令和3年度第2回 船員計画雇用促進事業補助金
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
対象者の明確性
45歳未満の「船員未経験者」を運航要員として雇用・育成することが条件です。未経験者に限定することで、業界への新規人材流入を促進する狙いがあります。既に船員資格を持つ転職者は対象外となるため、採用計画の段階から「未経験者採用」を明示することが重要です。
補助金額の確実性
上限30万円の補助金は、新入社員一人当たりの研修・教育コストとして活用できます。乗船実習費、研修費、資格取得支援費などに充当でき、初期投資回収のスピードアップに貢献します。
認定制度との連動
本補助金を受けるには「日本船舶・船員確保計画」の認定が前提です。認定計画は中長期的な人材確保の枠組みを定めるもので、この認定取得自体が企業の採用戦略の整備に繋がります。補助金取得と並行して採用体制の強化が図れます。
業界横断的な適用
内航・外航を問わず、海上運送法に基づく事業者であれば申請可能です。フェリー、タンカー、コンテナ船など多様な船種を運航する事業者が対象となり、業界全体での人材確保に寄与します。
ポイント
対象者・申請資格
事業者要件
- 海上運送法に基づく「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けていること
- 船舶運航事業者またはその団体であること
- 日本船籍の船舶を運航していること
雇用対象者要件
- 雇用する者が45歳未満であること
- 船員としての実務経験がない「未経験者」であること
- 運航要員(甲板部・機関部等)として雇用・育成する予定であること
- 雇用時点で日本国内に在住していること
事業実施要件
- 認定計画に基づいた雇用・育成プログラムを実施すること
- 補助対象期間内(令和3年度)に雇用を開始すること
- 必要な実績報告書類を期限内に提出できること
ポイント
あなたは対象?かんたん診断
8問の質問に答えるだけで、この補助金の対象かどうかを簡易診断できます。
申請ガイド
Step 1: 認定計画の確認
まず「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けているか確認します。未認定の場合は国土交通省海事局への認定申請が必要です。認定申請には計画書の作成が必要で、数週間〜数ヶ月かかる場合があります。
Step 2: 対象雇用の確認・実施
45歳未満の船員未経験者の採用計画を確認・実施します。求人票に「船員未経験者歓迎」と明記し、採用プロセスを記録しておきます。雇用契約書、採用日時の記録が後の証拠書類となります。
Step 3: 申請書類の準備
必要書類を揃えます。認定計画書の写し、雇用契約書の写し、事業計画書、収支予算書、会社概要・登記事項証明書などが一般的に必要です。所管窓口に事前確認することを推奨します。
Step 4: 申請書の提出
締切(2022年1月15日)までに所定の申請先へ提出します。郵送の場合は締切日必着を確認します。提出後は受付確認を取り、問い合わせ先を控えておきます。
Step 5: 審査・交付決定
提出書類の審査後、交付決定通知が届きます。交付決定前に発生した経費は原則対象外のため、決定通知を受けてから経費執行を本格化させます。
Step 6: 実績報告・補助金受領
育成プログラム完了後、実績報告書と証拠書類を提出します。適正と認められれば補助金が交付されます。
ポイント
審査と成功のコツ
認定計画との整合性を徹底確認
証拠書類の完全性確保
育成プログラムの具体化
所管窓口への事前相談の実施
ポイント
対象経費
対象となる経費
採用活動費(4件)
- 求人広告掲載費
- 就職フェア参加費
- 採用エージェント手数料
- 会社説明会開催費
初期研修費(4件)
- 船員教育機関への入学・受講費
- 乗船実習費用
- 研修テキスト・教材費
- 外部講師招聘費
資格取得支援費(3件)
- 海技士免許取得のための受験料
- 船舶職員養成講習受講費
- STCW条約関連資格取得費用
育成管理費(3件)
- 指導員(先輩船員)の指導手当
- 育成プログラム策定・管理費
- 進捗管理システム利用料
設備・備品費(3件)
- 作業服・安全装備の支給費
- 乗船中の宿泊・食事費(実習期間分)
- シミュレーター利用費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 既存船員(経験者)への給与・手当
- 45歳以上の採用者に関する費用
- 認定計画に記載のない事業活動に関する費用
- 交付決定前に発生した経費
- 土地・建物の取得費・賃借料(船上を除く)
- 汎用性の高い備品・設備の購入費(業務特定性のないもの)
- 経営者・役員への給与・報酬
よくある質問
Q「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けていませんが、申請できますか?
残念ながら、本補助金の申請には「日本船舶・船員確保計画」の認定が必須要件です。未認定の場合は、まず国土交通省海事局に認定申請を行う必要があります。ただし、認定審査には一定の時間がかかるため、申請期限(2022年1月15日)に間に合わない可能性が高いです。今回の補助金は見送り、次回の類似補助金に向けて認定取得を進めることを検討してください。
Q45歳の船員未経験者を採用した場合は対象になりますか?
本補助金の対象は「45歳未満」の未経験者です。45歳(誕生日を迎えた当日から)の方は対象外となります。雇用開始時点での年齢で判断されるため、採用候補者の生年月日を正確に確認した上で、雇用開始日時点で45歳未満であることを確認してください。
Qすでに船員の資格(海技士免許等)を持つ人を採用した場合も対象になりますか?
補助対象は「船員未経験者」です。海技士免許等の資格を持っていても、実務経験がない場合は対象となる可能性がありますが、資格と経験の両方を勘案して判断されます。具体的なケースについては、申請前に国土交通省または地方運輸局の担当窓口に確認することを強く推奨します。
Q補助金は一人採用したら30万円もらえるのですか?
30万円は補助金の上限額です。実際の補助額は、補助率と対象経費の金額によって決まります。たとえば補助率が1/2の場合、60万円の対象経費に対して30万円が補助されます。また、対象経費が20万円であれば、補助率1/2なら10万円となります。正確な補助率と算定方法は公募要領で確認してください。
Q内航船と外航船、どちらの事業者も申請できますか?
海上運送法に基づく「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けていれば、内航・外航を問わず申請可能です。フェリー、タンカー、コンテナ船、貨物船など、日本船籍の様々な船種を運航する事業者が対象となります。ただし、申請要件の詳細は公募要領で確認し、不明点は担当窓口に問い合わせてください。
Q交付決定前に採用・研修を開始してしまいました。費用は対象になりますか?
原則として、補助金の交付決定前に発生した経費は補助対象外となります。ただし、公募要領に「申請日以降の経費を対象とする」などの例外規定がある場合もあります。すでに採用・研修を開始している場合は、速やかに担当窓口に状況を説明し、対象になり得る経費の範囲を確認することが重要です。
Q申請から補助金受領までどのくらい時間がかかりますか?
一般的な補助金のスケジュールとして、申請後の審査に1〜3ヶ月、交付決定後の事業実施期間、実績報告の提出・審査に1〜2ヶ月、補助金の振込までさらに1〜2ヶ月かかる場合があります。申請から受領まで合計で半年〜1年程度かかることも珍しくありません。資金繰りを考慮した上で、補助金はあくまで後から受け取るものとして計画を立てることが重要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金は国土交通省の船員確保政策の一環として実施されており、他の雇用関連補助金との併用については個別確認が必要です。 【雇用調整助成金との関係】雇用調整助成金は雇用維持を目的とした制度であり、新規雇用促進を目的とする本補助金とは趣旨が異なります。同一雇用者に対する二重受給にならないよう、各制度の補助対象経費の範囲を確認した上で申請することが重要です。 【キャリアアップ助成金との関係】厚生労働省のキャリアアップ助成金(正規雇用化コース等)は、有期→正規雇用転換に対する助成です。本補助金と補助対象経費が重複しない場合、理論上は両立可能ですが、同一費用への二重給付は禁止されます。必ず各窓口に確認してください。 【内航海運グリーンイノベーション基金との関係】船舶のGHG削減関連の補助金とは補助対象が異なるため、原則として重複は発生しません。ただし同一事業計画内で両方を申請する場合は整合性の確認が必要です。 【基本原則】補助金の併用においては「同一経費への重複受給禁止」が大原則です。それぞれの補助金の対象経費を明確に区分し、証拠書類も分けて管理することで適法な活用が可能になります。
詳細説明
補助金の背景と意義
日本の海運業界は長年にわたり深刻な船員不足に直面しています。少子高齢化による労働力人口の減少、若者の海運業離れ、船員の高齢化といった構造的な問題が重なり、将来の船員確保は業界の存続に関わる課題となっています。
「令和3年度第2回 船員計画雇用促進事業補助金」は、こうした状況に対応するため、海上運送法に基づく「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けた船舶運航事業者が、若手未経験者を積極的に採用・育成することを財政的に後押しする制度です。
補助の対象となる取組
本補助金の対象となるのは、45歳未満の船員未経験者を運航要員として雇用し、育成プログラムを実施した場合です。単なる採用費の補助ではなく、「育成」という要素が含まれている点が特徴です。
- 甲板部(航海士候補生)の採用・育成
- 機関部(機関士候補生)の採用・育成
- 乗船実習を含む体系的な育成プログラムの実施
- 海技士資格取得に向けた支援
申請の前提条件
本補助金の申請には、「日本船舶・船員確保計画」の認定取得が必須です。この計画は国土交通省海事局への申請により認定を受けるもので、船舶・船員の確保に関する中長期計画を定めたものです。
認定計画を保有していない場合は、まず認定申請から着手する必要があります。認定には審査期間が必要なため、補助金申請期限(2022年1月15日)を考慮すると、既存の認定保有事業者が主な対象となる可能性が高いです。
補助金額と経費の考え方
補助金の上限額は30万円です。補助率については公募要領の確認が必要ですが、新規船員一人当たりの採用・育成にかかる以下の経費が対象となります。
- 採用関連費用:求人広告費、採用説明会費用等
- 初期研修費用:船員教育機関への受講費、乗船実習費等
- 資格取得支援費:海技士試験受験料、STCW関連講習費等
- 育成管理費:育成プログラム実施に係る管理費等
業界への影響と活用価値
本補助金は単なる財政支援を超えた意義を持っています。補助金申請を通じて、事業者は以下のメリットを得られます。
- 採用コストの軽減:30万円の補助により、未経験者採用に伴うリスクを低減
- 採用体制の整備:申請準備を通じて、未経験者育成プログラムが文書化・体系化される
- 業界イメージの向上:積極的な若手採用・育成実績が企業ブランド向上に寄与
- 人材パイプラインの構築:継続的な未経験者採用の基盤づくりに繋がる
申請にあたっての注意点
本補助金は申請期限が2022年1月15日と限定されています。申請に必要な書類準備、認定計画の確認、担当窓口への事前相談などを考慮すると、速やかな行動が求められます。
また、交付決定前に実施した事業や支出した経費は補助対象外となる可能性が高いため、申請・採択の流れを理解した上で事業を進めることが重要です。不明点は国土交通省海事局または地方運輸局の担当部署に事前相談することを強く推奨します。
まとめ:この補助金を最大限活用するために
「令和3年度第2回 船員計画雇用促進事業補助金」は、海運業界の構造的課題である船員不足解消に向けた重要な政策ツールです。30万円という金額は採用コスト全体からすると一部ですが、未経験者採用への「踏み出し」を促す重要なインセンティブとなります。
認定計画保有事業者は、申請期限を逃さないよう今すぐ準備を開始してください。未認定事業者も、この機会を機に認定計画取得を検討し、次回以降の類似補助金への備えとすることをお勧めします。