業の2つの柱
本補助金は大きく2つの事業メニューで構成されています。
- 初期調査等支援事業(事業初期段階の支援):新規の水力発電計画に対し、事業性評価に必要な調査・設計等を支援します。具体的には、河川流量調査、地質調査、基本設計、環境影響評価などが対象です。また、水力発電の地域における共生促進を図る事業(住民説明会、環境保全対策等)も含まれます。
- 既存設備有効活用支援事業:すでに稼働している水力発電設備について、増出力(発電能力の向上)や増電力量(発電量の増加)の可能性を調査する事業、および実際に増出力・増電力量を実現するための更新工事等を支援します。
執行団体の役割と責任
採択された執行団体は、以下の業務を担います。
- 個別の水力発電事業者からの補助申請の受付・審査
- 交付決定・交付額の確定
- 事業の進捗管理・中間検査・完了検査
- 経理処理の適正性の確認・監査
- 事業成果の取りまとめ・報告
執行団体は国の補助金を適正に管理する重要な役割を担うため、組織体制・経営基盤・資金管理能力が厳しく審査されます。
応募資格と要件
応募できるのは、以下の要件を全て満たす民間団体等です。
- 日本に拠点を有していること
- 事業を的確に遂行する組織・人員等を有していること
- 円滑な事業遂行に必要な経営基盤と資金管理能力を有していること
- 経済産業省からの補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けていないこと
- 採択結果の公表に同意すること
コンソーシアム形式での応募も認められていますが、幹事者を定め、幹事者が事業提案書を提出する必要があります。なお、幹事者が業務の全てを他者に再委託することはできません。
審査プロセス
提出された事業提案書は、第三者委員会による審査を受けます。審査では、事業計画の妥当性、組織体制の充実度、コスト効率性、水力発電分野における知見・実績等が総合的に評価されます。審査結果は以下の情報とともに経済産業省ホームページで公表されます。
- 採択事業者名および採択金額
- 第三者委員会審査委員の属性
- 審査結果の概要
- 全公募参加者の名称および採点結果(対応関係が分からない形で公表)
水力発電の政策的意義
水力発電は、太陽光や風力と比較して出力が安定しており、24時間365日の発電が可能なベースロード電源として位置づけられています。日本は国土の約7割が山地で降水量も豊富なため、水力発電の潜在力は依然として大きいとされています。
特に近年は、大規模ダム建設の時代から、中小水力発電(1,000kW〜30,000kW)や小水力発電(1,000kW未満)の開発、さらに既存設備のリプレース・増出力による発電量の最大化へと政策の重点がシフトしています。本補助金は、このような政策動向を踏まえた重要な支援措置です。
申請にあたっての注意事項
本公募は通常の補助金申請とは異なり、執行団体としての適格性が問われる特殊な公募です。個別の水力発電事業者が直接応募するものではありません。応募を検討される場合は、以下の点にご注意ください。
- 公募期間が約3週間と短いため、事前準備が重要です
- 事業規模が大きいため、十分な管理体制の構築が必要です
- コンソーシアム形式の場合、参加団体間の役割分担を明確にしてください
- 過去の類似事業の執行実績がある場合は、積極的にアピールしてください