菓子製造業許可
この許可は、パン・ケーキ・和菓子・焼菓子などの菓子を製造・販売する事業者が保健所から取得する営業許可です。食品衛生法第55条に基づき、専用の製造施設が施設基準を満たしている必要があります。申請手数料は東京都の場合で新規16,800円、許可証の交付まで約1〜2週間かかります。有効期間は5〜8年(自治体により異なる)で、期間満了前に更新申請が必要です。飲食店営業許可とは別に取得する必要があり、事前に保健所へ相談して施設基準を確認してから内装工事に着手することが、スムーズな許可取得のポイントです。
16,800円(東京都の場合・新規)
申請から許可証交付まで約1〜2週間(施設検査のスケジュールにより変動)
5〜8年(自治体により異なる)
保健所
菓子製造業許可とは
菓子(パン、ケーキ、和菓子、焼菓子等)を製造して販売する営業を行うには、保健所から菓子製造業の許可を取得する必要があります。飲食店営業許可とは別に必要な許可で、専用の製造施設の基準を満たす必要があります。
こんな事業者が取得する必要があります
ケーキ、パン、和菓子、焼菓子、チョコレート等の菓子を製造・販売する事業者。飲食店内で自家製デザートを製造して販売する場合(テイクアウト含む)も対象。
以下に当てはまる場合、この許可が必要です
保健所への事前相談
施設工事の前に管轄保健所を訪問し、施設基準の詳細と必要書類を確認する。図面があれば持参する
施設の設計・工事
事前相談の結果を踏まえて、施設基準に適合する製造室を設計・施工する。内装業者にも基準を共有する
食品衛生責任者の確保
調理師・栄養士等の資格者を確保するか、養成講習会を受講して資格を取得する
申請書類の準備
営業許可申請書、施設の図面、食品衛生責任者の資格証明書、水質検査成績書(該当する場合)等を準備する
申請書の提出・手数料納付
管轄保健所に申請書類を提出し、申請手数料を納付する
施設検査の立会い
保健所の食品衛生監視員による施設検査に立ち会う。指摘事項があれば速やかに改善する
許可証の受領・掲示
許可証を受領し、施設内の見やすい場所に掲示する。有効期限を確認し更新時期をカレンダーに登録する
申請の流れ
菓子製造業許可の申請から取得までの流れです。標準処理期間は申請から許可証交付まで約1〜2週間(施設検査のスケジュールにより変動)です。
事前相談
施設の工事着工前に管轄保健所に相談し、施設基準を確認します。図面段階で基準に適合しているか確認を受けることで、手戻りを防げます。
施設の準備
施設基準に適合する製造室を整備します。専用の製造室、十分な広さの作業台、手洗い設備(流水式)、原材料や製品の保管設備、防虫防鼠設備等が必要です。
申請書類の提出
必要書類を揃え、管轄保健所に営業許可申請書を提出します。申請手数料を納付します(東京都の場合、新規16,800円)。
施設検査
保健所の食品衛生監視員が施設の立入検査を行い、施設基準への適合を確認します。不適合があれば指摘事項を改善後に再検査となります。
許可証の交付
検査に合格すると営業許可証が交付されます。交付まで申請から1〜2週間程度です。許可証を施設内に掲示して営業を開始できます。
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
営業許可申請書
保健所所定の様式
菓子製造業の営業許可を申請するための基本書類
管轄保健所の窓口またはウェブサイトからダウンロード
施設の構造及び設備を示す図面
製造室の平面図、設備配置図
施設基準(専用の製造室、手洗い設備、保管設備等)への適合を確認するため
自ら作成、または内装業者に依頼
食品衛生責任者の資格を証明する書類
養成講習会修了証、調理師免許等のコピー
食品衛生責任者の配置要件の確認
養成講習会修了時に交付、または既存資格の免許証コピー
水質検査成績書
水道水以外の水を使用する場合
製造に使用する水の安全性を確認するため
登録検査機関に検査を依頼(費用1〜2万円程度)
登記事項証明書
法人の場合
法人の実在と届出者の代表権の確認
法務局で取得(600円)
費用・手数料
申請手数料(公式)
16,800円(東京都の場合・新規)
手数料は自治体により異なる。更新時の手数料も別途必要。
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 約2〜5万円(申請手数料+食品衛生責任者講習+水質検査等。施設工事費は別途) | 10〜20万円(行政書士報酬。申請手数料・施設工事費は別途) |
| 期間 | 2〜3ヶ月(事前相談〜施設工事〜申請〜許可証交付) | 2〜3ヶ月(施設工事期間は変わらない) |
行政書士に依頼するメリット
施設基準のチェック、申請書類の作成、保健所との折衝を全て代行。施設検査の立会いサポートも受けられる。不備による手戻りリスクを最小化できる
おすすめ
初めて食品関連の許可を取得する方は、行政書士に依頼することで施設基準の見落としや書類不備のリスクを大幅に減らせます。特に施設の設計段階からアドバイスを受けられる点が大きなメリットです。既に飲食店営業許可等の取得経験がある方は、自分で行っても問題ありません。いずれの場合も事前相談は必ず自分で保健所を訪問してください。
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
事前相談をせずに内装工事を進めてしまった
結果: 完成した施設が施設基準を満たしておらず、追加工事が必要になり費用と時間が大幅に増加する
対策: 必ず工事着工前に保健所に図面を持参して事前相談を行う。内装業者にも施設基準の資料を共有する
飲食店営業許可だけで菓子のテイクアウト販売を始めてしまった
結果: 菓子製造業の無許可営業となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金の対象。営業停止処分のリスクもある
対策: テイクアウトや通販で菓子を販売する場合は菓子製造業許可が必要。判断に迷う場合は保健所に事前確認する
許可の更新期限を忘れて期限切れになった
結果: 無許可状態での営業は法令違反。期限切れ後は新規申請扱いとなり、手数料が高くなる
対策: 許可証受領時に有効期限を確認し、期限の3〜6ヶ月前にリマインダーを設定する。カレンダーアプリ等で管理する
無許可営業の罰則
食品衛生法第82条により、無許可で菓子製造業を営んだ場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金(併科あり)に処されます。また、許可条件に違反した場合は許可の取消し又は営業停止処分(同法第60条)の対象となります。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Q自宅のキッチンで菓子製造業許可を取れますか?
住居のキッチンとは完全に区画された専用の製造室が必要なため、通常の自宅キッチンでは許可は取れません。自宅で菓子製造業を行う場合は、住居スペースとは独立した製造専用の部屋を設ける必要があります。リフォームの前に保健所に事前相談して施設基準を確認してください。
Q飲食店営業許可を持っていれば菓子製造業許可は不要ですか?
店内でお客様に提供するだけなら飲食店営業許可で足ります。しかし、自家製の菓子をテイクアウト販売、通販、卸売する場合は菓子製造業許可が別途必要です。2021年の法改正で許可業種が整理されたため、最新の基準を保健所に確認することを推奨します。
Qパンの製造・販売も菓子製造業許可で可能ですか?
はい、2021年の食品衛生法改正により、パン類は菓子製造業の範囲に含まれるようになりました。以前は「パン類製造業」として別許可でしたが、現在は菓子製造業許可でパンの製造・販売が可能です。
Q施設検査に不合格になったらどうなりますか?
不合格の場合は、指摘された改善事項を修正した上で再検査を受けます。再検査は通常追加費用なしで行われますが、改善に時間がかかると開業が遅れます。事前相談の段階で図面チェックを受けておくことで、不合格のリスクを大幅に減らせます。
Qネット通販で菓子を販売する場合、追加の届出は必要ですか?
菓子製造業許可があれば通販自体は可能ですが、食品表示法に基づく適切な表示(原材料名、アレルギー表示、消費期限等)が必要です。また、製造所の所在地と異なる場所から発送する場合は別途確認が必要な場合があります。
基本情報
更新手数料: 8,400円(東京都新宿区の場合)
有効期間満了前に更新申請が必要。更新時も施設検査あり。
関連法令
食品衛生法(昭和22年法律第233号)第55条第1項が菓子製造業許可の根拠規定で、「都道府県知事の許可を受けた者でなければ営業をしてはならない」と定めています。許可対象業種は同法施行令第35条に列挙されており、第1号に菓子製造業が規定されています。2021年6月の改正食品衛生法完全施行により、旧「菓子製造業」と旧「パン類製造業」が統合され、現在の菓子製造業でパンの製造も可能になりました。施設基準は各都道府県の食品衛生法施行条例で具体的に定められており、自治体間で若干の差異があります。無許可営業の罰則は同法第82条で2年以下の懲役または200万円以下の罰金(併科あり)と規定されています。また、食品表示法(平成25年法律第70号)に基づく適切な食品表示も義務付けられており、包装して販売する菓子には原材料名、アレルギー表示、消費期限または賞味期限、保存方法、製造者名等の記載が必要です。HACCPに沿った衛生管理も全事業者に義務化されています。
最終更新: 2026年3月20日
あなたの事業に使える補助金を探しましょう
全国の補助金・助成金をエリア・業種・目的から簡単検索。毎日更新で最新情報をお届けします。
補助金を探す