【厚生労働省】令和3年度働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
団体申請による高額助成
個々の企業ではなく「事業主団体等」が申請主体となるコースです。傘下の構成事業主の労働条件改善を一括して推進することで、最大1,000万円(定額)という高額な助成が受けられます。一つの団体が複数の中小企業をまとめて支援できるため、業界団体・商工会議所・協同組合などが積極的に活用できる制度設計となっています。
時間外労働削減・賃金引上げの両輪支援
本助成金は「時間外労働の削減」と「賃金の引上げ」という働き方改革の2大テーマを同時に支援します。長時間労働の慣行が残る業種の団体が、業務プロセスの見直し、ICTツール導入、就業規則の改定支援などを構成事業主に提供することで、業界全体の労働環境底上げを図ります。
幅広い業種・全国対応
漁業・農林業・建設業・製造業・情報通信業・小売業・医療福祉など、ほぼ全業種の中小企業事業主団体が対象です。地域や業種を問わず広く活用できる汎用性の高い制度であり、都市部・地方を問わず全国の団体が申請できます。
構成事業主への波及効果
団体が実施する取組の効果が、傘下の構成事業主(中小企業)全体に波及する仕組みです。一つの団体の取組によって多数の中小企業の労働環境が改善されるため、費用対効果が高く、業界標準の変革につながります。
多様な取組経費が対象
対象経費は謝金・旅費・借損料・会議費・雑役務費・印刷製本費・機械装置等購入費・委託費など多岐にわたります。働き方改革に必要な各種活動コストをカバーする設計となっており、実態に即した柔軟な申請が可能です。
ポイント
対象者・申請資格
申請主体の要件
- 中小企業事業主の団体であること(事業協同組合、商工会議所、商工会、業界団体等)
- 中小企業事業主の連合団体(上記団体の連合体)であること
- 傘下に労働者を雇用する構成事業主を持つこと
構成事業主の要件
- 中小企業事業主であること(資本金・従業員数が中小企業基本法の基準を満たす)
- 労働者を雇用していること
- 時間外労働の削減又は賃金引上げに向けた取組が必要な状態にあること
取組要件
- 時間外労働削減に向けた取組を実施すること(例:業務効率化のためのセミナー開催、就業規則改定支援、ICTツール導入支援等)
- 賃金引上げに向けた取組を実施すること(例:生産性向上セミナー、コスト削減支援、経営改善支援等)
- 取組が令和3年度の事業計画に基づくものであること
経費要件
- 支出経費が対象経費の範囲内であること
- 証憑書類(領収書・請求書等)が整備されていること
- 取組実施後に実績報告を適切に行えること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:団体内での合意形成・計画立案
事業主団体の役員会や委員会で、構成事業主の労働条件改善ニーズを把握し、取組計画(事業計画書)を作成します。構成事業主へのヒアリングを実施し、時間外労働削減・賃金引上げの目標値と具体的取組内容を明確にします。
ステップ2:交付申請書類の準備・提出
都道府県労働局へ事業計画書・交付申請書・団体概要資料等を提出します。申請は事業計画期間開始前(令和3年度は2021年3月31日〜)に行う必要があります。様式は厚生労働省ウェブサイトからダウンロードします。
ステップ3:交付決定の受領
労働局による審査を経て交付決定通知が届きます。交付決定前に発生した経費は原則として助成対象外となるため、決定通知を受け取るまで費用支出を開始しないよう注意が必要です。
ステップ4:取組の実施・記録
交付決定後、計画した取組(セミナー・研修・就業規則改定支援・ICTツール導入支援等)を実施します。すべての取組について参加者名簿・議事録・領収書・請求書等の証憑を整備・保管します。
ステップ5:実績報告・精算
取組完了後、実績報告書・精算書・証憑書類一式を都道府県労働局へ提出します。審査後に助成金が振り込まれます。申請期限(令和3年度は2021年10月29日)を厳守します。
ポイント
審査と成功のコツ
計画の具体性と実現可能性
構成事業主の参加率・波及効果の明示
証憑書類の完全整備
労働局との事前相談の活用
取組実施期間の余裕確保
ポイント
対象経費
対象となる経費
謝金(3件)
- 外部専門家(社会保険労務士・弁護士等)への講師謝金
- セミナー講師への謝礼
- 調査・研究協力者への謝金
旅費(3件)
- 講師・専門家の交通費・宿泊費
- 担当者の視察・研修参加交通費
- 構成事業主訪問のための交通費
借損料・会議費(4件)
- セミナー会場借料
- 会議室使用料
- 研修施設利用費
- 会議用機材・備品のレンタル費
印刷製本費(3件)
- セミナーテキスト・資料の印刷費
- 就業規則モデル改定例の印刷・製本費
- 取組成果報告書の印刷費
雑役務費(3件)
- 会場設営・運営スタッフ人件費
- 通訳・翻訳費
- アンケート集計・データ入力費
機械装置等購入費(2件)
- 取組実施に必要なIT機器・ソフトウェアの購入費
- 業務効率化ツールの導入費
委託費(3件)
- 取組の一部を外部委託する際の委託費
- 調査・分析業務の委託費
- システム開発・カスタマイズの委託費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 構成事業主個々の設備投資・機器購入費(団体活動費ではなく個社経費)
- 食事代・懇親会費(飲食費全般)
- 交付決定前に発生した経費
- 取組と直接関係のない一般管理費・事務局運営費
- 団体役員・職員の通常業務に係る人件費
- 消耗品費(ボールペン・コピー用紙等の一般事務用品)
- 不動産購入・建設費
- 助成対象期間外に発生した経費
よくある質問
Q申請主体は「団体」ですが、個別の中小企業は申請できないのですか?
はい、団体推進コースの申請主体は「中小企業事業主の団体又はその連合団体」に限定されます。個別の中小企業(個社)は本コースを単独で申請することはできません。個社が直接申請できる助成金としては、同じ働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」や「勤務間インターバル導入コース」などが用意されています。自社が加盟する業界団体や商工会議所等に本コースの申請意向を伝え、団体として申請してもらう形が考えられます。
Q「定額」助成とはどういう意味ですか?補助率何割という形ではないのですか?
「定額」助成とは、実際にかかった費用の一定割合を補助するのではなく、取組内容・規模に応じて一定の上限額(最大1,000万円)まで実費相当を助成する方式です。ただし、申請した全額が自動的に交付されるわけではなく、実際に実施した取組の実績・証憑に基づいて精算されます。実際に支出した経費の範囲内での助成となるため、計上できる経費の種類・金額を事前に正確に把握した上で計画を立てることが重要です。
Q申請期限(2021年10月29日)を過ぎていますが、今からでも申請できますか?
令和3年度分の申請受付は2021年10月29日に終了しており、現在は申請できません。ただし、働き方改革推進支援助成金は毎年度継続して設けられる傾向があります。令和4年度以降の同様の助成金については、厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/)または都道府県労働局にて最新情報をご確認ください。新しい年度の助成金が公募開始された際に速やかに対応できるよう、今から計画準備を進めておくことをお勧めします。
Qどのような取組内容が助成対象として認められますか?
主な対象取組として、①時間外労働削減のためのセミナー・研修の開催、②就業規則・36協定の改定支援、③ICT・業務効率化ツールの活用支援、④賃金引上げに向けた生産性向上セミナーの開催、⑤モデル就業規則・マニュアルの作成・配布、⑥業界内での好事例収集・普及啓発活動などが挙げられます。重要なのは、これらの取組が「構成事業主の労働条件改善」に直結するものであることです。団体自体の一般管理業務や、構成事業主に関係しない活動は対象外となります。
Q助成金を受け取るまでどのくらいの期間がかかりますか?
一般的な流れとして、申請から交付決定まで1〜2ヶ月、取組実施後に実績報告を提出してから振込まで2〜3ヶ月程度かかる場合があります。つまり、全体で半年〜1年程度の期間を見込む必要があります。助成金は事後精算が原則のため、取組にかかる費用は団体が一時的に立替払いする必要があります。資金繰り計画を立てる際にはこの点を考慮してください。
Q構成事業主が大企業の子会社の場合でも対象になりますか?
構成事業主は中小企業事業主であることが要件です。大企業の子会社や関連会社で、実質的に大企業の支配下にある場合(みなし大企業)は対象外となる場合があります。具体的には、大企業が発行株式の総数の2分の1以上を有する中小企業者等は対象外とされています。構成事業主の資本関係については申請前に都道府県労働局に確認することをお勧めします。
Q同じ取組・経費で他の助成金と重複申請することはできますか?
同一の取組・同一の経費について複数の助成金・補助金を重複して受給することは原則禁止されています。ただし、取組内容や経費が明確に区別される場合は、異なる助成金を組み合わせることが可能です。例えば、団体コースで業界全体向けセミナーを実施しつつ、個社が別の助成金で自社独自の設備投資を行うケースは重複に当たりません。不明な場合は必ず都道府県労働局に事前確認してください。
Q事業計画書作成に当たって、社会保険労務士等の専門家に相談するべきですか?
強くお勧めします。働き方改革関連の助成金は、労働法規・就業規則・36協定など専門的知識が必要な分野に関連します。社会保険労務士(特定社会保険労務士)は労働行政に精通しており、事業計画書の作成支援・申請代行・実績報告支援を依頼できます。また、助成金の対象経費には専門家(社会保険労務士・弁護士等)への謝金も含まれる場合があるため、専門家活用コストを助成金で賄える可能性もあります。都道府県社会保険労務士会や中小企業支援センターに相談窓口があります。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)と組み合わせることで、構成事業主(中小企業)の働き方改革をより強力に推進できる制度を紹介します。 **働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)**との連携が最も直接的です。団体コースで団体全体の環境整備を行いつつ、個社レベルでは労働時間短縮コースを活用することで、マクロ(業界)とミクロ(個社)の両面から改革を進められます。 **IT導入補助金**(経済産業省)との組み合わせも有効です。団体コースでICT活用セミナーを開催し、参加した構成事業主が個社単位でIT導入補助金を活用してシステム導入するという流れが理想的です。 **人材開発支援助成金**(厚生労働省)は、団体コースで人材育成研修を実施した後、構成事業主が個社の従業員向け訓練をさらに深めるために活用できます。Off-JT(集合研修)への助成が受けられます。 **業務改善助成金**(厚生労働省)は、最低賃金引上げと設備投資を支援するもので、団体コースで賃上げ支援取組を実施した構成事業主が個社申請することで相乗効果が得られます。 なお、同一取組・同一経費への二重助成は禁止されています。各助成金の対象経費・申請主体・取組内容が重複しないよう、組み合わせ設計時には都道府県労働局・中小企業支援機関への確認を必ず行ってください。
詳細説明
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)とは
本助成金は、厚生労働省が令和3年度に実施した「働き方改革推進支援助成金」の「団体推進コース」です。中小企業事業主の団体(事業主団体等)が、傘下の構成事業主の時間外労働削減や賃金引上げに向けた取組を実施した場合に、最大1,000万円(定額)を助成します。
個別企業ではなく「団体」が申請主体となる点が最大の特徴です。業界団体・商工会議所・商工会・事業協同組合等が積極的に活用できる制度設計となっており、業界全体の働き方改革を一体的に推進できます。
助成対象となる事業主団体等の範囲
- 事業協同組合、協同組合連合会
- 商工会議所、商工会
- 業種別・地域別の業界団体
- 中小企業事業主の連合団体
- その他、傘下に中小企業事業主を有する団体
いずれも傘下に「労働者を雇用する中小企業事業主(構成事業主)」を持つことが必要です。
中小企業の定義(構成事業主)
傘下の構成事業主が中小企業であることが要件です。中小企業基本法上の中小企業者(資本金・従業員数の基準)が対象となります。業種によって基準が異なりますが、例えば製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下などが目安です。
助成対象となる取組の具体例
- 時間外労働削減支援:業務効率化セミナーの開催、就業規則・労使協定の改定支援、ICT活用研修、業務フロー見直しワークショップ
- 賃金引上げ支援:生産性向上セミナー、原価計算・コスト管理研修、経営改善計画策定支援
- 環境整備:モデル就業規則の作成・配布、36協定の適正締結支援、労務管理システム導入支援
- 普及啓発:働き方改革に関するパンフレット・テキストの作成・配布、業界向け事例集の作成
助成額・助成率
- 助成上限額:1,000万円
- 助成率:定額(実費相当を定額で助成)
具体的な助成額は取組内容・実施規模によって異なります。申請時に提出する事業計画書の内容に基づき審査されます。
申請の流れ
- ① 事業計画書の作成・都道府県労働局への交付申請
- ② 審査・交付決定通知の受領
- ③ 取組の実施(証憑書類の整備・保管)
- ④ 実績報告書・精算書の提出
- ⑤ 審査・助成金の振込
注意:交付決定前に発生した経費は助成対象外です。必ず交付決定後に取組を開始してください。
申請期間(令和3年度)
申請受付期間:2021年3月31日〜2021年10月29日(終了済み)。本制度は令和3年度分ですが、同様の助成金制度は毎年度継続して設けられる傾向があります。令和4年度以降の最新情報は厚生労働省ウェブサイト・都道府県労働局にてご確認ください。
問い合わせ先
厚生労働省労働基準局労働条件政策課(新たな働き方推進係)または各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)。電話:03-5253-1111(代表)、受付時間:平日9:30〜18:15。
参照URL:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金