病院開設許可
この許可は、20床以上の入院設備をもつ病院を新しく開設するときに必要な手続きです。医療法第7条に基づき、都道府県知事の許可を受けなければ病院を開くことはできません。診療所(19床以下)とは違い、病床数や病床種別、構造設備、管理体制まで含めて審査されます。事前に病床配分の協議が必要な地域もあり、計画段階から自治体との調整が欠かせません。開設許可 → 工事 → 構造設備使用許可 → 開設届という段階を踏むため、全体で数か月〜半年以上かかることも珍しくありません。
41,000円〜52,000円程度(開設許可)
事前相談から使用前検査・開設届まで数か月から半年超が目安。病床配分審査がある地域ではさらに長期化することがあります。
都道府県知事
病院開設許可とは
20床以上の入院施設を持つ病院を新設・移転・法人化等により開設する際に必要な許可です。申請前の事前相談や病床計画の確認、工事後の構造設備使用許可、開設後の届出まで一連の手続を伴います。
こんな事業者が取得する必要があります
20床以上の病床を有する病院を新設・移転・法人化等により開設しようとする医師、医療法人、地方公共団体その他の開設主体
以下に当てはまる場合、この許可が必要です
事前相談を済ませた
病床配分・医療計画との整合性について、管轄の担当課に相談しました。
開設主体を決めた
個人開設か法人開設かを確定し、必要な資格証・法人書類を洗い出しました。
図面の表記を統一した
平面図・見取図・敷地図で病床種別・各室用途・面積の表記を一致させました。
構造設備使用許可の準備をした
工事完了時に図面どおりの設備が整うことを現場で確認しました。
開設後届出の期限を管理している
開設届や放射線関係届出の期限を工程表に組み込み、担当者を決めました。
申請の流れ
病院開設許可の申請から取得までの流れです。標準処理期間は事前相談から使用前検査・開設届まで数か月から半年超が目安。病床配分審査がある地域ではさらに長期化することがあります。です。
事前相談・病床計画確認
病院は病床配分や医療計画との整合確認が必要な自治体が多く、申請前に担当課へ相談します。東京都では病床配分の申請を開設許可申請に先立って求めています。
開設許可申請
所定様式と添付書類を提出し、開設者、管理者、病床数、構造設備計画の審査を受けます。大阪市では病院開設許可申請書を3部提出する案内です。
工事・開設準備
開設許可後に工事や設備整備を進め、使用前検査に備えて図面どおりに施設を整備します。
構造設備使用許可申請・使用前検査
工事完了後に医療法第27条の使用許可申請を行い、検査と許可証交付を受けてから病院として使用を開始します。
開設届・関連届出
開設後は開設届を提出し、必要に応じて診療用エックス線装置備付届など関連届出を行います。大阪市では開設後10日以内の届出を案内しています。
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
病院開設許可申請書
自治体所定様式。東京都は第1号様式の3、大阪市は様式1。
病院の名称、所在地、開設者、病床計画等を正式に申請するため。
都道府県・保健所設置市の医療法手続ページから入手
開設者の免許証写し・臨床研修等修了登録証写し
開設者が医師又は歯科医師の場合。法人開設では不要な自治体があります。
開設者の資格確認のため。
申請者保有の免許証等
開設者・管理者の履歴書又は職歴書
管理者予定者分も求められます。
管理者等の経歴と適格性を確認するため。
市販様式又は自治体案内様式
定款・寄附行為・登記事項証明書
法人が開設する場合に必要です。
法人格、代表権、開設主体を確認するため。
法人保管書類、法務局
土地・建物の登記事項証明書、公図、賃貸借契約書写し
賃借物件では契約書写しを追加します。
開設場所の権原を確認するため。
法務局、申請者保管書類
見取図・敷地平面図・施設平面図
各室用途、寸法、病床数、病床種別を明示します。
構造設備が法令基準を満たすか審査するため。
設計図書、建築士作成図面
費用・手数料
申請手数料(公式)
41,000円〜52,000円程度(開設許可)
自治体の手数料条例で異なります。公的案内例は大阪市41,000円、新潟県42,000円、東京都52,000円です。別途、構造設備使用許可に43,000円前後の手数料がかかる自治体があります。
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 申請手数料(4〜5万円程度)+証明書取得費・図面作成費 | 専門家報酬は案件規模や病床計画に応じた個別見積りになります |
| 期間 | 事前相談から構造設備使用許可まで数か月〜半年超を見込みます | 図面確認や自治体との調整を並行しやすく、手戻りを減らせます |
行政書士に依頼するメリット
図面と書類の整合チェック、自治体との折衝、複雑な工程管理をまとめて任せられます。
おすすめ
病床配分・法人化・放射線設備が絡む案件は専門家の活用を強くおすすめします。事前相談の段階から同席してもらえると安心です。
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
病床配分の事前相談をする前に、物件契約や設計を固めてしまった
結果: 病床計画の変更が必要になり、設計のやり直しや開業延期につながります。
対策: 候補地が決まった段階で担当課へ相談し、病床数と病床種別の方向性を確認してから契約を進めましょう。
申請図面と実際の工事内容が食い違っていた
結果: 構造設備使用許可の検査で不適合と判定され、追加工事や再検査が必要になります。
対策: 着工前後で申請図面の最新版を設計チームと共有し、変更が出たら早めに担当課へ連絡しましょう。
法人書類(定款・登記事項証明書)の準備が遅れた
結果: 申請の受付自体ができず、許可審査のスタートが遅れます。
対策: 法人設立後すぐに登記事項証明書を取得し、定款の記載内容と一致しているか確認しましょう。
使用許可が下りる前に開業日を確定して広報や採用を先行させた
結果: 検査がずれると、採用した職員の配置や患者への告知をすべて修正しなければなりません。
対策: 開業日は構造設備使用許可の交付を見込んでから設定しましょう。検査日程のずれに備えて余裕を持たせます。
開設後の届出(開設届・放射線関連届出)を後回しにした
結果: 法定期限内に届出できず、行政から是正を求められます。
対策: 開設日基準の届出一覧をつくり、担当者と提出期限を明確にしておきましょう。
無許可営業の罰則
無許可で病院を開設すると医療法第87条第1号により六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金、構造設備の検査・許可前に使用した場合は同法第89条第1号により二十万円以下の罰金の対象です。許可後6か月以上業務を開始しない場合や命令違反等では同法第29条により許可取消し又は閉鎖命令を受けることがあります。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Q何床から病院扱いになりますか?
20床以上の入院施設をもつ場合は医療法上の「病院」に該当します。19床以下は「診療所」です。
Q工事が終わったらすぐ診療を始められますか?
いいえ。工事完了後に構造設備使用許可の検査を受け、許可証が交付されてから使用できます。検査前に使い始めると罰則の対象になります。
Q法人化や移転でも新規の許可が必要ですか?
はい。開設者変更を伴う法人化や、管轄が変わる移転では、新規の開設許可手続きが必要になる場合があります。事前に自治体へ確認しましょう。
Q許可の更新は必要ですか?
定期更新制度はありません。ただし管理者変更や病床数変更など、内容に応じた事前許可や届出は必要です。
Q無許可で開設するとどうなりますか?
医療法第87条第1号により、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。
基本情報
関連法令
中心となるのは医療法第7条第1項で、病院開設には都道府県知事の許可が必要と定めています。病院の定義は同法第1条の5第1項(20床以上の入院施設)です。構造設備使用許可は同法第27条、許可取消し・閉鎖命令は第29条、無許可開設の罰則は第87条第1号、使用許可前の使用に対する罰則は第89条第1号に規定されています。実務では医療法施行規則、各都道府県の医療計画、自治体の手数料条例も確認が必要です。
最終更新: 2026年3月20日
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