令和7年度 第2回BCP実践促進助成金(R72BCP)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
最大1,500万円の手厚い助成額
BCP関連の助成金としては非常に高額な設定です。中小企業は1/2以内、小規模企業は2/3以内の助成率が適用されるため、特に小規模企業にとっては自己負担を大幅に抑えた防災投資が可能です。設備導入やクラウド化など、まとまった費用がかかる対策を一気に進めるチャンスといえます。
BCP策定済み企業が対象の実践型支援
本助成金は、既にBCPを策定している企業が対象です。つまり「計画は作ったが実行に移せていない」という企業に最適な制度設計となっています。策定段階ではなく実践段階を支援する点が、他のBCP関連補助金との大きな違いです。
物品設置・備蓄からクラウド化まで幅広い対象経費
防災用品の設置や備蓄品の購入といったハード面の対策に加え、基幹システムのクラウド化というIT面の対策も助成対象に含まれます。物理的な備えとデジタル面の備えを同時に整備できるため、BCPの実効性を総合的に高めることができます。
SECURITY ACTION宣言不要で申請ハードルが低い
類似のIT関連助成金ではSECURITY ACTION 2段階目(★★)の宣言が求められることが多いですが、本助成金では不要です。IT系の前提条件がないため、ITに詳しくない企業でも安心して申請に臨めます。
首都圏1都7県の広域対象エリア
東京都だけでなく、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県の中小企業も対象です。首都圏に事業所を持つ幅広い企業が利用可能であり、サプライチェーン全体でのBCP強化にも貢献します。
ポイント
対象者・申請資格
企業規模・所在地の要件
- 中小企業基本法に定める中小企業者であること
- 東京都・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県に本社または主たる事業所があること
- 法人の場合は登記簿謄本で所在地を確認できること
- 個人事業主の場合は開業届の控え等で確認できること
BCP策定要件
- 事業継続計画(BCP)を既に策定済みであること
- BCPの内容が形式的なものではなく、実践的な内容を含むこと
- 申請時にBCPの写しを提出できること
事業内容の要件
- BCPの実効性を高めるための物品設置・備蓄、またはクラウド化に関する事業であること
- 助成対象期間(4か月)内に事業を完了できる計画であること
- 同一内容で他の公的助成金を受けていないこと
その他の要件
- 東京都中小企業振興公社が実施する他の助成事業と重複しないこと
- 法令を遵守し、適正な事業運営を行っていること
- 税金の滞納がないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:BCPの確認と整備
まず自社のBCPが策定済みであることを確認します。BCPの内容を見直し、今回の助成金で実施したい対策との整合性を確認してください。BCPが未策定の場合は、先に策定を完了させる必要があります。
ステップ2:事業計画の策定
助成対象期間が4か月と短いため、実施内容・スケジュール・見積もりを具体的に計画します。物品設置・備蓄品の購入先やクラウドサービスの選定、複数社からの見積もり取得を行います。
ステップ3:申請書類の準備
申請書、事業計画書、BCPの写し、見積書、会社概要(登記簿謄本等)、決算書類、納税証明書などの必要書類を揃えます。記載内容に不備がないよう、チェックリストを活用して確認します。
ステップ4:申請書の提出
東京都中小企業振興公社の指定する方法(電子申請または郵送)で申請書類一式を提出します。締切日を厳守し、余裕を持った提出を心がけてください。
ステップ5:審査・交付決定
書類審査および必要に応じて面接審査が実施されます。交付決定通知を受けてから事業に着手してください。交付決定前の発注・契約は助成対象外となります。
ステップ6:事業の実施と完了報告
交付決定後、計画に基づき4か月以内に事業を完了させます。完了後は実績報告書、支払証拠書類(領収書等)を提出し、検査を受けます。助成金は後払い(精算払い)です。
ポイント
審査と成功のコツ
観点1:BCPとの一貫性を示す計画書作成
観点2:費用対効果の明確化
観点3:実現可能なスケジュール設計
観点4:複数見積もりの取得と適正価格の提示
観点5:完了報告を見据えた証拠書類の管理
ポイント
対象経費
対象となる経費
防災・減災用設備(4件)
- 自家発電装置
- 蓄電池・無停電電源装置(UPS)
- 災害用通信機器
- 安否確認システム
備蓄品(3件)
- 非常食・飲料水
- 簡易トイレ・衛生用品
- 毛布・寝袋等の防寒用品
データバックアップ・クラウド化(3件)
- 基幹システムのクラウド移行費用
- クラウドバックアップサービス導入費
- サーバー移行作業費
耐震・転倒防止対策(3件)
- サーバーラック耐震固定
- 什器・設備の転倒防止器具
- 耐震補強工事費
水害・浸水対策(3件)
- 止水板・防水板の設置
- 排水ポンプの導入
- 電気設備のかさ上げ工事
安全対策設備(3件)
- 防災監視カメラシステム
- 火災報知・消火設備
- 避難誘導設備
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 汎用的なパソコン・タブレット等の購入費
- 通常業務で使用するソフトウェアのライセンス費
- 人件費・旅費・交通費
- 既に発注・契約済みの経費(交付決定前の支出)
- 消耗品(使用期間1年未満のもの)
- リース・レンタル費用
- 他の補助金・助成金で助成を受けている経費
- 間接経費・一般管理費
よくある質問
QBCP(事業継続計画)をまだ策定していませんが申請できますか?
申請できません。本助成金はBCP策定済みの企業が対象です。BCPを未策定の場合は、まず東京都中小企業振興公社の「BCP策定支援事業」や、中小企業庁の「事業継続力強化計画」の策定支援を活用してBCPを作成してください。BCP策定には通常1〜3か月程度かかるため、次回以降の募集に向けて早めに準備を始めることをお勧めします。
Q助成率の「中小企業1/2」と「小規模企業2/3」はどう判定されますか?
中小企業基本法の定義に基づきます。小規模企業者とは、製造業・建設業・運輸業等では従業員20人以下、商業・サービス業では従業員5人以下の企業を指します。申請時点の従業員数で判定されるため、直近の雇用保険被保険者数等で確認してください。小規模企業に該当すれば2/3以内の助成率が適用され、自己負担を大幅に軽減できます。
Q助成対象期間が4か月とのことですが、延長は可能ですか?
原則として助成対象期間の延長は認められません。4か月以内にすべての発注・納品・設置・支払いを完了させる必要があります。特に設備の製造・納品に時間がかかるものは要注意です。申請前に業者に納期を確認し、4か月以内に確実に完了できる計画を立ててください。やむを得ない事情がある場合は、事前に公社に相談することが重要です。
Qクラウド化の対象となるシステムに制限はありますか?
対象は「基幹システム」のクラウド化です。基幹システムとは、会計システム、販売管理システム、生産管理システム、在庫管理システムなど、事業運営の根幹を担うシステムを指します。汎用的なメールサービスやグループウェアの導入のみでは対象外となる可能性があります。BCPの観点から「このシステムが停止すると事業継続が困難になる」と説明できるシステムが対象となります。
Q東京都以外の県に本社がありますが、申請できますか?
はい、申請可能です。本助成金は東京都のほか、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県の1都7県が対象エリアとなっています。これらの都県に本社または主たる事業所がある中小企業であれば申請できます。ただし、対象エリア外に所在する支店・営業所のみでの申請は認められない場合がありますので、事前に公社に確認してください。
Q交付決定前に設備を発注してしまった場合はどうなりますか?
交付決定前に発注・契約した経費は助成対象外となります。これは助成金全般に共通するルールです。見積もりの取得や業者との事前相談は問題ありませんが、正式な発注書の発行や契約の締結は必ず交付決定後に行ってください。既に発注済みの場合は、その経費を助成対象から除外して申請するか、次回募集での申請を検討してください。
Q他の補助金と併用することはできますか?
同一の経費に対して複数の補助金・助成金を重複して受けることはできません。ただし、異なる経費であれば他の補助金との併用は可能です。例えば、本助成金で防災設備を導入し、IT導入補助金で別のITツールを導入するといった使い分けは認められる場合があります。また、国の「事業継続力強化計画」認定による税制優遇は助成金との併用が可能です。申請時に他制度との関係を明確にしておきましょう。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本助成金は東京都中小企業振興公社の事業であり、同公社の他の助成金との重複申請はできません。特に「サイバーセキュリティ対策促進助成金」「デジタル技術活用推進助成金」など、クラウド化関連の経費が対象となる他の助成金と経費が重複しないよう注意が必要です。一方で、国の「事業継続力強化計画」に基づく税制優遇(防災・減災設備の特別償却20%)は助成金との併用が可能です。事業継続力強化計画の認定を取得した上で本助成金を活用すれば、助成金による費用補填と税制優遇の両方のメリットを享受できます。また、中小企業庁の「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」とは、同一経費でなければ併用可能なケースがあります。ただし、同一の設備やシステムに対して複数の公的資金を充当することは原則として認められないため、申請時に他の制度との関係を明確にしておくことが重要です。コンサルタントとしては、BCP関連の投資全体を俯瞰し、本助成金でカバーする範囲と他制度で補完する範囲を事前に切り分けて計画することを推奨します。
詳細説明
BCP実践促進助成金とは
BCP実践促進助成金は、東京都中小企業振興公社が実施する助成制度で、事業継続計画(BCP)の実効性を高めるための具体的な取り組みを支援します。令和7年度第2回の募集では、首都圏1都7県(東京都・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県)の中小企業・小規模企業が対象となります。
助成内容の詳細
助成上限額は1,500万円で、助成率は中小企業が1/2以内、小規模企業が2/3以内です。小規模企業の定義は、製造業・建設業・運輸業等が従業員20人以下、商業・サービス業が従業員5人以下となります。
助成対象となる取り組みは大きく分けて以下の3つです。
- 物品の設置:自家発電装置、蓄電池、止水板、耐震固定器具など、災害時の事業継続に必要な設備の導入
- 備蓄品の購入:従業員の安全確保や事業継続に必要な非常食、飲料水、衛生用品等の備蓄
- 基幹システムのクラウド化:オンプレミス環境で運用している基幹システムをクラウドに移行し、災害時のデータ保全とシステム復旧の迅速化を図る取り組み
申請要件とBCPの位置づけ
本助成金の最大の特徴は、BCP策定済みであることが申請の前提条件となっている点です。BCPを策定していない企業は、まず東京都の「BCP策定支援事業」等を活用してBCPを策定する必要があります。
なお、類似の助成金で求められることの多いSECURITY ACTION 2段階目(★★)の宣言は不要です。これにより、IT分野に特化していない企業でも申請しやすくなっています。
助成対象期間について
助成対象期間は4か月間と比較的短く設定されています。この期間内に発注・納品・設置・支払いのすべてを完了させる必要があるため、事前に十分な準備を行うことが重要です。
- 交付決定前の発注・契約は助成対象外
- 期間内に完了しなかった経費は助成対象外
- 支払いは原則として銀行振込で、現金払いは認められない場合あり
対象エリアの広さ
東京都の事業でありながら、対象エリアは首都圏1都7県に広がっています。これは、首都直下地震等の大規模災害に備え、サプライチェーン全体でのBCP強化を促進する目的があるためです。
- 茨城県・栃木県・群馬県(北関東エリア)
- 埼玉県・千葉県・神奈川県(南関東エリア)
- 東京都・山梨県
申請から助成金受領までの流れ
助成金は後払い(精算払い)方式です。事業完了後に実績報告書を提出し、検査を経て助成金が支払われます。そのため、事業実施に必要な資金は一時的に自社で立て替える必要があります。
- 申請受付期間:公社ウェブサイトで確認
- 審査:書類審査(+必要に応じて面接審査)
- 交付決定:審査通過後に通知
- 事業実施:交付決定日から4か月以内
- 完了報告:事業完了後30日以内
- 助成金支払:完了検査後
活用のポイント
本助成金を最大限活用するためには、以下の点を意識してください。
- BCPの優先リスクに対応した対策を選定する:自社のBCPで最もインパクトの大きいリスクに対する対策を優先的に実施しましょう
- 物品設置とクラウド化を組み合わせる:ハード面とソフト面の両方を整備することで、BCPの実効性を総合的に高められます
- 4か月のスケジュールを逆算して計画する:納期が長い設備は早期発注が必要です。申請前から業者との事前相談を進めておきましょう