【環境省】【R7補正】脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
SHIFT事業は、CO2排出量の診断・計画策定・設備導入を一気通貫で支援する環境省の大型補助金です。工場や事業場のCO2排出実態を専門家が診断し、最適な削減計画を策定した上で、高効率設備の導入費用を補助します。補助上限額に実質的な制限がなく、業種を問わず幅広い事業者が対象です。省エネ法の対応にも直結し、エネルギーコスト削減と脱炭素経営の両立を後押しする制度です。
対象者・申請資格
SHIFT事業の対象となるのは、日本国内に工場・事業場を有し、CO2排出量の削減に取り組む意思のある事業者です。業種や企業規模による制限は基本的になく、製造業から医療・福祉、宿泊業、農林水産業まで幅広い業種が対象です。 主な申請要件として、以下の条件を満たす必要があります。 1. 国内に対象となる工場・事業場を有すること 2. CO2排出量の診断を受け、削減計画を策定する意思があること 3. 設備導入の場合、一定以上のCO2削減効果が見込まれること 4. 補助事業の完了後も継続的にCO2排出量の管理・報告を行えること 5. 暴力団排除に関する誓約に同意できること 特に重要なのは、CO2削減効果の定量的な見込みです。「何トンのCO2を削減できるか」を具体的に示す必要があり、この数値が採択審査の重要な評価ポイントとなります。 なお、過去にSHIFT事業の診断を受けた事業場が、設備導入の段階で再度申請するケースも想定されています。段階的な活用が可能な点も、この事業の特徴です。
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申請ガイド
ステップ1:公募要領の確認と事前準備(申請前1〜2ヶ月)
環境省のウェブサイトまたは執行団体のページから公募要領をダウンロードし、申請要件・対象経費・審査基準を熟読します。並行して、自社の工場・事業場のエネルギー使用データ(電力・ガス・燃料の使用量、請求書等)を過去3年分収集し、CO2排出量の概算を行います。
ステップ2:CO2削減計画の骨子策定
どの設備をどのように更新し、どれだけのCO2を削減するかの計画骨子を作成します。設備メーカーへの見積依頼、CO2削減効果のシミュレーション、投資回収期間の試算を行い、事業の実現可能性と効果を数値で示せるようにします。
ステップ3:申請書類の作成
事業計画書、経費明細書、CO2削減効果の算定根拠、設備仕様書、見積書、会社概要、決算書類等を作成・収集します。CO2削減量の算定には環境省が指定する排出係数を使用し、計算過程を明確に記載することが重要です。
ステップ4:申請書類の提出
電子申請システムまたは郵送にて申請書類一式を提出します。提出期限は厳守で、1分でも遅れると受理されません。余裕を持って提出期限の2〜3日前には送付を完了させましょう。
ステップ5:審査・採択
提出書類に基づく書面審査が行われ、必要に応じてヒアリング(面接審査)が実施されます。CO2削減効果の大きさ、計画の実現可能性、費用対効果が主な審査ポイントです。採択結果は公募期間終了後1〜2ヶ月程度で通知されます。
ステップ6:交付申請・事業実施
採択後、正式な交付申請を行い、交付決定を受けてから事業(設備の発注・導入)を開始します。交付決定前の発注・契約は補助対象外となるため、絶対にフライングしないよう注意が必要です。 ■ 申請時の重要ポイント - CO2削減量は必ず定量的に記載し、算定根拠を明確にする - 見積書は原則2社以上から取得し、経費の妥当性を示す - 事業完了後のCO2排出量モニタリング体制も計画に含める - 省エネ法の定期報告との整合性を意識する
ポイント
審査と成功のコツ
SHIFT事業で採択を勝ち取るには、「CO2削減効果の定量的な説得力」と「計画の実現可能性」の2軸で審査員を納得させることが必要です。以下に、採択率を高めるための具体的な戦略を解説します。 ■ 戦略1:CO2削減効果を最大化する設備選定 審査では「投入した補助金あたりのCO2削減量(コストエフェクティブネス)」が重視されます。単に高額な設備を導入するだけでなく、CO2削減効果が最も大きい設備から優先的に選定することが重要です。 具体的には、まず現状のCO2排出量を設備別に分解し、排出量の大きい設備(ボイラー、工業炉、大型空調等)を優先ターゲットとします。その上で、更新後の設備との比較でどれだけCO2を削減できるかをシミュレーションし、費用対効果の高い組み合わせを選びます。 ■ 戦略2:データに基づく説得力のある計画書 審査員が最も重視するのは、CO2削減効果の算定根拠です。「約○○トンの削減見込み」という曖昧な記述ではなく、以下の要素を明確に記載してください。 - 現状のエネルギー使用量(実績データ) - 現状のCO2排出量(排出係数×エネルギー使用量) - 導入設備のスペック(カタログ値や性能試験データ) - 更新後のエネルギー使用量の推計 - CO2削減量の計算過程と根拠 ■ 戦略3:事業完了後のモニタリング体制 SHIFT事業では、設備導入後のCO2排出量を継続的にモニタリングし、削減効果を検証することが求められます。申請段階でモニタリング体制(誰が、何を、どのような頻度で計測・報告するか)を具体的に示すことで、事業の信頼性が大幅に高まります。 ■ 戦略4:全社的な脱炭素経営との連携 単なる設備更新ではなく、自社の脱炭素経営戦略やSBT(Science Based Targets)、TCFDへの取り組みとの関連性を示すことで、事業の意義と継続性をアピールできます。中長期的なCO2削減ロードマップの中でSHIFT事業をどう位置づけるかを明示しましょう。 ■ 戦略5:専門家の活用 CO2削減計画の策定やエネルギー診断に実績のあるコンサルタント・診断機関を活用することで、計画書の質が格段に向上します。環境省が公開している「SHIFT事業診断機関リスト」も参考にしてください。
対象経費
対象となる経費
設備費
高効率ボイラー、ヒートポンプ、LED照明、インバータモーター、コンプレッサー等の購入費用
工事費
対象設備の搬入・設置・配管・配線・試運転等に係る工事費用
設計費
設備導入に伴うプラント設計、施工設計、電気設計等の費用
診断費
CO2排出量の診断・見える化に係る専門機関への委託費用
計画策定費
CO2削減計画の策定に係るコンサルティング費用
エネルギー管理システム費
FEMS・BEMS等のエネルギー管理システムの導入費用
計測・監視機器費
CO2排出量やエネルギー消費量の計測・監視に必要な機器の費用
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 土地の取得費・賃借料
- 建屋の新築・増築費用
- 既存設備の撤去・処分費用
- 車両・船舶の購入費用
- 消耗品・事務用品費
- 人件費(自社従業員分)
- 間接経費・一般管理費
よくある質問
QSHIFT事業の「SHIFT」とは何の略ですか?
SHIFTは「Support for High-efficiency Installation and Facility Transformation」の略称です。工場・事業場の高効率化と設備転換を支援するという事業の目的を表しています。
Q中小企業でも申請できますか?
はい、中小企業も申請可能です。むしろ中小企業は補助率が優遇されるケースがあり、CO2排出量の多い設備を持つ中小製造業などにとって特に有利な制度です。業種を問わず幅広い事業者が対象となります。
QCO2排出量の診断だけでも補助を受けられますか?
はい、SHIFT事業はCO2排出量の診断(見える化)のみの利用も可能な場合があります。まず自社の排出実態を把握したいという段階の事業者も、診断事業として活用できます。
Q申請から採択までどのくらいかかりますか?
公募期間終了後、通常1〜2ヶ月程度で採択結果が通知されます。今回の公募期間は2025年11月28日〜12月15日と短期間のため、事前準備が重要です。
Q省エネ法の対応にも役立ちますか?
はい、SHIFT事業で実施するCO2排出量の診断や削減計画の策定は、省エネ法で求められるエネルギー管理やCO2排出量報告にも直結します。法規制対応と補助金活用を同時に進められるメリットがあります。
Q複数の事業場を同時に申請できますか?
同一事業者が複数の事業場について申請することは可能ですが、それぞれの事業場ごとにCO2削減計画を策定する必要があります。詳細な条件は公募要領でご確認ください。
Qリース契約での設備導入も対象ですか?
SHIFT事業ではリース契約による設備導入も対象となる場合があります。ただし、リース会社との共同申請が必要になるなどの条件があるため、事前に公募要領で詳細をご確認ください。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
SHIFT事業と併用・組み合わせが可能な他の支援制度を紹介します。ただし、同一設備に対する国の補助金の重複受給は原則として認められないため、対象設備や経費を分けて活用することが重要です。 ■ 併用検討に値する主な制度 【経済産業省:省エネルギー投資促進に向けた支援補助金】 SHIFT事業がCO2削減に特化しているのに対し、経産省の省エネ補助金はエネルギー消費効率の改善に主眼を置いています。異なる設備について両制度を使い分けることで、工場全体の省エネ・脱炭素化を効率的に進められます。 【環境省:工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(ASSET事業)】 ASSET事業はSHIFT事業と連携する位置づけの制度で、先導的・革新的な脱炭素技術の導入を支援します。SHIFT事業で基本的な設備更新を行い、ASSET事業でより先進的な取り組みを進めるという使い分けが可能です。 【中小企業庁:ものづくり補助金】 生産設備の導入に活用でき、省エネ性能の高い設備を選定することでCO2削減にも寄与します。SHIFT事業とは対象経費を分けて併用することが可能です。 【各自治体の省エネ・脱炭素補助金】 多くの都道府県・市区町村が独自の省エネ設備導入補助金を設けています。国の補助金と自治体の補助金は併用可能な場合が多いため、自治体の制度も必ず確認しましょう。 【税制優遇措置】 中小企業等経営強化法に基づく即時償却・税額控除、グリーン投資減税など、設備投資に対する税制優遇を補助金と組み合わせることで、実質負担をさらに軽減できます。 ■ 組み合わせのポイント - 同一設備への国庫補助金の重複は不可。対象設備・経費を明確に分ける - 自治体補助金は国の補助金と併用可能な場合が多い - 税制優遇は補助金の自己負担部分に対して適用可能 - 複数制度の活用により、工場全体の脱炭素化を段階的に推進する戦略が有効
詳細説明
SHIFT事業とは
SHIFT事業(脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業)は、環境省が実施する工場・事業場向けの脱炭素支援プログラムです。「SHIFT」はSupport for High-efficiency Installation and Facility Transformationの略称で、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて産業部門のCO2排出削減を加速させることを目的としています。
事業の3つの柱
1. CO2排出量の見える化(排出量診断)
専門の診断機関が工場・事業場を訪問し、エネルギー使用実態とCO2排出量を詳細に分析します。設備ごとのエネルギー消費量、稼働率、CO2排出係数などを可視化し、どこにどれだけの削減ポテンシャルがあるかを明らかにします。
2. CO2削減計画の策定支援
診断結果に基づき、中長期的なCO2削減ロードマップを策定します。設備更新の優先順位付け、投資回収シミュレーション、段階的な削減目標の設定など、実行可能な計画を専門家とともに作り上げます。
3. 省CO2設備の導入補助
策定した計画に基づく高効率設備の導入費用を補助します。ボイラー、空調設備、照明、コンプレッサー、生産設備など、幅広い設備が対象です。補助上限額に実質的な制限がなく、大規模な設備更新にも対応できます。
対象となる設備例
- 高効率ボイラー・工業炉
- 高効率空調設備(チラー、ヒートポンプ等)
- LED照明・高効率照明制御システム
- 高効率コンプレッサー
- インバータ制御モーター
- 排熱回収装置
- エネルギー管理システム(FEMS等)
- 再生可能エネルギー設備(自家消費型太陽光等)
- 蓄電池・蓄熱システム
補助率・補助額
SHIFT事業の補助率は事業内容や事業者の規模により異なりますが、一般的にCO2削減設備の導入に対して1/3〜1/2程度の補助率が適用されます。特に中小企業に対しては優遇措置が設けられる場合があります。補助上限額には実質的な制限がなく、CO2削減効果が高い大規模プロジェクトにも対応可能です。
他の省エネ補助金との違い
経済産業省の省エネ補助金が「エネルギー消費効率の改善」に主眼を置くのに対し、SHIFT事業は「CO2排出量の削減」に直接フォーカスしています。そのため、CO2排出係数の高い燃料転換(重油→都市ガス等)や、再生可能エネルギーの導入なども対象になりやすい点が特徴です。また、診断から計画策定、設備導入まで一貫した支援を受けられる点も、SHIFT事業ならではの強みです。