ゼロエミッション船等の建造促進事業とは
環境省が令和7年度補正予算で実施する本事業は、国際海運・内航海運分野における温室効果ガス(GHG)排出削減を目的とした大型補助事業です。LNG燃料船・水素燃料船・アンモニア燃料船・電気推進船など、化石燃料への依存を抜本的に削減するゼロエミッション技術を搭載した船舶の建造を国が資金面から支援します。
国際海事機関(IMO)は2023年に改訂されたGHG戦略において、2050年頃の国際海運からのGHG排出ネットゼロを目標として掲げています。日本の海運業界もこの国際目標に対応するため、官民一体での脱炭素化が急務となっています。本事業はそうした政策的背景のもと、高額な初期投資が導入障壁となっているゼロエミッション船舶の普及を加速させるために設計されました。
補助対象となる主な船舶・技術
- LNG燃料船:液化天然ガスを主燃料とする船舶。現状最も実用化が進んでいるゼロエミッション移行技術。
- 水素燃料船:水素を燃料とする燃料電池船または水素エンジン船。GHG排出量を大幅に削減できる次世代技術。
- アンモニア燃料船:アンモニアを主燃料とする船舶。燃焼時にCO2を排出しないクリーン燃料として注目されています。
- 電気推進船:蓄電池・外部電源を活用した電気推進システムを搭載した船舶。短距離フェリーや港湾作業船で実績が増加中。
- メタノール燃料船:メタノール(グリーンメタノール)を燃料とする船舶。国際海運での採用が加速しています。
申請対象者
本事業は主に以下の事業者を対象としています。
- 海運事業法に基づく内航海運事業者
- 外航海運に携わる海運事業者
- 船舶建造を実施する造船事業者(海運事業者との連携申請)
- 上記に準ずる法人格を有する団体・コンソーシアム
全国の事業者が対象となり、地域制限はありません。中小・中堅・大企業のいずれも申請可能ですが、補助上限なしの大型補助事業であるため、大規模な投資計画を持つ事業者が主な対象となります。
補助金額・補助率
本事業は補助上限額が特段設けられておらず(大規模案件対応型)、個々のプロジェクトの規模・内容に応じて補助金額が決定されます。補助率については公募要領で詳細が示されますので、必ず最新の公募資料をご確認ください。船舶建造は数億〜数十億円規模の投資となることから、補助金額も相応の規模になることが想定されます。
審査における重要な評価ポイント
本補助事業の採択審査では、主に以下の観点から事業計画が評価されます。
- GHG削減効果の大きさ:従来船舶と比較したCO2排出削減量(t-CO2/年)の定量的な試算が求められます。補助金1億円あたりの削減効果(費用対効果)も重要な比較指標となります。
- 技術の実現可能性:採用する脱炭素技術の成熟度・信頼性が問われます。既に実証実績のある技術を採用する場合は、その実績データを積極的に示してください。
- 事業の継続性:建造後の運航計画・収支見通し・燃料調達計画が現実的であることが評価されます。燃料供給事業者との覚書等があれば添付してください。
- 先進性・波及効果:国内初の技術採用や、業界標準化に向けた波及効果が見込まれる案件は優位に評価される傾向があります。
- 実施体制の確かさ:申請事業者・造船事業者・燃料事業者の連携体制が明確で、それぞれの役割と責任が文書化されていることが重要です。
申請手続きの流れ
申請はjGrantsポータル(jgrants-portal.go.jp)を通じた電子申請で行います。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。未取得の場合は取得手続きに数週間かかるため、早急に手続きを開始してください。
問い合わせ先は環境省地球環境局地球温暖化対策課特別会計執行係(メール:TOKUKAI@env.go.jp)です。添付ファイルの合計が30MBを超える場合は、jGrantsでの受付ができない可能性があるため、申請前に同係へご連絡ください。
注意事項
- 補助金の交付決定前に建造工事を開始した場合は、その費用が補助対象外となります。
- 他の国庫補助金等と同一経費が重複することはできません。
- 補正予算事業のため、公募期間が短期間となる場合があります。公募開始を注視し、迅速に申請準備を進めてください。
- 本事業のステータスは現在「closed(公募終了)」となっています。次回公募の開始については環境省の公式サイトをご確認ください。
お問い合わせ
環境省地球環境局地球温暖化対策課特別会計執行係
メールアドレス:TOKUKAI@env.go.jp
※ファイルが30MBを超える場合は事前にご連絡ください。