【厚生労働省】令和4年度働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
団体単位での包括的な働き方改革支援
事業主団体が傘下の中小企業を取りまとめて申請できる仕組みです。個社では専任担当者を置けない小規模事業者でも、団体のサポートを受けながら時間外労働削減や賃金改善に取り組めます。業界全体の労働環境を底上げできる点が最大の特徴であり、構成事業主の数が多いほどスケールメリットが発揮されます。
上限1,000万円の定額支給
補助率方式ではなく定額支給のため、対象経費の計算がシンプルです。上限1,000万円と比較的高額であり、外部専門家の招聘やシステム導入といった本格的な取り組みにも十分対応できます。事業規模に応じた計画策定が採択のポイントとなります。
全業種対応で幅広い団体が活用可能
製造業、建設業、サービス業、医療・福祉など20業種以上が対象です。業種別組合はもちろん、地域の商工会・商工会議所なども申請でき、異業種混合の団体でも構成事業主に中小企業が含まれていれば対象となります。
時間外労働削減と賃金引上げの二本柱
単なる設備投資ではなく、労働時間の適正化と賃金水準の改善という本質的なテーマに焦点を当てています。36協定の見直し支援や就業規則の整備、生産性向上のためのコンサルティングなど、ソフト面の取り組みも助成対象に含まれます。
ポイント
対象者・申請資格
事業主団体の要件
- 事業主団体(事業協同組合、共同組合連合会、商工会議所、商工会等)であること
- 3事業主以上で構成される事業主団体等であること
- 団体の構成事業主の過半数が中小企業事業主であること
- 1年以上の活動実績があること
構成事業主の要件
- 労働者を雇用する事業主であること
- 中小企業基本法上の中小企業に該当すること
- 労働保険の適用事業主であること
取り組み内容の要件
- 時間外労働の削減または賃金引上げに資する取り組みであること
- 市場調査、新ビジネスモデル開発、就業規則の作成・変更等が対象
- セミナー開催、巡回指導、好事例集の作成等も対象
- 構成事業主の半数以上に対する取り組みであること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事業主団体としての要件確認
まず自団体が申請要件を満たしているか確認します。構成事業主数、中小企業の割合、活動実績年数などを事前にチェックし、必要に応じて都道府県労働局に相談しましょう。
ステップ2:実施計画の策定
傘下の構成事業主に対するニーズ調査を行い、時間外労働削減や賃金引上げに向けた具体的な取り組み内容を決定します。外部専門家の活用、セミナー開催、就業規則整備支援など、効果が見込める施策を計画に盛り込みます。
ステップ3:交付申請書の提出
所定の様式に従い交付申請書を作成し、管轄の都道府県労働局に提出します。実施計画書、団体の概要資料、構成事業主名簿、経費の見積書等を添付します。申請期限は令和4年11月30日まででした。
ステップ4:取り組みの実施と記録
交付決定後、計画に基づいて取り組みを実施します。実施状況を写真や議事録等で記録し、構成事業主ごとの改善状況も把握しておくことが重要です。
ステップ5:支給申請と実績報告
取り組み完了後、実績報告書と支給申請書を都道府県労働局に提出します。経費の支出を証明する書類(領収書、振込明細等)を漏れなく揃えることが助成金受給の決め手となります。
ポイント
審査と成功のコツ
団体内の合意形成を最優先に
外部専門家の活用を具体的に計画する
数値目標と成果指標を明確に設定する
事務局体制の整備が採択の鍵
経費管理と証拠書類の徹底
ポイント
対象経費
対象となる経費
外部専門家謝金(3件)
- 社会保険労務士への相談費用
- コンサルタントへの指導料
- セミナー講師謝金
旅費・交通費(3件)
- 専門家の巡回指導に係る旅費
- 構成事業主訪問の交通費
- セミナー会場への移動費
会議費・印刷費(3件)
- 会議室使用料
- 資料印刷費
- 好事例集の作成・印刷費
委託費(3件)
- 市場調査の外部委託費
- 新ビジネスモデル開発の委託費
- 就業規則作成の委託費
機器・ソフトウェア費(3件)
- 労務管理ソフトの導入費
- 勤怠管理システムの構成事業主への導入支援費
- テレワーク用機器の購入費
その他事業費(3件)
- セミナー会場費
- 通信運搬費
- 消耗品費
対象外の経費
対象外の経費一覧(9件)
- 事業主団体の経常的な運営費(人件費・光熱費等)
- 構成事業主の通常業務に係る経費
- 助成金申請前に発生した費用
- 交付決定前に契約・発注した経費
- 他の助成金・補助金で助成される経費
- 飲食を伴う会合の飲食代
- 団体役員の報酬
- 不動産の取得・賃借に係る費用
- 汎用性のある備品(パソコン・プリンター等の汎用事務機器)
よくある質問
Qどのような団体が申請できますか?
事業協同組合、共同組合連合会、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、その他事業主団体(一定の要件を満たすもの)が申請可能です。構成事業主が3事業主以上で、その過半数が中小企業事業主である必要があります。また、1年以上の活動実績が求められます。任意団体であっても、規約や会則が整備され、代表者が定められている等の要件を満たせば対象となる場合があります。
Q助成金の上限額はいくらですか?
助成金の上限額は1,000万円で、定額支給方式です。補助率方式(経費の2/3等)ではなく、対象経費として認められた額がそのまま支給されます。ただし、取り組み内容や成果目標の達成度により実際の支給額は変動する場合があります。申請時に提出する実施計画と経費見積の精度が、最終的な受給額に影響します。
Q個々の構成事業主が別の働き方改革助成金を申請することはできますか?
はい、可能です。団体推進コースは事業主団体に対する助成であるため、構成事業主が個別に「労働時間短縮・年休促進支援コース」や「勤務間インターバル導入コース」などの他のコースを申請することは認められています。ただし、同一の経費について二重に助成を受けることはできませんので、団体の取り組みと個社の取り組みの経費を明確に切り分ける必要があります。
Q申請から助成金受給までどのくらいの期間がかかりますか?
一般的に、交付申請から交付決定まで1〜2ヶ月、その後の事業実施期間は交付決定日から翌年1月末日程度まで、実績報告から支給決定まで1〜3ヶ月程度かかります。全体として6ヶ月〜1年程度を見込んでおくとよいでしょう。特に年度末は審査が集中するため、できるだけ早期の申請をお勧めします。
Q取り組みの成果が出なかった場合、助成金は返還する必要がありますか?
成果目標の達成状況により助成額が減額される場合はありますが、取り組みを誠実に実施した上で結果として目標未達となった場合に、直ちに全額返還を求められるわけではありません。ただし、虚偽の申請や不正受給が発覚した場合は全額返還に加えペナルティが課されます。また、事業が途中で中止された場合や、計画と大幅に異なる内容で実施された場合は、一部または全部の返還が求められることがあります。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)は、同一の取り組みに対して他の国庫補助金等との併用は原則として認められません。ただし、団体推進コースは事業主団体に対する助成であり、構成事業主が個別に他の働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース等)を申請することは可能です。 具体的には、団体として全体のセミナー開催や巡回指導を本コースで実施し、個々の構成事業主が設備投資を伴う取り組みを「労働時間短縮・年休促進支援コース」で別途申請するといった組み合わせが有効です。ただし、同一経費の二重計上は認められないため、経費の切り分けを明確にする必要があります。 また、都道府県や市区町村独自の働き方改革関連補助金との併用については、各自治体の補助金要綱を確認する必要があります。国の助成金との併用を禁止している場合もあるため、事前に自治体窓口に確認しましょう。キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金など、目的が異なる厚労省の他の助成金との併用は、対象経費が重複しない限り一般的に可能です。
詳細説明
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)の概要
本助成金は、厚生労働省が実施する働き方改革推進の一環として、中小企業の事業主団体が傘下の構成事業主に対し、労働条件の改善に向けた取り組みを行う際の費用を助成する制度です。個々の中小企業では対応が困難な課題に対し、団体の力を結集して取り組むことで、業界全体の働き方改革を加速させることを目的としています。
助成金の背景と意義
2019年4月から順次施行された働き方改革関連法により、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されるようになりました。しかし、経営資源が限られる中小企業が単独でこれらの法的要件に対応するのは容易ではありません。本コースは、事業主団体が「まとめ役」となり、専門家の活用やセミナー開催、モデル就業規則の策定などを通じて、構成企業全体の労務管理レベルを引き上げるという仕組みです。
助成対象となる取り組み
- 市場調査事業:構成事業主の労働条件の実態把握、業界動向の調査分析
- 新ビジネスモデル開発・実験:生産性向上に資する新たな業務プロセスの開発・試行
- 材料費・水光熱費の低減策:コスト削減により賃金引上げの原資を確保する取り組み
- セミナー・研修の開催:労務管理、生産性向上、ハラスメント防止等に関する教育研修
- 巡回指導:専門家が構成事業主を個別訪問し、課題に応じた改善指導を実施
- 好事例集の作成・配布:先進的な取り組み事例を収集・共有
- 就業規則の作成・変更支援:36協定の見直し、年次有給休暇取得促進策の導入支援
助成額と支給方式
助成額は上限1,000万円で、定額支給方式を採用しています。補助率方式と異なり、対象経費として認められた金額がそのまま助成されるため、資金計画が立てやすい点が特徴です。ただし、成果目標の達成状況により助成額が変動する場合があるため、計画段階で実現可能な目標を設定することが重要です。
申請から受給までの流れ
申請は管轄の都道府県労働局を窓口として行います。まず交付申請書と実施計画書を提出し、交付決定を受けた後に取り組みを開始します。交付決定前の着手は助成対象外となるため、スケジュール管理に注意が必要です。取り組み完了後は実績報告書を提出し、審査を経て助成金が支給されます。
申請時の注意事項
- 事業の着手時期:必ず交付決定通知を受けてから事業を開始すること
- 経費の適正管理:全ての支出について証拠書類(契約書・領収書・振込明細等)を保管すること
- 構成事業主の参加率:取り組みへの参加事業主数が計画を下回ると、助成額が減額される場合がある
- 報告義務:助成金受給後も一定期間、成果の報告が求められる場合がある
活用のポイント
本コースを最大限に活用するためには、団体の事務局機能の強化が不可欠です。専任の事務局担当者を置き、構成事業主との定期的なコミュニケーションを図ることで、実効性の高い取り組みが可能になります。また、社会保険労務士や中小企業診断士などの外部専門家を積極的に活用し、個々の構成事業主の課題に応じたきめ細かな支援を行うことが成果につながります。