令和7年度 介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
最大2,000万円・補助率2/3の手厚い資金支援
本事業の最大の特徴は、助成限度額2,000万円、補助率2/3以内という非常に手厚い資金支援です。介護機器の開発には試作・実証・改良と多額の費用がかかりますが、開発費の3分の2を東京都が負担してくれるため、中小企業でも本格的な製品開発に挑戦できます。一般的な補助金と比較しても高水準の支援内容であり、資金面のハードルを大きく下げてくれる制度です。
介護現場のニーズ起点の開発支援
単なる技術シーズの製品化ではなく、介護現場の実際のニーズに基づいた開発を重視している点が本事業の大きな特徴です。介護施設との連携や現場でのヒアリングを通じて、真に求められる製品を開発することが期待されています。現場との接点づくりを支援してもらえる可能性があり、技術力はあるが介護業界との接点が少ない中小企業にとって貴重な機会です。
開発から普及まで一貫した支援体制
本事業は製品の開発・改良だけでなく、普及活動に要する経費も助成対象に含まれています。せっかく良い製品を開発しても、介護施設への導入が進まなければ事業として成立しません。開発フェーズから市場投入・普及フェーズまでを見据えた総合的な支援を受けられる点は、事業化の成功確率を高める重要な要素です。
東京都中小企業振興公社による専門的サポート
運営主体である東京都中小企業振興公社は、中小企業支援の豊富なノウハウを持つ機関です。助成金の交付だけでなく、経営相談や販路開拓支援など、多面的なサポートを受けられる可能性があります。公社のネットワークを活用することで、介護業界のキーパーソンとのマッチングや展示会出展などの機会にもつながります。
ポイント
対象者・申請資格
企業形態の要件
- 都内に主たる事業所を有する中小企業者であること
- 中小企業基本法に定める中小企業者に該当すること
- 法人の場合、都内に登記簿上の本店または支店があること
- 個人事業主の場合、都内に開業届出済みの事業所があること
事業内容の要件
- 介護現場のニーズに対応した製品の開発・改良であること
- 介護従事者の負担軽減につながる製品であること
- 次世代介護機器等に該当する製品の開発であること
- 開発から普及までの計画が具体的に示されること
技術・体制の要件
- 製品開発に必要な技術力・開発体制を有すること
- 介護現場でのニーズ調査や実証を行う計画があること
- 事業完了後も継続的に事業を実施する意思があること
財務・コンプライアンスの要件
- 都税・法人事業税等の滞納がないこと
- 過去に公社の助成金で不正受給がないこと
- 反社会的勢力との関わりがないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事前準備と情報収集
まず東京都中小企業振興公社の公式サイトで最新の募集要項・申請書類を確認します。公募説明会が開催される場合は必ず参加し、審査のポイントや求められる製品像を把握しましょう。介護現場のニーズ調査も早期に開始し、開発計画の具体性を高めることが重要です。
ステップ2:事業計画書の作成
申請の核となる事業計画書を作成します。介護現場の課題、製品コンセプト、技術的優位性、開発スケジュール、予算計画、普及戦略を具体的に記載します。介護施設との連携実績やヒアリング結果を盛り込むと説得力が大幅に向上します。
ステップ3:申請書類の提出
所定の申請書類一式を期限内に提出します。会社概要、決算書類、登記簿謄本、納税証明書など付帯書類も漏れなく準備してください。書類の不備は審査に悪影響を及ぼすため、提出前に公社の事前相談を活用することをお勧めします。
ステップ4:審査(書類審査・面接審査)
書類審査を通過すると面接審査に進みます。事業の実現可能性、市場性、介護現場への貢献度などが総合的に評価されます。面接では開発責任者が直接プレゼンテーションを行い、審査員からの質疑に対応します。
ステップ5:交付決定後の事業実施と報告
採択後、交付決定を受けてから事業を開始します。経費の支出は交付決定日以降のものが対象です。中間報告・完了報告を適時行い、実績に基づいて助成金が交付されます。
ポイント
審査と成功のコツ
介護現場との密な連携体制を構築する
市場性と事業化計画を具体的に示す
開発スケジュールと予算配分を適切に設定する
自社の技術的強みを明確にアピールする
採択後の実施体制と報告を万全にする
ポイント
対象経費
対象となる経費
原材料・副資材費(3件)
- 試作品製作用の原材料費
- 部品・パーツの購入費
- 消耗品・副資材の購入費
機械装置・工具器具費(3件)
- 試作品製作に必要な機械装置の購入・リース費
- 計測機器・検査装置の購入・リース費
- 金型・治工具の製作費
委託・外注費(4件)
- 設計・デザインの外注費
- 試作品製作の外注加工費
- 性能試験・安全性試験の委託費
- ソフトウェア開発の外注費
専門家指導費(3件)
- 技術指導員への謝金
- 介護分野の専門家へのアドバイザー費用
- 知的財産に関する専門家費用
実証・評価費(3件)
- 介護施設での実証試験に係る費用
- モニター評価に係る費用
- ユーザビリティテストの実施費用
産業財産権出願費(3件)
- 特許出願に係る費用
- 実用新案登録に係る費用
- 意匠登録に係る費用
普及・販路開拓費(3件)
- 展示会出展費用
- 製品カタログ・パンフレットの制作費
- PR動画の制作費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 土地・建物の取得費・賃借料
- 汎用性のある備品(パソコン、プリンター等)の購入費
- 人件費・従業員の給与・賞与
- 交通費・旅費・宿泊費
- 光熱水費・通信費等の一般管理費
- 飲食費・接待費・交際費
- 消費税および地方消費税
- 助成対象期間外に発生した経費
よくある質問
Q介護業界での事業経験がない中小企業でも申請できますか?
はい、介護業界での事業経験は必須要件ではありません。自社の技術力(センサー技術、ロボティクス、AI・IoT技術、素材技術など)を介護分野に応用したいと考える中小企業であれば申請可能です。ただし、介護現場のニーズを適切に把握していることが審査で求められるため、申請前に介護施設への訪問やヒアリングを実施し、現場の課題を理解した上で開発計画を策定することが重要です。介護分野の専門家をアドバイザーとして迎えることも有効な手段です。
Q助成金の支払いはいつ、どのように行われますか?
本助成金は原則として精算払い(後払い)方式です。事業完了後に完了報告書を提出し、実績審査を経て確定した助成金額が交付されます。つまり、事業実施中の経費は一旦自社で立て替える必要があります。そのため、事業期間中の運転資金を確保しておくことが重要です。日本政策金融公庫のつなぎ融資や東京都の制度融資の活用も検討してください。中間払い制度がある場合もあるため、募集要項で詳細をご確認ください。
Q開発する製品の種類に制限はありますか?
介護従事者の負担軽減につながる製品であれば、ハードウェア・ソフトウェアを問わず幅広い製品が対象となります。介護ロボット、見守りセンサー、移乗支援機器などの物理的な機器だけでなく、介護記録システム、ケアプラン支援AI、コミュニケーション支援アプリなどのソフトウェア製品も対象に含まれます。ただし、単なる汎用品(一般的なタブレットやカメラ等)の開発は対象外です。介護現場特有のニーズに対応した製品であることが求められます。
Q既に開発中の製品の改良にも使えますか?
はい、既存製品の改良・バージョンアップも助成対象となります。例えば、試作品段階の製品をブラッシュアップしたい場合や、既に販売している介護機器に新機能を追加したい場合などが該当します。ただし、軽微な仕様変更やデザイン変更のみでは採択が難しいと考えられます。介護現場のフィードバックに基づく実質的な改良であり、製品の機能・性能が大幅に向上することが求められます。
Q他の補助金と併用することは可能ですか?
同一の対象経費に対して、国や他の自治体の補助金を重複して受給することはできません。ただし、本助成金の対象外となる経費部分に別の補助金を活用する「経費の棲み分け」は可能な場合があります。例えば、本事業で製品開発費を賄い、ものづくり補助金で量産設備の導入費用を賄うといった組み合わせが考えられます。併用を検討する場合は、各制度の要件を確認の上、事前に公社に相談されることをお勧めします。
Q申請から採択結果が出るまでどのくらいかかりますか?
一般的に、申請締切から採択結果の通知まで2〜3ヶ月程度を要します。書類審査を通過した後に面接審査が実施され、その結果を踏まえて最終的な採択が決定されます。面接審査では開発責任者によるプレゼンテーションと質疑応答が行われるため、十分な準備期間を確保してください。なお、交付決定前に発生した経費は助成対象外となるため、事業開始のタイミングにはご注意ください。
Q個人事業主でも申請できますか?
はい、中小企業基本法に定める中小企業者に該当する個人事業主であれば申請可能です。都内に開業届出済みの事業所があり、介護機器等の開発に必要な技術力と体制を有していることが条件です。ただし、実際の審査では開発体制の充実度も評価されるため、必要に応じて外部パートナーとの連携体制を構築しておくことが重要です。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本助成金は東京都中小企業振興公社の事業であり、同一の経費に対して国や他の自治体の補助金を重複して受給することはできません。ただし、助成対象外の経費部分に別の補助金を活用する「経費の棲み分け」は検討可能です。例えば、本事業で製品開発費を賄い、別途「ものづくり補助金」で量産化のための設備投資を行うといった活用方法が考えられます。また、経済産業省の「ロボット介護機器開発・標準化事業」や厚生労働省の「介護ロボット導入支援事業」とは支援フェーズが異なるため、段階的に活用する戦略も有効です。公社の他の助成金(新製品・新技術開発助成事業等)との併願については募集要項で制限が設けられている場合があるため、必ず事前に確認してください。資金調達の全体戦略として、本助成金を核にしつつ、日本政策金融公庫の融資や東京都の制度融資を自己負担分に充当する方法も推奨されます。
詳細説明
事業の背景と目的
日本は世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、2025年には後期高齢者人口が2,000万人を超えると見込まれています。介護需要の増大に対して介護人材の確保は追いつかず、介護従事者一人あたりの負担は年々増加しています。こうした課題に対し、テクノロジーの力で介護現場の負担を軽減し、介護の質を維持・向上させることが喫緊の課題となっています。
東京都は「令和7年度 介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業」を通じて、都内中小企業の優れた技術力を介護分野に活かし、介護現場が真に必要とする次世代介護機器等の開発・普及を促進しています。
助成内容の詳細
本事業では、助成限度額2,000万円、補助率2/3以内の条件で、介護機器等の開発・改良・普及に要する経費を助成します。開発フェーズだけでなく、介護現場での実証や市場への普及活動まで幅広くカバーしている点が特徴です。
- 対象製品:介護従事者の身体的負担を軽減する機器・システム
- 移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り・コミュニケーション支援等
- ICT・IoT・AI技術を活用した介護支援ソリューションも対象
- 既存製品の改良・バージョンアップも申請可能
対象となる中小企業者
本事業の対象は、東京都内に主たる事業所を有する中小企業者です。製造業に限らず、IT企業、サービス業など幅広い業種の企業が申請可能です。介護業界未経験であっても、自社技術を介護分野に応用できる企業であれば十分にチャンスがあります。
- 中小企業基本法に定める中小企業者(製造業:資本金3億円以下または従業員300人以下等)
- 都内に本店または支店の登記があること
- 都税の滞納がないこと
- 同一テーマで公社の他の助成金を受けていないこと
想定される開発分野
介護現場のニーズは多岐にわたりますが、特に以下の分野での製品開発が期待されています。
- 移乗支援機器:ベッドから車いすへの移乗を補助するロボットやリフト
- 見守りセンサー:入居者の状態を非接触で検知し、異常時にアラートを発するシステム
- コミュニケーション支援:認知症高齢者とのコミュニケーションを支援するデバイス
- 排泄支援機器:排泄予測や自動処理により介護者の負担を軽減する機器
- 記録・事務作業支援:介護記録の自動化やAIによるケアプラン作成支援
- 入浴支援機器:安全で効率的な入浴介助を実現する機器
審査のポイント
審査では以下の観点が重視されます。申請書類の作成にあたっては、これらのポイントを意識して記述してください。
- ニーズの的確な把握:介護現場の実際の課題に基づいた開発であるか
- 技術的実現可能性:開発計画に技術的裏付けがあるか
- 製品の革新性・優位性:既存製品との差別化ポイントが明確か
- 事業化の見通し:市場性、収益性、普及計画が具体的か
- 実施体制:開発に必要な人材・設備・パートナーが確保されているか
申請から交付までの流れ
本事業は公募制であり、年度ごとに申請受付期間が設定されます。一般的な流れは以下のとおりです。
- 公募開始・説明会開催
- 申請書類の作成・提出
- 書類審査・面接審査
- 交付決定の通知
- 事業の実施(開発・実証・普及活動)
- 中間報告・完了報告の提出
- 実績審査・助成金の交付(精算払い)
活用のポイント
本事業を最大限に活用するためには、申請前の準備段階が極めて重要です。介護施設への訪問やヒアリングを重ね、現場が本当に求めている製品像を明確にしてください。また、東京都中小企業振興公社では事前相談を受け付けており、申請書類の方向性についてアドバイスを受けることができます。積極的に活用し、採択確率を高めましょう。